バーチャルシャーシスタック(VCS) / 導入
VCSの設定/運用方法について、各機器に対する初期設定、各機器の接続、VCSグループの起動、VCSグループとしての設定から運用開始まで、順を追って説明します。本バージョンにおけるVCSの仕様
ファームウェアバージョン5.5.5-2.1におけるVCSの仕様は以下のとおりです。VCSの設定は、以下の各項目を念頭に置きながら進めてください。基本仕様
- スタック台数(VCSグループあたり)
4台 (マスター 1台、スレーブ 1~3台)
- スタックポート数(メンバーあたり)
2~8ポート
- 同一VCSグループを構成可能なスタックメンバー(機器)の組み合わせ
x540Lシリーズ同士で構成します。
- スタック接続に使用できるポート、モジュール、ケーブル
- 本体カッパーポート(100/1000/2.5G/5G/10GBASE-Tポート)※AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHmのみ
- AT-StackXS/1.0(カッパースタックモジュール。モジュール2個とケーブル1本の一体型です)
- AT-SP10SR(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10LRa/I(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10ER40a/I(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10ZR80/I(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10BD10/I-12・13(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10BD20-12・13(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10BD40/I-12・13(ファイバーSFP+モジュール)
- AT-SP10TW1(SFP+ダイレクトアタッチケーブル。モジュール2個とケーブル1本の一体型です)
- AT-SP10TW3(SFP+ダイレクトアタッチケーブル。モジュール2個とケーブル1本の一体型です)
- 本体カッパーポート(100/1000/2.5G/5G/10GBASE-Tポート)※AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHmのみ
- レジリエンシーリンク
- カッパーポート、カッパーモジュール、ダイレクトアタッチケーブル使用時は必須(使用しない構成はサポート対象外)
- ファイバーモジュール使用時は任意
レジリエンシーリンクとして使用可能なポート
- スイッチポート
- カッパーポート、カッパーモジュール、ダイレクトアタッチケーブル使用時は必須(使用しない構成はサポート対象外)
併用不可機能
VCS構成時は以下の機能を使用できません。- DHCPクライアント
- VRRP
- 攻撃検出
- PIMとRSTPの同時使用
- NTPパケット始点IPアドレス(ntp sourceコマンド)
その他注意事項
- バーチャルMACアドレス機能(VMAC)の設定が必要
バーチャルMACアドレス機能の有効化は、stack virtual-macコマンドで行います。
バーチャルMACアドレス機能は初期設定では無効ですが、VCS使用時は必ずバーチャルMACアドレス機能を有効にした状態で運用してください。無効状態での運用はサポート対象外となります。
なお、同一ネットワーク上に複数のVCSグループが存在する場合は、バーチャルMACアドレスの下位12ビットとして使用されるバーチャルシャーシIDを、該当するVCSグループ間で重複しないように設定してください。バーチャルシャーシIDの設定は、stack virtual-chassis-idコマンドで行います。また、VCSグループのバーチャルシャーシIDは、show stackコマンドをdetailオプション付きで実行したときに表示される「Virtual Chassis ID」欄で確認できます。
- ファームウェアの同期が可能
VCSマスター・スレーブ間において、メンテナンスバージョン間(5.5.5-2.1から5.5.5-2.2など)のファームウェア自動同期が可能です。(メジャーバージョン、マイナーバージョンが異なるファームウェア間の同期は未サポート)
- フィーチャーライセンスは同期する必要あり
フィーチャーライセンスの対象機能を使用する場合は、すべてのメンバーで同一のライセンスを有効化してください。
なお、フィーチャーライセンスが適用された機器でVCS 構成を利用する場合は、各VCSメンバーに同一の「License issue date」を持つフィーチャーライセンスがインストールされている必要があります。
各VCSメンバー間でフィーチャーライセンスの「License issue date」が異なる場合には、ライセンスパスワードを更新する必要がありますので、弊社窓口までご連絡ください。フィーチャーライセンスの「License issue date」は、show licenseコマンドでご確認いただけます。
- アニュアルライセンス適用時の注意事項
VCS構成時にアニュアルライセンスを適用する場合は、VCSスレーブ含む全メンバーのライセンスファイルをVCSマスター側に転送した上で、ライセンスファイルごとにlicense update fileコマンドを実行してください。
- 設定変更時はこまめなコンフィグ保存が必要
コマンド入力による設定変更はただちにVCSグループの動作に反映されます。未保存のままマスターが切り替わっても、新マスターは設定変更後のコンフィグで起動しますが、設定変更後はただちにコンフィグを保存することを推奨します。
- 大きなファイルをインストールする場合はすべてのメンバーの空き領域をあらかじめ確認しておく必要あり
マスターに新たにファイルが作成された場合、VCSグループのメンバーにファイルがコピーされますが、スレーブメンバーのフラッシュメモリーに充分な空きがない場合は、ファイルがコピーされません。この際、ファームウェアのイメージファイルやGUIファイルが未保存のままマスターが切り替わると、ファームウェアのアップデートやWeb GUIの表示が行われません。これを避けるため、大容量のファイルをインストールする場合は、各メンバーの空き領域を確認し、空き領域が不足している場合は不要なファイルを削除するなどして、充分な空き領域を確保するようにしてください。
- VCSマスター/メンバー間のファイル自動同期可否については、以下のとおり(○ = 可、× = 不可)
※1 boot config-fileコマンドにて、起動時コンフィグまたはバックアップ用起動時コンフィグの設定がされていないコンフィグファイルを、マスターからメンバーに移行させる、もしくは障害機から退避させる必要があります。拡張子 ファイル説明 自動同期可否 cfg コンフィグファイル ○ ※1 scp スクリプトファイル ○ txt テキストファイル × ※2 html HTMLファイル × ※2 css cssファイル × ※2 gif GIFファイル × ※2 jar Javaアプレットファイル ○ pub リモートSSHユーザーの公開鍵 × ※2 cer ルートCA証明書(ローカルRadius) ○ p12 ユーザ証明書(ローカルRadius) ○ passwd ローカルユーザパスワードファイル ○ leases DHCPリース関連ファイル ○ leases.gz DHCPリースバックアップファイル ○ tar.gz GUIファイル ○ gui GUIファイル ○
※2 ファイルをマスターからメンバーに移行させる、または障害機から退避させる必要があります。
- DHCPサーバー機能有効時にマスター切り替えが発生するとリース中のIPアドレスのリースタイムが更新される
DHCPサーバー機能を有効にしIPアドレスをリースしている状態で、マスター切り替えが発生すると、DHCPサーバー機能も再起動され、リース中のIP アドレスのリースタイムが更新されます。
- QoSにおいて送信キュー7は使用不可(VCSの制御パケットが使うため)
VCS構成時は、VCSの制御パケットが送信キュー7を使うため、その他のパケットを送信キュー7に割り当てないでください。
具体的には、mls qos map cos-queueコマンドで送信キュー7を使用しないよう設定してください。cos-queueマップの初期設定では、CoS値「7」が送信キュー「7」にマップされているので、VCS構成時は送信キュー「7」を使わないよう、mls qos map cos-queueコマンドでマッピングを変更してください。
- VCSと認証の併用時、トランクグループが認証ポートとして動作している場合の注意事項
VCSと認証の併用時、トランクグループが認証ポートとして動作している場合、スレーブがVCSグループに参加すると、全Supplicantの認証は解除されます。
VCSのマスター切り替えが発生しても、Supplicantの認証情報は保持されますが、スレーブがVCSグループに参加すると、認証は解除されます。
- トリガー使用時の注意事項
VCS構成でトリガーを使用する場合は、次の点にご注意ください。
- マスター切り替え時、新マスターではスタックマスターフェイルトリガー、スタックメンバートリガー(leave)の両方が起動されます。
- スタックリンク障害によってスレーブがポートをリンクダウンしたとき(VCSグループが分断されたとき)、マスターではスタックメンバートリガー(leave)が起動されます。また、スレーブではスタックマスターフェイルトリガーとスタックメンバートリガー(leave)の両方が起動されます。
- スタックリンクトリガーは、2つあるスタックポートのうち、どちらか一方のリンクステータスが変化すれば起動されます。
- マスター切り替え時、新マスターではスタックマスターフェイルトリガー、スタックメンバートリガー(leave)の両方が起動されます。
- SSHのユーザー公開鍵はあらかじめ全スタックメンバーに手動登録しておく必要あり
VCS構成でSSHサーバー機能の公開鍵認証を使用する場合は、あらかじめ同一VCSグループを構成するすべてのスタックメンバーにSSHのユーザー公開鍵を登録しておいてください(任意のスタックメンバーにログインするには、remote-loginコマンドを使います。また、ユーザー公開鍵の登録はcrypto key pubkey-chain userkeyコマンドで行います)。マスターにだけユーザー公開鍵が登録されている状態でマスター切り替えが発生すると、新マスターにはユーザー公開鍵の情報が存在しない状態となり、公開鍵によるSSHログインができなくなります。
- linkUp/linkDownトラップを有効にしている場合の注意事項
VCS構成でlinkUp/linkDownトラップを有効にしている場合、両方のスタックモジュール・ケーブルに障害が発生すると、スレーブメンバーがマスター側スイッチポートの不在を検知し、マスター側スイッチポートのlinkDownトラップを送信します。このとき、マスター側スイッチポートやVLANインターフェースは実際にはダウンしていないので、上位のプロトコルや通信に影響を与えることはありません。
- EPSR-SLP(Super Loop Prevention)使用時の注意事項
VCS構成でEPSR-SLP機能を使用する場合は、次の点にご注意ください。
なお、以下の説明では、EPSRのリング接続用ポートのうち、複数のEPSRドメインに所属している共有ポートを「Common Link」と呼びます。
- Common Linkを持つノードがVCS構成の場合、マスターノードでfailovertimeを5秒に設定してください(epsrコマンドのfailovertimeパラメーターで設定)。
- Common Linkを持つノードがVCS構成であり、かつリング接続用ポートとしてトランクグループではなく単一ポートを使用している場合、次図のようにCommon Link(図の(C))と通常のリング接続用ポート(同 (N))をそれぞれ別のVCSメンバー上に設定してください。

- Common Linkを持つノードがVCS構成であり、かつリング接続用ポートとしてトランクグループではなく単一ポートを使用している場合、スタックリンクがダウンすると1秒未満のループが発生することがあります。
- Common Linkを持つノードがVCS構成の場合、マスターノードでfailovertimeを5秒に設定してください(epsrコマンドのfailovertimeパラメーターで設定)。
- OSPFv2/v3併用時の注意事項
OSPFv2/v3 と併用する場合、グレースフルリスタートは有効(初期設定)にしてください。
- PoE対応機種と非対応機種を混在させる場合の注意事項
同一VCSグループにPoE対応機種と非対応機種を混在させる場合は、次の点にご注意ください。
- PoE非対応機種がマスターになっている状態でCLIから設定を保存すると、コンフィグファイルに「service power-inline」が入りません。この状態でPoE対応機種が後からVCSグループに加入(ジョイン)すると、PoE関連コマンドが有効になりません。PoE対応機種と非対応機種を混在させる場合は、VCSグループで使用するスタートアップコンフィグにservice power-inlineが記述されているかどうかを確認し、記述されていない場合は同コマンドを実行した上で設定を保存しなおしてください(PoE非対応機種がマスターのときでも同コマンドの実行は可能です)。
- PoE非対応機種がマスターになっている状態でCLIから設定を保存すると、コンフィグファイルに「service power-inline」が入りません。この状態でPoE対応機種が後からVCSグループに加入(ジョイン)すると、PoE関連コマンドが有効になりません。PoE対応機種と非対応機種を混在させる場合は、VCSグループで使用するスタートアップコンフィグにservice power-inlineが記述されているかどうかを確認し、記述されていない場合は同コマンドを実行した上で設定を保存しなおしてください(PoE非対応機種がマスターのときでも同コマンドの実行は可能です)。
- マルチキャストドメイン境界ルーター機能使用時の注意事項
メンバー3台以上のVCS構成では、マルチキャストドメイン境界ルーター機能(ip multicast-routing borderコマンド)を使用しないでください。
- auth supplicant-macコマンド使用時の注意事項
VCS構成において、auth supplicant-macコマンドのport-controlパラメーターで特定Supplicantの認証状態を「認証済み」(force-authorized)あるいは「未認証」(force-unauthorized)に固定設定している場合、VCSマスターがダウンすると該当Supplicantの認証状態の表示がそれぞれ次のようになりますが、通信への影響はありません。また、ダウンした旧マスターがVCSグループに復帰(ジョイン)すると正しい表示に戻ります。
通常の表示 VCSマスターダウン時の表示 Force-Authorized Authenticated Force-Unauthorized Down
- スレーブコンソールからのCLIログイン時には、RADIUSサーバーによるログイン認証は不可
VCS構成時、スレーブに接続したコンソールターミナルからのCLIログイン時には、RADIUSサーバーを用いたログイン認証ができません(ユーザー認証データベースによる認証は可能です)。
- ハードウェアパケットフィルター併用時の注意事項
VCS構成時やスタックメンバー参加時に access-groupコマンドが多数設定されていると(例: 複数ポートに大量のaccess-groupコマンドを設定している)、以下のログメッセージが出力される場合があります。
Failed to send ATL CPG msg (udt_data 0) - result -23
この場合、スタックメンバーに一部のハードウェアパケットフィルターが適用されていないため、ハードウェアアクセスリスト(シーケンス番号対応)などを利用して、各スイッチポートに適用するaccess-groupコマンドの行数を減らしてください。
- その他の注意事項
以下の制限事項はVCS構成時に限定されるものではありませんが、とりわけVCS構成において大きな意味を持ちますので、あらためてここに記載します。
- 複数のスイッチチップ(インスタンス)にまたがるトランクグループ(スタティック・LACPとも)では、QoSのメータリングが動作しません。複数インスタンスにまたがるトランクグループに対しては、メータリング(ポリサー)設定(police single-rateコマンド、police twin-rateコマンド)を含むポリシーマップを適用しないでください(適用してもメータリングが動作しません)。
VCS構成で一般的に使用されるマスター・スレーブにまたがったポートトランキングの構成はこのケースにあたりますのでご注意ください。
- 複数のスイッチチップ(インスタンス)にまたがるトランクグループ(スタティック・LACPとも)では、QoSのメータリングが動作しません。複数インスタンスにまたがるトランクグループに対しては、メータリング(ポリサー)設定(police single-rateコマンド、police twin-rateコマンド)を含むポリシーマップを適用しないでください(適用してもメータリングが動作しません)。
初期設定から運用までの流れ
VCSの初期設定から運用までの流れは次のようになります。- 必要な機材の準備
スタックメンバーとなるスイッチ、スタックモジュールなどを準備します。
→ 「必要な機材の準備」をご覧ください。
- スタックメンバーの初期設定
VCSの物理的な接続をする前に、各メンバーの設定状態を確認し、必要な初期設定を行っておきます。
→ 「スタックメンバーの初期設定」をご覧ください。
- スタックメンバーの接続
各メンバーの初期設定が終わったら、メンバー同士を接続してVCSの物理的構成を完成させます。
→ 「スタックメンバーの接続」をご覧ください。
- VCSグループの起動
接続が完了したら、各メンバーの電源を入れてVCSグループを起動します。各スイッチのVCS LEDを見て、マスター(緑点灯)とスレーブ(消灯)が1台ずつ存在していることを確認してください。また、スタックポートのL/A LEDが緑に点灯していることを確認してください。
→ 「VCSグループの起動」をご覧ください。
- VCSグループの初期設定
VCSグループが正しく起動したことを確認したら、その後の設定や運用をしやすくするため、IDやプライオリティーの調整など、いくつかの初期設定を行います。
→ 「VCSグループの初期設定」をご覧ください。
- VCSグループの運用設定と運用開始
VCSグループの初期設定が完了したら、その後はVCSグループを1台のスイッチと見なして、運用ネットワークのための設定を行い、運用を開始します。
→ 「VCSグループの運用設定と運用開始」をご覧ください。
- VCSグループの運用状態確認
VCSグループの運用を開始したら、CLIで運用状態を定期的に確認します。
→ 運用編の「VCSグループの運用状態確認」をご覧ください。
- VCSグループ運用中のメンテナンス作業
VCSグループ運用中に構成を変更する場合や障害が発生した場合は、メンテナンス作業が必要です。
→ 運用編の「VCSグループ運用中のメンテナンス作業」をご覧ください。
必要な機材の準備
VCSグループを構築するのに必要な機材を手元に準備してください。- スタックメンバーになるスイッチ
スタック可能な台数、および、同一VCSグループを構成可能な機器の組み合わせについては、基本仕様をご参照ください。
- スタック接続用モジュール、ケーブルおよびレジリエンシーリンク用ケーブル
スタック接続に使用可能なポート、モジュール、ケーブル、および、レジリエンシーリンクの必要性については、基本仕様をご参照ください。
スタックメンバーの初期設定
スタックメンバーとなるスイッチを用意したら、最初に各スイッチを単体で起動し、以下の作業を行ってください。- ファームウェアバージョンの確認と統一
- スタートアップコンフィグの確認とバックアップ
- スタートアップコンフィグの消去
- フィーチャーライセンスの確認と統一
また、必要に応じて下記の初期設定も実施してください。
以下、具体的な手順を説明します。
- スタックモジュールやスタックケーブルを装着しない状態でスイッチを単体起動したら、コンソールからログインしてください。
- enableコマンドを実行して、特権EXECモードに移行します。
awplus> enable awplus#
- show bootコマンドを実行して、通常用と緊急用のファームウェアイメージを確認します。すべてのスイッチで「Current boot image」と「Backup boot image」の設定が同じになっていることを確認してください。違いがある場合は、必要に応じてイメージファイルをダウンロードし、boot systemコマンドを実行して、これらの設定をあわせてください。
awplus# show boot Boot configuration -------------------------------------------------------------------------------- Current software : x540-5.5.5-2.1.rel Current boot image : flash:/x540-5.5.5-2.1.rel (file exists) Backup boot image : Not set Default boot config: flash:/default.cfg Current boot config: flash:/default.cfg (file exists) Backup boot config : Not set Autoboot status : disabled
- 同じshow bootコマンドの出力にある「Current boot config」欄を確認します。「(file exists)」と表示されている場合は、スタートアップコンフィグが存在していることを示していますので、その内容をファイルにバックアップしておいてください。これにはcopyコマンドを使って次のようにします。ここでは、例として「StandaloneConfig.cfg」というファイルにバックアップしています。
awplus# copy startup-config StandaloneConfig.cfg Copying.. Successful operation
- スタートアップコンフィグをバックアップしたら、erase startup-configコマンドでスタートアップコンフィグを削除します。show bootコマンドで再度確認すると、「Current boot config」欄の末尾に「(file not found)」と表示されていればスタートアップコンフィグは削除されています。
awplus# erase startup-config Deleting.. Successful operation awplus# show boot Boot configuration -------------------------------------------------------------------------------- Current software : x540-5.5.5-2.1.rel Current boot image : flash:/x540-5.5.5-2.1.rel (file exists) Backup boot image : Not set Default boot config: flash:/default.cfg Current boot config: flash:/default.cfg (file not found) Backup boot config : Not set Autoboot status : disabled
- 最後に、フィーチャーライセンスの必要な機能を利用する場合は、show licenseコマンドを実行して有効化されているライセンスを確認します。すべてのメンバーで同じライセンスが有効化されていることを確認してください。
- 以上でスタックメンバーの初期設定は完了です。
スイッチポートをスタックポートとして使用する場合は、以下の説明にしたがい追加の初期設定を行ってください。
追加設定が不要な場合は、各スイッチの電源を切ってください。
スイッチポートをスタックポートとして使用する
本製品の初期設定では、下記がスタックポートに設定されていますが、stackportコマンドによりスタックポートを変更することも可能です。- SFP/SFP+スロット27(S1)、28(S2) - AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHm、AT-x540L-28XS
| 本体カッパーポート (100/1000/2.5G/5G/10GBASE-Tポート) |
1 ~ 24 | 2~8 | AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHm |
| SFP/SFP+スロット | 1 ~ 28 | 2~8 | AT-x540L-28XS |
| 25 ~ 28 | 2~4 | AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHm |
設定手順
スタックポートとして使用するスイッチポートを変更するには、以下の手順を実行します。- グローバルコンフィグモードに移行します。
awplus> enable awplus# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. awplus(config)#
- 現時点のスタックポートを指定し、インターフェースモードに移行します。
stackportコマンドをno形式で実行し、スイッチポートとして設定します。
awplus(config)# interface port1.0.27-1.0.28 % port1.0.27 is currently configured as a stack-port. Use caution when altering its config % port1.0.28 is currently configured as a stack-port. Use caution when altering its config awplus(config-if)# no stackport % Save the config and restart the system for this change to take effect. awplus(config-if)# exit
- switch provisionコマンドを実行し、スタックメンバー1と2の機種を事前設定します。
awplus(config)# switch 1 provision x540-28 awplus(config)# switch 2 provision x540-28
- スタックポートとして使用したいインターフェースを指定し、インターフェースモードに移行します。
対象ポートをスタックポートとして設定するにはstackportコマンドを実行します。
ここでは例として、ポート1.0.1-1.0.2、ポート2.0.1-2.0.2をスタックポートに設定します。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.2 awplus(config-if)# stackport % Save the config and restart the system for this change to take effect. awplus(config-if)# exit awplus(config)# interface port2.0.1-2.0.2 awplus(config-if)# stackport % Save the config and restart the system for this change to take effect. awplus(config-if)# end
- ここまでに行った設定内容をスタートアップコンフィグに保存します。
awplus# write Building configuration... [OK]
以上で設定は完了です。各スイッチの電源を切ってください。
関連する情報表示コマンド
上記の設定は、show stackコマンドをdetailオプション付きで実行したときに表示される「Stack portX.Y.Z status」欄で確認できます。awplus# show stack detail
Virtual Chassis Stacking detailed information
...
Stack member 1:
------------------------------------------------------------------
...
Stack port1.0.x status Learnt neighbor 2
Stack port1.0.y status Learnt neighbor 2
Stack member 2:
------------------------------------------------------------------
...
Stack port2.0.X status Learnt neighbor 1
Stack port2.0.Y status Learnt neighbor 1
以下の情報表示コマンドにもスタックポートの情報が表示されます。
- show interfaceコマンド
スタックポートでは、Hardware isの後ろにStackport Ethernetと表示されます。
awplus# show interface ... Interface port1.0.x ... Hardware is Stackport Ethernet, address is e01a.ea46.0554 ... Interface port1.0.y ... Hardware is Stackport Ethernet, address is e01a.ea46.0554 ...
briefオプション付きで実行すると、スタックポートのProtocol欄には、リンクステータスの前にstackportと表示されます。
awplus# show interface brief Interface Status Protocol ... port1.0.x admin up stackport running port1.0.y admin up stackport running ...
- show interface statusコマンド
スタックポートのVlan欄にはstackportと表示されます。
awplus> show interface status Port Name Status Vlan Duplex Speed Type ... port1.0.x notconnect stackport auto auto not present port1.0.y notconnect stackport auto auto not present ... port2.0.X notconnect stackport auto auto 10GBASE-T port2.0.Y notconnect stackport auto auto 10GBASE-T ...
- show running-configコマンド
show running-config interfaceで実行すると、以下のように表示されます。
awplus# show running-config interface ... ! interface port1.0.x,1.0.y stackport ! ...
スタックメンバーの接続
スタックメンバーの初期設定が終わったら、各スイッチを実際に接続します。モジュールやケーブルの具体的な装着方法や注意事項については、取扱説明書をご覧ください。
- 各スイッチの電源が入っていないことを確認してください。
- 各スイッチにスタックモジュールを取り付けます。
- 各スイッチをスタックケーブルで接続し、スタックリンクを形成します。
スタックポートは各スイッチ2~8ポートずつ使用し、スイッチ間を接続するポートの数が同じになるように配線します。
スイッチ間を接続する際に、使用するポート番号に指定はありません。
スタック台数と使用可能なポート数の関係は次のとおりです。
スタック台数 各スイッチ上のスタックポート数 スイッチ間を接続するポート数 2台 2ポート 2ポート 3ポート 3ポート 4ポート 4ポート 5ポート 5ポート 6ポート 6ポート 7ポート 7ポート 8ポート 8ポート 3台以上 2ポート 1ポート 4ポート 2ポート 6ポート 3ポート 8ポート 4ポート 

以下の説明では、各メンバー2ポートずつ使用してスイッチ間を接続する例を示します。スタックポートには、デフォルトのスタックポートであるポート27(S1)~28(S2)を使うものと仮定します。
2台構成の場合、たとえばスタックポート27をスイッチBのスタックポート28に、スイッチBのスタックポート27をスイッチAのスタックポート28に接続します。

3台以上の構成の場合も同様で、たとえばスイッチAのスタックポート27をスイッチBのスタックポート28に、スイッチBのスタックポート27をスイッチCのスタックポート28に、スイッチCのスタックポート27をスイッチAのスタックポート28に接続します。

- 以上でスタックメンバーの接続は完了です。
VCSグループの起動
スタックメンバーの接続が終わったら、いよいよVCSグループを起動します。これは以下の手順で行います。- 各スイッチに同時に電源を入れます。
- 各メンバーは、起動後にメッセージを交換してマスターを選出します。これらが済むと、VCSグループの起動は完了です。各スイッチのVCS LEDを見て、マスター(緑点灯)とスレーブ(消灯)が1台ずつ存在していることを確認してください。また、スタックポートのL/A LEDが緑に点灯していることを確認してください。
- LED表示に問題がなければVCSグループの起動は完了です。
VCSグループの初期設定
VCSグループが起動したら、その後の設定や運用がしやすいように、スタックメンバーIDやプライオリティーを調整します。また、運用ネットワークとVCS管理用VLAN/サブネットアドレスが重複しないことを確認し、必要なら管理用VLAN/サブネットアドレスを変更します。たとえば、2台のスイッチでVCSグループを構成している場合、2台のスイッチを配置順にID=1、ID=2としておき、ID=1をマスターにするのがもっとも直感的で、ケーブルの接続時やポートの設定時にもわかりやすく便利です。
ここでは、例としてVCSグループ起動直後のID割り当てが次のようになったと仮定して、これを前記のようなわかりやすい構成に変更する手順を示します。

- いずれかのスイッチにコンソールを接続してログインします。どちらのスイッチにコンソールを接続しても、表示されるのはマスター(VCSグループ)のコンソール画面となります。
- enableコマンドを実行して、特権EXECモードに移行します。
awplus> enable awplus#
- スタックメンバーIDを変更するため、次のコマンドを実行します。これによりスイッチAがID=1となり、スイッチBがID=2になります。stack renumber cascadeコマンドを実行すると、新しいIDを有効にするため、各スイッチが自動的に再起動します。
awplus# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. awplus(config)# stack 2 renumber cascade Any existing interface configuration may no longer be valid Are you sure you want to renumber and reboot the entire stack? (y/n): y ↓
- 各スイッチのVCS LEDを見て、マスター(緑点灯)とスレーブ(消灯)が1台ずつ存在していることを確認してください。また、スタックポートのL/A LEDが緑に点灯していることを確認してください。手順3の操作により、VCSグループのID割り当てと役割分担は次のようになるはずです。

次にスイッチAをマスターにするため、プライオリティーの変更を行います。
- もう一度ログインしたら、hostnameコマンドでVCSグループとしてのホスト名を設定し、VCSグループを識別しやすくします。
awplus> enable awplus# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. awplus(config)# hostname vcg
- スイッチAをマスターにするため、スイッチAのプライオリティーを初期値の128より小さく設定します。ここでは例として64にします。これには、グローバルコンフィグモードのstack priorityコマンドを使います。このコマンドでは対象メンバーをIDで指定するため、ここではスイッチAのIDである1を指定しています。
vcg(config)# stack 1 priority 64
- VCSマスター障害発生時のマスター切り替えをスムーズに行うため、stack virtual-macコマンドでバーチャルMACアドレス機能を有効化します。
また、stack virtual-chassis-idコマンドで、バーチャルMACアドレスの下位12ビットとして使用されるバーチャルシャーシIDを設定します。
vcg(config)# stack virtual-mac vcg(config)# stack virtual-chassis-id 127
- VCS管理用VLANとサブネットアドレスの確認をし、必要に応じて変更します。運用ネットワークの設計資料を参照して、以下の2点を確認してください。
- 運用ネットワーク上で192.168.255.0/27(192.168.255.0~192.168.255.31)のIPアドレスを使用していないかどうか?
これらのアドレスをVCSグループに直接設定しなくても、VCSグループから到達できる場所にこれらのアドレスを使うネットワークがある場合は、次に述べる手順にしたがって管理用サブネットのアドレスを変更してください。
もし、運用ネットワーク上で該当アドレスを使用している場合は、グローバルコンフィグモードのstack management subnetコマンドでVCS管理用サブネットのIPアドレスを変更し、運用ネットワークと重複しないようなアドレスを指定してください。
vcg(config)# stack management subnet 172.21.255.64
なお、管理用サブネットのサブネットマスクは/27(ホスト部5ビット)固定です。
- VCSグループ自体が、運用ネットワーク側でVLAN ID 4094を使用していないかどうか?
もし、VCSグループ上でVLAN ID 4094を使用する場合は、グローバルコンフィグモードのstack management vlanコマンドでVCS管理用VLANを変更し、運用ネットワークと重複しないようなVLAN IDを指定してください。
vcg(config)# stack management vlan 4000
- 運用ネットワーク上で192.168.255.0/27(192.168.255.0~192.168.255.31)のIPアドレスを使用していないかどうか?
- ここまでに行ったVCSグループに対する初期設定内容をshow running-configコマンドで確認した上でスタートアップコンフィグに保存し、reloadコマンドかrebootコマンドでVCSグループを再起動します。
vcg(config)# end vcg# show running-config ...(表示されるコンフィグに問題がないことを確認) ... vcg# copy running-config startup-config Building configuration... [OK] Synchronizing file across the stack, please wait.. File synchronization with stack member-1 successfully completed [DONE] vcg# reload Are you sure you want to reboot the whole stack? (y/n): y ↓
- 各スイッチのVCS LEDを見て、マスター(緑点灯)とスレーブ(消灯)が1台ずつ存在していることを確認してください。また、スタックポートのL/A LEDが緑に点灯していることを確認してください。ここまでの操作により、VCSグループのID割り当てと役割分担は次のようになったはずです。

これでVCSグループとしての初期設定は完了です。
VCSグループの運用設定と運用開始
スタックメンバーの初期設定が完了したら、運用ネットワークのための設定に入ります。VCSグループを仮想的な1台のスイッチと見なして、通常どおりネットワークの設定を行ってください。設定が完了したら最後にレジリエンシーリンクを有効化し、設定を保存してください。- いずれかのスイッチにコンソールを接続してログインします。どちらのスイッチにコンソールを接続しても、表示されるのはマスター(VCSグループ)のコンソール画面となります。
ログインしたら、単独のスイッチを設定するときと同じようにネットワーク構成に応じたインターフェースやプロトコルの設定を行ってください。
設定コマンドでスイッチポート番号を指定するときは、「portX.Y.Z」の形式で指定します。
- XはスタックメンバーID(1~8)です。
- Yは拡張モジュールベイの番号です。本製品ではつねに「0」(本体)を指定します。
- Zは本体のポート番号です。
- XはスタックメンバーID(1~8)です。
- ネットワークの設定が終わったら、レジリエンシーリンクを接続します。
カッパーポート、ダイレクトアタッチケーブルを使用する場合、レジリエンシーリンクを使用しない構成はサポート対象外ですので、運用に入る前に必ずこの設定を行ってください。
なお、ファイバースタックモジュールを使用する場合、レジリエンシーリンクの使用は任意ですが、使用するときは下記の手順にしたがって設定・接続してください。レジリエンシーリンクを使用しない場合、本手順は不要です。
- レジリエンシーリンク用の内部VLANを指定します。未作成のVLAN(vlanコマンドで定義していないVLAN)を1つ選び、stack resiliencylinkコマンドでVLANインターフェース名の形式で指定してください。ここでは例として、VLAN ID = 4001をレジリエンシーリンク用に使うものとします。
vcg> enable vcg# configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. vcg(config)# stack resiliencylink vlan4001
- レジリエンシーリンク用のスイッチポートを各メンバーに2つずつ指定します。レジリエンシーリンク用に使うスイッチポートを指定してインターフェースモードに入り、switchport resiliencylinkコマンドを実行してください。ここでは各メンバーのポート1と2をレジリエンシーリンク用に使うものとします。ID=1、2の2台構成の場合は、次のようなコマンドになります。
3台以上の場合も同様に設定してください。
vcg(config)# interface port1.0.1-1.0.2,port2.0.1-2.0.2 vcg(config-if)# switchport resiliencylink
- レジリエンシーリンク用に設定した各メンバーのスイッチポート同士をイーサネットケーブルで接続します。接続順序は任意ですが、スタックリンクと同じ構成にするのがわかりやすいでしょう。
2台構成の例

3台構成の例(4台構成の場合も同様です)

- レジリエンシーリンク用の内部VLANを指定します。未作成のVLAN(vlanコマンドで定義していないVLAN)を1つ選び、stack resiliencylinkコマンドでVLANインターフェース名の形式で指定してください。ここでは例として、VLAN ID = 4001をレジリエンシーリンク用に使うものとします。
- 設定内容を確認し、スタートアップコンフィグに保存します。
vcg(config)# end vcg# show running-config ...(表示されるコンフィグに問題がないことを確認) ... vcg# copy running-config startup-config Building configuration... [OK] Synchronizing file across the stack, please wait.. File synchronization with stack member-2 successfully completed [DONE] vcg#
- これで運用前の設定は完了です。各スイッチのポートを実ネットワークに接続し、運用を開始してください。VCSグループとしての動作状況は、スタンドアローン時にも使用する各種コマンドで確認できるほか、SNMPやログでも確認可能です。
接続が完了している場合、マスター側のVCS LEDが緑点灯、スレーブ側のVCS LEDが消灯し、スタックポートのL/A LEDが緑に点灯します。