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CentreCOM AR100 シリーズ 設定例集 2.3 #24

専用線によるインターネット接続(DNSリレー/DHCPサーバー)


専用線を使ってインターネットサービスプロバイダー(ISP)に接続します。この例では、DNSリレーとDHCPサーバーの設定を追加しています。また、ファイアウォールで外部からの不正アクセスを防止します。

DNSリレーは、本ルーターに対するDNSリクエストを、他のサーバーにリレーする機能です。

クライアント側で本ルーターをDNSサーバーに指定しておけば、DNSサーバーのアドレスが変更されても、本ルーターに設定されているサーバーアドレスを変更するだけですみます。個々のクライアントの設定は変更する必要がないため、管理・保守効率が向上します。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。この例では、DHCPサーバー機能を併用し、ARルーターをDNSサーバーとして使うよう各クライアントに通知しています。ARルーターは、受け取ったDNSリクエストをISPのネームサーバーにリレーします。


表 1:ルーターの基本設定
TDMグループ名 ISP
回線速度 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 202.10.1.10/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24
DNSサーバーのIPアドレス 202.10.2.192
DHCPサーバー機能 使う



表 2:ルーターのDHCPサーバー設定
DHCPポリシー名 subnet10
使用期限 3600(秒)
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトルート 192.168.10.1
DNSサーバー 192.168.10.1(ISPのDNSにリレーする)
DHCPレンジ名 ip10
提供するIPアドレスの範囲 192.168.10.128〜192.168.10.130(3個)



ルーターの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「ISP」を作成します。


  3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。


  4. IPモジュールを有効にします。


    Note - IPモジュールはデフォルトで有効になっているため、通常このコマンドは不要です(入力すると「IP module is already enabled」というエラーが出ますが問題はありません)。

  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  7. デフォルトルートを設定します。


  8. 本ルーターが使用するDNSサーバーのIPアドレス(ISPから提供されたもの)を設定します。


  9. DNSリレー機能を有効にします。


  10. ファイアウォール機能を有効にします。


  11. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  12. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。


  13. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、TCP-RSTを返すよう設定します。


  14. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。


  15. エンハンストNATの設定を行います。LAN側(eth0)ホストのIPアドレスを、ISPから割り当てられたグローバルアドレス(ppp0のアドレス)に変換するよう設定します。


  16. ルーターのDHCPサーバー機能を有効にします。


  17. DHCPポリシー「subnet10」を作成します。IPアドレスの使用期限は3,600秒(1時間)とします。


  18. クライアントに提供する情報を設定します。ここでは、DNSサーバーアドレスとして、ルーターのLAN側(eth0)インターフェースのIPアドレスを指定しています。DNSリレー機能により、ルーターはLAN側クライアントからのDNSリクエストをISPのDNSサーバーにリレーします。


  19. クライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。ここでは、192.168.10.128〜192.168.10.130の3個を指定しています。


  20. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


メモ

■ ISPからログイン名とパスワードを指定されている場合は、手順3の次に以下のコマンドを追加してください。ここでは、ログイン名として「ispuser」、パスワードとして「isppasswd」を設定しています。



■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。


記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。



■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。


記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。



■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。

まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=202.10.1.10 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0
SET IP NAMESERVER=202.10.2.192
ENABLE IP DNSRELAY
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACHABLE
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0
ENABLE DHCP
CREATE DHCP POLICY=subnet10 LEASETIME=3600
ADD DHCP POLICY=subnet10 SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1
CREATE DHCP RANGE=ip10 POLICY=subnet10 IP=192.168.10.128 NUMBER=3





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