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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #53

Ethernetによる端末型インターネット接続(DHCP)


ケーブルモデムやxDSLモデムを介して、Ethernetでインターネットサービスプロバイダー(ISP)に接続します(PPPoEは使用しません)。CATV系プロバイダーなどによく見られる接続形態です。この例では、DHCPによりグローバルIPアドレスを動的に割り当てられる端末型接続の基本設定を示します。ダイナミックENATで1個のアドレスを共用し、ファイアウォールで外部からの不正アクセスを防止します。また、LAN側クライアントの設定を簡単にするため、DNSリレーとDHCPサーバーも利用します。

ISPからは、以下の情報を提供されているものとします。

表 1:ISPから提供された情報
IPアドレス グローバルアドレス1個(DHCPによる動的割り当て)
ゲートウェイアドレス DHCPサーバーから通知される
DNSサーバー DHCPサーバーから通知される


Note - ISPによっては、これらの情報に加えて「コンピューター名」を指定される場合があります。その場合は、SET SYSTEM NAMEコマンドでコンピューター名を設定しておく必要があります。詳しくは本章末尾のメモをご覧ください。

ルーターには、次のような方針で設定を行います。


以下、ルーターの基本設定とDHCPサーバーの設定についてまとめます。

表 2:ルーターの基本設定
WAN側(eth0)IPアドレス DHCPサーバーから取得する
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.10.1/24
DHCPサーバー機能 有効


表 3:ルーターのDHCPサーバー設定
DHCPポリシー名 BASE
使用期限 7200(秒)
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトルート 192.168.10.1
DNSサーバー 192.168.10.1
DHCPレンジ名 LOCAL
提供するIPアドレスの範囲 192.168.10.100〜192.168.10.131(32個)



ルーターの設定

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. ISPのDHCPサーバーから取得したIPアドレスを、WAN側(eth0)インターフェースに割り当てるよう設定します。また、デフォルトルート、DNSサーバーアドレスの設定も、DHCPサーバーからの情報に基づいて自動的に行われます。


  3. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  4. DNSリレー機能を有効にします。


  5. ファイアウォール機能を有効にします。


  6. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  7. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。


    Note - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。

  8. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。


  9. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。


  10. LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。グローバルアドレスには、WAN側(eth0)インターフェースのIPアドレスを使用します。


  11. LAN側PCのためにDHCPサーバー機能を有効にします。


  12. DHCPポリシー「BASE」を作成します。IPアドレスの使用期限は7,200秒(2時間)とします。


  13. DHCPクライアントに提供する情報を設定します。ここでは、DNSサーバーアドレスとして、ルーターのLAN側インターフェースのIPアドレスを指定しています。


  14. DHCPクライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。


  15. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


メモ

■ 接続時に「コンピューター名」の指定が必要な場合は、手順1の前に以下のコマンドを実行してください。ここでは、ISPから「deilla1234-2」というコンピューター名を使うよう指示されたものと仮定します。


■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。


記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。


■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。


記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。

まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=eth0 IP=DHCP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ENABLE IP DNSRELAY
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=eth0
ENABLE DHCP
CREATE DHCP POLICY=BASE LEASETIME=7200
ADD DHCP POLICY=BASE SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1
CREATE DHCP RANGE=LOCAL POLICY=BASE IP=192.168.10.100 NUMBER=32 PROBE=ARP





CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #53

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