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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #91 
NAT機器をはさむ2点間IPsec VPN(ESP over UDP、XAUTHによるRADIUS認証)
インターネット上に暗号化されたトンネルを張り、2つの拠点をIP接続するIPsec VPNの設定例です(自動鍵管理)。IPsecルーター間に既設のNAT機器(ダイヤルアップルーターなど)が存在する環境を想定し、NAT機器の設定を変更することなくNAT経由でIPsec(ESP)を使用するため、ESPパケットをUDPでカプセル化するESP over UDPを使用しています。また、IKEの相手ルーター認証には、既存の認証システム(ここではRADIUS)を利用できるXAUTH(拡張認証)を使っています。
なお、この構成では常にルーターBから通信が開始されるため、NAT機器に特別な設定をする必要はありません。ただし、無通信時にセッション情報がNAT変換テーブルから消えてしまわないよう、ルーターB側から定期的にUDPパケットを送信するようにします(UDPハートビート機能)。
ここでは、次のようなネットワーク構成を例に解説します。
表 1
  |  | ルーターA | ルーターB | 
  | WAN側物理インターフェース | eth0 | − | 
  | PPPユーザー名 | user@isp | − | 
  | PPPパスワード | isppasswd | − | 
  | PPPoEサービス名 | 指定なし | − | 
  | WAN側(ppp0)IPアドレス | 12.34.56.78/32 | − | 
  | LAN側(vlan1)IPアドレス(1) | 192.168.10.1/24 | 192.168.20.1/24 | 
  | LAN側(eth0)IPアドレス(2) | − | 192.168.100.254/24 | 
  | デフォルトゲートウェイ | ppp0(WAN側) | 192.168.100.1(NATボックス) | 
表 2:IKEフェーズ1(ISAKMP SAのネゴシエーション)
  | ルーター間の認証方式 | 事前共有鍵(pre-shared key) + XAUTH | 
  | IKE交換モード | Aggressiveモード | 
  | 事前共有鍵 | secret(文字列) | 
  | ルーターBのXAUTHユーザー名 | RouterB | 
  | ルーターBのXAUTHパスワード | PasswordB | 
  | RADIUSサーバー | 192.168.10.5 | 
  | RADIUSサーバーの共有パスワード | himitsu | 
  | ルーターAのID | IPアドレス:12.34.56.78(デフォルト) | 
  | ルーターBのID | 名前:remote | 
  | Oakleyグループ | 1(デフォルト) | 
  | ISAKMPメッセージの暗号化方式 | DES(デフォルト) | 
  | ISAKMPメッセージの認証方式 | SHA1(デフォルト) | 
  | ISAKMP SAの有効期限(時間) | 86400秒(24時間)(デフォルト) | 
  | ISAKMP SAの有効期限(KByte数) | なし(デフォルト) | 
  | 起動時のISAKMPネゴシエーション | 行わない | 
表 3:IKEフェーズ2(IPsec SAのネゴシエーション)
  | SAモード | トンネルモード | 
  | セキュリティープロトコル | ESP(暗号+認証) | 
  | 暗号化方式 | DES | 
  | 認証方式 | SHA1 | 
  | IPsec SAの有効期限(時間) | 28800秒(8時間)(デフォルト) | 
  | IPsec SAの有効期限(KByte数) | なし(デフォルト) | 
  | トンネリング対象IPアドレス | 192.168.10.0/24 ←→ 192.168.20.0/24 | 
  | トンネル終端アドレス | 12.34.56.78(A)・不定(B) | 
  | インターネットとの平文通信 | 行う | 

- IPsecはセキュリティーモードでないと動作しないので、同モードで管理設定を行うことのできるSecurity Officerレベルのユーザーをあらかじめ登録しておきます。
 
   
    ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER ↓
 
 
Note
 - Security Officerのパスワードは厳重に管理してください。
 
 
- WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にPPPインターフェースを作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。
 
   
    CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY ↓
 
 
- ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。
 
   
    SET PPP=0 OVER=eth0-ANY USER=user@isp PASSWORD=isppasswd BAP=OFF LQR=OFF ECHO=ON ↓
 
 
 
 
 
 
- IPモジュールを有効にします。
 
   
 
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。
 
   
    ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
 
 
- WAN側(ppp0)インターフェースにISPから割り当てられたIPアドレスを設定します。
 
   
    ADD IP INT=ppp0 IP=12.34.56.78 MASK=255.255.255.255 ↓
 
 
- デフォルトルートを設定します。
 
   
    ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
 
 
- ファイアウォール機能を有効にします。
 
   
 
- ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。
 
   
    CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
 
 
- ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。
 
   
    ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
 
 
Note
 - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。
 
 
- ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。
 
   
    DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
 
 
- ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
 
 
- LAN側(vlan1)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。
 
   
    ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE ↓
 
 
- WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。
 
   
    ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
 
 
 
- LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。グローバルアドレスには、ppp0のIPアドレスを使用します。
 
   
    ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0 ↓
 
 
- このままでは、対向ルーターからのISAKMPパケットがファイアウォールを通過できないので、穴をあける設定をします。
 
   
    ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 ACTION=ALLOW INT=ppp0 PROT=UDP GBLPORT=500 GBLIP=12.34.56.78 PORT=500 IP=12.34.56.78 ↓
 
 
- また、ISAKMPパケットと同様に、ESPパケットをカプセル化しているUDPパケット(ESP over UDP)も通すよう設定します。ESP over UDPは、デフォルトでUDPのポート2746番を使用します。
 
   
    ADD FIREWALL POLICY=net RULE=2 ACTION=ALLOW INT=ppp0 PROT=UDP GBLPORT=2746 GBLIP=12.34.56.78 PORT=2746 IP=12.34.56.78 ↓
 
 
- ローカルLANからリモートLANへのパケットにはNATをかけないよう設定します。
 
   
    
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=3 ACTION=NONAT INT=vlan1 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254 ↓
 SET FIREWALL POLICY=net RULE=3 REMOTEIP=192.168.20.1-192.168.20.254 ↓
 
 
 
- 基本ルールのままではIPsecパケットまで遮断されてしまうので、これらのパケットを通過させるためのルールを設定します。「ENCAP=IPSEC」は、IPsecパケットからオリジナルのパケットを取り出したあとでこのルールを適用することを示します。よって、以下のコマンドは、「取り出したパケットの終点が192.168.10.1〜192.168.10.254、つまり、ローカル側LANならばNATの対象外とする」の意味になります。
 
   
    
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=4 ACTION=NONAT INT=ppp0 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254 ENCAP=IPSEC ↓
 
 
 
- ここからがIPsecの設定になります。最初にISAKMPで使用する事前共有鍵(pre-shared key)を作成します。
 
   
    CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE="secret" ↓
 
 
Note
 - このコマンドはコンソールから直接入力したときだけ有効で、エディターなどで設定ファイルに記述した場合は無効になります。
 
 
- ルーターBとのIKEネゴシエーション要求を受け入れるISAKMPポリシー「i」を作成します。KEYには、前の手順で作成した事前共有鍵(鍵番号「1」)を指定します。また、この例では相手のアドレスが不定なため、PEERにANYを、REMOTEIDに相手のID値を指定し、「MODE=AGGRESSIVE」でAggressiveモードを使用するよう設定します。また、XAUTHによるRADIUS認証を併用します。こちらは認証を要求する側なので、「SERVER」モードとします。
 
   
    
CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=ANY KEY=1 SENDN=TRUE MODE=AGGRESSIVE REMOTEID="remote" ↓
 SET ISAKMP POLICY=i XAUTH=SERVER XAUTHTYPE=RADIUS ↓
 
 
 
 
 
- XAUTHで使用するRADIUSサーバーを登録します。
 
   
    ADD RADIUS SERVER=192.168.10.5 SECRET="himitsu" ↓
 
 
- IPsec通信の基本仕様を定義するSAスペック「1」を作成します。セキュリティープロトコル、暗号、ハッシュの両アルゴリズムを指定します。UDPトンネリングを使うときは、セキュリティープロトコルAHは使用できませんのでご注意ください。
 
   
    CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROT=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA ↓
 
 
- SAスペックをとりまとめるSAバンドルスペック「1」を作成します。ESPとAHを併用する場合などは、複数のSAスペックを作成して、本コマンドのSTRINGパラメーターで「1 and 2」のように指定します。この例ではSAスペックが1つだけなので、単に「1」と指定します。
 
   
    CREATE IPSEC BUNDLESPEC=1 KEYMAN=ISAKMP STRING="1" ↓
 
 
- ESP over UDPパケットを通過させるためのIPsecポリシー「udp」を作成します。ESP over UDP使用時は必ずこのポリシーを作成してください。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=udp INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=2746 TRANSPORT=UDP ↓
 
 
- ISAKMPパケットを通過させるためのIPsecポリシー「isa」を作成します。ISAKMP使用時は必ず最初にこのポリシーを作成してください。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=isa INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP ↓
 
 
- IPsec通信の範囲を指定するIPsecポリシーを作成します。ここで指定した条件に一致するパケットに対して、BUNDLEパラメーターで指定したSAバンドルスペックに基づくIPsec処理が行われます。INTERFACEパラメーターで指定したインターフェースを通過するときに、IPsecの暗号化、復号化処理が行われます。相手がNATを使っているため、ISAKMPの認証をパスしたものだけを指定する意味で、PEERにDYNAMICを指定します。
 
   
    
CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=ppp0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=DYNAMIC ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.10.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.20.0 RMA=255.255.255.0 ↓
 
 
 
- UDPトンネリングを有効にします。これにより、UDPのポート2746番でESP over UDPパケットをリスニングするようになります。
 
   
    SET IPSEC POLICY=vpn UDPTUNNEL=TRUE ↓
 
 
- インターネットとの通信を素通しさせるIPsecポリシー「inet」を作成します。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=inet INT=ppp0 ACTION=PERMIT ↓
 
 
- IPsecを有効化します。
 
   
 
- ISAKMPを有効化します。
 
   
 
- Security Officerレベルのユーザーでログインしなおします。
 
   
 
- セキュリティーモードに移行します。
 
   
    ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE ↓
 
 
Note
 - セキュリティーモードに移行したあとで、再度ノーマルモードに戻すと、暗号鍵などの情報は失われます。
 
 
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
 
   
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
 SET CONFIG=router.cfg ↓
 
 
- IPsecはセキュリティーモードでないと動作しないので、同モードで管理設定を行うことのできるSecurity Officerレベルのユーザーをあらかじめ登録しておきます。
 
   
    ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER ↓
 
 
Note
 - Security Officerのパスワードは厳重に管理してください。
 
 
- 通常のIP設定を行います。クライアント側のルーターBは、NATボックス背後のLAN上に設置されているため、WAN側(eth0)、LAN側(vlan1)ともプライベートアドレスであるとします。ルーターBのデフォルトルートとなるNATボックスのLAN側インターフェースは、192.168.100.1とします。
 
   
    
ENABLE IP ↓
 ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
 ADD IP INT=eth0 IP=192.168.100.254 ↓
 ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=eth0 NEXT=192.168.100.1 ↓
 
 
 
- ここからがIPsecの設定になります。最初にISAKMPで使用する事前共有鍵(pre-shared key)を作成します。
 
   
    CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE="secret" ↓
 
 
Note
 - このコマンドはコンソールから直接入力したときだけ有効で、エディターなどで設定ファイルに記述した場合は無効になります。
 
 
- ルーターAとのIKEネゴシエーション要求を受け入れるISAKMPポリシー「i」を作成します。KEYには、前の手順で作成した事前共有鍵(鍵番号「1」)を指定します。PEERには相手ルーターのIPアドレスを指定します。また、自分のIPアドレスが不定なので、LOCALIDに自分のID値を指定し、「MODE=AGGRESSIVE」でAggressiveモードを使うよう設定します。また、ルーターAからXAUTHによる追加認証を受けるため、「CLIENT」モードに設定し、自分のユーザー名「RouterB」とパスワード「PasswordB」を指定します。
 
   
    
CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=12.34.56.78 KEY=1 SENDN=TRUE MODE=AGGRESSIVE LOCALID="remote" ↓
 SET ISAKMP POLICY=i XAUTH=CLIENT XAUTHNAME=RouterB XAUTHPASS=PasswordB ↓
 
 
 
 
 
- IPsec通信の基本仕様を定義するSAスペック「1」を作成します。セキュリティープロトコル、暗号、ハッシュの両アルゴリズムを指定します。UDPトンネリングを使うときは、セキュリティープロトコルAHは使用できませんのでご注意ください。
 
   
    CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROT=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA ↓
 
 
- SAスペックをとりまとめるSAバンドルスペック「1」を作成します。
 
   
    CREATE IPSEC BUNDLESPEC=1 KEYMAN=ISAKMP STRING="1" ↓
 
 
- ESP over UDPパケットを通過させるためのIPsecポリシー「udp」を作成します。ESP over UDP使用時は必ずこのポリシーを作成してください。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=udp INT=eth0 ACTION=PERMIT LPORT=2746 TRANSPORT=UDP ↓
 
 
- ISAKMPパケットを通過させるためのIPsecポリシー「isa」を作成します。ISAKMP使用時は必ず最初にこのポリシーを作成してください。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=isa INT=eth0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP ↓
 
 
- IPsec通信の範囲を指定するIPsecポリシーを作成します。ここで指定した条件に一致するパケットに対して、BUNDLEパラメーターで指定したSAバンドルスペックに基づくIPsec処理が行われます。INTERFACEパラメーターで指定したインターフェースを通過するときに、IPsecの暗号化、復号化処理が行われます。PEERには相手のIPアドレスを指定します。
 
   
    
CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=eth0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=12.34.56.78 ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.20.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.10.0 RMA=255.255.255.0 ↓
 
 
 
- UDPトンネリングを有効にします。さらに、UDPハートビートを有効にして、無通信時にNATボックスからNAT変換テーブルが消えてしまわないようにします。
 
   
    SET IPSEC POLICY=vpn UDPTUNNEL=TRUE UDPHEARTBEAT=TRUE ↓
 
 
- インターネットとの通信を素通しさせるIPsecポリシー「inet」を作成します。
 
   
    CREATE IPSEC POLICY=inet INT=eth0 ACTION=PERMIT ↓
 
 
- IPsecを有効化します。
 
   
 
- ISAKMPを有効化します。
 
   
 
- Security Officerレベルのユーザーでログインしなおします。
 
   
 
- セキュリティーモードに移行します。
 
   
    ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE ↓
 
 
Note
 - セキュリティーモードに移行したあとで、再度ノーマルモードに戻すと、暗号鍵などの情報は失われます。
 
 
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
 
   
    
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
 SET CONFIG=router.cfg ↓
 
 
■ セキュリティーモードに移行すると、Security OfficerレベルでルーターにTelnetログインすることができなくなります。セキュリティーモードにおいて、Security OfficerレベルでTelnetログインしたい場合は、あらかじめRSO(Remote Security Officer)コマンドを使ってログインを許可するホストのIPアドレスを指定しておく必要があります。
たとえば、ネットワーク192.168.10.0/24、192.168.20.0/24上のすべてのホストからSecurity OfficerレベルでのTelnetログインを許可する場合は、次のようにします。
  
    
ENABLE USER RSO ↓
ADD USER RSO IP=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD USER RSO IP=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 ↓
    
  
■ セキュリティーモードでは、たとえSecurity Officerでログインした場合であっても、セキュリティーコマンドを一定期間入力しないでいると、次回セキュリティーコマンドを入力したときにパスワードの再入力を求められます。このタイムアウト値は、下記コマンドによって変更できますが、IPsecの設定を行うときは、ノーマルモードで設定を行った後、セキュリティーモードに変更することをおすすめします。
■ セキュリティー関連コマンドのタイムアウトは、次のコマンドで変更できます。SECUREDELAYパラメーターには、10〜3600(秒)を指定します。デフォルトは60秒です。
  
    SET USER SECUREDELAY=300 ↓
  
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
| 
ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER ↓CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY ↓
 SET PPP=0 OVER=eth0-ANY USER=user@isp PASSWORD=isppasswd BAP=OFF LQR=OFF ECHO=ON ↓
 ENABLE IP ↓
 ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
 ADD IP INT=ppp0 IP=12.34.56.78 MASK=255.255.255.255 ↓
 ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
 ENABLE FIREWALL ↓
 CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
 ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
 DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0 ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 ACTION=ALLOW INT=ppp0 PROT=UDP GBLPORT=500 GBLIP=12.34.56.78 PORT=500 IP=12.34.56.78 ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net RULE=2 ACTION=ALLOW INT=ppp0 PROT=UDP GBLPORT=2746 GBLIP=12.34.56.78 PORT=2746 IP=12.34.56.78 ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net RULE=3 ACTION=NONAT INT=vlan1 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254 ↓
 SET FIREWALL POLICY=net RULE=3 REMOTEIP=192.168.20.1-192.168.20.254 ↓
 ADD FIREWALL POLICY=net RULE=4 ACTION=NONAT INT=ppp0 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254 ENCAP=IPSEC ↓
 # CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE="secret" ↓
 CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=ANY KEY=1 SENDN=TRUE MODE=AGGRESSIVE REMOTEID="remote" ↓
 SET ISAKMP POLICY=i XAUTH=SERVER XAUTHTYPE=RADIUS ↓
 ADD RADIUS SERVER=192.168.10.5 SECRET="himitsu" ↓
 CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROT=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA ↓
 CREATE IPSEC BUNDLESPEC=1 KEYMAN=ISAKMP STRING="1" ↓
 CREATE IPSEC POLICY=udp INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=2746 TRANSPORT=UDP ↓
 CREATE IPSEC POLICY=isa INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP ↓
 CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=ppp0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=DYNAMIC ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.10.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.20.0 RMA=255.255.255.0 ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn UDPTUNNEL=TRUE ↓
 CREATE IPSEC POLICY=inet INT=ppp0 ACTION=PERMIT ↓
 ENABLE IPSEC ↓
 ENABLE ISAKMP ↓
 # LOGIN secoff ↓
 # ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE ↓
 
 | 
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
| 
ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER ↓ENABLE IP ↓
 ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
 ADD IP INT=eth0 IP=192.168.100.254 ↓
 ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=eth0 NEXT=192.168.100.1 ↓
 # CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE="secret" ↓
 CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=12.34.56.78 KEY=1 SENDN=TRUE MODE=AGGRESSIVE LOCALID="remote" ↓
 SET ISAKMP POLICY=i XAUTH=CLIENT XAUTHNAME=RouterB XAUTHPASS=PasswordB ↓
 CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROT=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA ↓
 CREATE IPSEC BUNDLESPEC=1 KEYMAN=ISAKMP STRING="1" ↓
 CREATE IPSEC POLICY=udp INT=eth0 ACTION=PERMIT LPORT=2746 TRANSPORT=UDP ↓
 CREATE IPSEC POLICY=isa INT=eth0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP ↓
 CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=eth0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=12.34.56.78 ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.20.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.10.0 RMA=255.255.255.0 ↓
 SET IPSEC POLICY=vpn UDPTUNNEL=TRUE UDPHEARTBEAT=TRUE ↓
 CREATE IPSEC POLICY=inet INT=eth0 ACTION=PERMIT ↓
 ENABLE IPSEC ↓
 ENABLE ISAKMP ↓
 # LOGIN secoff ↓
 # ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE ↓
 
 | 
CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #91 
(C) 2006-2017 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000668 Rev.N
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