[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

ADD OSPF INTERFACE

カテゴリー:IP / 経路制御(OSPF)


ADD OSPF INTERFACE=interface AREA={BACKBONE|area-number} [DEADINTERVAL=2..2147483647] [DEMAND={ON|OFF|YES|NO|TRUE|FALSE}] [HELLOINTERVAL=1..65535] [AUTHENTICATION={NONE|PASSWORD|MD5}] [PASSWORD=password] [PRIORITY=0..255] [RXMTINTERVAL=1..3600] [TRANSITDELAY=1..3600] [VIRTUALLINK=area-number] [NETWORK={BROADCAST|NON-BROADCAST}] [POLLINTERVAL=1..2147483647] [PASSIVE={ON|OFF|YES|NO|TRUE|FALSE}]

interface: IPインターフェース名(eth0、ppp0など)または仮想インターフェース名(VIRTn)
area-number: OSPFエリアID(a.b.c.dの形式)
password: パスワード(1〜8文字。任意の印刷可能文字を使用可能。空白を含む場合はダブルクォートで囲む)


OSPFインターフェースを追加する。仮想リンクの作成も本コマンドで行う。

インターフェースを追加するには、あらかじめエリアの作成とアドレスレンジの指定が必要。



パラメーター

INTERFACE: IPインターフェース(VLAN)名または仮想インターフェース名(VIRTn)を指定する。該当インターフェースは、AREAで指定したエリアの範囲内になくてはならない。

AREA: エリアID。仮想インターフェースの場合は通過エリアのエリアIDを指定する。

DEADINTERVAL: HelloパケットのRouter Dead Intervalタイマー(秒)。隣接ルーターからHelloパケットを受信できなくなったときに、隣接ルーターがダウンしたと判断するまでの時間を示す。同一ネットワーク上のすべてのルーターに同じ値を設定する必要がある。最小値はHELLOINTERVAL×2、推奨値はHELLOINTERVAL×4。デフォルト値はHELLOINTERVAL×4(秒)。

DEMAND: OSPFオンデマンド(RFC1793)を使用するかどうか。デフォルトはOFF

HELLOINTERVAL: Helloパケットの送信間隔(Hello Interval)(秒)。同一ネットワーク上のすべてのルーターに同じ値を設定する必要がある。デフォルトは10秒。

AUTHENTICATION: 本インターフェースにおける認証方式。NONE(無認証)、PASSWORD(簡易パスワード)、MD5(MD5ダイジェスト)から選択する。パスワード(簡易パスワード認証時)はPASSWORDパラメーターで、MD5認証鍵(MD5ダイジェスト認証時)はADD OSPF MD5KEYコマンドでインターフェースごとに設定する。本パラメーターの設定は、ADD OSPF AREAコマンドで設定したエリアごとの設定よりも優先される。デフォルトはNONE(エリアの設定が使用される)。

PASSWORD: 認証用パスワード。エリア内またはインターフェースでの認証方法が簡易パスワード認証の場合(AUTHENTICATIONパラメーターにPASSWORDを指定した場合)にのみ必要。デフォルトはパスワードなし(null)。なお、MD5ダイジェスト認証の場合は、ADD OSPF MD5KEYコマンドで認証鍵を設定する。

PRIORITY: ルーター優先度(0〜255)。大きいほど優先度が高く、指名ルーター(DR)に選出される可能性が高くなる。優先度が同じときはルーターIDの大きいほうがDRとなる。0はDRになる資格がないことを示す。デフォルトは1。

RXMTINTERVAL: データベース記述パケット(タイプ2)、リンク状態要求パケット(タイプ3)、リンク状態更新パケット(タイプ4)の再送間隔(秒)。隣接ルーター間のパケット往復時間よりも十分に大きな値でなくてはならない。LANでは5秒が標準的。デフォルトは5秒。

TRANSITDELAY: リンク状態更新パケットの送信遅延時間(秒)。同パケットに含まれるLSAのエイジフィールドはこの値だけ増分される。LANでは通常1に設定される。デフォルトは1

VIRTUALLINK: 仮想リンクの対向に位置するバックボーンルーター(ABR)のルーターID。仮想インターフェース追加時(INTERFACE=VIRTn)の必須パラメーター。このとき、AREAには通過エリアのIDを指定する。

NETWORK: 該当インターフェースに接続されているネットワークの種別。BROADCAST(ブロードキャスト型マルチアクセス)、NON-BROADCAST(非ブロードキャスト型マルチアクセス(NBMA))から選択する。本パラメーターはVLANインターフェースでのみ有効。デフォルトはBROADCAST。

POLLINTERVAL: 非ブロードキャスト型のマルチアクセスネットワーク(NBMA)における、非アクティブな隣接ルーターへのHelloパケット送信間隔(秒)。NETWORK=NON-BROADCASTを指定したときのみ有効。HELLOINTERVALよりも大きな値を指定する必要がある。デフォルトはHELLOINTERVAL×4(秒)。

PASSIVE: 該当インターフェースをパッシブインターフェースにするかどうか。ON、YES、TRUE(パッシブインターフェースにする)およびOFF、NO、FALSE(パッシブインターフェースにしない)はそれぞれ同じ意味。パッシブインターフェースではOSPFパケットの送受信を行わないが、パッシブインターフェースに接続されているネットワークの情報は、スタブネットワークとしてルーターLSAに追加される。デフォルトはOFFだが、SET OSPFコマンドのPASSIVEINTERFACEDEFAULTパラメーターに値を指定しているとき(デフォルトは未指定)は、その値が本パラメーター省略時の値となる。



バックボーンエリアにVLAN orangeのインターフェースを追加する。
ADD OSPF INT=vlan-orange AREA=BACKBONE

ルーター192.168.10.1と192.168.10.254の間に仮想リンクを作成する。通過エリアは1.1.1.1。通過エリア1.1.1.1を作成するときはSTUBAREA=OFFを指定して、スタブエリアでないように設定しなくてはならない。
[ルーター192.168.10.254側]
ADD OSPF INT=virt0 AREA=1.1.1.1 VIRTUALLINK=192.168.10.1

[ルーター192.168.10.1側]
ADD OSPF INT=virt0 AREA=1.1.1.1 VIRTUALLINK=192.168.10.254



備考・注意事項

・仮想リンクは両エンドで設定する必要がある。

・仮想リンクを作成するときは、SET OSPFコマンドのROUTERIDパラメーターでルーターIDを明示的に指定しておくと設定がやりやすい。

・NETWORK=BROADCASTを指定した場合は、該当インターフェースに接続されたネットワークをブロードキャスト可能なネットワークと見なし、隣接ルーターの動的探索を行う(Ethernet/VLAN上における通常の動作)。NETWORK=NON-BROADCASTを指定した場合は、該当インターフェースに接続されたネットワークを非ブロードキャスト型のマルチアクセスネットワーク(NBMA)と見なし、隣接ルーターの動的探索を行わない。したがって、NETWORK=NONBROADCASTを指定した場合は、ADD OSPF NEIGHBOURコマンドで隣接ルーターをスタティックに設定する必要がある。



関連コマンド

ADD OSPF AREA
ADD OSPF MD5KEY
ADD OSPF NEIGHBOUR
ADD OSPF RANGE
DELETE OSPF INTERFACE
DISABLE OSPF INTERFACE
ENABLE OSPF INTERFACE
RESET OSPF INTERFACE
SET OSPF
SET OSPF AREA
SET OSPF INTERFACE
SET OSPF RANGE
SHOW OSPF AREA
SHOW OSPF INTERFACE
SHOW OSPF RANGE



参考

RFC1587, The OSPF NSSA Option
RFC1793, Extending OSPF to Support Demand Circuits
RFC2328, OSPF Version 2


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