[index] CentreCOM 8948XL コマンドリファレンス 2.9

CREATE QOS TRAFFICCLASS

カテゴリー:スイッチング / QoS


CREATE QOS TRAFFICCLASS=tc-list [DROPBWCLASS3={YES|NO}] [IGNOREBWCLASS={YES|NO}] [MAXBANDWIDTH={bandwidth|NONE}] [MAXBURSTSIZE=burstsize] [MINBANDWIDTH={bandwidth|NONE}] [MINBURSTSIZE=burstsize] [PREMARKING={USEMARKVALUE|USEDSCP|NONE}] [REMARKING={USEDSCPMAP|PRIORITY|PRIO+BWCLASS|BWCLASS|NONE}] [MARKVALUE={0..63|NONE}] [DESCRIPTION=string] [ACTION={FORWARD|DISCARD|SENDMIRROR|SENDVLANPORT|FORWARD,SENDMIRROR|SENDMIRROR,SENDVLANPORT}] [VLAN=1..4094 PORT=port-number]

tc-list: トラフィッククラス番号(0〜1023。ハイフン、カンマを使った複数指定も可能)
bandwidth: 帯域幅(1〜16998400Kbps)
burstsize: バーストサイズ(0〜268435455Byte)
string: 文字列(1〜15文字。空白を含む場合はダブルクォートで囲む)
port-number: スイッチポート番号(1〜)


トラフィッククラスを作成する。

トラフィッククラスは、同等のQoS(帯域)を与えるべきフローグループをひとまとめにしたもの。トラフィッククラスは、複数のフローグループで構成される。

ポリシーベースQoSでは、トラフィッククラスごとに最大・最小帯域幅、プレマーキング、リマーキングの設定が可能。トラフィッククラスは、QoSポリシーに割り当てることによって効果を発揮する。QoSポリシーには、ユーザー定義のトラフィッククラスに加え、暗黙のデフォルトトラフィッククラスが存在する。



パラメーター

TRAFFICCLASS: トラフィッククラス番号

DROPBWCLASS3: 本トラフィッククラスにおいて、最大帯域設定(MAXBANDWIDTHとMAXBURSTSIZE)を上回るレートで受信したパケットをキューイング前に無条件で破棄するかどうか。YESを指定した場合、超過分のパケットは送信キューに格納される前に破棄される。NOを指定した場合、超過分のパケットは「帯域クラス3(使いすぎクラス)」に分類されるだけでただちには破棄されない。ただし、REDアルゴリズムの設定により、送信キューにおいて「帯域クラス3」を優先的に破棄するような設定が可能。省略時はNO。

IGNOREBWCLASS: 本トラフィッククラスに対して最大・最小帯域の設定(MAXBANDWIDTH、MINBANDWIDTH)がなされている場合、メータリング時にプレマーキングで割り当てられた「帯域クラス」を考慮するか無視するかを指定する。YESを指定した場合、プレマーキング時に割り当てられた帯域クラスは無視され、実際の帯域使用量にのみ基づいて帯域クラスが決定される。NOを指定した場合は、プレマーキングで割り当てられた帯域クラスが、そのままメータリング結果として採用される。省略時はNO。

MAXBANDWIDTH: トラフィッククラスに割り当てる最大帯域幅(Kbps)。トラフィッククラスに割り当てる帯域は、原則としてここで指定した値までに制限される。数値だけで指定する場合の単位はKbps。ただし、数値のあとに「K」、「M」、「G」をつけると、それぞれ「Kbps」、「Mbps」、「Gbps」の意味になる。「M」、「G」を指定する場合は、「2.256G」や「128.4M」のように小数を指定することもできる。QoSポリシーを適用するスイッチポートの帯域と矛盾しないように設定すること。省略時はNONE。

MAXBURSTSIZE: トラフィッククラスの最大帯域幅設定(MAXBANDWIDTH)に対する、最大許容バーストサイズ(Byte)。トラフィックの流入量がMAXBANDWIDTHを超えた場合に、MAXBANDWIDTH超過分としてバッファリング可能な最大データ量を指定する。数値だけで指定する場合の単位はByte。ただし、数値のあとに「K」、「M」、「G」をつけると、それぞれ「Kbyte」、「Mbyte」、「Gbyte」の意味になる。「K」、「M」、「G」を指定する場合は、「2.256G」や「128.4M」のように小数を指定することもできる。バーストサイズがMAXBURSTSIZEを上回った場合、超過分のパケットはキューイング前に破棄されるか(DROPBWCLASS3=YESのとき)、帯域クラス3に分類される(DROPBWCLASS3=NOのとき)。省略時は0。

MINBANDWIDTH: トラフィックに割り当てる最小帯域幅(Kbps)。トラフィッククラスには、原則としてここで指定した帯域が確保される。数値だけで指定する場合の単位はKbps。ただし、数値のあとに「K」、「M」、「G」をつけると、それぞれ「Kbps」、「Mbps」、「Gbps」の意味になる。「M」、「G」を指定する場合は、「2.256G」や「128.4M」のように小数を指定することもできる。QoSポリシーを適用するスイッチポートの帯域と矛盾しないように設定すること。省略時はNONE。

MINBURSTSIZE: トラフィッククラスの最小帯域幅設定(MINBANDWIDTH)に対する、「帯域クラス1」の最大許容バーストサイズ(Byte)。MINBANDWIDTHがNONEのときは、最大帯域幅設定(MAXBANDWIDTH)に対する、「帯域クラス2」の最大許容バーストサイズ(Byte)。数値だけで指定する場合の単位はByte。ただし、数値のあとに「K」、「M」、「G」をつけると、それぞれ「Kbyte」、「Mbyte」、「Gbyte」の意味になる。「K」、「M」、「G」を指定する場合は、「2.256G」や「128.4M」のように小数を指定することもできる。MINBANDWIDTHがNONEのときは、MAXBURSTSIZEよりも小さい値でなくてはならない。詳細は解説編を参照。省略時は0。

PREMARKING: 本トラフィッククラスに対するプレマーキングの動作を指定する。具体的には、トラフィッククラスに割り当てるQoSパラメーターをプレマーキング用DSCPMAPテーブルから検索するときに、どの値をインデックスとして使うかを指定する。USEMARKVALUEを指定した場合は、MARKVALUEパラメーターの値をインデックスとして使う。USEDSCPを指定した場合は、パケットのDSCPフィールド値をインデックスとして使う。いずれの場合も、DSCPMAPテーブルのもう1つのインデックスである帯域クラスは1を使う。NONEを指定した場合は、プレマーキングを行わずに、メータリングの処理に移る。省略時はNONE。なお、トラフィッククラスとフローグループの両方で本パラメーターが指定されている場合は、フローグループの設定が使われる。なお、IPv6ルーティングパケットに対するQoSポリシーでは、USEDSCPを使用できないので注意すること(指定しても効果がない)。

REMARKING: 本トラフィッククラスに対するリマーキングの動作を指定する。具体的には、メータリング後のQoSパラメーター書き換え動作を何に基づいて実施するか、および、どのパラメーターを書き換えるかを指定する。USEDSCPMAPを指定した場合は、リマーキング直前の帯域クラスとパケットのDSCP値をインデックスとしてリマーキング用DSCPMAPテーブルを検索し、DSCP値、帯域クラス、送信キュー、802.1pプライオリティー値を書き換える。PRIORITY、PRIO+BWCLASSを指定した場合は、リマーキング直前の送信キューと帯域クラスをインデックスとしてQUEUE2PRIOMAPテーブルを検索し、802.1pプライオリティー値を書き換える。BWCLASS、NONEを指定した場合は書き換えを行わない。省略時はNONE。なお、PRIORITYとPRIO+BWCLASS、BWCLASSとNONEはそれぞれ同じ意味になる。また、IPv6ルーティングパケットに対するQoSポリシーでは、USEDSCPMAPを使用できないので注意すること(指定しても効果がない)。

MARKVALUE: PREMARKINGパラメーターにUSEMARKVALUEを指定した場合、プレマーキング用DSCPMAPテーブルの検索インデックスとして使うDSCP値を指定する。省略時はNONE

DESCRIPTION: トラフィッククラスの説明(メモとして使う)。TRAFFICCLASSパラメーターに複数の番号を指定した場合は、すべてのトラフィッククラスに同じメモ文字列が設定される

ACTION: 本トラフィッククラスに対するアクション。アクションの詳細は別表を参照のこと。アクションはフローグループとトラフィッククラスの両方に設定できるが、フローグループのアクションのほうが優先される(ただし、フローグループのアクションがNONEのときは、トラフィッククラスのアクションが実行される)。省略時はFORWARD

VLAN: 本トラフィッククラスに属するパケットの出力先VLAN。ACTIONパラメーターにSENDVLANPORTを指定したときのみ有効かつ必須。本パラメーターは、必ずPORTパラメーターと組で指定すること。

PORT: 本トラフィッククラスに属するパケットの出力先ポート。ACTIONパラメーターにSENDVLANPORTを指定したときのみ有効かつ必須。本パラメーターは、必ずVLANパラメーターと組で指定すること。



表 1:ACTIONパラメーターに指定できるオプション
FORWARD パケットを通常どおり出力する
DISCARD パケットを破棄する
SENDVLANPORT パケットの出力先をVLANパラメーターとPORTパラメーターで指定されたポートに変更する。このとき、出力ポート(PORT)は出力VLAN(VLAN)に所属していなくてはならないので、設定には注意すること
SENDMIRROR パケットのコピーをミラーポートから出力する。あらかじめ、SET SWITCH MIRRORコマンドでミラーポートを指定し、ENABLE SWITCH MIRRORコマンドでポートミラーリング機能を有効にしておく必要がある
FORWARD,SENDMIRROR FORWARDとSENDMIRRORの両方の処理を行う。SENDMIRRORだけ指定した場合と同じ動作
SENDMIRROR,SENDVLANPORT SENDMIRRORとSENDVLANPORTの両方の処理を行う



備考・注意事項

ACTION、VLAN、PORTパラメーターは、IPv6アクセラレーター用のQoSポリシーでは未サポート。



関連コマンド

ADD QOS TRAFFICCLASS
DELETE QOS TRAFFICCLASS
DESTROY QOS TRAFFICCLASS
SET QOS DSCPMAP
SET QOS QUEUE2PRIOMAP
SET QOS TRAFFICCLASS
SHOW QOS DSCPMAP
SHOW QOS QUEUE2PRIOMAP
SHOW QOS TRAFFICCLASS




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