[index] CentreCOM 8948XL コマンドリファレンス 2.9

SET BGP PEER

カテゴリー:IP / 経路制御(BGP-4)
備考:フィーチャーライセンス AT-FL-09またはAT-FL-09-B が必要


■ 通常の構文

SET BGP PEER=ipadd [REMOTEAS=1..65535] [CONNECTRETRY={DEFAULT|0..4294967295}] [DESCRIPTION[=string]] [EHOPS={DEFAULT|1..255}] [HOLDTIME={DEFAULT|0|3..65535}] [INFILTER={NONE|300..399}] [INPATHFILTER={NONE|1..99}] [INROUTEMAP[=routemap]] [KEEPALIVE={DEFAULT|1..21845}] [MAXPREFIX={OFF|1..4294967295}] [MAXPREFIXACTION={WARNING|TERMINATE}] [MINASORIGINATED={DEFAULT|0..3600}] [MINROUTEADVERT={DEFAULT|0..3600}] [NEXTHOPSELF={NO|YES}] [OUTFILTER={NONE|300..399}] [OUTPATHFILTER={NONE|1..99}] [OUTROUTEMAP[=routemap]] [SENDCOMMUNITY={NO|YES}] [LOCAL={NONE|1..15}] [AUTHENTICATION={MD5|NONE}] [PASSWORD=password] [CLIENT={NO|YES}] [FASTFALLOVER={NO|YES}] [PRIVATEASFILTER={NO|YES}] [DEFAULTORIGINATE={NO|YES}]

■ BGPピアテンプレートを使う場合の構文

SET BGP PEER=ipadd [POLICYTEMPLATE=1..30] [REMOTEAS=1..65535] [DESCRIPTION[=string]] [EHOPS={DEFAULT|1..255}] [AUTHENTICATION={MD5|NONE}] [PASSWORD=password] [FASTFALLOVER={NO|YES}] [DEFAULTORIGINATE={NO|YES}]

ipadd: IPアドレス
string: 文字列(1〜63文字)
routemap: ルートマップ名(0〜15文字。英数字とアンダースコアを使用可能。大文字小文字を区別する)
password: パスワード(1〜80文字。クエスチョンマーク(?)とダブルクォート(")は使用できない)


BGPピアの設定パラメーターを変更する。

ENABLE BGP AUTOSOFTUPDATEコマンドで自動ソフトリセットを有効化している場合、設定変更はただちに反映される。

自動ソフトリセットが無効な場合、変更を反映するにはRESET BGP PEERコマンドをSOFTパラメーター付きで実行する。



パラメーター

PEER: BGPピアのIPアドレス。

REMOTEAS: BGPピアが所属するAS番号。自AS番号と同じならI-BGP、違うならE-BGPピアとなる。自AS番号はSET IP AUTONOMOUSコマンドで設定する。

CONNECTRETRY: BGPコネクション確立の再試行間隔(秒)。デフォルトは120。0は再試行しない。

DESCRIPTION: BGPピアに関する覚え書き(メモ)。

EHOPS: E-BGPセッションにおけるBGPメッセージの初期TTL値。デフォルトは1。ルーターをまたいでE-BGPセッションを張るためには、EHOPSを2以上に設定する必要がある。

HOLDTIME: 該当ピアとのBGPセッションがダウンしたと認識するまでの時間(Hold Time)(秒)を設定する。実際のHold Timeはセッション開始時のネゴシエーションによって決まる。本パラメーターで設定するのはOPENメッセージで相手に提案する値。デフォルトは90秒。0はこちらからは提案しないことを意味する。

INFILTER: 該当ピアから受信した経路情報に適用するIPプレフィックスフィルターの番号。INFILTERを使用すると、プレフィックス(宛先ネットワークアドレス)によって経路の受け入れ・破棄を行うことができる。IPプレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。

INPATHFILTER: 該当ピアから受信した経路情報に適用するASパスリストの番号。INPATHFILTERを使用すると、AS_PATH属性の内容によって経路の受け入れ・破棄を行うことができる。ASパスリストはADD IP ASPATHLISTコマンドで作成する。

INROUTEMAP: 該当ピアから受信した経路情報に適用するルートマップ名。INROUTEMAPを使用すると、各種の基準に基づいて、経路情報をフィルタリングしたり、属性を変更したりできる。ルートマップはADD IP ROUTEMAPコマンドで作成する。ルートマップを解除するときは、ルートマップ名を指定せず、単に「INROUTEMAP」と指定する。

KEEPALIVE: KEEPALIVEメッセージの送信間隔。HOLDTIMEの1/3に設定する必要がある。実際の送信間隔はHOLDTIMEのネゴシエーションによって決まる。

MAXPREFIX: 該当ピアから受け入れ可能な最大プレフィックス数を設定する。OFFの場合は制限を設けない。デフォルトはOFF。

MAXPREFIXACTION: MAXPREFIXパラメーターの値を超えるプレフィックスを受信したときの動作。WARNINGはログに記録するだけ。TERMINATEはログに記録した上で該当ピアとのセッションをリセットする。デフォルトはWARNING。

MINASORIGINATED: 自AS起源の経路情報を含むUPDATEメッセージの最小連続送信間隔。デフォルトは15秒

MINROUTEADVERT: 他AS起源の経路情報を含むUPDATEメッセージの最小連続送信間隔。デフォルトは30秒

NEXTHOPSELF: 該当ピアに通知する経路のNEXT_HOPとして必ず自アドレスを使うかどうか。デフォルトはNO。

OUTFILTER: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するIPプレフィックスフィルターの番号。OUTFILTERを使用すると、プレフィックス(宛先ネットワークアドレス)によって経路の通知・破棄を行うことができる。IPプレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。

OUTPATHFILTER: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するASパスリストの番号。OUTPATHFILTERを使用すると、AS_PATH属性の内容によって経路の通知・破棄を行うことができる。ASパスリストはADD IP ASPATHLISTコマンドで作成する。

OUTROUTEMAP: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するルートマップ名。OUTROUTEMAPを使用すると、各種の基準に基づいて、経路情報をフィルタリングしたり、属性を変更したりできる。ルートマップはADD IP ROUTEMAPコマンドで作成する。ルートマップを解除するときは、ルートマップ名を指定せず、単に「OUTROUTEMAP」と指定する。

SENDCOMMUNITY: UPDATEメッセージにCOMMUNITIES属性を含めるかどうか。同属性の具体的内容はルートマップで設定する。デフォルトはNO。

LOCAL: 該当ピアとの通信に使用するローカルIPインターフェースの番号。ローカルIPインターフェースを指定した場合、本ピア宛てのBGPパケットの始点IPアドレスとして、指定したローカルIPインターフェースのIPアドレスが使用される。省略時はNONE(ローカルIPインターフェースを使用しない。この場合、BGPパケットの始点IPアドレスはシステムが決める)。

AUTHENTICATION: 該当ピアとのTCP通信においてMD5認証オプション(TCP MD5認証)を使用するかどうか。 使用する場合はMD5を、使用しない場合はNONEを指定する。MD5を指定した場合は、PASSWORDパラメーターでパスワード(認証鍵)を設定すること。デフォルトはNONE。

PASSWORD: TCP MD5認証で使用するパスワード(認証鍵)。ピアと同じ値を指定すること。本パラメーターは、AUTHENTICATIONパラメーターにMD5を指定した場合のみ有効。デフォルトはなし。

CLIENT: 該当ピアがルートリフレクター(RR)クライアントであるかどうか。本パラメーターは、該当ピアがI-BGPピアである場合のみ意味を持つ。該当ピアがI-BGPピアであり、なおかつ、本パラメーターがYESの場合、本製品は該当ピアをクライアントであると見なし、ルートリフレクターとしての動作を行う(クライアントから受信した経路を他のすべてのクライアントとノンクライアントに送信する。また、ノンクライアントから受信した経路は、クライアントにだけ送信する)。NOを指定した場合は、該当ピアをノンクライアントと見なして通常のI-BGP通信を行う。デフォルトはNO。

FASTFALLOVER: 該当ピアとの通信に使用するインターフェースがリンクダウンした場合に、Hold Timeの満了を待たず、ただちに該当ピアとのBGPセッションをリセットするかどうか。デフォルトはNO。なお、VLANインターフェースがリンクダウンしたと認識されるためには、メンバーポートがすべてリンクダウンする必要があることに注意。

PRIVATEASFILTER: プライベートAS番号(64512〜65535)をフィルタリングするかどうか。本パラメーターにYESを指定した場合、該当ピアにUPDATEメッセージを送信するとき、AS_PATH属性からプライベートAS番号を削除した上で送信する。デフォルトはNO。

DEFAULTORIGINATE: 該当ピアにデフォルト経路(0.0.0.0/0)を通知するかどうか。デフォルトはNO。デフォルト経路を通知するには、ENABLE BGP DEFAULTORIGINATEコマンドの設定が必要。

POLICYTEMPLATE: 該当ピアとの通信パラメーターを提供するBGPピアテンプレートの番号。BGPピアテンプレートはADD BGP PEERTEMPLATEコマンドで作成する。BGPピアテンプレートを使用している場合、本コマンドで指定できるその他のパラメーターはREMOTEAS、DESCRIPTION、AUTHENTICATION、PASSWORD、FASTFALLOVER、EHOPSだけとなる(このうちPEERとREMOTEASは必須)。その他のパラメーターについては、BGPピアテンプレートで指定する。なお、本パラメーターに空の値を指定する(「POLICYTEMPLATE=」とする)と、ピアテンプレートの適用を解除することができる。このとき、該当ピアとの通信パラメーターは、ピアテンプレートから引き継がれた状態となる。



関連コマンド

ADD BGP PEER
ADD IP ASPATHLIST
ADD IP FILTER
ADD IP LOCAL
ADD IP ROUTEMAP
DELETE BGP PEER
DISABLE BGP PEER
ENABLE BGP AUTOSOFTUPDATE
ENABLE BGP PEER
RESET BGP PEER
SET IP LOCAL
SHOW BGP PEER



参考

RFC1771, A Border Gateway Protocol 4 (BGP-4)
RFC1772, Application of the Border Gateway Protocol in the Internet
RFC1930, Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS)
RFC1997, BGP Communities Attribute
RFC2385, Protection of BGP Sessions via the TCP MD5 Signature Option
RFC2439, BGP Route Flap Damping
RFC2796, BGP Route Reflection - An Alternative to Full Mesh IBGP
RFC2842, Capabilities Advertisement with BGP-4
RFC2918, Route Refresh Capability for BGP-4
RFC3065, Autonomous System Confederations for BGP


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