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CentreCOM 9424T/SP-E、9424Ts/XP-E コマンドリファレンス 2.4
QoS/QoS
- プライオリティータグと送信キュー
- 送信キューのスケジューリング
- ポートプライオリティーの割り当て
パケットごとに送信時の優先度を変化させるQoS(Quality of Service)機能について解説します。本製品はIEEE 802.1p準拠のプライオリティータグに基づくQoSに対応しています。
Note
- EAPパケットとBPDUパケットに対しては、QoSは動作しません。
802.1QのVLANタグヘッダーには、3ビットのユーザープライオリティーフィールド(802.1p)が設けられています。

本製品は、このフィールドの値にしたがって、受信フレームの送信に優先度をつけることができます。
本製品の各ポートは、それぞれ8レベル(0〜7)の送信キューを備えています(キュー7が優先度最高)。フレームは相対的に最も優先度の高いキューからのみ送信されます。たとえば、キュー7とキュー6にフレームが格納されている場合、キュー7が空になるまでキュー6内のフレームは送信されません。
割り当てられる帯域は次のようになります(数値は一番左が相対的に最もレベルの低いキュー、一番右が相対的に最もレベルの高いキューに割り当てられる帯域(%)を示しています)。
- 同時に2つのレベルのキューにパケットがある場合 → 0:100
- 同時に3つのレベルのキューにパケットがある場合 → 0:0:100
- 同時に4つのレベルのキューにパケットがある場合 → 0:0:0:100
受信フレームがどのキューに入れられるかは、ユーザープライオリティー値とキューのマッピング設定によって決まります。
デフォルトのマッピングは次のとおりです。キューは番号が大きいほど優先度が高くなります。
表 1
ユーザープライオリティー |
キュー番号 |
0 |
1 |
1 |
0 |
2 |
2 |
3 |
3 |
4 |
4 |
5 |
5 |
6 |
6 |
7 |
7 |
■ ユーザープライオリティー値とキューのマッピングを変更するには、SET QOSコマンド、または、MAP QOSコマンドを使います。たとえば、下図のようなマッピングにするには、次のコマンドを実行します。
SET QOS COSP=0 QID=1 ↓
SET QOS COSP=1 QID=1 ↓
SET QOS COSP=2 QID=1 ↓
SET QOS COSP=3 QID=3 ↓
SET QOS COSP=4 QID=3 ↓
SET QOS COSP=5 QID=5 ↓
SET QOS COSP=6 QID=5 ↓
SET QOS COSP=7 QID=7 ↓
表 2
ユーザープライオリティー |
キュー番号 |
0 |
1 |
1 |
1 |
2 |
1 |
3 |
3 |
4 |
3 |
5 |
5 |
6 |
5 |
7 |
7 |
■ ユーザープライオリティーとキューのマッピングを確認するにはSHOW QOSコマンドを使います。
特に設定を行わないと、前述の帯域割り当てでも説明したように、送信キューのレベル(優先度)の高いパケットが優先的に送信され、レベルの高いキューのパケット送信が終了するまで次のレベルのキューのパケットは送信されません。(Strict priority)
本製品では、高いレベルの送信キューのパケット送信が終了するまで待つことなく、低いレベルのキューのパケット送信を行うように設定することが可能です。
送信キューの重み付けを行い、ラウンドロビン(Weighted round robin priority)で送信を行います。
■ 設定は、SET QOS SCHEDULINGコマンドで行います。
送信キューに重み付けを行う場合には、次のように設定します。
SET QOS SCHEDULING=WRR WEIGHTS=1,1,3,5,7,10,12,15 ↓
この比率に従って、各キューのパケットは順番に送信されます。
Note
- 送信キューに重み付けを行うには、すべてのキューに最大送信パケット数の設定を行ってください。最大送信パケット数が設定されているキューと設定されていないキューがあると、設定されていないキューのパケットが先に送信されます。
■ 送信キューのスケジューリングに関する設定は、SHOW QOSコマンドで確認できます。
本製品では、受信パケットの優先度の決定において、タグヘッダー内のユーザープライオリティー値ではなく、ポートごとに割り当てられたプライオリティーを優先させることも可能です。
ポートプライオリティーを優先させるポートで受信したタグ付きフレームは、タグヘッダー内のユーザープライオリティー値ではなく、ポートプライオリティーによって、どの送信キューにはいるかが決まります。
また、タグなしフレームの場合は、受信したポートに割り当てられたプライオリティーに対応する、送信キューに入ります。
■ ポートプライオリティーの設定は、SET SWITCH PORTコマンドで行います。
SET SWITCH PORT=1 PRIORITY=7 OVERRIDEPRIORITY=YES ↓
上記の設定を行った場合、ポート1で受信したタグ付きパケットは、タグヘッダー内のユーザープライオリティー値に関係なく、すべて送信キュー7に入ります。(デフォルトのマッピングによる)
Note
- タグVLANにしか所属していないポートでは、PRIORITYパラメーターとOVERRIDEPRIORITYパラメーターを設定できません。
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