慢性的なIT人手不足をサポート!マルチテナント対応クラウド型運用基盤で実現する効率的なネットワーク運用術

設定変更や障害対応に追われ、「もっとエンジニアがいれば…」と感じたことはありませんか? 特に、複数の顧客を抱えるSIer/NIerの皆様にとってIT人材の不足は深刻な課題となっているのではないでしょうか。こうした現場の声を受けて開発されたのが、クラウド型ネットワーク導入支援プラットフォーム「Allied OneConnect(仮称)」です。本記事ではその特長と導入メリットについてご紹介します。

目次

人材不足とインフラの複雑化、限界を感じているのはIT担当者だけではない

近年、IT人材不足の深刻化が企業の大きな課題となっています。ある調査では、企業の89%以上がIT人材の不足を実感しているという結果が出ており、IT管理者の負荷は年々増加しています。さらに、あらゆる業務システムのIT化が進み、その構成はますます複雑化しています。 ITインフラが、業種を問わずビジネスの基盤となった今、通信の安定性は経営に直結する重要なファクターと言えます。そしてITインフラの役割が大きくなる一方で、それを担うリソースが追いついていないという深刻なギャップが、今や多くの企業を悩ませています。

以前のIT環境では社内ネットワーク(LAN)を中心にサーバーやネットワーク機器の保守、境界防御の設定などを管理をしていました。しかし現在では、DX推進やクラウド利用の拡大、リモートワークの普及、ゼロトラストにより、IT担当者が管理・運用すべき範囲は広がっています。そのため、ネットワークベンダー各社は「止まらないネットワーク」を目指し、運用負荷の軽減や自動化を見据えた新製品・新サービスを次々とリリースしています。しかし、たとえ膨大な資金を投じてツールを導入したとしても、それらの製品・機能を十分に活用できる人材そのものが不足していれば、根本的なギャップは解消されないのです。

こうした背景から、社内に十分なIT管理者を確保できない企業が、SIerやNIerに業務を委託するケースが増えています。ですが、そのSIer/NIerも例に漏れず人手不足に直面しており、案件は豊富にある反面、多岐にわたる要望への対応に追われているのが実情です。さらに、ITインフラという言葉通り、ネットワークやシステムが常に安定稼働していることが“当たり前” という認識が、社会全体に広まりつつあります。その結果、SIerやNIerにはこれまで以上に多くの期待と責任が求められています。しかし現実は、技術者一人ひとりの負担は増すばかりで、新たな人材の確保や育成も容易ではありません。このように、人材不足の常態化と不十分な運用体制は、業界全体で共通する悩みとなっています。

SIer/NIerが抱える運用の課題とは?

IT人材不足だけでは語れない複雑化する運用負荷

前章で触れた通り、IT人材不足とインフラの複雑化は、SIerやNIerにとっても大きな負荷となっています。しかし具体的に「何が」「なぜ」大変なのか、その本質を掘り下げていきましょう。

  1. 顧客ごとに違うシステムへの対応が大変
    SIer/NIerが手掛ける案件は、企業規模や業種、使っているサービスやネットワークの仕組みなどが顧客ごとにバラバラです。これにより、運用標準化が難しく、個別対応に膨大な工数がかかってしまいます。

  2. 新しい技術へのキャッチアップが難しい
    DX推進やクラウドシフトの波により、新しい技術がどんどん出てきています。そのため、ネットワーク機器の新機能やセキュリティ要件の高度化、リモートワーク対応など、常に最新技術を習得する必要がありますが、人材不足により教育時間の確保が難しいのが現状です。

  3. やることが多すぎて手が回らない
    拠点追加や構成変更、トラブル対応、セキュリティチェックなど、多様な業務が重なり合い担当者の手が回りにくい状況です。結果として、一つの案件に対する対応時間が長引き、全体の効率が低下してしまっています。

  4. 顧客からの期待値が高まっている
    顧客企業のIT担当者は「早くて確実な対応」を求める一方で、「コストはできるだけ抑えたい」と考えています。この2つのバランスを取るのは容易ではなく、顧客満足度の維持向上が課題となっています。

どうすれば安定したサービスが提供できるのか

自前での運用改善は解決策になりうるのか?

こうした課題解決に向け、SIer/NIerが独自に運用ルールや自動化ツールを作り込むことも一手です。しかし、実際にはそれも簡単ではありません。

  • 時間と人手の不足:新たな仕組み構築やテストに必要なリソースが確保できない
  • 技術変化のスピード:頻繁に変わる製品やサービスに対応し続ける負荷が大きい
  • 運用ノウハウの共有難:属人化を防ぎ、社内外で効率よく運用知見を伝える仕組み作りが難しい

解決の鍵は“マネージドサービスに最適な「クラウド基盤」” にあり

では、すぐに使える「共通の仕組み」があれば…? たとえば、クラウド上に「いろいろなお客様のネットワークをまとめて管理・運用できる仕組み」が備わっていたら…どうでしょうか。このような基盤を活用すれば、「マネージドサービス」として、自社でゼロから運用基盤を作るよりも迅速かつ効率的にITインフラの運用管理をサービス化でき、多様な顧客ニーズにも柔軟にスピーディに対応できるでしょう。

ユースケースで見る、マルチテナントでITインフラの管理ができるクラウド型基盤

「物流倉庫で障害発生、本社も店舗も在庫確認ができない」──そんなとき、どう対応する?

たとえば、全国に実店舗とネットショップを展開している顧客のケースを考えてみましょう。

ある日、郊外にある物流倉庫のネットワークが突然不安定になり、そこを経由していた在庫管理システムに、本社や店舗からアクセスできなくなってしまいました。つまり、どこにどれだけ商品があるのか、誰も確認ができない状況になってしまったのです。障害の連絡を受けたSIerは、すぐに現地対応を手配しようとしますが、距離や人的リソースの制約からすぐには動けません。

──しかし、このSIerはマネージドサービスとしてクラウド型の導入支援基盤を活用していました。
このクラウド型の導入支援基盤には、顧客ごとにネットワーク機器の状態を遠隔で可視化・管理できるマルチテナント機能が備わっており、アラートやログも一元的に確認することができます。

──その結果、
・倉庫にあるスイッチの特定ポートに異常があることをすぐに特定
・現地に行く前に、リモートで機器を再起動・設定変更を実施し、一時的に復旧
・類似構成を採用している他の拠点でも、同様の不具合の事前洗い出しと予防保守を実施

このように、マルチテナントでネットワーク全体を俯瞰できる仕組みがあれば、障害対応の初動を迅速化するだけでなく、再発防止・予知保全にも繋げることができます。さらに、ネットワーク設定のテンプレート化やリモート適用により、店舗の新設や機器入れ替えもスムーズに進められ、人手が足りなくとも安定した運用が可能となります。

「夏休み中に小中学校へネットワーク機器を一斉導入、でも人手が足りない ──そんなとき、どう対応する?

もう一つの例として、GIGAスクール構想に関連する教育現場のケースを考えてみましょう。

ある大きな教育委員会では、傘下の小中学校に対しネットワーク機器を一斉に入れ替える計画を立てていました。対象は数十校、設置する機器はスイッチや無線LANアクセスポイントなど、数百台にのぼります。しかし、夏休みという短期間のうちにすべてを構築するには、人的リソースも時間も圧倒的に不足しています。

  ──ここでもクラウド型の導入支援基盤を活用した結果、
・各校に設置する前に、クラウドから設定テンプレートをあらかじめ登録
・各校で機器設置しネットワークに接続するだけで、あとは自動で設定され、すぐに使える状態に
・導入後も、各校のネットワーク状況を遠隔でモニタリングできるため、現地作業を最小限に抑えながらトラブルにも即応可能

このような「ゼロタッチコンフィグ」を活用した仕組みにより、限られた期間でも質を落とさずに大規模導入を完了できます。また、導入後の運用もクラウドで一元管理ができるため、保守やアップデートも含めて、長期的に価値を提供できます。

この2つの事例からもわかるように、マネージドサービスの柔軟さやスピードは、どんな「基盤」を使っているかで大きく変わります。次章では、こうしたマネージドサービスに最適化された導入支援基盤「Allied OneConnect (仮称) 」をご紹介します。

ネットワーク運用の常識を変える、新しい選択肢とは?

アライドテレシスでは、多くのSIer/NIerのお悩みに寄り添うべく、クラウド型ネットワーク導入支援プラットフォーム「 Allied OneConnect(仮称)( 以下、AOC)」を開発しました。AOCはクラウド上でネットワークの構築・運用の操作が可能なため、場所を問わずリアルタイムで一元管理でき、管理の効率化と運用コストの削減を実現します。

Allied OneConnect(仮称)の注目キーワード

  • マルチテナント型ダッシュボード
  • ゼロタッチ・コンフィグレーション
  • 設定/ファームウェアの国内クラウド管理
「Allied OneConnect (仮称)」のイメージ図

AOCは管理/運用ソリューションにありがちな「多機能だけど、結局ほとんど使えていない」といった課題にも着目。本当に必要な機能だけを搭載することで、誰にでも使いこなせる高い操作性と優れたコストパフォーマンスを両立しています。さらに必要な台数分だけ購入できる柔軟なライセンス体系を採用しているため、「まずは数台から」といったスモールスタートにも対応できます。

IT人材不足に直面しているSIer/NIerにとって、機器設定や更新を遠隔で行えるだけでなく、複数顧客のネットワーク稼働状況もまとめて把握できる仕組みは、現場の負荷軽減だけでなく障害の未然防止や早期解決に繋がり、サービス品質そのものの底上げも期待できます。

こんなSIer/NIer様におすすめです!

  • 顧客ごとに設定・構成がバラバラで、運用が属人化している
  • 機器導入後も継続して運用管理を任せてもらえるビジネスモデルを確立したい
  • 限られた人員で、より多くの顧客を効率的に管理したい

AOCは“SIer/NIerの視点”に立って設計されたサービスです。 “管理工数の削減” と“サービス品質の向上” を同時に実現することで、 SIer/NIerといったパートナー企業様のこれからのビジネスに少しでもお力添えができればと考えています。

まずはセミナーアーカイブ動画で、AOC導入検討中のパートナー企業様の声を聞いてみませんか?

アライドテレシスでは市場に特化したオンラインセミナーを随時開催しています。なかでもエンタープライズ企業様やパートナー企業様に向けた「ネットワークオンラインセミナー」では、ITインフラのニーズに沿った製品やソリューションについて幅広い情報をお届けしています。

「SIer/NIer様必見!ネットワークの導入・管理コストを大幅に削減する アライドテレシスの新たなクラウド管理型プラットフォーム『Allied OneConnect(仮称)』」と題し、2025年5月22日に開催された NETRENDネットワークオンラインセミナー では、実際にAOCをご検討中のミツイワ株式会社 様、株式会社コムネットシステム 様 にご登壇いただき、検討背景や期待する効果についてお話いただきました。

本オンラインセミナーシリーズは、ライブ配信後にアーカイブでもご視聴いただけます。ご都合のよいタイミングでぜひご覧ください!

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この記事を書いた人

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R.N.

これまで沢山のお客様へ当社の魅力を発信してきました。
データシートやカタログの数字だけでは伝わらないアライドテレシスらしさを、自分の言葉で皆さまにお伝えできたらと思います。
好きなものは小説とドラマと深夜ラジオ。特技は焼き魚を綺麗に食べること。

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