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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #35
専用線によるインターネット接続(DNSリレー/DHCPサーバー)
専用線を使ってインターネットサービスプロバイダー(ISP)に接続します。この例では、DNSリレーとDHCPサーバーの設定を追加しています。また、ファイアウォールで外部からの不正アクセスを防止します。
DNSリレーは、本ルーターに対するDNSリクエストを、他のサーバーにリレーする機能です。
クライアント側で本ルーターをDNSサーバーに指定しておけば、DNSサーバーのアドレスが変更されても、本ルーターに設定されているサーバーアドレスを変更するだけですみます。個々のクライアントの設定は変更する必要がないため、管理・保守効率が向上します。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。この例では、DHCPサーバー機能を併用し、本製品をDNSサーバーとして使うよう各クライアントに通知しています。本製品は、受け取ったDNSリクエストをISPのネームサーバーにリレーします。
表 1:ルーターの基本設定
TDMグループ名 |
ISP |
回線速度 |
128Kbps |
WAN側物理インターフェース |
bri0 |
WAN側(ppp0)IPアドレス |
202.10.1.10/24 |
LAN側(vlan1)IPアドレス |
192.168.10.1/24 |
DNSサーバーのIPアドレス |
202.10.2.192 |
DHCPサーバー機能 |
使う |
表 2:ルーターのDHCPサーバー設定
DHCPポリシー名 |
subnet10 |
使用期限 |
3600(秒) |
サブネットマスク |
255.255.255.0 |
デフォルトルート |
192.168.10.1 |
DNSサーバー |
192.168.10.1(ISPのDNSにリレーする) |
DHCPレンジ名 |
ip10 |
提供するIPアドレスの範囲 |
192.168.10.128〜192.168.10.130(3個) |
- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
- bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「ISP」を作成します。
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
- PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP ↓
- IPモジュールを有効にします。
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。
ADD IP INT=ppp0 IP=202.10.1.10 MASK=255.255.255.0 ↓
- デフォルトルートを設定します。
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0 ↓
- 本ルーターが使用するDNSサーバーのIPアドレス(ISPから提供されたもの)を設定します。
ADD IP DNS PRIMARY=202.10.2.192 ↓
- DNSリレー機能を有効にします。
- ファイアウォール機能を有効にします。
- ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
- ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACHABLE ↓
- ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、TCP-RSTを返すよう設定します。
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
- ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
- LAN側(vlan1)インターフェースをPRIVATEに設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLICに設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
- エンハンストNATの設定を行います。LAN側(vlan1)ホストのIPアドレスを、ISPから割り当てられたグローバルアドレス(ppp0のアドレス)に変換するよう設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0 ↓
- ルーターのDHCPサーバー機能を有効にします。
- DHCPポリシー「subnet10」を作成します。IPアドレスの使用期限は3,600秒(1時間)とします。
CREATE DHCP POLICY=subnet10 LEASETIME=3600 ↓
- クライアントに提供する情報を設定します。ここでは、DNSサーバーアドレスとして、ルーターのLAN側(vlan1)インターフェースのIPアドレスを指定しています。DNSリレー機能により、ルーターはLAN側クライアントからのDNSリクエストをISPのDNSサーバーにリレーします。
ADD DHCP POLICY=subnet10 SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1 ↓
- クライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。ここでは、192.168.10.128〜192.168.10.130の3個を指定しています。
CREATE DHCP RANGE=ip10 POLICY=subnet10 IP=192.168.10.128 NUMBER=3 PROBE=ARP ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
■ ISPからログイン名とパスワードを指定されている場合は、手順3の次に以下のコマンドを追加してください。ここでは、ログイン名として「ispuser」、パスワードとして「isppasswd」を設定しています。
SET PPP=0 USER=ispuser PASSWORD=isppasswd ↓
■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。
ENABLE FIREWALL POLICY=net LOG=DENY ↓
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。
■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 PROTO=ICMP ICMPTYPE=ECHO LOG=HEADER ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 ACTION=INCLUDE ↓
SET IP INT=ppp0 FILTER=0 ↓
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。
■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。
ルーターのコンフィグ
[テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP ↓
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=202.10.1.10 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXT=0.0.0.0 ↓
ADD IP DNS PRIMARY=202.10.2.192 ↓
ENABLE IP DNSRELAY ↓
ENABLE FIREWALL ↓
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACHABLE ↓
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0 ↓
ENABLE DHCP ↓
CREATE DHCP POLICY=subnet10 LEASETIME=3600 ↓
ADD DHCP POLICY=subnet10 SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.10.1 DNSSERVER=192.168.10.1 ↓
CREATE DHCP RANGE=ip10 POLICY=subnet10 IP=192.168.10.128 NUMBER=3 PROBE=ARP ↓
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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #35
(C) 2006-2017 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000668 Rev.N
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