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CentreCOM 8700SLシリーズ コマンドリファレンス 2.9
IPX/経路制御
備考:フィーチャーライセンス AT-FL-03またはAT-FL-03-B が必要
- 静的経路設定
- RIPフィルター
- SAPフィルター
- RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字
IPX環境における経路制御について説明します。IPXでは、RIP(Routing Information Protocol)とSAP(Service Advertisement Protocol)による動的経路制御(ダイナミックルーティング)が基本です。IPXモジュールを有効にして、IPXインターフェースを作成すると、RIPによる経路情報の通知と、SAPによるサービス情報の通知が自動的に有効となります。
RIPフィルターやSAPフィルターを使用すると、経路情報のやりとりにフィルターをかけることができます。また、静的に経路を設定することも可能です。
■ 経路情報をスタティック登録するには、ADD IPX ROUTEコマンドを使います。IPXネットワーク8686への経路を登録するには次のようにします。
ADD IPX ROUTE=8686 CIRCUIT=2 NEXTHOP=20:f4868686 ↓
■ サービス情報をスタティック登録するには、ADD IPX SERVICEコマンドを使います。ファイルサーバー「HeloHelo」を登録するには次のようにします。ADDRESSパラメーターには、ファイルサーバーの「内部ネットワーク番号:内部ステーション番号:NCPソケット番号」を指定します。ファイルサーバーの内部ネットワーク番号は、通常NetWare製品のシリアル番号となります。また、ファイルサーバーの内部ステーション番号はつねに1となります。
ADD IPX SERVICE=HeloHelo ADDRESS=8686:1:0451 TYPE=FILESERVER CIRCUIT=2 ↓
RIPフィルターを使うと、特定の経路情報をRIPで通知しないようにしたり、受信した経路情報から任意のエントリーを破棄したりすることができます。
■ RIPフィルターは、ADD IPX RIPコマンドで作成します。特定の経路情報だけを取り除きたいときは、次のようにします。RIPフィルターは、先頭から順にフィルター内の各エントリーがチェックされ、マッチした時点でアクションが実行されます。また、フィルターの末尾にはすべてを破棄する暗黙のエントリーが存在するため、通常は他のエントリーの後にすべてを許可するエントリーを作成します。
ADD IPX RIP=1 NETWORK=3344* ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IPX RIP=1 NETWORK=* ACTION=INCLUDE ↓
■ RIPフィルターを作成しただけではフィルタリングが行われません。作成したRIPフィルターは、SET IPX CIRCUITコマンドで特定のインターフェースに適用するか、SET IPX GRIPコマンドでグローバルに(すべてのインターフェースに)適用します。
- IPXインターフェース「1」での受信時にRIPフィルター「1」を適用する。すなわち、インターフェース「1」で受信した経路情報のうち、フィルターにマッチするものを受け入れないようにする。
SET IPX CIRCUIT=1 INRIP=1 ↓
- IPXインターフェース「1」からの送信時にRIPフィルター「1」を適用する。すなわち、インターフェース「1」からRIPパケットを送信するときに、一部の経路情報を送らないようにする。
SET IPX CIRCUIT=1 OUTRIP=1 ↓
- すべてのインターフェースでの送受信時にRIPフィルター「1」を適用する。
■ RIPフィルターの内容を確認するには、SHOW IPX RIPコマンドを使います。
■ RIPフィルターからエントリーを削除するにはDELETE IPX RIPコマンドを使います。
DELETE IPX RIP=1 ENTRY=2 ↓
DELETE IPX RIP=1 ENTRY=ALL ↓
■ インターフェースに対するRIPフィルターの適用をとりやめるには、SET IPX CIRCUITコマンドのINRIP、OUTRIPパラメーターにNONEを指定します。
SET IPX CIRCUIT=1 INRIP=NONE ↓
■ グローバルなRIPフィルターの適用を取りやめるには、SET IPX GRIPコマンドでNONEを指定します。
SAPフィルターを使うと、特定のサービス(サーバー)に関する情報をSAPで通知しないようにしたり、受信したサービスの情報を取り込まずに破棄したりできます。
■ SAPフィルターは、ADD IPX SAPコマンドで作成します。特定のサービス情報だけを取り除きたいときは、次のようにします。SAPフィルターは、先頭から順にフィルター内の各エントリーがチェックされ、マッチした時点でアクションが実行されます。また、フィルターの末尾にはすべてを破棄する暗黙のエントリーが存在するため、通常は他のエントリーの後にすべてを許可するエントリーを作成します。次は、プリンターサーバーに関する情報だけをフィルタリングする例です。
ADD IPX SAP=1 SERVICE=* TYPE=PRINTSERVER ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IPX SAP=1 SERVICE=* TYPE=* ACTION=INCLUDE ↓
■ SAPフィルターを作成しただけではフィルタリングが行われません。作成したSAPフィルターは、SET IPX CIRCUITコマンドで特定のインターフェースに適用するか、SET IPX GSAPコマンドでグローバルに適用します。
- IPXインターフェース「1」での受信時にSAPフィルター「1」を適用する。すなわち、インターフェース「1」で受信したサービス情報のうち、フィルターにマッチするものを受け入れないようにする。
SET IPX CIRCUIT=1 INSAP=1 ↓
- IPXインターフェース「1」からの送信時にSAPフィルター「1」を適用する。すなわち、インターフェース「1」からSAPパケットを送信するときに、フィルターにマッチするサービス情報を送らないようにする。
SET IPX CIRCUIT=1 OUTSAP=1 ↓
- すべてのインターフェースでの送受信時にSAPフィルター「1」を適用する。
■ SAPフィルターの内容を確認するには、SHOW IPX SAPコマンドを使います。
■ SAPフィルターからエントリーを削除するにはDELETE IPX SAPコマンドを使います。
DELETE IPX SAP=1 ENTRY=2 ↓
DELETE IPX SAP=1 ENTRY=ALL ↓
■ インターフェースに対するSAPフィルターの適用をとりやめるには、SET IPX CIRCUITコマンドのINSAP、OUTSAPパラメーターにNONEを指定します。
SET IPX CIRCUIT=1 INSAP=NONE ↓
■ グローバルなSAPフィルターの適用を取りやめるには、SET IPX GSAPコマンドでNONEを指定します。
RIPフィルターとSAPフィルターでは、以下のワイルドカード文字を使用できます。
表 1:RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字(数値指定時)
ワイルドカード |
意味 |
* |
アスタリスク以降は何が来てもよいことを示す。「*」(すべてにマッチ)、「012*」(012で始まるものにマッチ)のように使う。アスタリスクの後に文字が続いてはならない。すなわち、「*1234」、「34*f8」のような指定はできない。 |
% |
任意の1文字にマッチ。「9876%%」、「%%123%」のように使う。 |
[] |
かっこ内のどれか1文字にマッチ。ハイフンで範囲を指定することも可能。[123]と[1-3]は同じ意味で、1か2か3のどれかにマッチすることを示す。空の場合([])は任意の文字を表す(%と同じ意味になる)。 |
表 2:RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字(文字列指定時)
ワイルドカード |
意味 |
* |
任意の文字列にマッチ |
% |
任意の1文字にマッチ |
[] |
かっこ内のどれか1文字にマッチ。ハイフンで範囲を指定することも可能。[abc]と[a-c]は同じ意味で、aかbかcのどれかにマッチすることを示す。開きかっこ([)の直後にキャレット(^)が来た場合は意味が反転し、かっこ内の文字以外にマッチする。[^abc]はa、b、c以外の任意の1文字にマッチする。空の場合([])は任意の文字を表す(%と同じ意味になる)。 |
\ |
エスケープ文字。次に続く文字の特殊な意味をうち消すときに使う。「\*」は、任意の文字列ではなく、1個のアスタリスク(*)そのものを示す。 |
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