2025年3月、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が改定されました。本記事では、自治体の実務担当者やネットワークのプロの知見をもとに、ガイドライン改定のポイントや、DX推進とセキュリティを両立させる取り組み、「 α’モデル」移行の判断軸などをご紹介します。
自治体DXに向け、新章へ ― 2025年改定ガイドラインが示す未来
2025年3月、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が改定され、自治体におけるDX推進と情報セキュリティの両立が、これまで以上に重要となっています。
これまでも自治体では、住民情報やマイナンバーなどの機微な情報を扱う業務において、高い水準のセキュリティが求められてきました。
2015年の年金機構情報漏えい事案を受け、総務省は自治体のネットワークを「マイナンバー利用事務系」「LGWAN接続系」「インターネット接続系」の3つに分ける“三層分離モデル”を策定。それをもとに庁内ネットワークでは、三層分離を基盤とする「αモデル」の導入が進みました。
しかしその後、クラウドサービスの活用や職員の多様な働き方が進み、庁外やクラウドを通じた業務も増加。こうした変化に対し、αモデルでは利便性が低く、業務が滞るといった課題が生じました。
そこで、利便性を高めることを目的に「βモデル」「β’モデル」などの新しい運用方式が提示されます。ところが、これらは理論上は安全でも、実際の運用では「構築が複雑」「コストが高い」といった課題が壁となり、導入は思うように進みませんでした。
こうした状況を踏まえ、2024年10月のガイドライン改定で新たに定義されたのが「α’モデル」です。これは従来のαモデルから、β・β’モデルへ一気に移行するのが難しい自治体に向けた“現実的な解”として注目されています。閉じたネットワーク内で安全性を確保しつつ、クラウドの利用を必要な範囲に限定することで、リスクとコストを抑えながら業務効率化を図る――まさに両立を実現する“いいとこ取り”の設計です。
そして今回の改定では、2024年版で示された方針を自治体の要望も踏まえて、さらに具体化しました。
中でも注目されるのが、マイナンバー事務系における画面転送方式と無線LANの活用です。業務効率や利便性の観点から、各自治体の判断で安全性に配慮した画面転送の採用を認めることが明文化され、加えて、条件付きながらマイナンバー系への無線接続も許容される要件が示されました。
今回の改定は、単なる技術要件の見直しにとどまらず、自治体が「安全性を確保しながら柔軟に働ける環境」を整えるための大きな一歩です。
DX推進と情報セキュリティの両立は、もはや相反するものではなく、互いを高め合う関係へと進化しています。今後は、ガイドラインを「守るためのルール」ではなく、「変化に対応するための指針」として活用していく姿勢が求められます。
専門家を交えて考える ― 【徹底解説】ガイドライン改定が変える! 自治体DXとセキュリティの未来
ジチタイワークスWEBの最新記事「【徹底解説】ガイドライン改定が変える! 自治体DXとセキュリティの未来」では、ガイドライン改定に携わった合同会社KUコンサルティング代表社員 髙橋 邦夫 氏、当社ユーザーでありα’モデルに移行されている東京都北区の杉田 義和 氏、そして技術面で自治体を支援するソリトンシステムズの小國 淳一 氏と当社社員が、改定のポイントや、DX推進とセキュリティを両立させる取り組み、「α’モデル」移行の判断軸などについて語っています。
業務効率やセキュリティ対策に関わる実務担当者や管理者にとって、具体的な導入の手法や判断の参考になる内容ですので、ぜひ一読ください。
ジチタイワークスWEB 掲載記事|【徹底解説】ガイドライン改定が変える! 自治体DXとセキュリティの未来
こんな方におすすめの記事!
- 自社や自治体のネットワーク運用・セキュリティ強化を検討中の方
- 業務効率と安全性を両立させるDXやクラウド活用の判断ポイントを知りたい方
- 現場で導入可能な画面転送方式や無線LANの運用方法を手早く把握したい方
- 「 α’モデル」など現実的なネットワーク構築の選択肢やメリットを理解したい方
記事の注目ポイント!こんな内容についてお話いただきました:
- 改定された自治体向け情報セキュリティガイドライン、その実務への影響とは?
- 「 α’モデル」で進める現実的なネットワーク設計とクラウド活用
- 2030年に向けて自治体ネットワークはどうあるべきか?
掲載記事はこちら(ジチタイワークスWEB)

自治体職員様必見|ガイドライン改定のポイントや具体的な施策について学ぶオンラインセミナー【無料開催】
アライドテレシスでは、業種に特化したオンラインセミナーを随時開催しています。
「【徹底解説】ガイドライン改定!自治体の未来を支えるネットワーク環境とセキュリティ対策とは?」をテーマに開催された回では、ガイドライン改定をうけて自治体職員の皆様が取り組むべきポイントや具体的な施策、 α’モデルで実現するネットワークセキュリティなどについて導入事例を交えて詳しく解説しています。
本オンラインセミナーシリーズは、ライブ配信後にアーカイブでもご視聴いただけます。ぜひご覧ください。
さらに詳しい内容は下記をご覧ください
- 本記事の内容は公開日時点の情報です。
- 記載されている商品またはサービスの名称等はアライドテレシスホールディングス株式会社、アライドテレシス株式会社およびグループ各社、ならびに第三者や各社の商標または登録商標です。
\注目情報をメールマガジンでいち早くお届け/
あなたの業種に合わせた旬な情報が満載!
- 旬な話題に対応したイベント・セミナー開催のご案内
- アライドテレシスのサービスや製品に関する最新情報や、事例もご紹介!
あなたの業種に合わせた旬な情報をお届け!
旬な話題を取り上げたイベント・セミナー情報や、アライドテレシスの最新事例・サービス・製品情報をご案内します!