用語概要
VAP(Virtual Access Point)(バップ)とは、1台の物理的な無線アクセスポイント(AP)上に、複数の仮想的なAPを構築する技術です。
VAPはそれぞれ独立したSSIDや暗号化方式、認証設定を持つことができ、まるで複数のAPが存在するかのように振る舞います。これにより、1台の機器で複数のネットワーク環境を同時に提供することが可能となり、ネットワークの柔軟性が大幅に向上します。
VAPを利用しない場合はSSIDごとにAPが必要になり、AP間で電波干渉しないような設計が必要になります。またAPと接続するスイッチには、APの台数分のポートが必要になり、APやPoEスイッチ、配線コストがかかってしまいます。
そのため、VAPは無線LANの効率的な運用やセキュリティ強化、コスト削減を目的として、企業や教育機関、公共施設などで広く活用されています。

効果・メリット
VAPの最大のメリットは、1台のアクセスポイントで複数のネットワークを構築・運用できる点です。例えば、社内ネットワークとゲスト用ネットワークを分離することで、セキュリティリスクを低減できます。また、IoT機器専用のSSIDを設けることで、トラフィックの管理や障害切り分けが容易になります。物理機器の数を減らせるため、導入・運用コストの削減にもつながり、設置スペースの節約や電力消費の抑制にも効果があります。さらに、ネットワーク管理者はVAPを通じて、SSIDごとにアクセス制御や帯域制限を設定できるため、より細やかな運用が可能になります。
利用例
VAPはさまざまなシーンで活用されています。企業では、社員用・ゲスト用・IoT機器用など、用途に応じたSSIDを1台のAPで提供し、セキュリティと利便性を両立しています。商業施設やイベント会場では、来場者向けのWi-FiサービスをVAPで提供し、運営側のネットワークと分離することで安全性を確保しています。教育機関では、教職員と学生のネットワークを分離することで、情報漏洩リスクを低減し、学習環境を安定化させています。さらに、ホテルや病院などでも、部門ごとに異なるSSIDを設定することで、業務効率とセキュリティの向上が図られています。
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