用語概要
デフォルトルートは、ルーティングテーブルに特定の宛先が見つからない場合に使用されるルート情報のことです。他のネットワークに対しての転送を行う場合、データの転送を行うための転送先情報(ルート情報)が必要になりますが、1つの機器に世界中のすべてのネットワークへの転送先を記録することはできません。デフォルトルートは、未知のネットワーク宛のデータを受け取った際に、それを転送するためのルート情報であり、これによって、ネットワーク全体を効率的に運用できるようになります。
デフォルトルートは、IPv4では「0.0.0.0/0」、IPv6では「::/0」で表されます。
効果・メリット
デフォルトルートの主なメリットは、ルーティングテーブルの簡素化と管理を容易にすることです。すべての未知のネットワークに対するルート情報を1つにまとめることで、ルーティングテーブルが簡素化され、ネットワークの負荷が軽減します。不明な通信経路が1つにまとまるため、ルーティングテーブルだけでなくデータフローも簡素化され、管理が効率的になり管理者の負荷を低減します。企業や家庭のネットワークでは、すべての外部ネットワークへのルートをデフォルトルートに集約し、データをデフォルトゲートウェイに送信することで、インターネットに接続します。これにより効率的なネットワーク運用を可能にしています。
利用例
デフォルトルートの指定方法は、非常にシンプルです。
スタティックルートを設定する場合は、宛先となるネットワークアドレスを指定しましたが、デフォルトルートでは、宛先にすべてのネットワークを示す「0.0.0.0/0」(IPv6の場合は、「::/0」)を指定し、その転送先として、上位のルーターを設定します。上位のルーターには、一般的にはISP(インターネットサービスプロバイダー)のルーターを指定します。ISPのルーターのIPアドレスが10.10.1.1であった場合、以下のように設定します。
宛先ネットワークアドレス:0.0.0.0/0
転送先:10.10.1.1
これで、スタティックルートに指定がない、未知のネットワークへの通信の場合には、10.10.1.1に転送し、後は10.10.1.1にすべての処理を一任します。
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