スタック機能

用語概要

スタック機能は、複数のスイッチを専用のケーブルでつなぎ、仮想的に1台のスイッチとして扱う技術で、機器の冗長化とシンプルなネットワーク構成を実現する機能です。
複数の機器で構成されたスタックグループ内では、すべての機器がアクティブな状態で稼働します。通常時からすべての機器がデータを処理するため、万が一、1台の機器に障害が発生しても、他の機器がデータの処理を続けることができ、高い冗長性を実現します。
機器の設定や状態もグループ内で同期されるため、管理作業・メンテナンス時には1台を操作すればすべての機器に同じ変更を適用することができ、機器の管理を容易にします。
アライドテレシスのスイッチでは、VCS（バーチャルシャーシスタック）としてスタック機能を提供しています。

効果・メリット

スタック機能の主なメリットは、高い冗長性、管理性の向上、ネットワーク構成の簡素化です。

高い冗長性

複数台のスイッチを仮想的に1台とすることで、シンプルかつ拡張性の高い負荷分散型冗長ネットワークを提供します。各スイッチはすべてアクティブ状態で動作するため、通常時は予備経路の帯域もフルに活用し、障害発生時には正常な残りの経路を使用することでネットワークを効率的に運用します。

管理性の向上

スタックグループを構成しているスイッチは単一のIPアドレスでまとめて管理でき、設定などはグループ内で同期するため各スイッチを個別に管理する必要がなく、格段に管理性が向上します。

ネットワーク構成の簡素化

複数の機器を1台として扱うため、ネットワーク構成がシンプルになります。これにより、設計やトラブルシューティングが容易になります。

利用例

最も多い利用例は、コア・スイッチの冗長化です。コア・スイッチを複数台スタックすることにより、ネットワーク全体の可用性を向上し、コア・スイッチと接続する機器間の帯域の向上によって、全体のスループットも向上します。
スタック機能で構成したコア・スイッチと、それにつながる他の機器はLAG（リンクアグリゲーション・複数のポートを仮想的に一つのポートとして扱う技術）で接続します。スタックされたスイッチはグループ内の機器で冗長化され、スタックグループに接続する機器との間はLAGによって経路の冗長化と帯域の拡張が同時に実現されることで、ネットワーク全体の可用性と性能を向上します。
障害によって一部の機器が停止した場合は、残った機器とLAGで冗長化された経路によってネットワークは継続されます。機器が障害から復旧した際は、ネットワークを止めることなく、簡単な設定だけでVCS構成を再構成することができます。