スタティックルーティング

用語概要

スタティックルーティング(静的ルーティング)は、ネットワーク管理者が手動でルーターに経路情報を設定する方法です。管理者がデータの転送先をすべて把握し、設定が可能であるような小規模なネットワークや、特定の経路を強制的に使用する必要がある場合に利用されます。
管理者の意図するとおりのデータフローを生成することができますが、ネットワーク構成の変更などが生じた場合には、その都度、設定の変更が発生する恐れがあります。

効果・メリット

スタティックルーティングのメリットには、以下の点が挙げられます。

(1) 設定がシンプル
(2) データフローが安定する
(3) ルーター/L3スイッチの負荷が小さい

スタティックルーティングは、管理者がすべての転送経路を管理し、機器に登録するものです。ダイナミックルーティングと異なり、ルーティングプロトコルの知識が必要なく、対象のネットワークと転送先を指定するだけで良いため構成や管理がシンプルになります。
設定をしたら変更されるまで、指定されたルートでデータが転送されるため、データフローが分かりやすく安定します。また、ダイナミックルーティングと異なり、機器の間での経路の学習が行われにないので機器に余計な負荷がかかりません。

利用例

スタティックルーティングの設定は、各ルーターに対して手動で行います。
ルーティングテーブルへの登録の方法は機器によって様々ですが、ルーティングに必要な情報は、基本的には
 ・データ転送を必要とするネットワークのアドレス
 ・具体的な転送先
の2つです。

例えば、192.168.20.0/24に所属していないルーターが
 宛先:192.168.20.100/24
のデータを受け取ったとします。

データを宛先に送り届けるには、IPアドレス“192.168.100.254”に転送する必要があります。
この場合、

 宛先ネットワークアドレス:192.168.20.0/24
 転送先:192.168.100.254

のように、ルーティング情報を機器に追加します。

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