[index] CentreCOM AR560S コマンドリファレンス 2.9

CREATE SQOS TRAFFICCLASS

カテゴリー:QoS / 一般コマンド


CREATE SQOS TRAFFICCLASS=tc-list [BWCLASS3ACTION={DROP|PAUSE|NONE}] [DESCRIPTION=string] [MAXQLEN=1..1023] [METER={0..9999|NONE}] [MINBURST={YES|NO|ON|OFF}] [PAUSEACTION={NONE|LOG|TRAP|BOTH}] [PAUSETIME={1..30}] [PREMARKBWCL={1..3|USEDSCPMAP}] [PREMARKDSCP={0..63|USEDSCPMAP|NONE}] [{PRIORITY=0..15|WEIGHT=0..100}] [QLIMITEXCEEDACTION={NONE|LOG|TRAP|BOTH}] [QUEUEDROP={HEAD|TAIL}] [RED={0..9999|NONE}] [REMARKING=0..63|USEDSCPMAP|NONE}] [REMARKVLANPRI={0..7|NONE}] [VIRTBW={bandwidth|NONE}] [WEIGHTSCHEDULER={WRR|DWRR}]

tc-list: トラフィッククラス番号(0〜9999。ハイフン、カンマを使った複数指定も可能)
string: 文字列(1〜100文字。空白を含む場合はダブルクォートで囲む)
bandwidth: 帯域幅(1〜16000000Kbps)


トラフィッククラスを作成する。

トラフィッククラスは、同じQoS処理を適用すべきトラフィックをひとまとめにしたもの。

本製品のQoS機能では、トラフィッククラスごとにプレマーキング、メータリング、リマーキングなどの設定が可能。トラフィッククラスは、QoSポリシーの下にツリー状に配置して使用する。末端のトラフィッククラスにはパケットを格納するためのキューが用意され、それより上位のトラフィッククラスは下位クラスからの出力順序を制御する。



パラメーター

TRAFFICCLASS: トラフィッククラス番号。複数指定も可能。

BWCLASS3ACTION: メータリングで帯域クラス3(使いすぎクラス)に分類されたパケットに対する処理。DROPを指定した場合、帯域クラス3のパケットはキューに格納される前に破棄される。PAUSEを指定した場合は、PAUSETIMEパラメーターで指定された秒数だけ送信(dequeue)を停止する(PAUSEACTIONパラメーターでログへの記録やSNMPトラップの送信も可能)。NONEを指定した場合は、帯域クラス3のパケットに対して特別な処理を行わない(次段階の処理に移行する)。省略時はNONE。

DESCRIPTION: メモ。任意の文字列を指定できる。

MAXQLEN: (末端トラフィッククラスでのみ有効)本トラフィッククラスにおける最大キュー長(単位はパケット数)。QoSポリシーかトラフィッククラスにおいて、VIRTBWパラメーターで最大帯域幅を制限している場合は、末端トラフィッククラスのキュー長を大きめに設定しておくほうがバーストを吸収できてよい。省略時は64。

METER: メーター番号。本トラフィッククラスに対してメータリングを実施したいときに、使用するメーター(帯域使用量計測器)の番号を指定する。メータリングの結果として割り当てられた帯域クラスに基づき、各パケットの破棄や送信一時停止などが可能。

MINBURST: 本トラフィッククラスが使用するトークンバケットサイズを変更するかどうか。YES/ONを指定した場合はトークンバケットサイズを最小サイズにする。省略時はNO。本パラメーターはVIRTBWが設定されているときだけ意味を持つ。

PAUSEACTION: 帯域クラス3のパケットの送信を停止したときに実行する通知処理。LOG(ログ記録)、TRAP(SNMPトラップ送信)、BOTH(ログ記録とSNMPトラップ送信)、NONE(何もしない)から選択する。BWCLASS3ACTIONにPAUSEを指定したときだけ有効。省略時はNONE。

PAUSETIME: 帯域クラス3のパケットの送信を停止する時間(秒)。BWCLASS3ACTIONにPAUSEを指定したときだけ有効。省略時は10。

PREMARKBWCL: (末端トラフィッククラスでのみ有効)本トラフィッククラスに対するプレマーキング(帯域クラス書き換え)の動作を指定する。1〜3の数値を指定した場合は、本トラフィッククラスを通過するすべてのパケットの帯域クラスを指定値に書き換える。USEDSCPMAPを指定した場合は、パケットのDSCP値をインデックスとして、DSCPMAPのプレマーキング用テーブルを検索し、帯域クラスを書き換える。使用するDSCPMAPは、CREATE SQOS POLICYコマンド、SET SQOS POLICYコマンドのDSCPMAPパラメーターで指定する。省略時は1(すべてのパケットに帯域クラス1を割り当てる)。

PREMARKDSCP: (末端トラフィッククラスでのみ有効)本トラフィッククラスに対するプレマーキング(DSCP値書き換え)の動作を指定する。0〜63の数値を指定した場合は、本トラフィッククラスを通過したすべてのパケットのDSCP値を指定値に書き換える。USEDSCPMAPを指定した場合は、パケットのDSCP値をインデックスとして、DSCPMAPのプレマーキング用テーブルを検索し、DSCP値を書き換える。使用するDSCPMAPは、CREATE SQOS POLICYコマンド、SET SQOS POLICYコマンドのDSCPMAPパラメーターで指定する。NONEを指定した場合は書き換えを行わない。省略時はNONE。

PRIORITY: 絶対優先方式(PQ)の優先制御における優先度。PRIORITYの設定されている同レベルのトラフィッククラス間では、絶対優先方式(PQ)の優先制御が行われ、PRIORITYの大きいトラフィッククラスからパケットが優先的に出力される。なお、PRIORITY付きトラフィッククラスは、WEIGHT付きトラフィッククラスよりも優先して出力される。WEIGHTとは同時に指定できない。WEIGHT、PRIORITYを省略した場合は、PRIORITY=1の設定になる。なお、デフォルトトラフィッククラスはWEIGHT付きでなくてはならないため、WEIGHTパラメーターを必ず指定すること。

WEIGHT: 重み付きラウンドロビン(WRR/DWRR)方式の優先制御における重み付け値。WEIGHTの設定されている同レベルのトラフィッククラス間では、重み付きラウンドロビン(WRR/DWRR)による優先制御が行われ、WEIGHTの比率でパケットが順番に出力される(WEIGHT=0は、他のWEIGHT付きトラフィッククラスに出力すべきパケットがないときだけ出力されるという意味)。なお、WEIGHT付きトラフィッククラスは、PRIORITY付きトラフィッククラスよりも優先度が低く、PRIORITY付きトラフィッククラスに出力すべきパケットがないときにだけ出力される。PRIORITYとは同時に指定できない。WEIGHT、PRIORITYを省略した場合は、PRIORITY=1の設定になるので注意が必要。なお、デフォルトトラフィッククラスはWEIGHT付きでなくてはならないため、WEIGHTパラメーターを必ず指定すること。また、デフォルトトラフィッククラスのWEIGHTは0〜20の範囲でなくてはならない。

QLIMITEXCEEDACTION: (末端トラフィッククラスでのみ有効)キューがいっぱいになったときに実行する通知処理。LOG(ログ記録)、TRAP(SNMPトラップ送信)、BOTH(ログ記録とSNMPトラップ送信)、NONE(何もしない)から選択する。省略時はNONE。

QUEUEDROP: (末端トラフィッククラスでのみ有効)キューがいっぱいになったときに、パケットをキューの先頭から破棄するか、末尾から破棄するかを指定する。HEADを指定した場合は、先頭の(もっとも古い)パケットから破棄する。TAILを指定した場合は、末尾の(もっとも新しい)パケットから破棄する。省略時はTAIL。

RED: (末端トラフィッククラスでのみ有効)本トラフィッククラスに適用するREDカーブセット番号。NONEを指定した場合は、REDアルゴリズムを使用しない。省略時はNONE。

REMARKING: 本トラフィッククラスに対するリマーキング(DSCP値・帯域クラス書き換え)の動作を指定する。0〜63の数値を指定した場合は、本トラフィッククラスを通過したすべてのパケットのDSCP値を指定値に書き換える。USEDSCPMAPを指定した場合は、リマーキング直前の帯域クラスとパケットのDSCP値をインデックスとして、DSCPMAPのリマーキング用テーブルを検索し、DSCP値と帯域クラスを書き換える。使用するDSCPMAPは、DSCPMAPパラメーターで指定する。NONEを指定した場合は書き換えを行わない。省略時はNONE。

REMARKVLANPRI: 本トラフィッククラスに対するリマーキング(802.1pユーザープライオリティー書き換え)の動作を指定する。0〜7の数値を指定した場合は、本トラフィッククラスを通過したすべてのパケットの802.1pユーザープライオリティーを指定値に書き換える。NONEを指定した場合は書き換えを行わない。省略時はNONE。

VIRTBW: 本トラフィッククラスの仮想帯域(Kbps)。本トラフィッククラスの帯域は、原則としてここで指定した値までに制限される。数値だけで指定する場合の単位はKbps。ただし、数値のあとに「K」、「M」、「G」をつけると、それぞれ「Kbps」、「Mbps」、「Gbps」の意味になる。「M」、「G」を指定する場合は、「2.256G」や「128.4M」のように小数を指定することもできる(小数点以下3桁まで有効)。省略時はNONE(帯域制限なし)。

WEIGHTSCHEDULER: (中間トラフィッククラスでのみ有効)WEIGHTが設定されている下位トラフィッククラス間の優先制御方式。WRR(Weighted Round Robin)、DWRR(Deficit Weighted Round Robin)から選択する。どちらもWEIGHT比でパケットを送信するのは同じだが、DWRRはパケットサイズも考慮に入れるため、よりWEIGHT比が実際の帯域比に近くなる。省略時はWRR。本パラメーターは、WEIGHTが設定されている子クラスが複数存在するときだけ意味を持つ。



トラフィッククラス1を作成する。ここでは、仮想帯域を512Kbpsに制限している。
CREATE SQOS TRAFFICCLASS=1 VIRTBW=512K



関連コマンド

ADD SQOS POLICY TRAFFICCLASS
ADD SQOS TRAFFICCLASS CLASSIFIER
ADD SQOS TRAFFICCLASS SUBCLASS
CREATE CLASSIFIER
CREATE SQOS DSCPMAP
CREATE SQOS METER
CREATE SQOS POLICY
CREATE SQOS RED
DELETE SQOS POLICY TRAFFICCLASS
DELETE SQOS TRAFFICCLASS CLASSIFIER
DELETE SQOS TRAFFICCLASS SUBCLASS
DESTROY SQOS TRAFFICCLASS
SET SQOS TRAFFICCLASS
SHOW SQOS TRAFFICCLASS



参考

RFC2697, A Single Rate Three Color Marker
RFC2698, A Two Rate Three Color Marker


(C) 2010-2014 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001314 Rev.G