[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.1.5

VLAN / WAN側設定


基本設定
上位層とのインターフェース


本製品は、WAN側Ethernetインターフェース上でもIEEE 802.1Q VLANタグの送受信が可能です。
これは、WAN側Ethernetインターフェース上にサブインターフェースを作成し、VLAN IDを割り当てることによって実現します。VLAN IDを割り当てたサブインターフェースは、802.1Q VLANインターフェースと呼びます。

Note - 本解説編で説明するWAN側EthernetインターフェースのVLAN機能は、LAN側スイッチポートのVLAN機能とは独立した機能です。WAN側とLAN側に同一のVLAN IDのVLANを作成しても、両者は異なるブロードキャストドメインに所属します(レイヤー2の直接通信はできません)。LAN側のVLAN機能については「VLAN」の「LAN側設定」をご覧ください。

基本設定

WAN側Ethernetインターフェース上に802.1Q VLANを作成するには、次のようにします。
  1. 物理インターフェースとして利用するWAN側Ethernetインターフェースを有効にします。

    *Router(config)# interface gigabitEthernet 0
    *Router(config-if)# no shutdown
    *Router(config-if)# exit
    


  2. 物理インターフェース上にVLANタグ送受信用のサブインターフェースを作成します。これには、interface(subif)コマンドを使います。
    gigabitEthernet 0上に作成するサブインターフェースの名前は、gigabitEthernet 0.Xの形式になります(X = 1〜10の任意の番号)。

    *Router(config)# interface gigabitEthernet 0.1
    


  3. サブインターフェースのVLAN IDを指定します。これには、encapsulation dot1qコマンドを使います。
    これにより、サブインターフェースgigabitEthernet 0.1 = 802.1Q VLANインターフェースとなります。

    *Router(config-subif)# encapsulation dot1q 10
    


  4. 802.1Q VLANインターフェースを有効にします。

    *Router(config-dot1q-if)# no shutdown
    


■ 1つのEthernetインターフェース上には、最大10個のサブインターフェースを作成できます。作成したサブインターフェースは802.1Q VLANインターフェースかPPPoEインターフェースのどちらかとして使用できます。

■ 802.1Q VLANインターフェースの基本動作は次のとおりです。

■ 物理インターフェース(WAN側Ethernetインターフェース)上に802.1Q VLANインターフェースを作成している場合、物理インターフェースで受信したフレームの所属VLANは次の基準にしたがって決定されます。
  1. 受信フレームがタグ付きの場合は、VLANタグに格納されたVLAN IDが、物理インターフェース上に作成された802.1Q VLANインターフェースのどれかと一致している場合、その802.1Q VLANインターフェースで該当フレームを処理する。VLANタグに格納されたVLAN IDがどの802.1Q VLANインターフェースとも一致しない場合は、該当フレームを破棄する。

  2. 受信フレームがタグなしの場合は、暗黙のうちに物理インターフェースに割り当てられるVLAN 1の所属と判断し、該当フレームを物理インターフェースで処理する。

■ WAN側Ethernetインターフェース上に作成した802.1Q VLANインターフェースの情報は、show vlansコマンドで確認できます。

*Router> show vlans
Virtual LAN ID:   10 (IEEE 802.1Q Encapsulation)

   VLAN Trunk Interface: gigabitEthernet 0.1

   0 packets, 0 bytes input
   0 packets, 0 bytes output

Virtual LAN ID:   20 (IEEE 802.1Q Encapsulation)

   VLAN Trunk Interface: gigabitEthernet 0.2

   0 packets, 0 bytes input
   0 packets, 0 bytes output

Virtual LAN ID:   30 (IEEE 802.1Q Encapsulation)

   VLAN Trunk Interface: gigabitEthernet 0.3

   0 packets, 0 bytes input
   0 packets, 0 bytes output


上位層とのインターフェース

802.1Q VLANインターフェースは、WAN側EthernetインターフェースやPPPインターフェース、LAN側のVLANインターフェースと同様のルーティング/ブリッジング用インターフェースとして扱われ、他のインターフェースとの間で、IPv4/IPv6パケットのルーティングや任意のプロトコルのブリッジングを行うことができます。

■ 802.1Q VLANインターフェースでIPv4パケットをルーティングするには、ip addressコマンドで802.1Q VLANインターフェースにIPv4アドレスを設定します。

*Router(config)# interface gigabitEthernet 0.1
*Router(config-dot1q-if)# ip address 172.16.10.1/24


■ 802.1Q VLANインターフェースでIPv6パケットをルーティングするには、ipv6 addressコマンドで802.1Q VLANインターフェースにIPv6アドレスを設定します。

*Router(config)# interface gigabitEthernet 0.1
*Router(config-dot1q-if)# ipv6 address 2001:1:1:10::1/64


■ 802.1Q VLANインターフェースと他のインターフェースの間でEthernetフレームをブリッジングするには、ブリッジ機能を有効化し、ブリッジグループを作成して、802.1Q VLANインターフェースと他のインターフェースをブリッジグループに割り当てます。

*Router(config)# bridge irb enable
*Router(config)# bridge-group 1
*Router(config)# interface vlan 10
*Router(config-if)# bridge-group 1
*Router(config-if)# exit
*Router(config)# interface gigabitEthernet 0.1
*Router(config-if)# bridge-group 1
*Router(config-if)# exit


Note - 802.1Q VLANインターフェースとブリッジ機能のVLANタグ保持(bridge dot1q pass-throughコマンド)は併用できません。


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