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フラッグシップオフィス 京橋イノベーションセンター

フラッグシップオフィス“京橋イノベーションセンター”新たなオフィスの概念「Gathering Space」とは

第2回 京橋イノベーションセンターのスマートオフィスを支えるITと設備

京橋イノベーションセンターは、2019年11月末に開所したアライドテレシスのフラッグシップオフィスだ。フリーアドレスに最先端のITを備えたスマートオフィス、京橋イノベーションセンターについて紹介する連載の第2回。今回は設備やITの話を中心に聞いた。

目 次

アライドテレシス株式会社 取締役 永野 忍

ハイデスク・ハイチェアでコミュニケーション活性化を

京橋イノベーションセンターの設備面のお話をお伺いします。机と椅子、それにロッカーが中心ですが、レイアウトなどはどのように決めたのでしょう。

レイアウトについては、さまざまな人の意見も聞きつつという感じです。設計段階でのキーワードは、やはり“解放感”でした。せっかく景色もいい場所ですので、それを生かさない手はないと。
お客様が入り口から入ってきた時に、いきなり壁、ではせっかくの場所が台無しですので、入ってくると部屋の奥まで視線が通り、窓の外まで一望できるという開放感を大事に設計してもらいました。机、椅子、ロッカーも含め、高さを同じくらいに統一して、歩いてきた時に目線がそのまま奥まで抜けるようになっています。

オフィスレイアウト図
  • ショールーム
  • 応接室
  • ソファスペース
  • 対面スペース
  • フリースペース
  • モニタースペース
  • 集中スペース
  • スタンディングスペース

確かに、机や椅子が少し高めですよね。

コミュニケーションを考え、ハイデスク・ハイチェアを採用しています。
デスクが低いと立ち寄った人が上から目線になりますが、ハイデスク・ハイチェアですと目線が近くて、話しかけやすいという効果があります。コミュニケーション促進という意味でも良いと思います。
天井が高いので、ハイデスク・ハイチェアにしても圧迫感があまりないのも良いところです。

ハイデスク・ハイチェア

中央がデスクスペースで、周囲に打ち合わせができるスペースもあります。

フロアの両サイドに6~8人程度の会議室が6つと、10数人は入れる少し広めの会議室が1つ、それと会議室と同じ大きさで休憩スペースが1つあります。そして中央にショールームがあります。会議室自体は7つとショールームという感じですね。

コミュニケーション重視ということで会議室のような打ち合わせスペースは充実していますね。

また、会議室の周辺にファミレス席のようなところがあり、テーブルごとにタブレット端末を備えていますので、簡単な打ち合わせやちょっとしたテレビ会議などもできるスペースになっています。

ソファー席

コロナ禍ということでテレビ会議の要望は多いですか?

京橋イノベーションセンターを設計・構築していた時はまだコロナ禍ではありませんでしたが、そもそも社内的に全国でテレビ会議システムが繋がるようにという方針がありました。ですので、テレビ会議関係の設備が充実しているのは、元々そうした方針だからということですね。

こぼれ話絨毯までこだわりぬいた。でも後悔も・・・

絨毯は備え付けのものではなく、さまざまな方に意見を聞いて決定しました。
実際ビルの建設段階で、すでに入居後には絨毯を変えることは決まっていたので、最初から敷かないでもらいたいところでしたがそういうわけにもいかず、結局、敷いてある絨毯を剥がして、費用をかけて廃棄しています。
ちょっと勿体ないし、エコとは言えませんので、剥がした絨毯は捨てずに、本社などで使えれば、と検討しましたが、最終的には使い所が見つからず廃棄となってしまいました。
最初から絨毯を剥がして敷き直すことを計算して、何か手が打てたかもしれないと、ちょっと残念に思っています。

こぼれ話

お客様に提案するパターンをすべて

アライドテレシスの最新ネットワーク機器が導入されていますね。

ここは機器だけでなく、アライドテレシスの技術すべてを実際に利用しているところを見ていただくという場でもあります。 ルーターからコア・スイッチ、エッジ・スイッチ、無線LANアクセスポイント(以下:アクセスポイント)までアライドテレシス製品が入っていますし、ネットワークの管理にはAMF(Autonomous Management Framework)、無線はAWC(Autonomous Wave Control)、AWC-CB(AWC-Channel Blanket)、AWC-SC(AWC-Smart Connect)も使っています。ネットワーク統合管理ソフトウェアは最新のAT-Vista Manager EXですし、他にもNet.Monitorも実際に導入しています。

各テクノロジー紹介
  •  

    AMF:ITインフラ全体の機器の一元管理ができ、設定変更や情報参照が簡単に行え、ネットワークの構成状態を視覚的に確認可能なSDNネットワーク統合管理ソリューション

  •  

    AWC:アクセスポイントのチャンネルや電波出力を自律的に調整して、無線LANエリア内の電波干渉を最小限に抑止する自律型無線LANソリューション

  •  

    AWC-CB:無線エリア内を単一のチャンネルで設定し、ローミングレスで通信が途切れることなく快適な無線LAN通信を実現するハイブリッド無線LANシステム

  •  

    AWC-SC:無線LANの電波の届きにくい場所でも、アクセスポイントを設置し電源を入れるだけで、簡単に無線LANエリアの拡大が可能な無線LANエリア拡大ソリューション

  •  

    AT-Vista Manager EX:スイッチやルーター、アクセスポイントなどの管理を一括で行え、統合されたマップ表示と簡単操作が可能なネットワーク統合管理ソリューション

  •  

    Net.Monitor:ネットワークからサーバーまでお客様のITシステムの運用を支援するサービス。多彩なオプションサービスを組み合わせて、さまざまな運用業務を支援

AWC-CBも導入しているのですね。

内線電話用のネットワークをAWC-CBでシングルチャンネル化して、利用しています。電話は動きながら使うこともありますので、ローミング1が発生しないシングルチャンネルはメリットが大きいです。

用語解説
  • 1

    ローミング:一般的には携帯キャリアを超えた利用を可とするサービスを指すが、ここでは、端末が移動にともない接続する無線LANアクセスポイントを乗り換える仕組みを指す。

AWC-CB

全部盛りでの構成ですね。

お客様にご提案するパターンはここで絶対にやるということになっています。

アクセスポイントの数が多いように思えるのですが。

おそらく一般のオフィスと比較するとアクセスポイントを多めに設置しています。というのも、端末の位置情報をアクセスポイントの3点測量で出していくので、やはりアクセスポイントの数が多い方が位置情報を正確に出しやすくなります。

最新の製品、技術を実際に仕事で利用して、それを見ていただく場なのですね。

広告塔の位置付けでもあるのでそういうことです。
ただ一つ残念なのは、Wi-Fi62対応アクセスポイントの在庫がかなり少なく、お客様優先で在庫を動かしています。在庫の確保と準備ができ次第、京橋イノベーションセンターのアクセスポイントもWi-Fi 6対応にしていく予定です。

用語解説
  • 2

    Wi-Fi6:無線LANの接続方式において標準規格化された最新技術。IoTなどの無線接続端末の数・種類の増加が背景にある。ひとつ前のWi-Fi5に比べ理論値で通信速度が1.4倍になるほか、複数端末の同時通信の待機時間減少(低遅延)、一台のアクセスポイントに接続可能な台数増大などが主なメリット。正式な規格名は「IEEE 802.11ax」。

“喫茶店レベル”のセキュリティレベルでも万全?

お客様に来ていただいて、そのまま仕事をしていただいても構わないといったお話がありましたが、セキュリティは問題ありませんか?

オフィスに入ってきた時に気付かれたと思いますが、入り口に受付はあるのですが、セキュリティゲートやセキュリティドアがありません。
コミュニケーションスペースであることが大前提だったので、物理セキュリティをガチガチに強化する方法は実施しませんでした。
備え付けのパソコン端末やタブレットはワイヤーロックで施錠していますが、盗難の可能性はゼロでは無いです。そうしたことを考えた時に、社員には基本的にシンクライアント3を利用してもらっています。やはり端末の中にデータを持たないというのが最低限ですが、効果的な方法だと思っています。

用語解説
  • 3

    シンクライアント:ユーザー側の端末で最小限の処理しか行わず、アプリケーションの実行やデータ保存・管理などの処理は仮想デスクトップの環境でに接続して利用する仕組み。端末自体に重要なデータが保存されず、単体ではほぼ機能しないため、テレワークや端末紛失などによる情報漏えいを防ぐことができる。ユーザー側でアプリケーションの実行やデータ保存・管理などを行う端末は「ファットクライアント」と呼ぶ。

備え付けのパソコン端末

普通のノートPCを使っている社員の方もいるようですが。

はい、確かに備え付けのパソコン端末以外でノートPC使っている社員もいますが、それも含め基本的には全部シンクライアントです。 プレゼンなどを行うために自分のPCを持ち込む場合は、会社で定めている持ち込みPC用のセキュリティポリシーを遵守する必要があります。

シンクライアントは処理が重いなど苦情は出ていませんか。

実は、最初ちょっと気にはしていました。ただ、出ていないので、快適に利用できているのだと思います。

セキュリティは万全ですね。

そこは自信持って“はい”と言えます。
移転する時に「皆さん、喫茶店で仕事するセキュリティレベルですからね」と周知しています。喫茶店で仕事するときに資料を出しっぱなしにしませんよね、という意味です。
開所以降セキュリティ事故の話は聞いていませんので、上手くいっていると思います。

次回第3回ではIoTや位置情報の活用、京橋イノベーションセンターの成果、今後の展望などを紹介する。

  • 本記事の内容は公開日時点の情報です。(2023年1月6日に一部の情報を更新しました)
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