「最年長の備忘録」は、忙しい方やすぐに要点を知りたい方に向けて、現代社会を映すキーワードや話題を簡潔に整理してお届けするミニコラムです。今回はDXやGX、SXに共通して入る「X=Transformation」についてまとめています。
広がるキーワード「X」
DX, GX, SX…。今や「X」を冠とした数多くの言葉を耳にするようになりました。
「X」は「変革(Transformation)」を意味し、企業経営や社会における重要な概念を表します。
それぞれが異なる視点から変革を促し、相互に関連し合いながら、持続可能な社会の実現を目指しています。今回は、それら「X」について代表的な用語を抜粋して紹介します。
DX(Digital Transformation)
DXとは、デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出したり、業務プロセスを改善したり、レガシーシステムから脱却することで企業価値を高める取り組みのことです。
この概念は、2004年にスウェーデンのウメオ大学 エリック・ストルターマン教授によって提唱されました。
日本では、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」を契機に広く知られるようになり、2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、働き方改革やテレワークの推進とともにDXへの取り組みが一気に加速しました。

DXは、さまざまなデジタル技術を組み合わせることで実現されます。代表的な技術には、ICT(Information and Communication Technology)、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、AI(Artificial Intelligence)、クラウドなどがあります。
赤と黒のカラーリングで知られる某動画配信サービスは、DVDレンタルから動画配信(VOD:Video on Demand)へと移行する過程で、4つのステージを経ながら構造的な変革を実現しました。いわゆる「脱DVDレンタルからVODへ」というエンタメ配給の大転換を成し遂げたその取り組みは、DXの代表的な成功事例として広く知られており、有名な話です。
GX(Green Transformation)
GXとは、グリーントランスフォーメーションの略で、2021年に日本政府が掲げた「グリーン変革」を指します。
化石燃料に依存した経済・社会・産業構造を、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギー中心へ移行させるための取り組みです。
地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出削減と経済成長の両立を目指しています。
DXとGXはいずれも「変革」を意味しますが、焦点が異なります。DXはデジタル技術を活用したビジネス・社会の変革を指し、GXは環境保護、特に脱炭素化を軸とした社会・経済システムの変革を指します。

SX(Sustainability Transformation)
SXとは、サステナビリティ・トランスフォーメーションの略で、2021年に経済産業省が提唱した概念です。
企業が持続可能な成長を目指すための経営変革を指し、長期的な視点で事業を継続しつつ、社会全体の持続可能性にも貢献することを意味します。
SXは次の2つの側面で構成されます。
- 社会のサステナビリティ:環境問題や社会問題といった地球規模の課題に対応し、社会全体の持続可能性に貢献すること。
- 企業のサステナビリティ:企業が中長期的に収益を上げ、競争力を維持・向上させていくための持続可能性。

新たに注目されているX
AX(Artificial Intelligence Transformation)
AXとは、AI技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを革新し、効率化や生産性向上を目指す取り組みを指します。
QX(Quantum Transformation)
QXとは、量子技術を活用して社会全体を大きく変革しようとする概念です。
従来のデジタル技術(DX)では解決が難しかった課題を、量子コンピューターの高い並列計算能力で解決することを目指しています。
「X」はビジネスだけにとどまらない
ここまでビジネスの目線で、変革をもたらす「X」について触れてきました。ですが、その「X」も今や家庭の生活習慣にも浸透しつつあります。
例えば健康の分野であれば、Healthcare TransformationとしてHXという表現が登場しています。コロナ期からたちまち広がったリモート診断、そして健康管理ができる高性能なスマートウォッチや家庭用の医療機器など、身近なところで“変革”が始まっています。
そこで、チームみんなの雑談の中で話にでた、こんな「X」あったらを2つ紹介します。
PX(Pet Transformation)
今や家族同然ペット。そんなペットの声(気持ち)をICT・AIで翻訳、またその逆も。
PXが進んでペットとの日常会話が楽しめるように。。。
※既にAIで鳴き声を解析し、感情を判定するアプリもでてきており、もう一息かも!?
FX(Food Transformation)
昨今、昆虫でタンパク質をとっている人も少なくないとか!?昆虫によっては、牛肉をも上回るタンパク質があり、世の中にはまだまだ知られていない、そんな代替え食物がきっと沢山存在するに違いないでしょう。あとは見た目と味が問題・・・。しかし、今やVR/AR技術、嗅覚ディスプレイなどを利用して、味覚・視覚・嗅覚の連携(クロスモーダル現象)を利用することによって、人の認識を仮想的に変化させるなんてこともできてしまうようです。
あくまでも雑談の範囲内でのことなので、そこはご理解くださいね。
まとめ
今回紹介した5つの「X」のほかにも、日々新たな「X」を冠としたキーワードが生まれ、実際の取り組みが始まっています。
スピードが速く、予測が困難な時代において、企業や組織、そして個人が競争力を高め、持続的に発展していくためには「X=変革」が必要不可欠になっていくと感じました。
次のコラムでは「AI」をテーマに筆をとろうと思います。また次回お会いしましょう!
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