[index] CentreCOM 9424T コマンドリファレンス 2.11

運用・管理/SNMP


  - SNMPv1/SNMPv2c
   - 基本設定
  - その他
  - SNMPv3
   - 基本設定
   - その他
  - SNMPv1/v2c/v3の共通事項


本製品は、ネットワーク管理プロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)のバージョン1(SNMPv1)、バージョン2c(SNMPv2c)、バージョン3(SNMPv3)に対応しています。

SNMPv3では、認証・暗号化機能やMIBオブジェクトへのアクセス制御など大幅な拡張がなされています。そのため、バージョン1、2cとバージョン3では設定方法が大きく異なります。以下では、最初にバージョン1、2cの設定を紹介し、その後バージョン3の設定について解説します。

 

SNMPv1/SNMPv2c

ここでは、SNMPv1/SNMPv2cの設定方法について解説します。

 

基本設定

ここでは、SNMPv1/SNMPv2cを利用するために必要な最小限の設定を紹介します。以下の例では、IPの設定は終わっているものとします。

表 1
SNMPコミュニティー viewers(読み出しのみ)
SNMP管理ホストのIPアドレス 192.168.10.5
SNMPトラップホストのIPアドレス 192.168.10.5


  1. SNMPエージェントを有効にします。また、認証トラップをオンにして、不正なSNMPアクセスに対してトラップを発生するよう設定します。


  2. SNMPコミュニティーを作成します。ここでは、読み出しのみが可能なコミュニティー「viewers」を作成しています。


    Note - コミュニティー名は大文字と小文字を区別するのでご注意ください。

    Note - コミュニティー名はSNMPにおいてパスワードのような役割を果たします。よく考えた上で命名してください。特に、書き込み権限のあるコミュニティー名の設定には注意が必要です。不用意に書き込み権限のあるコミュニティーを作成すると、スイッチの設定を外部から変更されてしまう可能性がありますのでご注意ください。

    Note - 多くのネットワーク機器やSNMPマネージャーソフトには、慣例として読み出し権限のみのコミュニティーとして「public」が、書き込み権限ありのコミュニティーとして「private」がデフォルトで設定されています。本製品にも、この2つのコミュニティーがデフォルトで設定されています。

  3. SNMPコミュニティー「viewers」に管理ホストとトラップホストを追加します。エージェントは、ここで指定した管理ホストからのSNMP要求にだけ応答します。またトラップは、ここで指定したトラップホストにのみ送信されます。


基本設定は以上です。

これにより、SNMPマネージャー(192.168.10.5)から本製品のMIB情報を取得できるようになります。また、本製品からのSNMPトラップがマネージャーに送信されるようになります。

Note - 本コマンドで指定したトラップホストには、SNMPv2c形式のトラップが送信されます。

■ 本製品で、SNMPバージョン1(SNMPv1)のみ対応のトラップホストにトラップを送信するためには、CREATE SNMP COMMUNITYコマンドで作成したのとは別のコミュニティーを作成し、トラップホストの設定を行う必要があります。
下記の設定コマンドの必要な部分のみ変更して、入力してください。コマンドの順序もこのまま入力してください。

表 2
SNMPコミュニティー v1trap(v1対応トラップ送信のみ)
SNMPトラップホストのIPアドレス 192.168.10.10(v1のみ対応のトラップホスト)


設定コマンド


上記の設定コマンドのうち、下記のパラメーターは、ご使用の環境に合わせて変更してください。

表 3
CREATE SNMPV3 TARGETADDR コマンド  
TARGETADDR 1〜63文字の英数字で指定
IPADDRESS v1のみ対応のトラップホストのIPアドレス
CREATE SNMPV3 COMMUNITY コマンド  
INDEX 1〜63文字の英数字で指定
COMMUNITYNAME コミュニティー名(CREATE SNMP COMMUNITYコマンドで作成したのとは違うコミュニティー名を指定してください)


■ v1対応のトラップホストを複数設定する場合は、CREATE SNMPV3 TARGETADDR コマンドで追加します。TARGETADDRパラメーターには、異なる文字列を指定してください。


■ 追加したv1対応のトラップホストを削除する場合は、DESTROY SNMPV3 TARGETADDR コマンドで削除します。


■ v1対応のトラップ送信用コミュニティーを複数設定する場合は、CREATE SNMPV3 COMMUNITY コマンドで追加します。INDEXパラメーターには、異なる文字列を指定してください。


■ 追加したv1対応のトラップ送信用コミュニティーを削除する場合は、DESTROY SNMPV3 COMMUNITY コマンドで削除します。


■ 設定をすべて削除するには、下記のコマンドを入力してください。コマンドの順序もこのまま入力してください。


 

その他

■ 管理ホストやトラップホストを追加するには、ADD SNMP COMMUNITYコマンドを使います。次の例では、コミュニティー「viewers」に管理ホスト「192.168.10.10」、トラップホスト「192.168.10.10」を追加しています。


■ 書き込み権限のあるコミュニティーを作成するには、CREATE SNMP COMMUNITYコマンドのACCESSパラメーターに「WRITE」を指定します(ACCESSパラメーター省略時の権限は読み込みのみ(READ)です)。


■ 本製品のSNMPエージェントは、デフォルトでは管理ホストとして登録されたコンピューター以外からのSNMP要求には応答しません。この制限をなくすには、コミュニティーのOPEN(open access)パラメーターをYESにします。次に具体例を挙げます。


■ SNMPの設定を確認するには、SHOW SNMPコマンド、SHOW SNMP COMMUNITYコマンドを使います。


 

SNMPv3


ここでは、SNMPv3の設定方法について解説します。

本製品では、下記の設定を行います。(それぞれの設定は、テーブルとして管理されます。)


Note - SNMPv1/v2c対応のコミュニティーの作成や管理ホストおよびトラップホストを追加する場合は、CREATE SNMPV3 COMMUNITYコマンドではなく、CREATE SNMP COMMUNITYコマンドをご使用ください。ただし、SNMPv1のみ対応のトラップホストにトラップを送信するためには、SNMPv3用のコマンドを使わなければなりません。本章の「SNMPv1/SNMPv2c」の「基本設定」「■ 本製品で、SNMPバージョン1(SNMPv1)のみ対応のトラップホストにトラップを送信するためには」以降の説明を参照して設定を行ってください。

本製品で、SNMPv3に関する設定を行う場合は、上記の順番で設定することをお勧めします。

 

基本設定


ここでは、SNMPv3を利用するために必要な最小限の設定を紹介します。以下の例では、IPの設定は終わっているものとします。

Note - ADD SNMPV3 USERコマンドで作成したユーザーは、その他のSNMPv3に関する設定とは異なり、CREATE CONFIGコマンドで設定ファイルに保存されません。設定を保存するには、SAVE CONFIGURATIONコマンドを実行してください。また、SET CONFIGコマンドでNONEを指定し、起動時設定ファイルの設定がなしでもユーザーは削除されません。ユーザーを削除する場合は、DELETE SNMPV3 USERコマンドで削除し、SAVE CONFIGURATIONコマンドを実行してください。ただし、SAVE CONFIGURATIONコマンドを実行しても、SNMPv3ユーザーに関する設定は、ユーザーがアップロード・ダウンロード可能な設定ファイルには保存されませんので、設定のバックアップを行う場合には、本製品からアップロードした設定ファイルとは別にSNMPv3 USER設定コマンドをテキストファイルなどで保管してください。

表 4
ユーザー名 systemadmin24
ビュー名 internet
グループ名 Managers
読み出しビュー名 internet
書き込みビュー名 internet
通知ビュー名 internet
通知タグ sysadminTag
ターゲット host451
パラメーターセット SNMPmanagerPC


  1. SNMPエージェントを有効にします。また、認証トラップをオンにして、不正なSNMPアクセスに対してトラップを発生するよう設定します。


  2. ユーザーを作成します。SNMPv3の設定では、認証・暗号化に使うプロトコルとパスワードを指定します。

    ここでは、ユーザー「systemadmin24」を作成しています。


  3. ビューを定義します。ビューは、MIBツリーのどの部分にアクセスさせるかを定義するものです。

    ここでは、internetノード(1.3.6.1)以下をあらわすビュー「internet」を作成します。


    Note - ビューを定義するときは、MIBノードを「1.3.6.1.」のようなOID(Object Identifier)で指定する方法と、「internet」のような名前で指定する方法があります。どちらも、CREATE SNMPV3 VIEWコマンドのSUBTREEパラメーターで指定します。なお、名前で指定できるのは、システムにあらかじめ登録されている代表的なノードだけです。

  4. ユーザーグループを作成します。SNMPv3の設定では、ユーザーグループごとに、通信時の認証・暗号化の有無(セキュリティーレベル)とビューへのアクセス権を設定します。

    ここでは管理者グループ「managers」を定義します。managersグループのユーザーには、internetビューへのフルアクセス権を与えます。また、通信時には認証と暗号化の両方を必須とします。


  5. ユーザーとユーザーグループの対応付けを行います。ユーザーが、どのグループに所属するかを定義します。

    ここではユーザー「systemadmin24」が、管理者グループ「managers」に所属するものとします。


  6. 通知名を定義します。通知メッセージのフォーマットなどを定義します。


  7. ターゲットを追加します。ターゲットは、SNMPv1/v2cにおけるトラップホストのようなもので、トラップなど通知メッセージの送信先となります。ターゲット(通知メッセージの送信先)のIPアドレスと、通信時に使用するパラメーターセットなどを指定します。


  8. ターゲットとの通信に使うパラメーターセットを定義します。パラメーターセットを作成するときは、通知メッセージの送信時に使用するセキュリティーレベルとユーザー名などを指定します。


基本設定は以上です。

これにより、SNMPv3対応の管理ソフトウェアから本製品のMIB情報を取得できるようになります。また、本製品からのSNMPトラップがターゲットに送信されるようになります。



 

その他


SNMPエンジンIDを参照するには、SHOW SNMPV3 ENGINEIDコマンドを使います。



 

SNMPv1/v2c/v3の共通事項


■ リンクアップ/リンクダウントラップは、デフォルトでオンになっています。

■ リンクトラップの設定を確認するにはSHOW INTERFACEコマンドを使います。「ifLinkUpDownTrapEnable」欄が「Enabled」ならリンクトラップが有効です。


■ 本製品のシステム名(system.sysName.0)を設定するにはSET SYSTEM NAMEコマンドを使います。


■ 本製品の設置場所(system.sysLocation.0)を設定するにはSET SYSTEM LOCATIONコマンドを使います。


■ 本製品の管理責任者(system.sysContact.0)を設定するにはSET SYSTEM CONTACTコマンドを使います。









(C) 2009-2010 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001210 Rev.C