[index] AT-DC2552XS コマンドリファレンス 2.5.3.1

運用・管理 / システム


  - 管理機構へのアクセス
   - コンソールターミナル
   - Telnetクライアント
   - SSHクライアント
  - 起動と停止
  - ログイン
  - コマンドモード
  - パスワードの変更
  - ホスト名の設定
  - システム時刻の設定
  - 管理用IPアドレスの設定
  - 設定の保存
  - 再起動
  - その他の機能
   - 起動用ファームウェアの設定
    - ファームウェアの更新手順
   - システム情報の確認

本製品の管理機構にアクセスし、システム関連の基本的な操作や設定を行う方法について解説します。

なお本解説編では、管理用端末の準備から、システム関連の諸設定、設定の保存を経て、システムの再起動を行うところまで、順を追って操作することを前提に話を進めます。

管理機構へのアクセス

本製品に対する設定は、管理用端末から本製品の管理機構であるコマンドラインインターフェース(CLI)にアクセスして行います。

管理用端末には、次のいずれかを使用します。


Note - Telnet/SSHを使用するには、あらかじめコンソールターミナルからログインし、本製品にIPアドレス等を設定しておく必要があります。本製品のご購入時にはIPアドレスが設定されていないため、必ず一度はコンソールターミナルからログインすることとなります。また、SSHを使用する場合は、本製品のSSHサーバーを有効化するための設定も必要です。

コンソールターミナル

コンソールターミナルには、VT100端末装置か、VT100のエミュレーションが可能な通信ソフトウェア(をインストールしたコンピューター)を使用してください。本製品とコンソールターミナルの接続方法については、取扱説明書をご覧ください。コンソールターミナルの通信設定は次のとおりです。

表 1
通信速度 115200bps
データビット 8
ストップビット 1
パリティー なし
フロー制御 なし
エミュレーション VT100


コンソールターミナルを接続した状態で本製品の電源を入れると、起動メッセージに続いて、「Press <ENTER> key to connect...」メッセージが表示されます。ここで「Enter」キーを押すとログインプロンプトが表示されます。

すでに本製品が起動している状態でコンソールターミナルを接続すると、画面に何も表示されない場合がありますが、そのようなときも何度か「Enter」キーを押すとログインプロンプトが表示されます。

Telnetクライアント

Telnetを使って設定を行うためには、本製品とTelnetクライアントの両方に適切なIPアドレスが設定されており、互いにIPで通信できる必要があります。

本製品のご購入時にはIPアドレスが設定されていないため、あらかじめコンソールターミナルからログインして本製品にIPアドレスなどの設定を行っておいてください。IPアドレスの設定については、本解説編の「管理用IPアドレスの設定」、および「IP」の「一般設定」をご覧ください。

本製品のTelnetサーバーは初期状態で有効に設定されているため、IPの基本設定が完了すれば、Telnetクライアントからログインできるようになります。

Telnetクライアントソフトウェアを使って本製品にTelnet接続すると、ログインプロンプトが表示されます。

SSHクライアント

SSHを使って設定を行うためには、本製品とSSHクライアントの両方に適切なIPアドレスが設定されており、互いにIPで通信できる必要があります。

本製品のご購入時にはIPアドレスが設定されていないため、あらかじめコンソールターミナルからログインして本製品にIPアドレスなどの設定を行っておいてください。IPアドレスの設定については、本解説編の「管理用IPアドレスの設定」、および「IP」の「一般設定」をご覧ください。

また、本製品のSSHサーバーは初期状態では無効に設定されているため、IPの基本設定が済んだら、SSHサーバーを有効化するための設定も必要です。SSHサーバーの設定については「運用・管理」の「Secure Shell」をご覧ください。

SSHクライアントソフトウェアを使って本製品にSSH接続すると、ユーザー名とパスワードの入力を求められます。どのような型式で入力を求められるかは、SSHクライアントソフトウェアによって異なります。

なお、本製品のSSHサーバーはバージョン1と2の両方に対応しており、認証方式としてはパスワード認証に対応しています。SSHサーバーの設定により、特定のバージョンだけを使用することも可能です。SSHサーバーの詳細設定については、「運用・管理」の「Secure Shell」をご覧ください。

起動と停止

本製品は、電源ケーブルをつなぐと(電源を入れると)起動し、抜くと(電源を切ると)停止します。

コンソールターミナルを接続した状態で本製品の電源を入れると、起動メッセージに続いて、「Press <ENTER> key to connect...」メッセージが表示されます。ここで「Enter」キーを押すとログインプロンプトが表示されます。

Note - 起動後ログインプロンプトが表示されるまでの時間は、機種やファームウェアのバージョンによって異なりますが、おおむね一分程度かかります。

U-Boot 2009.11 - ver1.0.0 (Oct 31 2011 - 15:55:28)

CPU0:  P2020E, Version: 2.0, (0x80ea0020)
Core:  E500, Version: 5.0, (0x80211050)
Clock Configuration:
       CPU0:1200 MHz, CPU1:1200 MHz,
       CCB:600  MHz,
       DDR:330  MHz (660 MT/s data rate) (Asynchronous), LBC:37.500 MHz
L1:    D-cache 32 kB enabled
       I-cache 32 kB enabled
Board: DC2552XS
I2C:   ready
DRAM:  Initializing....    DDR:  2 GB (DDR3, 64-bit, CL=6, ECC off)
       DDR Chip-Select Interleaving Mode: CS0+CS1
FLASH: 128 MB
L2:    512 KB enabled
NAND:  No NAND device found!!!
0 MiB
MMC:  FSL_ESDHC: 0
    eTSEC2 is in sgmii mode.
    eTSEC3 is in sgmii mode.

    PCIE1 used as Root Complex (base addr ffe0a000)
               Scanning PCI bus 01
        01  00  14e4  b845  0200  00
    PCIE1 on bus 00 - 01

    PCIE2: disabled

    PCIE3: disabled

In:    serial
Out:   serial
Err:   serial
Net:   eTSEC3
Autoboot starts in:  0
WARNING: adjusting available memory to 30000000
## Booting kernel from Legacy Image at e8020000 ...
   Image Name:   Linux-2.6.32
   Image Type:   PowerPC Linux Kernel Image (gzip compressed)
   Data Size:    2040820 Bytes =  1.9 MB
   Load Address: 00000000
   Entry Point:  00000000
   Verifying Checksum ... OK
## Loading init Ramdisk from Legacy Image at e8420000 ...
   Image Name:   DC Ramdisk Image
   Image Type:   PowerPC Linux RAMDisk Image (lzma compressed)
   Data Size:    13854799 Bytes = 13.2 MB
   Load Address: 00000000
   Entry Point:  00000000
   Verifying Checksum ... OK
## Flattened Device Tree blob at e8000000
   Booting using the fdt blob at 0xe8000000
   Uncompressing Kernel Image ... OK
   Loading Ramdisk to 2f2c9000, end 2ffff84f ... OK
   Loading Device Tree to 00ffa000, end 00ffffff ... OK
setup_arch: bootmem
mpc85xx_ds_setup_arch()
arch: exit

pci 0000:00:00.0: ignoring class b20 (doesn't match header type 01)

Press ctrl+c to cancel the auto-init...(3s)

Initializing System ................................. done!
Initializing Serial Interface ....................... done!
Initializing Timer Library .......................... done!
Initializing Event Log .............................. done!
Initializing Board .................................. done!
Initializing IPC .................................... done!
Initializing Switch Models .......................... done!
Initializing File System ............................ done!
Initializing Database ............................... done!
Initializing Configuration .......................... done!
Initializing AW+ CLI ................................ done!
Initializing Mac .................................... done!
Initializing Filter ................................. done!
Initializing ACL .................................... done!
Initializing QoS .................................... done!
Initializing Port ................................... done!
Initializing Trunk .................................. done!
Initializing Port Security .......................... done!
Initializing LACP ................................... done!
Initializing PORT VLAN .............................. done!
Initializing Port Mirroring ......................... done!
Initializing Port Statistics ........................ done!
Initializing Snmp Service ........................... done!
Initializing Monitor ................................ done!
Initializing STP .................................... done!
Initializing SPANNING TREE .......................... done!
Initializing L2_MGMT ................................ done!
Initializing IGMPSnoop .............................. done!
Initializing MLDSnoop ............................... done!
Initializing DoS .................................... done!
Initializing SYS_MGMT ............................... done!
Initializing SWITCH_MGMT ............................ done!
Initializing L2APP_MGMT ............................. done!
Initializing SNMP_MGMT .............................. done!
Initializing RRP Snooping ........................... done!
Initializing Authentication ......................... done!
Initializing TCPIP .................................. done!
Initializing Default VLAN  .......................... done!
Initializing SSL .................................... done!
Initializing ENCO ................................... done!
Initializing PKI .................................... done!
Initializing PAAcctRcv .............................. done!
Initializing SSH .................................... done!
Initializing IFM .................................... done!
Initializing IFMV6 .................................. done!
Initializing RTM .................................... done!
Initializing FTAB ................................... done!
Initializing FTABV6 ................................. done!
Initializing ACM Task ............................... done!
Initializing L3_MGMT ................................ done!
Initializing L3APP_MGMT ............................. done!
Initializing NTP .................................... done!
Initializing CPU_HIST ............................... done!

Configuration file "boot.cfg" not found!!!
Loading default configuration  ............. done!

Press <ENTER> key to connect...
(ここで「Enter」キーを押す)


awplus login:


ログイン

本製品の管理機構であるコマンドラインインターフェース(CLI)を利用するには、ユーザー名とパスワードを入力してログインする必要があります。ログインせずに管理作業を行うことはできません。

初期設定では、次に示す権限レベル15の管理者ユーザーアカウントが登録されています。初回ログイン時はこのユーザー名とパスワードでログインしてください。


ログインするには、「login:」プロンプトに対してユーザー名「manager」を、続いて表示される「Password:」プロンプトに対してパスワード「friend」を入力します。

awplus login: manager 
Password: ****** ↓(伏せ字で表示されます)
(ここでいったん画面が消去されます)
awplus> 


画面が消去された後、「awplus>」のようなコマンドプロンプトが表示されればログイン成功です。

ユーザー名やパスワードを間違えた場合は、「Invalid Login/Password!」というメッセージの後に「login:」プロンプトが再表示されるので、もう一度ログインを試みてください。

Note - 3回連続してログインに失敗すると、コンソールターミナルではログインプロンプトを表示する前に再度「Enter」キーの入力を求められます。また、Telnet/SSH接続の場合はセッションが切断されます。

コマンドモード

本製品のコマンドラインインターフェース(CLI)には「コマンドモード」の概念があります。各コマンドはあらかじめ決められたモードでしか実行できないため、コマンドを実行するときは適切なモードに移動し、それからコマンドを入力することになります。

ここでは、本解説編で使用しているコマンドモードと、それらのモード間を移動するための操作について簡単に解説します。より詳しくは、「運用・管理」の「コマンドラインインターフェース(CLI)」をご覧ください。

本解説編で使用しているコマンドモードは次の4つです。


以下、各モードとモード間の移動方法について概説します。

■ ログイン直後は「非特権EXECモード」です。

awplus login: manager 
Password: ****** ↓(伏せ字で表示されます)
(ここでいったん画面が消去されます)
awplus> 


コマンドプロンプト末尾の「>」が、非特権EXECモードであることを示しています。

非特権EXECモードでは、原則として情報表示コマンド(show xxxx)の一部しか実行できません。実運用上、ほとんど使う必要はないでしょう。

■ 非特権EXECモードでenableコマンドを実行すると、「特権EXECモード」に移動します。

awplus> enable
awplus# 


コマンドプロンプト末尾の「#」が、特権EXECモードであることを示しています。

特権EXECモードでは、すべての情報表示コマンド(show xxxx)が実行できるほか、システムの再起動や設定保存、ファイル操作など、さまざまな「実行コマンド」(コマンドの効果がその場かぎりであるコマンド。ネットワーク機器としての動作を変更する「設定コマンド」と対比してこう言う)を実行することができます。

■ 特権EXECモードでconfigure terminalコマンドを実行すると、「グローバルコンフィグモード」に移動します。

awplus# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
awplus(config)# 


コマンドプロンプト末尾の「(config)#」が、グローバルコンフィグモードであることを示しています。

グローバルコンフィグモードは、システム全体にかかわる設定コマンドを実行するためのモードです。本解説編においては、ログインパスワードの変更やホスト名の設定などをこのモードで行います。

■ グローバルコンフィグモードでexitコマンド、endコマンドを実行するかCtrl/Zキーを押すと、「特権EXECモード」に戻ります。コマンド行が空の状態でCtrl/Dキーを押しても同じです。

awplus(config)# exit
awplus# 


■ グローバルコンフィグモードでinterfaceコマンドを実行すると、「インターフェースモード」に移動します。

awplus(config)# interface vlan1
awplus(config-if)# 


コマンドプロンプト末尾の「(config-if)#」が、インターフェースモードであることを示しています。

インターフェースモードは、指定したインターフェース固有の設定を行うためのモードです。本解説編においては、IPアドレスの設定をこのモードで行います。

■ インターフェースモードでexitコマンドを実行すると、グローバルコンフィグモードに戻ります。コマンド行が空の状態でCtrl/Dキーを押しても同じです。

awplus(config-if)# exit
awplus(config)# 


また、インターフェースモードでendコマンドを実行するかCtrl/Zキーを押すと、「特権EXECモード」に戻ります。

awplus(config-if)# end
awplus# 


■ 特権EXECモードでdisableコマンドを実行すると、「非特権EXECモード」に戻ります。

awplus# disable
awplus> 


■ 特権EXECモードか非特権EXECモードでexitコマンド、logoutコマンドを実行すると、ログアウトします。ログアウト後、「Enter」キーを押すとログインプロンプトが表示されます。

awplus# exit
awplus# 

Press <ENTER> key to connect...


実際には、ここに示した4つのほかにも多くのコマンドモードがあります。詳細については、「運用・管理」の「コマンドラインインターフェース(CLI)」をご覧ください。

パスワードの変更

初期設定のパスワードを使い続けることはセキュリティー上好ましくありませんので、初回ログイン時に変更することをおすすめします。

ログイン後、managerアカウントのパスワードを変更するには次のようにします。

  1. ログイン直後は非特権EXECモードなので、次のようにenableコマンド、configure terminalコマンドの順に実行して、グローバルコンフィグモードに移動します。

    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    


  2. usernameコマンドを実行してパスワードを変更します。

    awplus(config)# username manager password o10moDutch
    


Note - パスワードの設定は保存しないと再起動によって失われます。設定を保存する方法については後述します。

Note - ユーザー認証関連機能の詳細については、「運用・管理」の「ユーザー認証」をご覧ください。

ホスト名の設定

ここまでの説明において、ログインプロンプトやコマンドプロンプトの先頭に「awplus」という文字列が表示されていることにお気づきでしょうか?

プロンプトの先頭部分はホスト名を表示するための領域です。初期状態ではホスト名として「awplus」が設定されており、これがプロンプトの先頭に表示されますが、本製品を複数管理している場合など、各装置に異なる名前を設定しておくと、現在どの装置にログインしているのかがわかりやすくなり便利です。

■ ホスト名を設定するには、グローバルコンフィグモードのhostnameコマンドを使います。

awplus(config)# hostname myswitch
myswitch(config)# 


コマンド実行とともに、コマンドプロンプトの先頭が「awplus」から「myswitch」に変更されたことに注目してください。ここでは仮に「myswitch」としましたが、実際には各装置を区別するのに適した名前を付けてください。

Note - ホスト名の設定は保存しないと再起動によって失われます。設定を保存する方法については後述します。

Note - 本解説編の残りの部分では、説明の流れ上、ホスト名を「myswitch」に設定しているものと仮定します。他の解説編やコマンド編では、原則として初期設定のホスト名「awplus」を用いますが、複数の装置を使用する構成例などでは、各装置を見分けやすいよう「SwitchA」、「SwitchB」のようなホスト名を仮定する場合もあります。

Note - hostnameコマンドで設定したホスト名は、MIB-IIオブジェクトsysNameの値としても使われます。詳しくは、「運用・管理」の「SNMP」をご覧ください。

システム時刻の設定

本製品は電池によってバックアップされる時計(リアルタイムクロック)を内蔵しており、起動時には内蔵時計から現在時刻を取得してシステム時刻が再現されます。

ログなどの記録日時を正確に保つため、システム時刻は正確にあわせて運用することをおすすめします。

システム時計の設定方法には手動で設定する方法と、NTPクライアント機能を利用して自動調整する方法がありますが、ここでは手動設定する方法について説明します。NTPクライアント機能の利用方法については、「運用・管理」の「NTP」をご覧ください。

■ システム時刻(日付と時刻)をあわせるには特権EXECモードのclock setコマンドを使います。たとえば、「2011年12月1日 17時5分0秒」にあわせるには次のようにします。

myswitch(config)# exit
myswitch# clock set 17:05:00 1 Dec 2011


clock setコマンドでは、日付と時刻を「時刻 日付」の順序で指定します。時刻は「時:分:秒」、日付は「日 月 年」の形式で指定します。時、分、秒、日が1桁のときは、ゼロ詰めして2桁にしてもしなくてもかまいません(例:1と01は同じ意味)。月は英語月名の先頭3文字で指定します。大文字小文字の区別はありません。

Note - clock setコマンドは実行コマンドなので、実行後に設定保存の操作(後述)は必要ありません。コマンド実行とともに内蔵時計の時刻が変更され、以後保持されます。

表 2:月名一覧
1月(January) Jan
2月(February) Feb
3月(March) Mar
4月(April) Apr
5月(May) May
6月(June) Jun
7月(July) Jul
8月(August) Aug
9月(September) Sep
10月(October) Oct
11月(November) Nov
12月(December) Dec


■ 現在の日付と時刻を確認するにはshow clockコマンドを実行します。

myswitch# show clock

Local Time: Thu, 01 Dec 2011 17:05:04
UTC Time:
Timezone Offset:


管理用IPアドレスの設定

前述のとおり、コマンドラインインターフェース(CLI)には、ネットワーク上のTelnetクライアントやSSHクライアントからアクセスすることも可能です。

ただし、本製品のご購入時にはIPアドレスが設定されていないため、あらかじめコンソールターミナルからログインして本製品にIPアドレスなどの設定を行っておく必要があります。

ここでは、マネージメント用Ethernetポート(インターフェース名:eth0)にIPアドレスを設定し、同インターフェース配下のTelnetクライアントからCLIにアクセスできるよう設定してみます。

  1. グローバルコンフィグモードに移動します。

    myswitch# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    myswitch(config)# 
    


  2. IPアドレスの設定はインターフェースモードで行います。インターフェースモードに入るには、interfaceコマンドで対象インターフェース名(ここではeth0)を指定します。

    myswitch(config)# interface eth0
    myswitch(config-if)# 
    


  3. ip addressコマンドでIPアドレスとマスク長を指定します。

    myswitch(config-if)# ip address 192.168.1.1/24
    myswitch(config-if)# end
    


    Note - IPアドレスの設定は保存しないと再起動によって失われます。設定を保存する方法については後述します。

設定は以上です。これで、eth0配下のTelnetクライアントからCLIにアクセスできるようになります。

Note - SSHクライアントからCLIへのアクセスを可能にするには、IPアドレスの設定だけでなく、SSHサーバー有効化のための設定も必要です。設定方法については、「運用・管理」の「Secure Shell」をご覧ください。

Note - Telnetクライアントとeth0の間にルーターが介在している場合は、本製品とTelnetクライアントの双方にIP経路の設定が必要です。本製品の経路設定については、「IP」の「一般設定」をご覧ください。

■ インターフェースに割り当てたIPアドレスは、show ip interfaceコマンドで確認できます。

myswitch# show ip interface

Interface               IP-Address         Status          Protocol
eth0                    192.168.1.1/24     admin up        running


IPアドレス設定の詳細については「IP」の「一般設定」をご覧ください。

設定の保存

コマンドによって設定された内容の多くはランタイムメモリー上にあるため、本製品の電源を切ったり、再起動したりすると消えてしまいます。

現在の設定内容を次回起動時にも使用したい場合は、ランタイムメモリー上の設定内容をファイルに書き出し、次回起動時に自動的に読み込まれるよう設定する必要があります。

ここでは、設定を保存し、次回起動時に復元する方法について簡単に解説します。設定保存の詳細については、「運用・管理」の「コンフィグレーション」をご覧ください。

本製品には設定内容を表す独特の概念として、次の2つがあります。

表 3
ランニングコンフィグ(running-config) ランタイムメモリー上にある現在の設定内容。電源断や再起動によって失われる。show running-configコマンドで内容を確認できる。ファイル操作コマンドにおいては、仮想的なファイル「running-config」としてコピーなどの操作が可能
スタートアップコンフィグ(startup-config) 起動時コンフィグ。システム起動の最終段階において自動的に復元される設定内容。フラッシュメモリー上にファイルとして保存されており、電源断や再起動を経ても失われない。show startup-configコマンドで内容を確認できる。ファイル操作コマンドにおいては、仮想的なファイル「startup-config」としてコピーなどの操作が可能。startup-configが実際にどのファイルを指しているかは、show bootコマンドで確認でき、boot config-fileコマンドで変更できる


■ 現在の設定内容(ランニングコンフィグ)は、show running-configコマンドで確認できます。

myswitch# show running-config

!
hostname myswitch
service maxmanager 3
baud-rate set 115200
!
banner exec
!
no banner motd
no system territory
!
line console 0
!
line vty 0 9
!
no telnet insert-null-char
!
spanning-tree mode rstp
!
!
mac address-table ageing-time 300

!
interface eth0
 ip address 192.168.1.1/24
!
service password-encryption
!
username manager privilege 15 password 8 391ff53cd5123dbdf8f33bf00487fe50
!
!
end


■ 現在の設定内容(ランニングコンフィグ)を次回起動時にも使用したい場合は、ランニングコンフィグをスタートアップコンフィグにコピーして保存します。これを実現するもっとも一般的な方法は、特権EXECモードのcopyコマンドを使って次のようにする方法です。

myswitch# copy running-config startup-config

Generating current configuration .....
Configuration file will be saved in background.


copyコマンドの代わりにwriteコマンドを使うこともできます。コマンドの機能は同じです。

myswitch# write

Generating current configuration .....
Configuration file will be saved in background.


■ 正しく保存されたかどうかを確認するには、show startup-configコマンドでスタートアップコンフィグを表示します。

myswitch# show startup-config
!
hostname myswitch
service maxmanager 3
baud-rate set 115200
!
banner exec

!
no banner motd
no system territory
!
line console 0
!
line vty 0 9
!
no telnet insert-null-char
!
spanning-tree mode rstp
!


!
mac address-table ageing-time 300

!
interface eth0
 ip address 192.168.1.1/24

!
service password-encryption
!

username manager privilege 15 password 8 391ff53cd5123dbdf8f33bf00487fe50
!
!
endmyswitch#


再起動

本製品を再起動するには、特権EXECモードのreloadコマンドまたはrebootコマンドを使います。2つのコマンドは同じ働きをします。

Note - 再起動を実行する前に、現在の設定内容(ランニングコンフィグ)を保存したかどうかご確認ください。設定の保存については、前節「設定の保存」、および「運用・管理」の「コンフィグレーション」をご覧ください。

■ システムを再起動します。reloadコマンドを実行すると、本当に再起動してよいか確認してくるので、再起動してよいなら「y」を入力して「Enter」キーを押してください。再起動をキャンセルするときは「n」を入力します。

myswitch> enable
myswitch# reload
reboot system? (y/n): y 


Rebooting the Switch .....


reloadコマンドを実行すると、ハードウェア的なリセットがかかり、ファームウェアのロードを行った後、スタートアップコンフィグを読み込んで起動が完了します。スタートアップコンフィグが設定されていない場合は、初期設定で起動します。

その他の機能

その他、システム関連の機能や操作について解説します。

起動用ファームウェアの設定

本製品のファームウェアは、拡張子imgを持つイメージファイルとして提供されます。

ファームウェアのイメージファイルは、フラッシュメモリーに保存(ダウンロード)し、起動用イメージファイルに指定することで使用します。フラッシュメモリーには、容量の許すかぎり何個でもイメージファイルを置くことができます。

システム起動時には、「起動用ファームウェア」に指定されたイメージファイルがロードされます。

■ 起動用ファームウェアのイメージファイルは、boot systemコマンドで指定します。同コマンドで指定するファイルの拡張子はimgでなくてはなりません。

awplus(config)# boot system DC-2.5.1.1.img


Note - イメージファイルの設定は、コマンド実行時にシステムファイルに保存されるため、copyコマンドやwriteコマンドでコンフィグに保存する必要はありません。

■ 起動用ファームウェアの設定は、show bootコマンドで確認できます。

awplus# show boot


ファームウェアの更新手順

以上をふまえたファームウェアの更新手順は次のとおりです。

Note - ファームウェアの更新は、ネットワークの実運用中に行わないでください。

ファームウェアの更新作業時には、各種のファイル操作が必要になります。ファイル操作の詳細については、「運用・管理」の「ファイル操作」をご覧ください。

また、IPネットワーク経由でファイルをダウンロードするには、IPアドレスなどの設定が必要です。以下の説明では、IPの基本設定までは完了しているものと仮定します。IPアドレスの設定については、本解説編の「管理用IPアドレスの設定」および「IP」の「一般設定」をご覧ください。
  1. 新しいファームウェアのイメージファイルを入手し、本製品への転送が可能な場所に保存します。本製品への転送が可能な場所とは、具体的には次の場所です。


  2. show bootコマンドを実行して、現時点における起動用ファームウェアの設定を確認します。

    awplus# show boot
    
    --------------------------------------------------------------------------------
    Current software   : DC-2.5.1.1.img
    Current boot image : DC-2.5.1.1.img
    Default boot config: /config/boot.cfg
    Current boot config: /config/boot.cfg (file exists)
    


    この例では、起動用ファームウェアとしてDC-2.5.1.1.imgが指定されていることがわかります。

  3. show file systemsコマンドを実行して、フラッシュメモリーの空き容量を確認します。

    awplus# show file systems
     Size(b)  Free(b)  Type   Flags  Prefixes   S/D/V   Lcl/Ntwk  Avail
    -------------------------------------------------------------------
     100.0M    68.1M   flash     rw  flash:     static  local      Y
    


    この例では、空き容量が68.1MByteであると確認できます。空き容量とイメージファイルのサイズを比較して、イメージファイルを格納するのに充分な空きがあることを確認してください。空き容量が足りない場合は、deleteコマンドで不要なファイルを削除して空きを作ってください。

  4. copyコマンドを使って、新しいイメージファイルをダウンロードし、フラッシュメモリーに保存します。ここでは、TFTPサーバー192.168.1.70から、イメージファイルDC-2.5.1.2.imgをダウンロードするものとします。

    awplus# copy tftp flash 192.168.1.70 DC-2.5.1.2.img
    

    Note - DC-2.5.1.2.imgは説明上使用している架空のファームウェアイメージファイルです。2.5.1.1リリース時点では実在しませんのでご注意ください。

  5. dirコマンドを使って、新しいイメージファイルが正しくダウンロードされたことを確認します。

    awplus# dir
    
    15889581 -rw-r--r-- Nov 7 2011 13:34:21 DC-2.5.1.1.img
    15898765 -rw-r--r-- Apr 1 2012 12:34:56 DC-2.5.1.2.img
    ...
    


  6. boot systemコマンドを使って、新しいイメージファイルを起動用ファームウェアに指定します。イメージファイルの設定は、コマンド実行時にシステムファイルに保存されるため、copyコマンドやwriteコマンドでコンフィグに保存する必要はありません。

    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# boot system DC-2.5.1.2.img
    
    Verifying image... please wait... Done.
    
     Current Header:
         Product ID/Version: DC2552XS v2.5.1.1
         Build Date/Time   : Oct 31 2011 15:40:44
     New Header:
         Product ID/Version: DC2552XS v2.5.1.2
         Build Date/Time   : Apr 1 2012 00:00:00
    
     Older version attempt to be written. Sure to proceed ? (y/n) y 
    
    Extracting image... Please wait... Done.
    
    
    Writing image... Please wait...
    
     /tmp/uImage :
     100% |*********************************|   1993/  1993 KB Writing Done
    
     /tmp/uRamdisk :
     100% |*********************************|  13530/ 13530 KB Writing Done
    
     /tmp/mpc85xx_et7448bf.dtb :
     100% |*********************************|     12/    12 KB Writing Done
    
    Firmware is updated and ready.
    Please reboot the switch.
    
    
    
    Operation successful.
    


  7. 再度show bootコマンドを実行して、起動用ファームウェアの設定を確認します。

    awplus# show boot
    
    --------------------------------------------------------------------------------
    Current software   : DC-2.5.1.1.img
    Current boot image : DC-2.5.1.2.img
    Default boot config: /config/boot.cfg
    Current boot config: /config/boot.cfg (file exists)
    


  8. 設定に問題がなければ、reloadコマンドかrebootコマンドでシステムを再起動します。再起動後は、新しいファームウェアで起動します。

    awplus# reload
    reboot system? (y/n): y 
    ...
    


以上でファームウェアの更新は完了です。

システム情報の確認

システムの基本情報を確認するための各種コマンドを紹介します。

■ システムの全般的な情報はshow systemコマンド、show switchコマンド、show versionコマンドで確認できます。

■ メモリーに関する情報はshow memoryコマンド、show memory historyコマンドで確認します。

■ CPUの使用率はshow cpuコマンド、show cpu historyコマンドで確認します。

■ システムプロセス、ユーザープロセスの状態は、show processコマンドで確認します。

■ ハードウェア環境の情報は、show system environmentコマンドで確認します。

■ SFP+モジュール、QSFP+モジュールの情報は、show system pluggableコマンドで確認します。


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PN: 613-001633 Rev.C