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AT-DC2552XS コマンドリファレンス 2.5.3.1
インターフェース / リンクアグリゲーション(IEEE 802.3ad)
- 共通事項
- 他機能との併用について
- 手動設定(Manual Configuration)
- 自動設定(LACP)
リンクアグリゲーション(ポートトランキング)は、複数の物理ポートを束ねてスイッチ間の帯域幅を拡大するとともに、リンクの冗長性を高める機能です。
束ねたポートはリンクアグリゲーショングループ(LAG)またはチャンネルグループ、トランクグループなどと呼ばれ、論理的に1本のポートとして扱われます。グループから送信するトラフィックは、一定の基準にしたがいグループ内の各ポートに分散されます。また、グループ内のポートに障害が発生した場合は、残りのポートで通信を継続します。
Note - IEEE 802.3adでは、ポートの束を「リンクアグリゲーショングループ(LAG)」と呼びますが、本マニュアルでは原則的に「トランクグループ」を使用します。
リンクアグリゲーションには、トランクグループを手動で設定する方法と、LACP(Link Aggregation Control Protocol)というプロトコルを用いて、対向するポート間でネゴシエーションを行い、トランクグループを自動的に設定する方法があります。
以下では、それぞれの設定方法について解説します。
共通事項
- 作成できるトランクグループ(チャンネルグループ)の数は最大32(手動設定と自動設定の合計)です。
- トランクグループの所属ポート数(同時に動作可能なポート数)は最大8です。グループ内のポートは隣接していなくてもかまいません。
Note - LACPチャンネルグループでは、スタンバイポートを含め9ポート以上(上限なし)設定することが可能ですが、同時に動作可能なポート数は最大8です。
- トランクグループは、すべて同一メディアタイプのポートで構成してください。たとえば、トランクグループ内に10GBASE-SRポートと10GBASE-LRポートを混在させるような構成はサポート対象外です。また、通信速度の異なるポート(10Gポートと40Gポート)を混在させることはできません。
- トランクグループの所属ポートは、すべて同一のVLAN設定である必要があります。トランクグループの設定を行うときは、あらかじめすべての所属ポートを、同一VLAN所属、かつ、同一タグ設定(accessかtrunk)にしておく必要があります。
- リンクアグリゲーションの設定は、対向する両方のスイッチで行う必要があります。
- 作成したトランクグループ(saX, poX)は、通常のスイッチポートとほぼ同様に扱うことができます。したがって、スイッチポートを対象とするコマンドの多くは、トランクグループに対してもほぼ同じように使えます。
Note - トランクグループ上では使用できない機能や、設定・使用時に注意を要する機能もあります。詳しくは次節「他機能との併用について」をご覧ください。
各種コマンドでトランクグループを指定するときは、「saX」(Xはスタティックチャンネルグループ番号)、または、「poX」(XはLACPチャンネルグループ番号)という形式の名前を指定してください。たとえば、スタティックチャンネルグループ「1」の設定をするためにインターフェースモードに入るときは、interfaceコマンドで次のように「sa1」を指定します。同様に、LACPチャンネルグループ「1」の設定をするときは、「po1」を指定します。
awplus(config)# interface sa1 ↓
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Note - 「saX」、「poX」を指定してインターフェースモードに入り、インターフェースモードのコマンドを実行した場合であっても、ランニングコンフィグ上では該当トランクグループの全所属ポートに対する設定に変換されます。
- トランクグループ内のどのポートからパケットを送出するかは、L2、L3ヘッダーの情報に基づいて決定されます。port-channel load-balanceコマンドを使うと、送出ポート決定に使うヘッダー情報を制御できます。
初期設定では、L2のヘッダー情報(送信元・宛先MACアドレス)を使って送出ポートを決定しますが、スタティックチャンネルグループ「1」でL3のヘッダー情報(始点・終点IPアドレス)を使うようにしたければ、次のようにします。
awplus(config)# interface sa1 ↓
awplus(config-if)# port-channel load-balance src-dst-ip ↓
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他機能との併用について
■ トランクグループ(saX, poX)および所属ポートでは攻撃検出機能を使用できません(「トラフィック制御」の「攻撃検出」を参照)。
■ トランクグループ(saX, poX)および所属ポートをミラーポートに設定することはできません(「インターフェース」の「スイッチポート」、mirror interfaceコマンドのページを参照)。
■ 下記コマンド、パラメーターの設定は、トランクグループ(saX, poX)ではなく所属ポートに対して行う必要があります。このとき、すべての所属ポートに同じ設定をしてください。
- ポートミラーリングのソースポート設定
- ハードウェアパケットフィルターの設定
- QoS(Quality of Service)の設定
- IGMP Snoopingのルーターポート設定
■ 下記コマンドの設定は、トランクグループの作成前に所属ポートに対して行う必要があります。このとき、すべての所属ポートに同じ設定をしてください。
なお、すでにトランクグループを作成済みの場合は、いったんトランクグループの設定を解除してから該当コマンドを実行し、トランクグループを再作成してください。
- スイッチング方式の設定コマンド
- MACアドレスVLANの設定コマンド
手動設定(Manual Configuration)
トランクグループの手動設定について解説します。
■ 手動設定のトランクグループ(スタティックチャンネルグループ)は、インターフェースモードのstatic-channel-groupコマンドで設定します。たとえば、ポート1.0.1〜1.0.4を束ねて使用するには、次のようにします。束ねるポートは同一通信速度かつ同一メディアタイプのものに限り、また、この時点で同一のVLANに所属かつ同一のVLANタグ設定でなくてはなりません。ここで「1」はスタティックチャンネルグループの番号で、1〜32から選択できます。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.4 ↓
awplus(config-if)# static-channel-group 1 ↓
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Note - LACPチャンネルグループ番号(1〜65535)とスタティックチャンネルグループ番号(1〜32)は有効範囲が重複していますが、それぞれの番号は独立しているため同じ番号を使用してもかまいません。ただし、チャンネルグループ(LACPおよびスタティック)の合計数は32個までに制限されます。
■ スタティックチャンネルグループにポートを追加するには、追加したいポートを対象に、static-channel-groupコマンドを実行します。たとえば、さきほどの例で作成したスタティックチャンネルグループ「1」にポート1.0.5を追加するには、次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.5 ↓
awplus(config-if)# static-channel-group 1 ↓
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■ スタティックチャンネルグループからポートを削除するには、削除したいポートを対象に、static-channel-groupコマンドをno形式で実行します。たとえば、さきほどの例で作成したスタティックチャンネルグループ「1」からポート1.0.5を除外するには、次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.5 ↓
awplus(config-if)# no static-channel-group ↓
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■ スタティックチャンネルグループを削除するには、すべての所属ポートを対象に、static-channel-groupコマンドをno形式で実行します。たとえば、さきほどの例で作成したスタティックチャンネルグループ「1」を削除するには、次のようにします(所属ポートは1.0.1〜1.0.4と仮定)。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.4 ↓
awplus(config-if)# no static-channel-group ↓
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■ スタティックチャンネルグループの情報はshow static-channel-groupコマンドで確認できます。
自動設定(LACP)
LACPを利用したトランクグループの自動設定について解説します。
LACPでは、次の条件をすべて満たすポート群が同一のトランクグループを構成する候補となります。
- 対向機器が同じであること(各ポートが同じ相手に接続されていること)
- 所属VLANが同じであること
- 通信速度が同じであること
- ポート鍵が同じであること
- Full Duplexで動作していること
前記の条件を満たすポートが9ポート以上ある場合は、以下の基準にしたがってメンバーポートが最大8ポート選択されます。
- ポートプライオリティーがもっとも小さいポート
- ポートプライオリティーが等しい場合は、ポート番号の小さいポート
選択されなかったポートはスタンバイ状態となり、メンバーポートがリンクダウンしたときに備えて待機します。メンバーポートがリンクダウンしたときはスタンバイ状態の次点ポートが自動的に昇格し、リンクダウンしていた旧メンバーポートが再度リンクアップしたときは、旧メンバーポートがメンバーに復帰します。
■ 自動設定のトランクグループ(LACPチャンネルグループ)は、インターフェースモードのchannel-groupコマンドで設定します。たとえば、ポート1.0.1〜1.0.4を束ねて使用するには、次のようにします。束ねるポートは同一通信速度かつ同一メディアタイプのものに限り、また、この時点で同一のVLANに所属かつ同一のVLANタグ設定でなくてはなりません。ここで「1」はチャンネルグループの番号で、1〜65535から選択できます。次のコマンドを実行すると、ポート1.0.1〜1.0.4でLACPが有効になり、同一のポート鍵が自動的に割り当てられます。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.4 ↓
awplus(config-if)# channel-group 1 ↓
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Note - LACPチャンネルグループ番号(1〜65535)とスタティックチャンネルグループ番号(1〜32)は有効範囲が重複していますが、それぞれの番号は独立しているため同じ番号を使用してもかまいません。ただし、チャンネルグループ(LACPおよびスタティック)の合計数は32個までに制限されます。
■ LACPチャンネルグループにポートを追加するには、追加したいポートを対象に、channel-groupコマンドを実行します。たとえば、さきほどの例で作成したLACPチャンネルグループ「1」にポート1.0.5を追加するには、次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.5 ↓
awplus(config-if)# channel-group 1 ↓
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Note - LACPチャンネルグループでは、ポート番号のもっとも小さいポートが「ベースポート」になります。LACPチャンネルグループを作成した後でベースポートを変更することはできません。たとえば、ポート1.0.2〜1.0.3を束ねてLACPチャンネルグループを作成した後で、ポート1.0.1を追加しようとするとエラーになります。このようなときは、該当LACPチャンネルグループをいったん削除(ポート1.0.2〜1.0.3のLACP設定を解除)してから、ポート1.0.1〜1.0.3でLACPチャンネルグループを再作成してください。
1つのLACPチャンネルグループで同時に使用できるポート数は最大8ポートですが、より多くのポートでLACPを有効化しておくことにより、冗長性をさらに高めることが可能です。たとえば前の例に対し、さらに5ポートを追加して、ポート1.0.1〜1.0.10の10ポートでLACPを有効化するには次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.6-port1.0.10 ↓
awplus(config-if)# channel-group 1 ↓
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このように設定すると、通常時はポート1.0.1〜1.0.8がメンバーポートに選択され、ポート1.0.9〜1.0.10はスタンバイ状態となります。ここでポート1.0.1に障害が発生すると、ポート1.0.9がメンバーに選択されます。ポート1.0.1が復帰すると、再びポート1.0.1がメンバーに選択され、ポート1.0.9はスタンバイ状態に戻ります。
■ LACPチャンネルグループからポートを削除するには、削除したいポートを対象に、channel-groupコマンドをno形式で実行します。たとえば、さきほどの例で作成したLACPチャンネルグループ「1」からポート1.0.9〜1.0.10を除外するには、次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.9-port1.0.10 ↓
awplus(config-if)# no channel-group ↓
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Note - LACPチャンネルグループでは、ポート番号のもっとも小さいポートが「ベースポート」になります。LACPチャンネルグループを作成した後でベースポートを変更することはできません。たとえば、ポート1.0.1〜1.0.3を束ねてLACPチャンネルグループを作成した後で、ポート1.0.1を削除しようとするとエラーになります。このようなときは、該当LACPチャンネルグループをいったん削除(ポート1.0.1〜1.0.3のLACP設定を解除)してから、ポート1.0.2〜1.0.3でLACPチャンネルグループを再作成してください。
■ LACPチャンネルグループを削除するには、すべての所属ポートを対象に、channel-groupコマンドをno形式で実行します。たとえば、さきほどの例で作成したLACPチャンネルグループ「1」を削除するには、次のようにします(所属ポートは1.0.1〜1.0.8と仮定)。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.8 ↓
awplus(config-if)# no channel-group ↓
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■ LACPおよびLACPによって自動生成されたトランクグループの情報は、show etherchannelコマンドで確認できます。
■ LACPの管理下にあるポートの情報は、show port etherchannelコマンドで確認できます。
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