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三木市立緑が丘東小学校の
コンピューター教室 |
このような校務情報化を推進するうえでは、セキュリティーの強化とネットワークインフラの安定性、信頼性が重要となる。各校の校務サーバーには生徒の個人情報が含まれておりセキュリティーの強化は必須だ。また、サーバーの運用管理が学校側の負担となっている側面もあった。このような課題を解決するため、教育センターでは各校の校務サーバーを教育センターに集約するとともに、ネットワークインフラを刷新することが計画された。新たなネットワークインフラに求められる要件としては、校務用ネットワークのセキュリティーを確保するうえできめ細かなアクセス制御が行えること や、トラフィックの増大に的確に対応するスイッチング容量、設定できるVLAN数や冗長化機能などの要件が策定された。これらの要件をもとに検討の結果、アライドテレシスのスイッチ製品を採用。ネットワーク設計を担当した内田洋行 公共本部ソリューション&サービスビジネス部 西日本システム課の長谷川達郎氏は、「教育センター側にはVCS対応のコア・スイッチ「AT-x900-24XT」を2台導入して冗長化し、ファイアウォールを介して仮想サーバーとストレージを収容しています」と語る。VCS(Virtual Chassis
Stacking)は、複数のスイッチを双方向30Gbpsの帯域幅を持つ専用のスタックケーブルで接続することで1台の仮想スイッチとし、負荷分散型冗長ネットワークを低コストで容易に構築できる機能だ。スタック接続されたスイッチはL2/L3テーブル、QoS、アクセスリストといった各種情報を同期させるため、仮に1台に障害が発生しても運用は継続される。さらに、VCSで接続されたスイッチはオールアクティブで稼動するため、ネットワーク資産を有効に活用することができる。
また、教育イントラネットを介した市内20校には、ループガードや豊富なセキュリティー機能を搭載したディストリビューション・スイッチ「AT-x600-24Ts」を導入。さらに、各校の校内にはギガビット・インテリジェント・スイッチ「CentreCOM GS924M V2」をはじめとするエッジ・スイッチ製品が導入された。長谷川氏は、「校内LANは教育系セグメントと校務用セグメントに分割するとともに、きめ細かなアクセス制御をしてセキュリティーを強化しています」と語る。
「こうしたセキュリティーの強化を含め、重要な校務用サーバーはセンター側で統一的に管理することで、各校の運用管理の負荷を軽減し、安全・快適にITを利活用できるネットワーク環境を実現しました」と、内田洋行公共本部 教育ICT・環境ソリューション事業部ICT西日本営業部の荒川猛氏は語る。
また、今回のネットワークのリプレースにおいては、教職員用のPCの入れ替えも行われた。
「配布されるPCはすべてセットアップ済みのPCで、不正接続やファイルの外部持ち出し制御などにも対応済みのPCです。このPCから、教師個人のIDとパスワードでログインすると、ログインしたIDに応じたファイルサーバーの利用ができるようになっています。異なるPCで自分のアカウントを利用しても同じように自分のアカウントのファイルサーバーを利用できるので、教師からは大変仕事がはかどるという声があがっています」と梶本氏は今回のシステム、およびネットワークインフラのリプレース効果を語る。 |