株式会社ロキテクノ 様
- 目 的
- 工場のIoT化 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) IoT活用 運用・管理の効率化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント AWC スイッチ Vista Managerシリーズ AMFPLUS CLOUD
- 規 模
- 500~999
- 課 題
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・ネットワークの老朽化と複雑化
・接続デバイスの増加でWi-Fiが不安定
- 採用ポイント
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・コストパフォーマンスの高さ
・地域密着型だから安心のサポート体制
- 効 果
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・ネットワークがどこでも使えるようになり利便性向上
・Wi-Fi 6による高速化と安定化で快適にシステム利用
・生産現場のレイアウト変更が容易に
社会貢献活動や福利厚生の充実にも積極的なフィルター専門メーカー
株式会社ロキテクノは、産業用精密ろ過フィルターの専門メーカーだ。顧客のニーズに応じてさまざまなフィルターを生産・販売しているが、なかにはビール酵母をろ過するフィルターや磁気テープの磁性体の粒子を揃えるフィルターなどもあるという。「お客様のご要望に沿ってさまざまなろ過フィルターを開発、生産する技術力が当社の強みです」と話すのは、株式会社ロキグループ 情報システム部の田村 正敏氏だ。北陸(富山)と九州(福岡)に生産拠点を有するほかマレーシアにも工場を擁し、世界各地には営業拠点を構え、近年はグローバル展開にも積極的だ。
また富山で社会人硬式野球チーム“ロキテクノ富山”を運営するなど、スポーツを通じた地域活性化にも取り組んでいる。
ロキテクノはIT化も積極的に推進しており、2019年には基幹システムを刷新して、北陸事業所のITインフラ刷新や、新社屋建設にともなうITインフラの新設を実施した。
2024年には九州事業所において、課題のあったITインフラを刷新した。九州事業所は、1990年に純水・医薬品等の高精密フィルターカートリッジの生産拠点として設立。常に最新の生産設備を有し、先端技術の追求を続けながら、滅菌用など高精密フィルターカートリッジを生産している。
ネットワークの老朽化と複雑化が課題
九州事業所では年々進化するITに対応してさまざまなシステムを導入、ネットワークを拡張してきた。「生産の拡大とともにネットワークを拡張してきました。カスケード接続を使って継ぎ足す形で拡張してきたため、かなり古い機器もそのまま残している状態でした。新旧のネットワークが入り混じり、複雑化していました」と田村氏は当時を振り返る。
そのため老朽化した機器が不具合を起こしたり、一つ障害が発生するとそこから先のネットワークにも影響を与えたりしていた。
また生産現場では1人に1台ずつタブレット端末を導入し、Wi-Fi経由(無線LAN)で生産の指示や管理を行っていたが、「近年は生産が拡大し、タブレット端末の数も200台を超えました。そもそもそこまでの接続規模を想定して無線LANを構築していたわけではなく、またタブレット端末のカメラ機能も利用しているため、特定のアクセスポイントに接続が集中しすぎると途切れたり、通信が遅くなったりしていました」と田村氏。
そこで2023年の夏頃からはこの状況を改善すべく、さまざまな対応策の検討を重ねて複数のベンダーに相談し、提案を受けた。要件に照らして田村氏は状況改善を第一に挙げ、「障害はないに越したことはありませんが、なかなかゼロにはできません。素早い対応ができるかどうかが重要でした」と話す。
比較検討の結果、アライドテレシスのソリューションを提案したピー・ビーシステムズがパートナーとして選ばれた。アライドテレシスを提案した理由を、ピー・ビーシステムズ 営業本部 営業部 マネージャーの浦川 誠司氏は次のように話す。「アライドテレシス製品はコストパフォーマンスが高いことはもちろん、九州にも拠点があり、手厚いサポートが期待できます。コストと製品(品質)、サポート力などを比較して、ロキテクノ様の課題解決に最適なソリューションはこれだと考えての提案です」と言う。
構成をシンプルにして全館“フルWi-Fi化”を実現
2024年1月からはネットワークの構築がスタートした。「提案の骨子でもありますが、“構成のシンプル化”をコンセプトに進めました。老朽化した機器を更新すると同時に構成はシンプルに組み、万一障害が発生しても、影響範囲をできるだけ小さくすることがポイントです」と話すのは、ピー・ビーシステムズ 製造本部 仮想化部長の武石 勝氏。
同時に従来のネットワークは集中管理の仕組みがなかったため、新たなネットワークではアライドテレシスの統合管理技術「AMF(Autonomous Management Framework)」と、ネットワークの可視化を実現する統合管理ツール「VST-APLシリーズ」を導入した。
また無線LANチャンネルや電波出力の自律調整を実現する「AWC(Autonomous Wave Control)」を導入し、全館で快適なWi-Fi利用ができるようにしている。
導入はスムーズに進んだ。「生産現場は土日を除き24時間稼働しているため、工事の調整には多少苦労しました。生産スケジュールの関係で工事をずらしてもらうこともありました」と田村氏は振り返る。老朽化した機器や配線は撤去し、「新たに設置する機器は事前に検証しつつ、物理的な工事の中での問題も想定して、トラブルが発生した場合の対処方法も検討した上で工事を行いました」と武石氏。
導入工事後の切り替えは問題なく完了した。従来のカスケード接続など複雑な構成は廃し、シンプル化して、極力配線を無くすことで、ロキテクノ九州事業所は各端末への接続を無線LANで行う“フルWi-Fi化”を実現した。
よりいっそうのWi-Fi活用を検討へ
新たなネットワークは2024年8月から運用がスタートした。以降は大きな問題も無く安定して稼働している。「フルWi-Fi化を実現して、どこにいてもネットワークが使える、タブレットが使えない場所は無くなったとの声を現場からも聞いています」と田村氏。また今回Wi-Fi 6対応のアクセスポイントを導入したことで、従来の有線接続よりネットワークが速くなったとの声もあるという。
フルWi-Fi化による効果はそれだけではない。ロキテクノの生産現場では常に作業の効率化を追求したレイアウト変更も多いが、今回のWi-Fi化でそれも容易になった。
運用面ではVST-APLシリーズが導入されたことで、Wi-Fiの電波状況もヒートマップで確認でき、何か問題が起きた際もすぐに状況を把握して迅速な対応が可能になった。また機器の不具合などがあればAMFのオートリカバリー機能により、予備機へ入れ替えるだけで迅速に復旧できる想定だ。
近年は多くの生産業者が工場のIT化、DX(デジタルトランスフォーメーション)などを進めてスマートファクトリー化を目指しているが、ロキテクノが目指す先もそうした利便性の高いネットワークであり、生産拠点である。九州事業所ではすでに、作業の効率化のためにロボットやAGV(無人搬送車)なども導入している。「将来的にはWi-Fiを利用して生産機器の制御まで行うことを視野にいれており、予兆監視などもしていければと考えています。現在も生産を拡大している中で、同時にネットワークの拡張も必要となります。改善と拡張を繰り返しながら、安定したネットワークを整備して利便性と効率を高めていきます」と田村氏は今後の展望を語った。
パートナーのピー・ビーシステムズも、ロキテクノの安定したネットワークの維持管理を支援し続けていく。「今後もネットワークの拡張や業務の利便性を高めるお手伝いをしていきたいと思います」と武石氏は語った。
アライドテレシスはこれからも、パートナーのピー・ビーシステムズとともに、ロキテクノのネットワーク課題解決や要望を、製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
- 会社名
- 株式会社ロキテクノ
- 本社
- 東京都品川区南大井6-20-12
- 設立
- 1978年
- 代表
- 代表取締役会長 兼 社長 兼 最高経営責任者 伊東 伸
- URL
- https://www.rokitechno.co.jp/
1978年に産業用精密ろ過フィルターの専門メーカーとして創業。以来各分野の製造工程で使用されるフィルター製品、ハウジング製品、オゾン装置、水処理システムの開発・製造を担い、産業界の成長を支えている。
パートナー企業基本情報
- 会社名
- 株式会社ピー・ビーシステムズ
- 本社
- 福岡市博多区東比恵3丁目3-24
- 設立
- 1997年
- 代表
- 代表取締役社長 冨田 和久
- サイトURL
- https://www.pbsystems.co.jp/
デジタルワーク推進からDXの実現まで。基幹システムのクラウド化・堅牢なサイバーセキュリティ・レジリエンス実装を実現する。デジタルワークに不可欠なソリューションを顧客企業に提供している。