岡山県立大学 様

<大学DX>BYODを考慮したセキュアな無線LAN環境整備と学内全体の統合管理を実現、BCP対策も強化!

岡山県総社市の岡山県立大学ではネットワークの更新にあたり、アライドテレシスの最新技術を導入し、学内のネットワーク環境を大幅に強化した。学生の学習環境を強化するための教室内無線LANエリア拡大と統合管理を実現して、学生や教職員により快適で安定した通信環境を提供している。(2024年12月公開)

業種・業務
文教
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS 無線LAN AWC-SC AWC AWC-CB ハイブリッド無線LAN セキュリティ AMF-SEC(旧:SES) UTM&VPN PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減 災害対策
課 題
・各教室内の無線LAN環境を整備
・ネットワーク死活監視に加えて統合管理ができる環境を整備
採用ポイント
・柔軟な導入計画と段階的な更新の対応
・学内ニーズへの対応力や学内インフラに精通した技術力
効 果
・無線LANの利用エリア拡大と最大接続可能台数を増やして学習環境を強化
・統合管理ツールにより、一括で学内全体の管理と可視化を実現

サーバーやネットワーク機器を全面的に更新

 岡山県立大学の開学は1993年。保健福祉学部、情報工学部、デザイン学部の3学部を擁する複合大学だ。「保健福祉、情報工学、デザインと、あまり他に例のない3学部構成の大学です」と語るのは岡山県立大学 情報工学部 人間情報工学科 教授で総合情報推進センター長の山内 仁氏。
 また公立大学として、社会連携・社会貢献をミッションとしており、地域人材の育成や地域課題の解決、研究力の強化などを推進している。特徴的なのが、2020年度に採択された「吉備の杜」創造戦略プロジェクトだ。吉備の杜プロジェクトは、入学時から大学院まで受講できる副専攻の社会連携教育で、地域・企業と協働した学びの中で社会や環境の様々な変化に対応できる力を育成している。
 岡山県立大学では従来、5年ごとにサーバーやネットワーク機器を全面的に更新している。今回の更新(2022~ 23年)もその定期的なタイミングだが、無線ネットワーク、有線ネットワーク、サーバーと時期を3回に分けて更新を行った。「本来は一括で更新するのですが、年々インフラに対する要求が増え、規模も大きくなり、しかも更新時期にはちょうどコロナが流行していました。そのため無線、有線、サーバーと時期を分けての機器調達、導入となりました」と山内氏は語る。

学生の学習環境整備のため各教室にも無線LANを提供

 今回の更新は、建物間の通信などの基本的な部分は維持しつつ機器を更新するとともに、新しい技術やトレンドを必要に応じて取り入れている。そして、それらネットワークの更新を担ったのがアライドテレシスである。
 まず無線LANについては、従来から学内各所にアクセスポイントは設置されていたものの、いくつか課題があったという。「総合情報推進センターが提供していた範囲が図書館等の共有施設と廊下やホールだけで、各教室内には無線LANを提供していませんでした」と山内氏。そこで学生の学習環境整備のため、今回の更新では教室にもアクセスポイントを設置して無線LAN提供範囲とした。
 従来は学内100ヶ所ほどにアクセスポイントを設置していたが、その機器を更新すると同時に、教室など100ヶ所ほどに新たなアクセスポイントを導入。合計200台近いアクセスポイントの設置となった。
 新たなアクセスポイントは、アライドテレシスの最新機種「AT-TQ6702 GEN2」だ。最新規格であるIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)、8×8ストリームに対応し、最大4.8Gbpsの大容量・高速化を実現した2.4GHz帯と5GHz帯の同時使用が可能な2ラジオ搭載無線アクセスポイントだ。「調達する機器はできるだけ最新の規格を求めています。ただ今回は速度ではなく、チャネル幅を1チャネルに絞って複数のアクセスポイント間でのチャネル空間の使い分けで利用端末数を稼ぐ方向で整備しました」と山内氏。AT-TQ6702 GEN2の最大接続台数は1ラジオにつき500台(理論値)だが、今回の整備では授業でビデオ視聴などを同時に行うことを考え、教室定員を基準として1アクセスポイントあたり30から50端末の同時接続を目安として帯域を確保している。
 アクセスポイントは、無線エリア内で収集した電波状況をもとにチャンネルや電波出力を自動的に調整しアクセスポイント間の電波干渉を最小化することで安定した通信を実現する「AWC(Autonomous Wave Control)」のほか、単一のチャンネルでアクセスポイント間の移動時にローミングレスで通信が途切れることなく快適な通信を実現する「AWC-CB(Channel Blanket)」、電波の届きにくい場所でもスマート、かつ容易に無線エリアを拡大できる「AWC-SC(Smart Connect)」の技術に対応している。「AWC-CBに関しては、効果的な導入場所を検討しています。AWC-SCは、学園祭など臨時のアクセスポイント設置のための導入ですが、学内図書館から早急にアクセスポイントを増設したいという依頼を受けて、設置している最中です」と山内氏は語る。

統合管理とネットワークの可視化を実現、認証も強化

 今回の更新では「AMF(Autonomous Management Framework)」を導入し、統合管理を実現している。管理ツールにはネットワークマネージメントソフトウェア「AT-Vista Manager EX」を導入して、可視化を実現している。「これまでも死活監視はしていたのですが、統合管理ができるようになったことが今回のネットワーク更新の中で一番大きなところです。一括で全体を管理、可視化できるようになりました」と山内氏。なお山内氏からはさまざまな要望をいただいており、例えばAT-Vista Manager EXのVLANマップ機能は山内氏の要望を受けて、さらに見やすく、分かりやすく改善を行っている。
 また通信量の増大を受けて、マルチギガの技術を導入している。学内配線は従来の1Gbpsのままだが、配線の入れ替えを必要とせずに、コストを抑えながら高速通信・帯域拡張へのアップグレードを行っている。「とくにアクセスポイントへの接続数が多いため広い帯域が必要となります。そのためマルチギガ(= 5Gbps)を活用しています」と山内氏は言う。
 そして、セキュリティはあらゆる業種、組織にとって喫緊の課題だが、岡山県立大学は今回の更新で、認証の整備を実施している。認証システムそのものは以前から導入を検討していたと山内氏。「オンライン授業の浸透などで学生のBYODが進み、持ち込み端末もかなり増えてきました。そのため認証システムを整備するうえで、誰が使っているのかをしっかり把握したいと考えました」と制限目的ではなく利用状況の把握のために、と山内氏は強調した。
 さらに学内をグローバルIPからプライベートIPに変更。VLANを整備したうえで、ダイナミックVLANの仕組みも導入している。ダイナミックVLANは、認証情報に基づいて動的に接続するVLANを選択できる仕組みで効率的なネットワーク管理が可能となる。

BCP(事業継続計画)環境の構築も進める岡山県立大学

 岡山県立大学は現在、アライドテレシスと「AMF-SEC(SECurity)」に関する共同開発を行っている。AMF-SECは、パートナー各社が提供するアプリケーションと連携し、感染した端末を自動的にネットワークから遮断、セキュリティインシデントの拡散を抑止するが、「他の製品でもそれをやりたいと考え、共同開発を行っています」と山内氏。
 今回の更新において、アライドテレシスは提案から構築、そして運用に至るまで積極的な支援を行っている。「コミュニケーションも直接取って、相談や要望を伝えています。フットワーク軽く取り組んでいただけています」と山内氏はアライドテレシスの対応、技術力を評価している。
 また岡山県立大学ではダブルタギングQinQ(IEEE 802.1ad)技術を使って別拠点の構築を行っており、すでに一部のサーバーを稼働させているが、この技術を使ってBCP(事業継続計画)の強化を検討中だ。QinQは災害や障害発生時にも運用を継続できるようにネットワークを分散・冗長化する際に効果的な技術で、アライドテレシス製品でも多く対応しており、ネットワークの仮想化やテナントごとの分離が必要な環境で多く利用されている。
 最後に山内氏から今後の展望を聞いた。「本校はオンプレミス環境を重視していますが、世の中の流れはクラウド化です。今後は比較検討をしながら、次の更新に向けてさらなる情報収集をしていきます」と山内氏は力強く語った。
 アライドテレシスはこれからも、岡山県立大学のITインフラを、製品や技術、サポート、また情報提供などを通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

岡山県立大学
情報工学部 人間情報工学科
教授
総合情報推進センター長
山内 仁氏

学校名
岡山県立大学
所在地
岡山県総社市窪木111
開学
1993年
代表者
学長 沖 陽子
URL
https://www.oka-pu.ac.jp/
取り組み

保健福祉学部、情報工学部、デザイン学部の3学部を擁する複合大学。保健福祉学部は「人と向き合う確かな信頼を得るために」、情報工学部は「人、モノ、情報が織りなす未来へ」、デザイン学部は「10年後の社会と自分をデザインする」というスローガンを掲げ、共創の場を形成してイノベーションを生み、新たな価値観を創出し、豊かな人材の養成により、学び続ける未来社会の基盤としての地域拠点大学を目指す。

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