「自治体ITシステム満足度調査2026-2027」のネットワーク機器部門で、アライドテレシスが2年連続の首位を獲得した。製品力に加え、自治体に寄り添った提案や導入後の運用支援が、高い評価につながった。人手不足や予算制約を抱えながら、クラウド、ゼロトラスト、AIへの対応を迫られる自治体に、同社はどう応えるのか。受賞の喜びとともに、自治体のIT環境を支える取り組みを聞いた。
自治体に寄り添う姿勢が2年連続の評価につながった
「今回で2年連続、通算では3度目の首位となります。連続で受賞できたことを、非常にうれしく思っています。製品そのものの評価に加え、各地域の自治体に寄り添った提案活動や、導入後の運用支援まで含めて評価していただけたと感じ、非常に感慨深いものがあります。ひとえに全国の拠点で日々自治体に向き合うメンバー、そして日頃から導入・運用を支えてくださっているパートナーの皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます」。後藤氏は受賞の喜びを語る。

同社は顧客満足度を自治体ビジネスの成果を測る指標であると同時に、次の取り組みにつなげる出発点と位置付ける。公共性の高い自治体との関係は、製品を納めて終わるものではなく、10年、15年にわたる長期的な伴走が前提になるからだ。そうした中で、課題が本当に解決できているか、導入したシステムがきちんと機能しているかを確認しながら、顧客に対応することが満足度の本質だと捉えている。
人手不足の自治体を支える一元管理と運用の自動化
同社が自治体に対して行った最新のアンケート調査「NETREND Market Report」では、IT担当者が日々の運用管理や障害対応に多くの時間を取られている実態が明らかになった。特に大きな業務上の課題として挙がったのが、人手不足と業務の属人化だ。その結果、回答者の4割超が、現状維持で精いっぱいで改善まで手が回らないと答えている。
こうした課題に対し、「当社では、まず運用状況を丁寧にヒアリングし、どこに負荷が集中しているかを整理します」と後藤氏は説明する。その上で、統合管理ツールによる機器の一元管理や、ネットワークの自動化を支援するSDN技術、障害時の迅速な復旧支援などを組み合わせて提案する。「台数の多いエッジ製品には公共型番のライフタイムワランティを活用し、保守や交換にかかる負担を軽減します。自治体ごとの体制や予算に合わせ、無理なく運用を続けられる形にすることを重視しています」(後藤氏)。
AMFは、複数のネットワーク機器を一元管理し、設定や障害復旧を自動化する技術だ。ネットワークの状況が把握しやすくなるため、接続状況の「棚卸し」から運用管理まで柔軟に対応できる。こうした自治体ごとの実情に合わせた支援が、今回の満足度調査で「運用性」や「コスト」の評価が部門平均を上回った背景にあると考えられる。
移行期のネットワークを安全なクラウド活用へつなぐ
自治体では現在、業務ネットワークを3つの領域に分ける「三層分離モデル」の見直しや、利用者や端末をその都度検証するゼロトラストセキュリティへの関心が高まっている。背景にはクラウドサービスや生成AIを自治体業務に活用し、職員の負担軽減や住民サービスの向上につなげたいという期待がある。
一方、すべての自治体が直ちにゼロトラストへ移行できるわけではない。IT資産や利用者情報の把握、人材不足への対応、機器購入からサービス利用への転換に伴うコスト構造の変化、現行ガイドラインとの整合性など、解決すべき課題は多い。こうした状況を踏まえ「将来的には、各自治体が単独で運用を抱えるのではなく、複数の組織で役割を分担する共同運用が現実的な選択肢になると考えています。自治体はダッシュボードで稼働状況を確認し、高度な監視や復旧は国やJ-LIS、広域連携の組織が担う——そうした基盤が整うまでの対策も欠かせません」(後藤氏)。
解決策の一つとして提供するのが、完全なゼロトラスト環境への移行を待たずに、安全なクラウド活用やAIによる業務効率化を可能にするSASEサービス「Allied SecureWAN」だ。ネットワーク接続とセキュリティ対策をクラウド上で統合し、一元的に管理する。現在の三層分離を生かしながらクラウドサービスへ安全に接続でき、セキュリティ強化と運用負荷の軽減を両立する。
システムの整備だけでなく、インシデントに対応する人材の能力向上も欠かせない。内閣サイバーセキュリティセンター(当時)は、各府省庁などのCSIRT要員を対象とした訓練に、同社のクラウド型訓練サービス基盤「NetQuest Platform」を採用した。専用機材を用意しなくても、複数の組織が遠隔から参加できる。訓練実施や採点、評価報告書作成にかかる負担を抑えながら、インシデント発生時の連絡や意思決定の流れを確認できる。
クラウド管理型基盤で描く自治体ネットワークの未来
今後、クラウドやゼロトラスト、AIの進展で自治体ITが高度化する一方、人手不足や予算制約は続く。この隔たりを埋めるのが、クラウド管理型プラットフォーム「Allied OneConnect」だ。

「有線・無線ネットワークをクラウド上で一元管理することで、自治体職員やベンダーが全体を把握できる基盤の実現を目指します」(後藤氏)。今を「Allied SecureWAN」、未来を「Allied OneConnect」で支え、同社はネットワーク機器部門で前例のない3年連続受賞に挑む。
【独自調査レポート】自治体の情報政策担当者が抱える課題とは?
※本コンテンツは、日経BPの許可により『日経コンピュータ』2026年10月1日号(日経BPガバメントテクノロジー 2026年秋号Book in Book同載号)の掲載内容より抜粋して作成したものです。禁無断転載 ©日経BP
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