GIGAスクールの補助金はいつまで?私立学校が使える3つの補助金を解説

GIGAスクール構想で導入した端末の更新時期が迫る中、「GIGAスクールの補助金はいつまで使えるのか」とお悩みの私立学校関係者の方も多いのではないでしょうか。
公立向けの情報は多いものの、私立学校に特化した情報は探しにくいのが現状です。

本記事では、私立学校が令和7年度に活用できるGIGAスクールの補助金の種類や期間、そして申請を成功させるためのポイントを解説します。

目次

【令和7年度】私立学校も活用できるGIGAスクール関連の3つの補助金

令和7年度の国の最新予算に基づき、私立学校が今すぐ活用できるGIGAスクール関連の補助金を3つ解説します。
生徒用の端末更新費用、校内ネットワークの改善費用、そして高校向けの高度なICT環境整備事業について、具体的な補助額や内容を詳しく見ていきましょう。

1人1台端末の更新|1台5.5万円を基準に費用を2/3補助

文部科学省が公開した『令和7年度 予算のポイント』によると、GIGAスクール構想の私立学校向け端末更新費用として、新たに3億円が計上されました。
補助の主な内容は以下の通りです。

  • 補助基準額:1台あたり5.5万円
  • 補助率:3分の2(公立学校と同等)
  • 予備機:生徒数の15%を上限に対象

公立とは異なり、私立学校は「補助事業」として支援されるため、各学校が自校の計画に基づき柔軟に整備を進めやすい点が特徴です。
なお、補助基準額はあくまで上限であり、実際の購入額がこれを下回る場合は、その購入額の2/3が補助されます。

校内ネットワークの改善|1校あたり最大33.3万円を補助

端末の性能を最大限に引き出すには、ネットワーク環境の増強が不可欠です。この予算資料でも、「推奨帯域を満たしていない学校は8割」という厳しい現状が指摘されています。

この課題解決のため、国は「ネットワークアセスメント実施促進事業」を用意し、専門家による現状診断と改善策の策定を支援しています。
具体的な補助内容は以下の通りです。

  • 補助率:事業費の3分の1
  • 補助上限額:1校あたり最大33.3万円(事業費100万円が上限)

この事業を活用し、客観的なデータに基づいて効果的な投資計画を立てることが、学びを止めないICT環境を実現する上で不可欠です。

【高校向け】DXハイスクール事業|最大1,000万円の定額補助

高等学校向けには、より高度なICT教育環境の整備を目的とした「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」が令和7年度も継続されます。

この予算資料でも新規予算として2億円が計上されており、事業の継続性が明確に示されました。

  • 支援対象:公立・私立の高等学校等
  • 補助上限額:新規採択校で1,000万円(重点類型は1,200万円)
  • 補助率:定額補助

ハイスペックPCの導入など、先進的な学習環境の整備が対象となります。本事業は公募制のため、文部科学省の情報を定期的に確認する必要があります。

GIGAスクールの補助金はいつまで?期間と今後の見通し

「GIGAスクール補助金はいつまで続くのか」は、多くの担当者が抱える疑問ではないでしょうか。
ここでは、令和7年度の補助金の具体的な申請期間と、来年度以降の制度継続の見通しについて解説します。

令和7年度の申請期間と注意点

国の補助金は、年度ごとに予算が定められています。そのため、「令和7年度の補助金」は、原則として令和7年度内(2026年3月31日まで)に事業が完了することが前提となります。

実質的な申請の締め切りは、文部科学省から正式な通達が出た後、数か月程度の非常に短い期間となるのが通例です。
この期間を逃すと活用できないため、常に最新の情報を注視し、いつでも申請できる準備をしておくことが不可欠です。

令和8年度以降の見通し

結論から言うと、GIGAスクール構想の補助金制度は、今後も数年単位で継続される可能性が極めて高いです。
その最大の理由は、GIGAスクール構想が一時的な施策ではなく、国の教育DXを推進する「国策」だからです。

その方針を裏付けるように、文部科学省が公表した令和8年度予算の概算要求では、私立学校を含む端末更新支援の予算が12億円と、令和7年度の3億円から大幅な増額で要求されています。

重要なのは、この概算要求で「1人1台端末の着実な更新」と「学校の通信ネットワーク速度の改善」がセットで挙げられている点です。これは、国が端末とネットワークを一体で整備していく方針を明確に示していることに他なりません。
この国の動きに沿って、端末の更新計画を立てる際には、必ずセットでネットワーク環境の見通しを立てることが、補助金を最大限に活用し、将来を見据えた賢明な判断と言えるでしょう。

補助金申請の前に|知っておくべき2つの重要ルール

補助金を確実に受給するためには、国が定めるルールを正しく理解しておく必要があります。
ここでは、申請準備を進める前に必ず確認すべき「最低スペック基準」と「補助対象経費」という2つの重要なルールについて解説します。

「最低スペック基準」の遵守が必須

補助金を活用する上で、国の「最低スペック基準」を満たすことは必須条件です。
この基準は、OSごとのCPUやメモリといった処理性能に加え、多数の端末を安全かつ効率的に管理・運用するための「端末管理機能(MDM)」や「セキュリティ対策機能」も要件に含まれています。

これは単に端末が動くだけでなく、教育現場での安定した運用に耐えうるかを国が重視している証拠です。
基準を満たさない端末は補助対象外となる可能性が極めて高いため、機種選定の際は必ずこの基準を確認する必要があります。

端末本体以外の「補助対象経費」も確認が必要

補助金の対象は端末本体だけではありません。ハードウェアキーボード等の周辺機器や、端末の初期設定を行うキッティング費用、さらにMDMの導入費用なども補助対象に含まれます。

これらの経費を端末本体と合わせて申請することで、学校の財政負担を大幅に軽減できます。特に、数百台規模の端末を導入する際のキッティング作業は大きな負担となるため、補助対象となる点は大きなメリットです。

業者から見積書を取得する際は、これらの費用が補助対象経費として明確に区分されているかを確認することが、補助金を最大限に活用する上で重要となります。

補助金申請を成功させるための3つのポイント

補助金の情報を得た後、具体的に何から始めればよいのでしょうか。
ここでは、補助金申請を成功に導くための具体的なプロセスを、「現状把握」「端末選定」「計画作成」という3つの実践的なポイントに分けて解説します。

端末とネットワークの現状を正確に把握する

補助金申請の第一歩は、現状を客観的に把握することです。
現在使用している端末のスペック、バッテリーの劣化状況、故障率などを具体的に数値化し、「なぜ更新が必要なのか」を明確にする必要があります。
これは、補助金の申請や校内での予算承認において、客観的なデータに基づく更新理由が求められるからです。

また、端末の更新と合わせて、校内ネットワークの現状把握も不可欠です。
文部科学省の資料でも「8割の学校で通信速度が不足」と指摘されており、国も専門家による「アセスメント(現状診断)」の実施を強く推奨しています。
端末更新を成功させるためにも、ネットワークの課題を正確に特定し、改善計画を立てることが不可欠です。

ネットワークアセスメントについて、さらに詳しい内容はこちらから

教育方針とサポート体制で端末を選定する

国の「最低スペック基準」は、あくまで補助対象となるためのスタートラインです。
この基準を満たしつつ、自校の教育方針(例:探究学習での動画編集、プログラミング教育など)に合わせた独自の仕様を定めることが、失敗しない端末選びの重要なポイントです。

次に、その仕様書を基に複数の業者から提案と見積書を取得します。ここで注意すべきは、単なる価格比較だけで判断しないことです。
故障時の代替機提供の速さや、問い合わせへの対応品質といった「サポート体制」も重要な評価軸とすることが、長期的な運用コストを抑え、授業を止めない安定稼働の実現につながります。

明確な予算計画で校内の合意を得る

端末の更新は、ICT担当者だけで進められるものではありません。
決定した仕様や機種について、校長や理事会といった経営層、現場教員の理解と協力を得ることが不可欠です。
そのためには、補助対象となる経費(端末本体、周辺機器、キッティング費用等)をすべて洗い出し、補助金活用後の具体的な費用負担額を算出した明確な予算計画案を提示する必要があります。

なぜこの投資が必要なのか、導入によってどのような教育効果が期待できるのかを丁寧に説明し、学校全体としての合意を形成することが成功のカギとなります。
特に、国の重要方針でもあるネットワーク環境の改善まで含めた複合的な予算計画を作成するには、通信インフラに関する高度な専門知識も必要となるでしょう。

まとめ

本記事では、私立学校が使えるGIGAスクールの補助金について解説しました。
補助金を最大限に活用する上では、国の定めるルールを遵守し、本記事で紹介した3つのポイントを参考に計画的に準備を進めることが重要です。

しかし、令和7年度の補助金申請は準備期間が非常に限られており、時間がない中、端末選定から国の要請に応えるネットワーク改善まで含めた専門的な予算計画案をゼロから作成するのは、決して簡単なことではありません。

ネットワーク構築のプロフェッショナルであるアライドテレシスは、豊富な導入実績を基に、「ICT環境の整備計画」から「補助金申請を見据えた予算計画案の作成」まで、貴校に寄り添いご支援します。
まずは一度、お気軽にご相談ください。

アライドテレシスのソリューションを詳しく知りたい方はこちらもチェック!

アライドテレシス
NEXT GIGAの課題解決と次世代の校務DX実現に向けて - アライドテレシス NEXT GIGAの課題解決と次世代の校務DX実現に向けて お申込みフォーム ※この登録フォームからご送信いた
  • 本記事の内容は公開日時点の情報です。
  • 記載されている商品またはサービスの名称等はアライドテレシスホールディングス株式会社、アライドテレシス株式会社およびグループ各社、ならびに第三者や各社の商標または登録商標です。

ネットワークのお困りごと、まずは相談してみませんか?
現状の把握から課題の解決まで 一緒に考え抜きます!


ネットワークのお困りごと
まずは相談してみませんか?


この記事をシェアしよう
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

S.A.のアバター
S.A.

IT初心者やエンドユーザーに向けて、「難しいことをわかりやすく」をモットーに執筆中。
仕組みの背景や用語の意味など「いまさら聞けない」ことも丁寧に説明するスタイルが信条です。
普段は猫と静かに過ごすのが好きなインドア派。

目次