教育現場と行政現場。一見異なるようでいて、どちらも共通の課題を抱えています。それは、クラウドサービスを安全かつ快適に活用できるネットワーク環境の整備です。GIGAスクール構想の進展で学校では1人1台端末が定着し、自治体では電子決済サービスなどクラウド利用が広がっています。
本記事では、福井市教育委員会と石川県加賀市が、クラウドUTMやローカルブレイクアウトを活用してセキュアで利便性の高いネットワークを実現した事例を紹介します。
両者に共通するのは、セキュリティと利便性を両立するクラウドUTMの導入。導入のしやすさ、運用負担の軽減、クラウド活用の自由度をどのように実現したのか──教育と行政、それぞれの現場から探ります。
自治体DX・GIGAスクールとネットワーク課題
福井市教育委員会と石川県加賀市は、クラウド利用が進むなかで、「セキュリティの確保」と「運用・利用のしやすさ」の両立という共通課題に直面していました。
GIGAスクール構想の推進により、教育現場では端末とクラウドサービスの利用が急増。一方、自治体では電子決済サービスや行政手続きのオンライン化など、職員が日常的にクラウドを活用する場面が増え、利便性と安全性を両立するネットワーク環境が求められていました。
こうした背景を踏まえ、学校や拠点ごとに設置していたUTM機器をクラウド上に統合することで、クラウドUTMによるセキュリティ基盤を再構築しました。これにより運用負荷を大幅に軽減し、安心して授業・業務を行える環境を実現しています。
次章では、それぞれの現場が抱えていた課題と、クラウドUTM導入による変化を紹介します。
R.K.こんなお悩みのある方におすすめの記事です!
・GIGAスクール構想に対応した安全で柔軟なネットワーク環境を整えたい方
・クラウドUTMの導入効果や運用イメージを知りたい方
・ローカルブレイクアウトやα’モデルなど、最新の自治体ネットワーク構成を検討している方
・安全で効率的なクラウド活用のヒントを探している方
福井市教育委員会─クラウドUTMで実現する、GIGAスクールに必要な安全で管理しやすいネットワークへ
福井市教育委員会の悩みと実現できたこと
福井市教育委員会では、GIGAスクール構想の本格化に伴い、各学校で児童生徒が端末を活用する学習環境の整備を進めてきました。しかし、端末台数の増加により回線容量の不足が顕在化したほか、生徒が利用する端末のセキュリティをどう確保するかが大きな課題となっていました。さらに、学校ごとに設置していたUTM機器の管理・保守にも手間がかかり、教育委員会による全体の把握や迅速な対応が難しい状況でした。


こうした課題を背景に、福井市教育委員会ではネットワークの安全性と運用効率の向上を目的に、採用を検討する上で次のポイントを評価しました。
採用ポイント
- 学校ごとのUTM機器をクラウド上に統合し、将来的な拡張にも柔軟に対応できる構成
- 教育委員会によるセキュリティ管理の効率化を実現する仕組み
- ニーズや変化に応じてカスタマイズ可能なクラウドUTM
- 機器や保守の個別管理が不要になり、運用コストを削減できる点
導入後の成果・現場の声
クラウドUTMにより、セキュリティをクラウド上で一元管理することで、運用負担を大幅に軽減できるとともに、障害発生時の状況把握や対応スピードも向上しました。また、管理の効率化によって、より安定した教育ICT環境の維持が可能になっています。
さらに、ローカルブレイクアウトを活用することで、インターネットアクセスを分散し、WAN回線の負荷を大幅に軽減。授業中の動画視聴やクラウドサービス利用時にも通信が途切れにくくなり、生徒が安心して学習に集中できるネットワーク環境を実現しました。
石川県加賀市──クラウドUTMで実現する、安全で快適な“スマートシティ加賀”のネットワーク基盤
石川県加賀市の悩みと実現できたこと
市民がデジタル技術を活用して便利で快適にすごせるまちを目指す「スマートシティ加賀」を進める石川県加賀市では、全国に先駆けて自治体DXを推進しています。
当初、同市はネットワーク構成にαモデルを採用しており、メールの添付ファイルやビジネスチャットなどを介してやり取りされたファイルは無害化処理をかける必要があり、クラウドサービスをスムーズに使えない不便さが課題となっていました。


こうした閉鎖型ネットワークによるクラウドサービス利用の制約を解消するため、同市ではクラウドUTMを活用したローカルブレイクアウトの導入を決定しました。導入にあたっては、次のような点が評価されています。
採用ポイント
- ファイル無害化など高度な技術を標準搭載し、コストパフォーマンスにも優れている点
- αモデルを維持しながらローカルブレイクアウトでクラウドサービスを利用可能
- 通信量に応じてスケールアップが可能な柔軟性
導入後の成果・現場の声
クラウドUTMによるローカルブレイクアウトの導入により、従来の業務端末からでも電子決裁サービス(シャチハタクラウド)やビジネスチャット、オンライン会議、ファイル共有などのクラウドサービスを安全かつ快適に利用できる環境が整いました。これにより職員の負担が軽減され、大幅な業務効率化を実現、市民サービスの向上に注力できる体制が整いました。
また、将来的にはグループウェアなどをMicrosoft 365に統合にすること、またペーパーレス化(起案文書のデジタル化など)や内線電話のクラウド化などを進め、庁内のフリーアドレス化を実現したいと展望を語っています。
さらに導入事例やソリューションの詳細を知りたい方はこちら!
福井市教育委員会・石川県加賀市のクラウドUTM導入事例は、安全かつ効率的なクラウドサービスの活用を進めるうえで大きなヒントとなります。「クラウドの活用に課題を抱えている」「より詳しい導入プロセスや現場の声をもとに、自分の現場での活用イメージをつかみたい」という方は、ぜひ他の導入事例もご覧ください。
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