福井市教育委員会 様
- 目 的
- GIGAスクール構想 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) クラウドサービスの利活用 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- スイッチ VCS ルーター UTM&VPN Net.CyberSecurity Allied SecureWAN インターネットブレイクアウト アライド光
- 規 模
- 99以下
GIGAスクールの本格化に向けてWANと セキュリティの課題
福井市は福井県の県庁所在地で、人口は約25万人。教育振興に熱心なことで知られており、福井市教育振興基本計画(2022 ~2026年度)をもとに、全国トップクラスの学力・体力を支える教育環境のさらなる充実を図っている。
また福井市教育委員会では、文部科学省のGIGAスクール構想に基づいた情報教育への取り組みを推進しているが、今回、新たな課題に対して対策を講じることとした。
「生徒1人1台の端末整備を進めるなかで、整備した端末をセンターサーバーに接続すると回線容量が足りなくなるという懸念があり、端末に関しては本体にセキュリティをかけてインターネットブレイクアウトで利用してもらう状況が続いていました。回線容量の問題を解決し、セキュリティを向上させないと今後の活用に支障が出ることが課題となっていました」と話すのは、福井市 教育委員会事務局 学校教育課 係長の北川 極己氏だ。
今後情報教育が本格化し、端末をフル活用して動画などの視聴も多くなるとネットワークがひっ迫すると考えた福井市教育委員会は当初、各学校にファイアウォールを設置する方向で検討していた。しかし福井市教育委員会が管轄するのは、小学校51校、中学校24校の計75校であり、「コスト面の問題もありましたし、学校にハードウェアを設置するとなるとトラブルの対応や運用面についても不安がありました」と北川氏。
そこで新たな解決策を模索する中で出会ったのが「クラウドUTM」だ。「最初はUTMさえよく分かっていませんでした。情報収集する中で、クラウド上に統合することで何十台も高価なハードウェアを購入しなくて済むと知り、これならばいけると考えました」と話すのは、当時担当であった、福井市 明道中学校 教頭の奥村 栄司郎氏だ。
そして入札などの手続きを経て導入したのが、アライドテレシスのプラットフォームサービス「クラウドUTM」である。各種ネットワーク、セキュリティサービスを組み合わせてカスタマイズし、快適で安全なネットワークを実現するSASE(Secure Access Service Edge)サービスだ。
WANとセキュリティの課題を解決する アライドテレシス「2つのSASEサービス」
SASEとは、従来の社内ネットワークとインターネットの境界線にファイアウォールやUTMなどを置いて通信を監視する方式に対し、ネットワーク管理やセキュリティ機能などをクラウド上に統合して管理するという考え方だ。
近年はゼロトラストセキュリティの実現に向けて、セキュアで統合的に運用管理できるWANの確保が求められており、SASEはそうした課題を解決するとして注目を集めている。
アライドテレシスはこのようなSASEニーズの高まりに応え、マネージドサービス「AlliedSecureWAN」と、プラットフォームサービス「クラウドUTM」といった2つのSASEサービスを提供している。
マネージドサービス「AlliedSecureWAN」は、帯域オートスケールに対応した、統合されたセキュアなWANサービス。通信を安全に行うための拠点間VPNやリモートアクセス、WAN回線を通信分散することで遅延を解消するSD-WAN、ファイアウォールやUTM、通信制御プロキシーなどのセキュリティ機能、WANの運用・管理を支援する運用機能が融合し、オールインワンで実現を可能とする。アクセス回線や拠点間接続、インターネット接続、クラウドサービス接続、ゼロトラストセキュリティなど、セキュアなWANサービスに求められるすべての機能を統合的に提供する。
とくにSASEサービスと言われても“何を導入し、どう運用して良いか分からない”というユーザーも多いなか、「AlliedSecureWAN」はユーザーのニーズに応じて本当に必要なものだけをフルマネージドで提供するサービスだ。
プラットフォームサービス「クラウドUTM」は、総合ITソリューションサービス「Net.Service」の各種サービスと組み合わせてカスタマイズして実現できるSASEサービスである。まずは始めてみたい、導入までの時間が少ない、必要なものだけを取り入れたい、といったニーズに応え、スモールスタートで始めることが可能だ。
「クラウドUTM」は非常にユニークなサービスで、設計や利用する機能を顧客側でカスタマイズするため、設計を顧客で行うことが難しい場合には、ネットワークセキュリティの技術力があるパートナーと ともに取り組むことでSASEを実現できる。
冗長化による信頼性、柔軟な拡張性が特徴の クラウドUTM
今回福井市教育委員会へ導入したのは、大量・大容量のアクセスにも対応できるよう「クラウドUTM」を利用して、許可したクラウドサービスへのアクセスをインターネットブレイクアウト(ローカルブレイクアウト)させる構成だ。WANの帯域を最適化し、同時に各種セキュリティサービスも統合的に管理する。
導入においては、「2023年1月1日には稼働をスタートさせたいと考えると、そこから逆算してスケジュールを調整する必要がありました。タイトなスケジュールでしたが、いろいろと情報をいただきながらなんとか調整できました」と話すのは、福井市 教育委員会事務局 学校教育課 主事の松本 竜弥氏だ。
「クラウドUTM」を活用したネットワークは予定通り稼働をスタート。福井市教育委員会が市内75の学校のWANとネットワークセキュリティを一元的に管理するが、その構成において特徴となるのは、ネットワーク機器や回線の二重化だ。
「各校に設置するルータやスイッチを冗長化して、万一片方にトラブルがあっても、もう片方で接続を維持できます。回線については、学校によって状況が異なりますので、一校一校調査を行い、アライドテレシスの光回線(アライド光)やインターネット回線を利用して冗長化して、快適なアクセスを実現しています」と話すのは、導入パートナーの三谷商事株式会社の辻 俊一郎氏だ。
また「クラウドUTM」の特徴は拡張性の高さもある。「利用者や利用量の増加にともなって機器を増やすことなく、柔軟にクラウドUTMを増強できるのは大きな魅力です」と奥村氏は言う。
校務系ネットワークのクラウド統合も視野に
導入して半年ほどが経過したが、「利用している各学校からはとくに問題などは上がってきていませんので、安心して使っていただけていると思います」と北川氏。フィルタリング機能の設定など、運用に関しては三谷商事とも相談しながら行っているという。
また課題となっていたネットワークの帯域ひっ迫については、「入れ替え前は100台程度でカクついていた動画再生が、200台程度でも問題なく閲覧できるようになりましたので、クラウドUTMの負荷分散効果がでているといえます」と話すのは、三谷商事株式会社の秋田 直希氏だ。
クラウドUTMを利用してGIGAスクール対応にともなうWANの見直しをひとまず完了した福井市教育委員会は、今後も国の施策や状況を見ながら柔軟に対応していく。
「大切なのは、これからの技術や運用の変化に柔軟に対応できるような仕組みを作ることです。今回クラウドUTMを導入することでその仕組みができたと思います」と奥村氏。
最後に今後の展望を北川氏に伺った。「例えば来年度からはQRコードを利用したデジタル教科書の活用が一層活発になります。また感染症などによるリモート授業などにも備えておく必要があります。そのため、今後も端末のセキュリティを確保しながら、ネットワークを活用できる環境がさらに必要になるでしょう。また現在は分離している校務系のネットワークの統合なども検討しつつ、安全で快適な環境を保てるようにしていきたいと思います」。
アライドテレシスはこれからも、福井市教育委員会が抱えるICT課題解決のため、製品や技術、サービスの提供を通じて、積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
福井市明道中学校
教頭
奥村 栄司郎氏
- 会社名
- 福井市教育委員会
- 所在地
- 福井県福井市大手3丁目10番1号
- URL
- https://www.city.fukui.lg.jp/
学校教育の運営や管理など、教育に関する事務を管理執行するための行政委員会。福井市の実情に応じた教育行政のあり方について議論、検討するため、教育委員会の会議や総合教育会議等の開催、運営等を行う。
パートナー企業基本情報
- 会社名
- 三谷商事株式会社
- 所在地
- (福井本社)福井県福井市豊島1-3-1,(東京本社)東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング2F
- 設立
- 1946年
- 代表者
- 代表取締役社長 三谷 聡
- URL
- https://www.mitani-corp.co.jp/
情報システム関連、建設関連、エネルギー・生活事業関連、多角展開事業を中心に事業を展開。国内50拠点、海外法人、約100社のグループ会社とともに、社会のニーズに応え、豊かな社会作りに貢献することをテーマに事業活動を進める。