社会福祉法人 あいおい福祉会 様

介護/福祉サービスの基盤となる安定したネットワークをAMF、AWCで構築。Net.Monitorで安心・安全な運用を支援

社会福祉法人 あいおい福祉会では、センサーマットの導入をきっかけに、さらなる介護/福祉サービスの充実を目指し、その基盤となるネットワークを刷新。アライドテレシスの「AMF(AutonomousManagement Framework)」や「AWC(Autonomous Wave Control)」の導入により、将来的な拡張性も考慮した持続性のあるネットワーク環境を構築し、冗長化や、支援サービス「Net.Monitor」による保守面の安心も実現した。(2022年4月公開)

業種・業務
医療
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS 無線LAN AWC セキュリティ UTM&VPN
導入製品
ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 無線LANの簡単導入 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 事業の改善

サービスの向上を目指して基盤となるネットワークを刷新

 兵庫県相生市にある あいおい福祉会は、特別養護老人ホームをはじめとする介護サービス事業を展開しており、地域福祉の発展・充実を目指して日々サービスの質の向上に取り組んでいる社会福祉法人だ。
 「あいおい福祉会が運営する特別養護老人ホームこすもす倶楽部は、少人数できめ細かい介護を行う『ユニットケア方式』を導入した兵庫県で初めての施設です。個室を完備しており、お家で使われていた馴染みのある家具を持ち込んでいただいたり、ご家族の写真を飾ったりと、お好みのお部屋づくりもしていただけます。また、夜勤帯の介護職員を基準よりも多く配置し、利用者様の安心・安全を確保できるようにしています。」と語るのは、社会福祉法人 あいおい福祉会 常務理事の南條 誠氏だ。
 あいおい福祉会では2020年度に有線/無線も含めたネットワークを更新した。その新たなネットワークを担ったのがアライドテレシスである。ネットワーク更新の理由について南條氏は、「今や介護/福祉関連の機器やシステムは、ネットワーク環境下での利用が当たり前になってきています。これらに対応し、さらなるサービス向上のためにICT機器の導入を考えておりました。止まることのないネットワーク、もし障害が出ても早期に復旧することができるネットワークを構築しなければならないと思いました。」と語る。

無線だけでなく有線も含め、保守面まで考慮したネットワークを

 あいおい福祉会では、各サービス事業所で利用する介護システムを導入し、そのためのインフラとしてネットワークを運用していた。しかし、接続性や拡張性、保守に関していくつかの課題があったと話す。
 「制度改革による業務の多様化、新型コロナウイルス感染拡大の中でWEB会議やWEB面会など、ネットワーク利用を想定していなかった場所での接続が必要になってきました。また、遅い時間にネットワークトラブルが起こると、対応に時間を要することもありました。」と語るのは、社会福祉法人 あいおい福祉会 システム管理者の井手 千春氏。あいおい福祉会ではシステムエンジニア職はおらず、井手氏も経理業務を行いながら、システムに関する対応を行っている。
 今回、センサーマットの導入を検討するにあたり、これまであいおい福祉会の介護システムやネットワーク環境の導入を支援してきた株式会社システムリサーチに相談した。
 システムリサーチではさまざまなベンダーのネットワークを比較・検討し、あいおい福祉会の要望に応えるネットワークとして、アライドテレシスのソリューションを提案した。「ネットワークの見直しに際し、人命を左右する機器の導入ということも考慮し、単にネットワーク環境の拡張だけでなく、障害時の対応など保守運用を含めて24時間止まらないネットワークの提案が必要と考えました。アライドテレシスでは施設全体のネットワーク環境構築だけでなく、保守面や将来的な運用も考慮した対応をいただけることから、今回の提案に至りました。また、アライドテレシス製の機器は堅牢で長期の利用に耐えていることを様々な現場で目にしていたため、信頼性がありました。」と、株式会社システムリサーチ 姫路支社 営業課 エキスパートの磯川 典子氏はアライドテレシス提案の理由を語る。

AMF、AWCで有線/無線ネットワークを一元的に管理

 あいおい福祉会では従来、隣接する特養棟・デイ棟間を無線ネットワークで接続していたが、老朽化と環境要因の影響により接続が不安定で、大きな課題となっていた。そこで今回、特養棟に設置したコア・スイッチと直接ケーブルで繋ぐ方法に切り替え、安定化を図った。特養棟から車で15分ほどの場所にあるグループホームなばの棟についても、VPN接続を利用した特養棟同様の有線/無線環境に更新を行っている。
 新たなネットワークには、アライドテレシスの独自機能であるAMF(Autonomous Management Framework)を導入。これにより、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とし、運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現している。
 さらに、アクセスポイントそのものをインテリジェント化してチャンネルや電波出力を自律的に調整し、無線エリア内の電波干渉を最小化するアライドテレシスのソリューション「AWC(Autonomous Wave Control)」を導入し、快適な無線LAN環境を構築した。
 懸案であった保守については、ITシステムのリモート監視・運用を支援する「Net.Monitor」を導入した。Net.Monitorは、24時間365日のリモート監視、万が一障害が発生した際の切り分けを支援するサービスだ。またネットワークの管理には、有線/無線を問わず様々なデバイスをグラフィカルに集約して、一元管理を可能にする統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」を導入し、常にネットワークの状況が把握できるようになっている。井手氏は「AT-Vista Manager EXを見ると機器の状態が一目で確認でき、ネットワーク機器の故障かパソコン側の故障かの切り分けがとても簡単に出来るようになりました。導入後まだネットワークの停止はありませんが、何か発生した場合には24時間365日対応してもらえると思うと夜間や休日でも安心です。」と評価する。
 新たなネットワークの構成としては、ユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM x530シリーズ」をコア・スイッチに、各フロア・スイッチにはレイヤー 2plus ギガビット・インテリジェント・スイッチ「CentreCOM x230シリーズ」を設置。エッジ・スイッチには「CentreCOM Secure HUB SH230シリーズ」、無線LANアクセスポイントは3ラジオ搭載の「AT-TQm5403」を全館カバーする形で導入した。またルーターは「AT-AR2050V」を設置し、インターネット接続のほか、特養棟とグループホームなばの棟を繋ぐVPNのゲートウェイとしても利用している。
 コア・スイッチ、フロア・スイッチは、2台のスイッチ間をスタックリンクで接続して冗長化しており(VCS:バーチャルシャーシスタック)、無線LANアクセスポイントについても2台のPoEスイッチに接続する構成として、万が一、片方のスイッチにトラブルが発生してもネットワークを止めない仕組みとしている。

ネットワークの活用を進めてさらなるサービス向上を

 導入工事、設定などは2020年の年末に実施され、移行完了後から新たなネットワークが稼働している。「工事で入館する方の体調管理や細やかなスケジュール報告も徹底していただけましたので、安心して工事をお任せできました。」と井手氏。
 なお、あいおい福祉会ではネットワークの更新に伴いセンサーマットを導入した。センサーマットはバイオシルバー社製の「aams(アアムス)」。心拍や呼吸の様子、体の動きや離着床、そして睡眠の状態までも離れた場所から見守ることができるマット型の見守り介護支援ロボットだ。今回の導入にあたっては、aamsがアライドテレシスの無線LAN機器で問題なく稼働することを事前に検証している。「単純に利用者様がベッドから離れたという通知だけでなく、どういう動きをされているのか、どのような時間帯にこのような動きが多いのかなどをデータ化してくれるので、転倒や転落の事故を未然に防ぐといった利用者様の安全にも繋がっています。さらに、これまで職員がなかなか気づけなかったことも可視化できると期待しています。また、施設で最期を迎えることを選択される方も多くなっています。当施設でも、たくさんの方を看取らせていただきました。そういった『人の死』に直面するとき、利用者様やご家族の方への安心材料になることはもとより、こういった介護支援ロボットがあることが実際にケアに携わる職員の不安軽減にも繋がっています。」と南條氏は語る。
 導入から1年あまりが経過したが、新たなネットワークは大きな問題もなく、安定して稼働している。導入当初には無線の調整が必要な部分もあったものの、今ではAWCの自律調整がしっかりと効力を発揮している。以前は落雷による機器の停止や故障などによりネットワークが停止することもあったというが、そうした場合の対策も備えた環境となっている。
 無線LANは現在、職員用端末やaamsからのデータ受信など、介護システムのインフラとしての業務用と、リモート面会などにも活用できるゲスト用にネットワークを分け安全な運用を実現しており、今後はさらに利用範囲を拡大していく構えだ。
 「ネットワークの環境は整いましたので、今後は様々な分野の方々と相談をしながら、広く活用していきたいと思っています。介護現場の人手不足が叫ばれて久しいですが、職員が利用者様にゆっくりと関わったり、お話をする時間がどうしても短くなっています。ネットワークやITを利用して業務の自動化や効率化を行い、職員の負担軽減を図ることで、そうした時間を増やしていきたいと思っています。そして、感染予防のためとはいえ、ご家族との面会が叶わないということを深く憂慮していましたので、新たなネットワークを用いて面会の手段や方法などを充実させていきたいですね。」と南條氏は今後の展望を語った。
 アライドテレシスではこれからも、あいおい福祉会のサービス充実を、製品や技術、サポートの提供を通じて積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

社会福祉法人
あいおい福祉会
常務理事
南條 誠氏

法人名
社会福祉法人 あいおい福祉会
所在地
兵庫県相生市野瀬1356番地
開設
1999年
代表者
理事長 南條 登
提供事業
特別養護老人ホーム、グループホーム(野瀬・那波野)、通所介護、訪問介護、短期入所、居宅介護支援事業所、在宅介護支援センター、事業所内小規模保育所
URL
https://www.aioi-cosmos.com/
取り組み

1999年に社会福祉法人設立。2004年には地域の多様なニーズに応える為、特別養護老人ホーム、グループホームを開設し、総合福祉センターとしての運営を開始。高齢社会での安心・安全な生活を、また働く世代には安定と活躍の場を提供し、日々の生活に喜びを感じていただける法人を目指す。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

株式会社システムリサーチ
姫路支社
営業課
エキスパート
磯川 典子氏

会社名
株式会社システムリサーチ
所在地
兵庫県豊岡市日高町浅倉27番地
設立
1985年
代表
代表取締役社長 山田 良作
URL
https://www.sr-co.co.jp/
取り組み

「真にユーザの立場に立って、使いやすく信頼性のあるシステムを提供する」ことを目指し、医療機関・介護施設・自治体・学校や大学・企業などのさまざまな分野で最適なソリューションやサービスを提供。

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