中央大学附属中学校・高等学校 様

ICT教育加速と校務DX推進の基盤となるネットワークを整備。国内メーカーならではの手厚いサポート力で安心感を評価

中央大学附属中学校・高等学校はICT環境のさらなる充実、校務DXによる教職員の働き方改革などを加速するためにネットワークを整備。国内メーカーであることの安心感がポイントとなり、パートナーにアライドテレシスを選定。GIGAスクール構想のもと1人1台の端末を活用して教科教育のICT化をさらに加速させるとともに、整備したITを基盤にペーパーレス化などの校務DXを進め、教職員の働き方改革を実現していく。(2023年7月公開)

業種・業務
文教
ソリューション
ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ AWC UTM&VPN PoE
導入製品
システムインテグレーション コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減
課 題
GIGAスクール構想にも即したICT教育環境のさらなる充実化
校務DXによる教職員の働き方改革の推進
採用ポイント
学校をよく知る視点での既存環境を十二分に活かした提案
国内メーカーならではのサポート力と安心感
効 果
無線LAN導入で教科教育のICT活用が加速
ペーパーレス化やクラウド活用など校務DXによる働き方改革を実現
ネットワークの可視化で運用工数を低減

ICT教育や校務DX、働き方改革の基盤となるネットワーク環境を整備

 中央大学附属中学校・高等学校は、学校法人中央大学が設置する付属の中学校・高等学校。体験型学習をはじめ、教養総合や理数教育、グローバル教育など、さまざまな試みから未来に対応できる幅広い基礎学力を備えた人材の育成に取り組んでいる。
 同校のITへの取り組みは長く、2000年前後から校内情報環境の整備が進められ、情報科教育を目的としたPC教室や情報検索を目的とした図書館の整備、一部教科の特別教室に端末の配備などを実施。2018年にはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校にも採択されている。
 しかしICT環境には課題もあった。中央大学附属中学校・高等学校校長 中央大学法学部教授の石田 雄一氏は、「コロナ禍が始まる頃はインターネット回線が遅く、このままではオンライン授業を始めるにも支障が出るという課題もありました」と語る。当時の中央大学附属中学校・高等学校が契約していたWAN回線は100Mbps。文部科学省のGIGAスクール構想では、最大1Gbps以上のベストエフォート回線が求められている。
 そこで中央大学附属中学校・高等学校は回線の増強はもちろんのこと、GIGAスクール構想にも即したICT活用教育をさらに加速させるとともに、ITによる校務DXに取り組み、教職員の働き方改革も積極的に進めていくことを決めた。
 「セキュリティ重視の情報環境整備が先行していましたので、そうした意味ではセキュリティインシデントやアクシデントなどはかなり少なかったのですが、いざICT活用教育や働き方改革などに活用していこうとなったときに、既存のICT環境がどこまで対応できるか、あるいはルールやポリシー面も含めて、どこまで積極的活用に舵を切っていけるかが、本校にとっては課題でした」と話すのは、中央大学附属中学校・高等学校 事務室の江尻 裕一氏だ。

国内メーカーならではのサポート力、安心感が採用のポイント

 アライドテレシスは以前から中央大学附属中学校・高等学校を訪問し、ネットワークに関する課題解決の提案を行ってきた。2019年頃にはネットワークのコア・スイッチの更新を行い、その後も定期的に訪れてGIGAスクール構想や校務DXを支援する製品やソリューションを提案してきた。
 今回の環境整備についての提案は次の項目がポイントとなる。まず中央大学附属中学校・高等学校では2024年度に中高6学年の生徒全員が1人1台端末を持つ形になる。そこを見据えた無線LAN環境構築だ。
 無線LANを活用して1,000台以上の端末を接続するとなると帯域はひっ迫する。従来の100Mbpsに加えてベストエフォート1Gbps光回線を増設してGIGAスクール構想に対応。ルーターは将来的なSINET対応も見据えて、10Gインターフェース対応の次世代型セキュリティ・ゲートウェイ「NFV-APLシリーズ」を提案した。さらにストレスなく利用できる無線LAN環境として、最新規格であるWi-Fi 6に対応した無線LANアクセスポイント「AT-TQ6602 GEN2」を提案。Wi-Fi 6は従来のWi-Fi 5に比べて、通信速度が約1.4倍と高速で、また回線の混雑にも強く、同時に複数の機器を接続しても快適に通信を行うことができる。
 次にシンプルな構成、既存機器・配線の活用だ。すでに導入している既存の機器と配線を最大限に活用し、例えば古い規格のマルチモード光ファイバーで距離が不足する箇所にだけ新しい規格のマルチモード光ファイバーでケーブルの再敷設を行うなどして幹線の10Gbps化を行った。
 そして3つめのポイントは、容易な運用・管理コストの低減だ。ネットワークの統合管理に必要な機能をパッケージ化したアプライアンスボックス「VST-APLシリーズ」により、無線LANアクセスポイントの電波状況や接続クライアントの状態を視覚的に確認することができ、各アクセスポイントのログを集中管理、ログ検索機能で接続障害時の原因調査を容易にする。
 「ネットワークは導入したら終わりではなく、むしろそこがスタートになりますので、その後のしっかりとしたサポート体制や、相談しやすいパートナーを求めていました。アライドテレシスの提案は既存環境や本校の運用体制を十分理解していましたし、営業やSEの担当が足繁く通い、徹底した事前サーベイなど、導入前後でしっかりサポートしてもらえたことで安心して任せられました。国内メーカーであることの安心感が採用のポイントです」と江尻氏は採用理由を語る。

教科教育のICT活用加速と教職員の働き方改革の両面を実現

 2022年4月にプロポーザル評価により発注先にアライドテレシスを選定。以降打ち合わせ・構築作業を重ねて、2022年9月から運用開始となった。「当時は世界的な半導体供給難の時期でしたが、国内メーカーとしての強みを発揮していただき、納期が遅れることなく運用を開始することができました」と江尻氏は言う。
 稼働後の効果はまず「ICT教育の加速」だ。無線LAN環境を整備し、大容量の通信が可能となったことで、従来は難しかった双方向のアプリケーションなども活用することが可能となった。生徒全員が1人1台の端末を使い、同じアプリケーション上で意見を出し合ったり、発表しあったりできるようになった。
 そして校務DXによる「働き方改革の推進」だ。石田校長は、「職員会議がペーパーレスになり、印刷や紙の保管が不要になりました。先生方の負担はずいぶん減ったと思います」と評価する。
 また以前は、教室の予約表には専用端末からサーバーにアクセスする必要があったが、今は個人端末でもIDとパスワードがあれば学校のネットワークに入れるようになった。「そうした手続きや連絡などがスムーズになり、先生方の働き方改革を一歩進められたと感じます」と江尻氏。
 運用面でもメリットは大きい。VST-APLシリーズにより、無線ネットワークが可視化されたほか、従来はインターネットの接続や設定について教職員から数多く問い合わせが来ていたが、無線LAN整備が完了してからは、そうした問い合わせへの対応工数も減ったという。

中高6学年全員が1人1台端末を持ち、より臨場感あるオンライン授業、どこからでも快適に使える環境づくりを目指す

今回のネットワーク整備では、認証に「NetAttest EPSシリーズ」を導入。無線LANのSSIDを高校生、中学生、教職員など、いくつかに分けて不正なアクセスができない設定をしてセキュリティを担保している。
 今回のネットワーク整備は「ここからがスタートです」と江尻氏は言う。無線LANは一般的な授業環境のみの整備で、体育館やグラウンド、校舎間のスペースなどにはアクセスポイントを設置していない。将来的には敷地内どこでも繋がる、全校的な無線LAN環境を目指す。また高速・大容量化に備え、構内の配線やネットワークの基幹部分も見直しを図っていくという。
 2024年度には中高6学年全員が1人1台端末を持つ形になる中央大学附属中学校・高等学校。「全校生徒が快適に使える環境かは未知数です。本当の意味でのGIGAスクール対応やICT教育の実現に対して、より良い形で情報環境を提供できるように、引き続き使い勝手や通信の状況などをみながら改善を図っていきたいと思っています」と江尻氏は語る。
 最後に石田校長に今後の展望をいただいた。「今回の整備で双方向のオンライン授業なども問題なくできるようになりました。今後は学校に登校できない生徒のために、より臨場感のあるオンライン授業を行うなど、さまざまな仕組みを作っていければと考えています。引き続きアライドテレシスのサポートと提案を期待しています」と力強く語った。
 アライドテレシスはこれからも、中央大学附属中学校・高等学校のネットワークを、製品や技術、サポートなどの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

中央大学附属中学校・高等学校
事務室
江尻 裕一氏

学校名
中央大学附属中学校・高等学校
所在地
東京都小金井市貫井北町3-22-1
創立
1909年
代表者
校長 石田 雄一
URL
https://www.hs.chuo-u.ac.jp/
取り組み

学校法人中央大学が設置する付属の中学校・高等学校。中央大学の学風「質実剛健」を基盤に、「明るく、強く、正しく」の校訓を掲げ、知育・徳育・体育三者の調和ある教育活動を展開して、高い知性と豊かな感性を持つ、心身ともに健康な、社会有為の人間を育成する。

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