株式会社コムネットシステム 様
サブスクリプション型ネットワークサービスの 運用管理基盤をAMF Cloudマルチテナントモードで構築
ICTソリューションパートナーの株式会社コムネットシステムでは、L2スイッチなどネットワーク機器のサブスクリプションサービス「CSD+ Plus(シーエスディープラス)サービス」の提供を開始した。「AMF Cloud」のマルチテナントモードとAT-Vista Manager EXをクラウド基盤上に導入し、インターネットを経由してエンドユーザー機器の統合管理、見える化を実現する環境を構築。手厚い保守・サポート提供を実現している。(2020年12月公開)
- 業種・業務
- エンタープライズ
- ソリューション
- AMF Cloud Vista Manager シリーズ
- 導入製品
- システムインテグレーション
- 導入目的
- ネットワークの新規構築 環境の整備 統合管理 ネットワーク監視の強化 クラウド利用
サブスクリプション型のネットワークサービスを提供開始
クラウドサービスをはじめとした「所有」から「利用」への流れが加速するなか、株式会社コムネットシステムはネットワークとセキュリティ機器のサブスクリプションサービス「CSD+ Plusサービス」の提供を開始した。
同社では従来、顧客の要望や環境にあわせたさまざまなICTソリューションを提供してきた。CSD+ Plusサービスは、同社がこれまでに培ってきた経験と技術力により生まれた、新しい形のネットワークセキュリティサービスだ。
「サブスクリプション型のネットワークサービスを提供しようと考えたのは2つの思いがあったからです」と話すのは、株式会社コムネットシステム ICTソリューション事業部 部長の小倉 大門氏だ。その一つはネットワークやセキュリティの陳腐化を解消するためだ。ネットワーク機器は買い切りやリースでの導入が一般的だが、5年7年といったライフサイクルでの更改では技術の進歩に追いつかないケースがある。セキュリティはさらにトレンドの変化が激しく、ライフサイクルも短い。CSD+ Plusサービスは、サービスとして利用することで企業や事業規模の変化や脅威のトレンドに応じて柔軟に変更が可能となっており、技術の陳腐化にともなう障害やインシデントを防ぐ。
もう一つの思いを小倉氏は次のように語る。「所有から利用へと世の中が変化するなかで、ベンチャー企業や小規模事業者様にも最新のテクノロジーを活用してビジネスを成功させていただきたいという思いです。ネットワークはビジネスの武器になります。最新のテクノロジーを搭載した機器は高価で、リース期間も長期となってしまいますが、CSD+ Plusサービスであれば月額で、利用契約年数に縛られることなく利用できます」と小倉氏。なお、CSD+ Plusサービスの最低利用期間は1ヶ月からとなっており、また利用途中でサービスプランを変更(最新機器にアップデート)することも可能だ。
AMF Cloudのマルチテナントモードを利用して顧客の機器を運用管理
CSD+ Plusサ ービスは、L2スイッチとUTM(Unified Threat Management)、無線LANアクセスポイントを基本セットとしており、これらの機器を月額型のサブスクリプションモデルとして利用できる。その特徴の一つとなるのが、同社が「伴走型サポート」と呼ぶ手厚い運用支援だ。常に適切でセキュアなネットワーク環境の運用維持を継続して支援し、リモート操作による設定支援やネットワーク環境と機器に関する問合せ対応、障害や機器不具合への復旧支援、ネットワーク可視化による適切なセキュリティ対策の実現といったサポートを行う。これによりユーザーは安心してネットワークを利用することができる。
こうした運用管理面での支援の基盤となるのが、アライドテレシスの「AMF Cloud」と「AT-Vista Manager EX」だ。AMF(Autonomous Management Framework)は、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。AMF Cloudは、従来スイッチ製品に搭載されていたAMFコントローラー(AMFマスター機器を管理)/マスター(AMFメンバー機器を管理)機能をクラウドや仮想環境上で利用するためのソリューション。バーチャルAMFアプライアンスと、クラウド対応/VM対応AMFソフトウェアの2タイプから導入を選択可能だ。シングルモードではAMFコントローラーとAMFマスターを組み合わせた1つのAMFネットワークで最大18,000台のAMFメンバーを統合管理することができ、マルチテナントモードではシングルモードと同様の構成を同一仮想マシン上に複数設定することができる。AT-Vista Manager EXは、ネットワークの一元管理を可能にする統合管理ソフトウェアだ。
CSD+ Plusサービスでは、このAMF Cloudのマルチテナントモードを利用し、コムネットシステムが運用するクラウド上にAMFコントローラーを設置、顧客ごとのAMFマスターを管理する構成だ。つまり、コムネットシステムが常にインターネットを通じて顧客のAMF対応機器を一元管理することができる。AT-Vista Manager EXも同様にクラウド上に導入しており、顧客側からも例えば自社のL2スイッチの状態確認や設定変更などが可能だ。
「他のサービスや機器も検討しましたが、AMF Cloudのマルチテナントモードによる運用管理を評価して採用しました。アライドテレシスとは以前よりパートナーとしてお付き合いがあり、製品の信頼性も高いと知っています」と小倉氏。2019年に実施された東京モーターショーでは、コムネットシステムがプレスセンターのネットワーク構築・運用を担ったが、その際にAMF CloudとAT-Vista Manager EXを運用管理の基盤として利用したことが今回のCSD+ Plusサービスでの採用にも繋がっているという。
AMF CloudとAT-Vista Manager EXの導入メリット
CSD+ Plusサービスはすでに提供がスタートしており、企業や医療機関での採用実績もある。「これまでネットワークの運用を自分たちでやっていたという、中規模なネットワークのお客様での採用実績があります。安定して利用していただいており、運用負荷の軽減やネットワークの見える化が実現したことなどを喜んでいただいています」と小倉氏。
これまでに大きな障害は発生していないが、万一エンドユーザーの機器で障害が発生した際にもAMFの自動復旧や一元管理機能、AT-Vista Manager EXを活用して保守対応を行うことで素早いネットワークの復旧、そしてコムネットシステム側の保守対応の工数も削減することが可能だ。
「ネットワークはビジネスの重要なインフラとなっています。企業や組織の規模にかかわらず複雑なネットワーク設計のお客様も多くなっていますので、サービスを提供する私たちにとって集中管理ができる仕組みは不可欠です。AMF Cloudのマルチテナントモードはその役割を十分に担ってくれています」と小倉氏は評価する。
さらに、AMF Cloudのマルチテナントモードを採用したことで、すでにアライドテレシスのスイッチ(xシリーズやSHシリーズ)を導入しているエンドユーザーにも運用管理やセキュリティ強化といった拡張提案が可能となったこともコムネットシステムにとってのメリットとなる。
L3スイッチも含めたプランも提供を開始
CSD+ Plusサービスは、L2スイッチとUTM、無線LANアクセスポイントが基本セットだが、エンドユーザーのネットワーク環境や規模、要望に応じてL3スイッチも含めたプランも提供を開始している。「これからはエッジ・スイッチや島ハブについても、しっかりと運用管理することが大切です」と小倉氏。L3スイッチも含めたプランでもAMFによる管理とAT-Vista Manager EXによる見える化は利用可能で、もちろん手厚い伴走型サポートも受けられる。
働き方改革や新型コロナウイルス流行によるテレワークの普及など、企業や組織を取り巻く環境の激変にともないITの再定義が求められる時代だ。とくに昨今のテレワーク普及にともなうIT環境の変化にはサブスクリプション型のサービスが有効だという。「これまでとは異なり、事業が順調に伸びていてもオフィス自体の面積を小さくしたいというお客様からの声も多く聞かれるようになっています。そうした場合にもサブスクリプション型のネットワークサービスであれば、柔軟に変更が可能です。また、新型コロナウイルスの流行によりIT担当者の方もテレワークというケースでは、CSD+ Plusサービスによる手厚い運用管理支援が大きなメリットになると思います」と小倉氏は言う。また今後、DX(Digital Transformation)の推進が必須になるなかでは、小規模な事業者や医療機関など、これまでネットワークのメンテナンスをあまり必要としていなかったユーザーにもCSD+ Plusサービスのような運用管理支援が必要になると付け加えた。
アライドテレシスではこれからも、コムネットシステムのCSD+Plusサービスを製品や技術の提供を通じてサポートしていくとともに、今回のコムネットシステムと同様にパートナーによるアライドテレシス製品・サービスの提供を積極的に支援していく。
導入ネットワーク構成イメージ図
導入企業基本情報
お客様プロフィール
株式会社コムネットシステム
ICTソリューション事業部
部長
小倉 大門氏
- 会社名
- 株式会社コムネットシステム
- 所在地
- 東京都目黒区上目黒2-9-1 中目黒GS第1ビル4階
- 設立
- 1995年
- 代表者
- 代表取締役 CEO 酒井 俊英
- URL
- https://www.comnetsystem.co.jp CSD+ Plusサービスについて https://www.comnetsystem.co.jp/lp1-d/
取り組み
ICTネットワーク環境にまつわるあらゆる課題解決のため、さまざまなサービス・製品の選定や販売、導入にともなう機器設定や配線・設置工事、導入後の運用・保守サポートまで、ワンストップで提供するICTソリューションパートナー。