岐阜県教育委員会 様

<GIGAスクール構想>県内86拠点をつなぐ教育情報ネットワークをアップデート 〜5万7千台の通信を支えるICT基盤と災害対策を強化して「新しい学び」を推進〜

岐阜県教育委員会は、県内すべての学校を結ぶ教育情報インフラ「学校間総合ネット」を更新。アライドテレシスのネットワークを採用し、1人1台のタブレット端末導入により増大する通信量への対応とさらなる活用を進めるために、機器更新と無線LANアクセスポイントの増設を実施した。更新により、セキュリティや認証の強化、災害対策も実現している。(2024年5月公開)

業種・業務
文教
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF AMF Cloud Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS 無線LAN AWC セキュリティ UTM&VPN PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
屋外無線LAN ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 災害対策
課 題
・1人1台端末による通信量増大に対応できる基盤構築
・セキュリティ強化や一部の特別教室などのWi-Fi整備
・災害時のバックアップ回線の確保
採用ポイント
・ログの検索性を向上してセキュリティ強化
・5G/ LTE通信にも対応したルーターで災害対策
効 果
・5万7千台の通信量にも耐えうる強固な基盤を実現
・最新の規格に対応した無線LAN環境で快適な端末活用
・災害時もバックアップ回線への切替で授業や校務を維持

教育情報インフラ「学校間総合ネット」を更新

岐阜県では早くから情報通信の活用に力を入れており、2002年からは「岐阜情報スーパーハイウェイ」の運用をスタートした。岐阜情報スーパーハイウェイは、地域間の情報格差を是正するとともに、県民がいつでもどこでも誰でもITを利用できる環境を実現し、産業の振興、地域の活性化、県民生活の質の向上を図るため整備された、高速・大容量の通信が可能な県域ブロードバンドネットワークだ。
この岐阜情報スーパーハイウェイの光ファイバー網を利用した教育情報インフラが、「学校間総合ネット」である。一部の大学を含む県内すべての学校を結び、教育用コンテンツの共有や、教職員用のメール・グループウェアなどの提供を通じて、県内学校の教育活動を支援する目的で、2002年にスタートした。
岐阜県教育委員会 教育財務課 課長補佐兼情報基盤係長の岩口一平氏は、初期には教材コンテンツの少なさから先生が作成した教材をサーバーにアップロードしたり、テレビ会議システムを用いて学校間や教育委員会での会議、教員研修を実施したりしていた時期を振り返り、「とにかく学校を繋ぐことからのスタートでした」と語る。
以降も学校間総合ネットは、改修や機能強化を繰り返しながら、また7年ごとには見直しも含めたネットワーク更新を行い、運用を続けてきた。岐阜県が所管する県内すべての県立高校、県立特別支援学校、84校86拠点を結ぶネットワークとサーバー群が中心となっている。
そして2023年、岐阜県教育委員会は、学校間総合ネットの更新を実施した。「7年ごとの更新となりますので、学校間総合ネットとしては3回目の更新、4期目となります」と岩口氏。前期から引き続き、学校間総合ネット4期のパートナーに選ばれたのがアライドテレシスである。

増大する通信量にも対応できるネットワークを構築

これまで学校間総合ネットのインフラにはさまざまな課題があった。ネットワーク機器の老朽化とともに、大きな課題となったのは学校間総合ネットに接続するICT関連機器、端末の増加による通信量の増大だ。
「これまでの接続端末は教員の使うコンピュータを中心に約1万7千台でした。これに生徒1人1台のタブレット端末を配付しましたので、これが約4万台です。計5万7千台の端末の接続により通信量が増大し、管理工数も増えています」と話すのは、岐阜県教育委員会 教育財務課 情報基盤係 課長補佐の棚橋 拓水氏。生徒1人1台のタブレット端末に加え、電子黒板機能付きプロジェクターなどのICT関連機器も増加しており、それらの通信量に耐えうるネットワークが必要だったという。
またさらなるセキュリティや可用性の強化とともに重視したのが、災害対策だ。「台風による光ファイバーの断線で、学校間総合ネットが使えないということがあり、インターネットを使った教育はもとより、校務なども利用できないことがありました。今回の更新ではその対策も要件の一つでした」と棚橋氏。
その他、体育館までの経路の有線化や一部の特別教室などのWi-Fi化なども課題となっており、更新で解消することが求められた。
これらの課題を解決するため、アライドテレシスは有線/無線ネットワークの再構築を提案。入札を経て、この提案が採用された。「アライドテレシスが引き続き関わっていただけたことは、とてもありがたかったと思っています」と岩口氏は語った。

84校86拠点を統合管理、Wi-Fi 6に対応した快適な無線LAN環境を実現

学校間総合ネットの構成は、岐阜情報スーパーハイウェイの12のアクセスポイントを通じて各学校がネットワークに接続する方式だ。今回のネットワーク更新は、県立学校84校を含む86拠点に及んだ。
更新工事は2023年8月から始まり、約5 ヶ月で完了した。機器更新と無線LANアクセスポイントの増設が主な内容で、アライドテレシスの積極的な支援により進められた。「各学校の担当者と詳細な打ち合わせをして工事を進めました。アライドテレシスの柔軟な対応は大変心強かったです」と棚橋氏は評価を語る。
新ネットワークは、ネットワーク統合管理の「AMF(Autonomous Management Framework)」技術を採用し、ネットワーク管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」による遠隔管理が可能になっている。「AT-Vista Manager EXは画面を見るだけで情報が分かりやすく、管理もしやすいです」と岐阜県教育委員会 教育財務課 情報基盤係 課長補佐の高坂 武司氏は語る。
これにより、学校から問い合わせがあった際も、ある程度原因の当たりが付けやすいと高坂氏。なおネットワークの監視については、前期に引き続き、運用支援サービスの「Net.Monitor」を導入しており、万一なにか起きた際には素早く対応してもらっていると岩口氏も高く評価した。
また各学校で導入、増設した無線LANについては、とくに問題なく稼働しているという。アライドテレシスは事前に検証を行い、同時に40台の端末が接続しても問題ないことを確認。加えて、各学校に設置した無線LANアクセスポイントは、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)に対応した、最新の「AT-TQ6702 GEN2」だ。これにより従来よりも、大容量・高速な通信を低遅延で実現し、端末の収容数も増大している。

5G/ LTE通信に対応したアクセス・ルーターで災害対策、BYOD端末開放も視野に

課題の一つとなっていたセキュリティの強化に関しては「ログの検索性向上」が今回の更新で大きく変わった部分だと棚橋氏。「例えば、タブレット端末を紛失した際など、ログを確認すれば、最後に検知した場所を特定しやすいです。アライドテレシスに、そうしたログの検索性や絞り込みを強化してもらいました」と棚橋氏。
また災害対策については、5G/ LTE通信に対応したアクセス・ルーターを一部拠点に導入している。「AT-AR4050S-5G」は、マルチキャリア(SIMフリー)対応の5G通信モジュールを内蔵し、SIMカードを挿入することで5G/ LTE通信が可能だ。「ある学校内の棚の移動作業で幹線の光ファイバーが断線した際に、AT-AR4050S-5GでLTE通信へ切り替えを行いました。最初は上手く繋がらなかったのですが、アライドテレシスが迅速に対応してくれ、やり方も理解できましたし、今後同じようなことがあったときには上手く使えると思います」と高坂氏は言う。
昨今はGIGAスクールの次、“NEXT GIGA”という言葉もあるが、1人1台のタブレット端末の更新をどうするか、岐阜県教育委員会でも検討を行っている。「更新のたびにタブレット端末を購入するのは難しい面もありますので、将来的には持込端末(BYOD)の許可も検討しています」と岩口氏。検討中ではあるが、BYOD端末開放に備えて、認証の強化や、端末登録の仕組み整備など、将来を見据えた準備は進めているという。
最後に岩口氏から今後の展望を聞いた。「今後も新しい技術が出てきて、ICTはますます変化していくと思います。アライドテレシスには、これまでもそうでしたが、これまで以上に情報やアドバイスをいただければと思っています。これからもよろしくお願いします」と語った。
アライドテレシスはこれからも、岐阜県教育委員会の抱えるさまざまなICTの課題解決を、製品や技術、サポートなどの提供を通じて積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

岐阜県教育委員会
教育財務課
課長補佐兼情報基盤係長
岩口 一平氏

名称
岐阜県教育委員会
所在地
岐阜市薮田南2丁目1番1号
URL
https://www.pref.gifu.lg.jp/site/edu/
取り組み

地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)の定めるところにより、岐阜県における教育行政の執行機関として設置され、教育長及び5人の委員をもって組織されている。県教育委員会の権限に属する事務等を処理するため、県教育委員会に事務局が置かれ、9課(本庁)及び6つの教育事務所で編成されている。

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