医療法人社団 長谷川病院 様

「患者さま中心のよりよい医療」を目指して地域医療を支える 専門病院のITインフラ基盤強化で利便性と医療サービス向上

富山市の医療法人社団 長谷川病院では、電子カルテシステム、ネットワーク基盤の更新にともない、アライドテレシスのAMF(Autonomous Management Framework)、AWC(Autonomous Wave Control)を導入。安定した快適なネットワークを実現し、医療サービスの基盤となるネット ワークを構築した。(2023年12月公開)

業種・業務
医療
ソリューション
ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS 無線LAN AWC セキュリティ AMF-SEC(旧:SES) PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減
課 題
・つながらない、遅い、不安定な院内ネットワーク環境の改善
・ノートPCを活用したペーパーレス会議の導入
採用ポイント
・有線・無線関わらずネットワークを統合管理
・電波状況を最適化して常に快適な無線LAN環境を維持
効 果
・医療の基盤となる安定した高速なネットワークを実現
・無線LAN環境を強化してどこでも働ける環境を構築

医療ITの導入にも積極的な富山県の専門病院

医療ITの導入にも積極的な富山県の専門病院富山県富山市の医療法人社団 長谷川病院は、泌尿器科および人工透析の専門病院。「患者さま中心のよりよい医療」をスローガンにかかげ、金沢大学や富山大学、金沢医科大学、県立中央病院などさまざまな医療機関との緊密な連携のもと、最先端で最良の診療を提供している。「当院は単科で専門性が高いことが大きな特徴です。患者様が最初にアクセスしやすい病院で、他の医療機関への紹介体制やドクター連携もしっかり取れています」と語るのは長谷川病院 情報管理室 主任の宮本 好江氏。また隣接するビルは「星井町メディカルガーデン」で、内科、歯科、心療内科のクリニックや薬局などが入居している。紹介はもちろん、何かの場合には往診を行うなど、連携が取れるようになっている。長谷川病院では以前より医療にITを活用しており、1987年の医事コンピュータ導入から、1997年には院内LAN敷設、2005年には電子カルテシステムを導入している。そして2021年末には、電子カルテシステムの更新を含む、大規模なネットワーク更改を実施した。

「遅くならないネットワーク」を目指して

2005年の電子カルテシステムの導入後は無線LAN環境も導入し、電子カルテの端末などにも利用してきたが、「病棟では繋がりにくいポイントがあった」「コントローラーの調子が悪くなり、再起動してしまうことがあった」など、いくつかの課題があったという。長谷川病院 情報管理室 主任の満田 久知氏は、「端末として利用していたノートPCの台数が少なかったため、そこまで支障は出ませんでしたが、台数が増えたらおそらくもっとトラブルが起きていただろうと思います」と当時を振り返る。そこで無線LAN環境を何とかしたいと検討していたところ、電子カルテシステムの更新を含む大規模なシステム更改の時期となり、基盤となる有線・無線を含むネットワークを見直し、更新することとなった。新たなネットワークについては従来の課題を解決したうえで、「遅くならないネットワーク」を目指すこととした。長谷川病院は、それまでも病院ITの導入を支援してきた三谷商事株式会社にネットワークの構成やそれを実現する技術について相談。その三谷商事が提案したのが、アライドテレシスのソリューションだ。「冗長性を確保しつつ、フロア間、フロア・サーバー間を10Gbpsで接続して、速度を向上するご提案を行いました。またAMF(Autonomous Management Framework)の導入によりネットワークを一元管理し、万一の障害時にも迅速に復旧できるように、また無線については透析室などで密度高くアクセスポイントを設置していますので、AWC(Autonomous Wave Control)により管理工数を抑えて、快適な無線LAN環境を利用できるようにしています」と話すのは、三谷商事株式会社 情報システム事業部 金沢支店 富山営業所 テクニカルソリューション課の西川 拓哉氏。AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とし、運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する機能。なお今回はAMF-Cloudとして提案している。AWCは、アクセスポイントをインテリジェント化し、無線エリア内の各アクセスポイントが自律的に周囲の電波状況を収集。そのデータを無線LANコントローラーが分析し、チャンネルや電波出力を自律的に調整してエリア内の電波干渉を最小化するソリューションだ。長谷川病院はこれらの提案を評価し、採用することを決定。2021年の秋口には電子カルテシステムの更新に先立ち、新ネットワークの構築がスタートした。

10Gbps化とWi-Fi6対応のアクセスポイントで高速な院内LANを実現

機器の設置については患者の少ないタイミングを見つつ工事スケジュールの調整を行い、無線の事前サーベイも実施しながら進んだ。無線LANは病棟を含む、よく利用するところを中心に、高密度にアクセスポイントを設置した。「無線LANは、病棟や透析室を中心に、繋がりやすく、遅くならないようにお願いしました。また会議室などでも、紙ではなくノートPCを持ち込んでのペーパーレス会議ができるようにという要望がありました」と満田氏は語る。新しいネットワークの構成は、コア・スイッチに10ギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「x550シリーズ」を冗長化して設置。フロア・スイッチにはギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「x530Lシリーズ」、無線LANアクセスポイントにはWiFi6対応の「AT-TQ6602」を導入している。また管理ツールはユニファイド・ネットワーク・マネージメント・アプライアンス「VST-APLシリーズ」で、グラフィカルなユーザーインターフェースにより、直感的にネットワークの状況を把握できる。なお、AWCのコントローラー機能はこのアプライアンスに搭載されている。2021年の年末にはネットワークの構築工事は完了。新たなネットワークへの切り替えも問題なく終わった。この後、長谷川病院は電子カルテシステムの更新も予定通り実施している。

安定し、繋がりやすく、高速なネットワーク環境を構築

医療の基盤となる新たなネットワークは大きな問題なく、安定して稼働している。無線LANについても、設置当初こそ多少繋がりにくい場所などがあったものの、ファームウェアのバージョンアップなど、三谷商事とアライドテレシスのサポートにより無事改善し、安定して快適な無線LAN環境を利用できるようになっている。「10数名のスタッフが会議室にノートPCを持ち込んで利用しても、とくに問題はなく、快適に利用できています」と宮本氏。繋がりにくい、重いなどの声もまったく聞かれないという。満田氏も、「以前はMRI等の表示に10〜40秒程度かかっていましたが、ネットワーク更改後は3秒程度で表示が可能になりました」と10GbpsネットワークとWi-Fi6による高速化を評価した。運用面でも、以前であれば何か起きた際には現場まで走らなければ状況が分からなかったが、VST-APLシリーズを導入したことにより、その場で最低限の情報は取れるようになり、運用の負荷は大きく削減できたと話す。また今回の更新では、VLANの設定も再考し、例えばメンテナンス回線などは直接院内LANに接続することはできないようになっており、セキュリティも向上している。ネットワークの更改を無事完了した長谷川病院では今後も利便性の向上、セキュリティの強化など、さまざまな要望を聞きつつ改善を検討していく。「AMF-SEC(AMF-SECurity)についても、セキュリティソフトと連携して、不審な動きがあったらネットワークを遮断するような設定をしていきたいと思っています」と満田氏。AMF-SECは、各種アプリケーションと連動し、ユーザー端末への仮想ネットワークの自動形成や、ふるまい検知などセキュリティ強化機能による運用の高効率化をOpenFlow/ SDN技術で提供する機能だ。宮本氏も、「今回の更新で無線LANは入っていない箇所もあるのですが、やはりここでも使いたいなど、要望も上がってきています。セキュリティを強化しながら、職員が使いやすいネットワークにしていきたいと考えています」と語った。アライドテレシスはこれからも長谷川病院のネットワークを製品や技術、サポートなどの提供を通じ、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

医療法人社団 長谷川病院
情報管理室
主任
宮本 好江氏

病院名
医療法人社団 長谷川病院
所在地
富山県富山市星井町2丁目7-40
設立
1978年
代表者
理事長・院長 長谷川 徹
URL
https://h-uro.com/
取り組み

富山県富山市で泌尿器科および人工透析専門病院として、地域医療に貢献。「患者さま中心のより良い医療」「こころのかよった診療を」を基本理念に、患者に最新・最善の医療を提供する。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

三谷商事株式会社
情報システム事業部
金沢支店 富山営業所
テクニカルソリューション課
西川 拓哉氏

会社名
三谷商事株式会社
所在地
(福井本社)福井県福井市豊島1-3-1 ,(東京本社)東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング2F
代表者
代表取締役社長 三谷 聡
創業
1941年
URL
https://www.mitani-corp.co.jp/
取り組み

創業以来、既存事業の成長や、新しい事業も加えて、主に日本国内で事業展開。建設関連やエネルギー、情報システムをはじめ、ケーブルテレビ、 ODA専門商社、風力発電、カーディーラや介護といった幅広い分野に注力している。

一覧に戻る

Language