株式会社 Mujin 様

スマートファクトリー化を大きく牽引 AGV×シングルチャンネル無線LANがもたらすメリットとは

製造・物流業界を中心に「AGV(Automatic Guided Vehicle、無人搬送車)」の導入が進んでいる。今やAGVは“スマートファクトリー”を牽引するトレンドの一つだ。AGVは、自動的に移動し、物品を運搬する自律型ロボットの一種。物流の効率化や生産ラインの自動化が可能となり、生産性の向上、品質の改善を実現し、また人為的なミスや待ち時間を減らすことで、コスト削減も期待できる。知能ロボットとAGVを用いた自動化ソリューションを提供する株式会社Mujinは、AGVの提供と併せて提案する無線LANにアライドテレシス製品を選定している。その理由や効果をお聞きした。(2023年9月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ AWC AWC-CB PoE
導入製品
産業⽤スイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 ネットワークの新規構築 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 無線LANの簡単導入 コスト削減
課 題
パズルのように複雑な無線LANのチャンネル設計をなんとかしたい
ネットワークトラブルを無くして、安定した無線LAN環境を提供したい
採用ポイント
AWC-CBなら利用するチャンネルは一つ
ローミングレス通信でアクセスポイントの切り替わりトラブルを防止
効 果
チャンネルを統一することでネットワークの環境構築が容易に
途切れない通信でAGV走行の安定性を担保
製造現場で不足する無線LANチャンネルを有効活用

スマートファクトリーの実現へ、知能ロボット事業を 展開する株式会社Mujin

  株式会社Mujin(以下、Mujin)のコア技術である「Mujinコントロー ラ」は、世界初の汎用的知能ロボットコントローラだ。産業用ロボット に接続することで、ロボットを「知能化」することが可能である。こ れによりスマートファクトリーの実現に向けた設備の導入期間短縮や、 コストダウン、稼働後の能力予測、そしてこれまで不可能であった複 雑な自動化を可能にする。Mujinコントローラを既存のロボットに接続 すると、その場で最適な動きを自動生成する知能化を実現。これによ り産業用ロボット導入のハードルを大幅に下げ、多様な現場で自動化 を推進している。
 Mujinは、製造・物流分野においてAGV(無人搬送車)と知能ロボ ットを組み合わせた自動化ソリューションの提供に焦点を当てている。 Mujin 営業本部 名古屋営業所 所長の木全 洋一郎氏は、「スマートフ ァクトリーにおいて、末端のロボットとAGVは非常に重要です。これ からますます伸びていく分野だと考えています」と述べている。
 MujinのAGVは、床に設置したQRコードを読み取りながら移動す る。一つのシステムで数十台から数百台のAGVを同時に制御すること が可能で、走行性能や導入コストなどのバランスが良い。さらに独自 の搬送制御アルゴリズムにより、衝突回避やルート調整を行い、パフ ォーマンスを最大化する。
 木全氏は「Mujinがご提供するAGVの強みは、お客様よりご好評を いただいている独自のサポート体制を含め、AGV本体やソフトウェア、 そして制御のための無線LANなど、AGVを使うための環境全体を提 案・構築することです。私たちは単にAGVを売るだけではなく、お客 様がソリューションとして最大限活用できる環境を提供することに力を 注いでいます」と述べている。これらの取り組みにより、Mujinは知 能ロボットやAGV関連のビジネスを急速に拡大させている。

「AGV+無線LAN環境+サポート体制」の トータルソリューションで付加価値を向上

 AGVはその制御やデータ収集、障害物や機械故障の検出などに無 線LANを利用する。Mujinも、そのソリューションとして「AGV+無線 LAN環境+サポート体制」のトータル提案を行っている。しかし、過去に使用してきた機器ではいくつかの課題があった。
 「最近の製造現場では無線機器の使用が増えています。現場で把握 しきれていないアクセスポイントの干渉などが原因で、1ヶ月以上エラ ーが続いたこともありました。こうした経験から、AGVをより安心して 活用していただくためにも、より良いネットワーク環境を含めた提案を していきたいと感じ始めました」と木全氏は語る。無線は目に見えな いため問題の把握が難しく、また、製造現場でも無線機器の増加に よる電波干渉が発生することがあった。
 そうした課題を解消すべく、新しい無線LANアクセスポイントの検 討を始めたなかで出会ったのがアライドテレシスだ。同社が提案した 無線LANアクセスポイントの特徴でもある「AWC-CB(AWC-Channel Blanket)」は、単一のチャンネルを使い、アクセスポイント間の移動 時にも通信が途切れないソリューションだ。複数の無線LANアクセス ポイントで同一チャンネルを使用し、仮想的な1台の無線LANアクセス ポイントとして動作することにより、ローミングしない通信を実現する。
 「AWC-CBの提案を受けた時、これが我々の求めていた解決策だ とすぐに思いました。それを受けて、提案する無線LANの標準品を 切り替えました」と木全氏は語る。

アライドテレシスの技術で、安定した無線LAN環境 の構築が容易に

 MujinがAWC-CBを採用した理由は、環境構築の容易さとネットワ ークの安定性により、これらの利点を顧客にも提案できるからだ。
 AWC-CBは単一のチャンネルを利用する。製造・物流の現場では 無線LANが頻繁に使用され、その結果チャンネルが混雑している。 そのため従来は干渉しないようチャンネルをパズルのように組み立てて 設計する必要があったが、AWC-CBでは、複数のアクセスポイントで 同じチャンネルを使用することが可能である。「AGVで利用するチャン ネルは一つですとお客様に言えることは圧倒的なメリットです」と木 全氏は語る。
 さらに、AGVは移動しながら近くのアクセスポイントと接続する。 この際、問題となるのがアクセスポイントの切り替わり(ローミング) だ。ローミング問題を解決し、安定したネットワークを提供するAWCCBをAGVの無線LANとして提案できることも大きな利点である。
 事実、AWC-CB対応の無線LANアクセスポイント(「AT-TQ5403」「AT-TQ6602 GEN2」)を標準無線LANとして提案・導入した顧客か らはネットワークエラーの連絡がなく、「お客様がネットワーク環境を 意識しなくて済むのが一番のメリット」と木全氏は評価する。
 「混線を避けるため、社内で使用している既存の無線LANを使って ほしいといったご要望もありますが、セキュリティ上の観点でリモート からのネットワーク接続ができなくなるといった課題が生じます。その ような場合でもAWC-CBを使用することでお客様側での環境構築が 容易になるため、ハードルが下がり、お客様も理解してくださり採用 いただけることが多いです」と木全氏は述べる。

お客様に高い付加価値を提供、ますます 盛り上がるAGV

  無線LANアクセスポイントの接続に必要なPoEスイッチも、アラ イドテレシス製を推奨している。2021年12月以降、Mujinが提案する 「AGV+無線LAN環境+サポート体制」ソリューションの無線LAN部 分の標準品として採用されている。
 木全氏のアライドテレシスに対する評価は高い。「アライドテレシス のおかげで付加価値が大きく高まりました。AWC-CBの採用で、高 度に安定したネットワークを提供する自信がつき、お客様からも高い 評価をいただいています」と木全氏。またアライドテレシスの対応速 度やサポートの質も高く評価しており、製品テスト時の手厚いサポート に感謝の意を示している。なお、ネットワーク環境の調査や設置場所 の確認などでの顧客先への同行や、AWC-CBに関する技術的な対応など、アライドテレシスはMujinとともに快適なAGV環境の構築を積 極的に支援している。
 最後に今後の展望を聞いた。「私たちはこの数年間、土台を作って、 機能としての幹を太くし、多少のことがあっても揺れない体制作りを進 めてきました。その一環が無線機器です。AGVの引き合いや販売台数 は増えています。私たちは最高品質の製品を提供できる自信を持って います。AWC-CBはAGV活用においても大きな利点があります。これ からも一緒に提案していきたいと思います」と木全氏は述べている。
 アライドテレシスは、製品、技術、サポートを通じて、Mujinとともに、 AGVの導入やスマートファクトリーの推進を続けていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

株式会社Mujin
営業本部
名古屋営業所 所長
木全 洋一郎氏

会社名
株式会社 Mujin
所在地
東京都江東区辰巳3-8-5
創立
2011年
資本金
1億円
従業員数
306人(グループ計/2023年6月時点)
URL
https://mujin.co.jp/
取り組み

独自のロボット知能化技術により産業用ロボットの導入障壁を解消し、ロボットの普及を促すことで、世界中の人々の生活、社会、未来を豊かに変えていくことを目指す。また製造・物流分野において、AGVと知能ロボットを組み合わせた自動化ソリューションを提供。

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