中能登町 様

新庁舎の開設に伴い、ネットワークを一元管理。 「三層の対策」に基づいた自治体情報セキュリティを強化

石川県鹿島郡の中能登町では、新たな庁舎となる行政サービス庁舎の開設にあたり、アライドテレシスのAMFやAWC、AMF-SECを採用。ネットワークの一元管理、快適な無線LAN環境の構築、セキュリティ強化を実現した。その後には総務庁舎や他の出先機関にもアライドテレシスのネットワークソリューションを導入し、中能登町ほぼ全域の行政ネットワークを一元管理可能としている。(2022年6月公開)

業種・業務
自治体
ソリューション
AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS AWC SDN AMF-SEC(旧:SES) PoE
導入製品
ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN
導入目的
ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 業務効率の向上 コスト削減 事業の改善

行政サービス庁舎のネットワークにアライドテレシス

 石川県鹿島郡中能登町は、能登半島中部にあり、東に石動山、西に眉丈山、中央部の平野には田園風景が広がる、自然豊かな地域だ。雨の宮古墳群や小田中古墳群、川田古墳群など多くの古墳があることでも知られている。
 中能登町は2005年3月のいわゆる「平成の大合併」で、鹿島郡内の鳥屋町と鹿島町、鹿西町が合併し誕生した。合併後はそれぞれの旧庁舎を役場として利用していたが、2021年2月からは総務、企画系部署が従事する総務庁舎、住民サービス系の部署が従事する行政サービス庁舎、教育関係部署が入る生涯学習センター ラピア鹿島と、役場機能が再編されている。
 「このとき旧鳥屋町役場だった建物は総務庁舎に移行し、旧鹿島町と旧鹿西町の庁舎は閉鎖しました。閉校となった旧鹿西中学校を改築し、行政サービス庁舎としてスタートすることとなりました」と話すのは、中能登町役場 総務課 課長補佐の宮川 武志氏だ。
 この行政サービス庁舎がスタートするにあたり、基盤となるネットワークに採用されたのが、アライドテレシスのソリューションである。

無線LANとセキュリティ強化がポイント

 行政サービス庁舎のネットワークを考えるにあたり、ポイントとなったのは無線LANだった。「当初は職員の座席を固定せず、フリーアドレスにするつもりでしたので、それには有線だけではなく、無線LANが必要と考えました」と宮川氏。最終的には完全なフリーアドレスは実現しなかったものの、LGWAN系ネットワークの端末や、インターネット系ネットワークの端末はノートPCで無線LANに接続して利用している。庁舎内のほぼすべてが無線LAN利用可能エリアとなっているため、どこでも仕事ができるようになっている。
 従来、旧庁舎のネットワークは有線のみで、これまで無線を利用したことはなかったという。「行政サービス庁舎のネットワークは無線LAN、それに加えてセキュリティをしっかりとしたものにすることが重要な要件でした」と宮川氏は言う。なお、庁舎のネットワークは総務省の自治体情報セキュリティ対策ガイドラインに従っており、個人番号利用事務系とLGWAN系/インターネット系は物理的に分離し、いわゆる「三層の対策」によるセキュリティ強化が求められ、今回無線LANを導入したのはLGWAN系/インターネット系のネットワークになる。
 また幹線の速度は10Gbpsとしている。「昨今は通信量も増加していますので、ある程度の速度は必要です。一度整備すると何年かは使っていくことになりますので、幹線は10Gでと決めました」と宮川氏は言う。
 こうした要件に対し、北国インテックサービス株式会社が提案したのがアライドテレシスのネットワークソリューションだ。AMF(Autonomous Management Framework)でネットワークの一元管理を実現しながら、AWC(Autonomous Wave Control)で快適な無線LAN環境を構築し、AMF-SEC(AMF-SECurity)や認証サーバーの導入により高度なセキュリティを構築することを提案したのだ。

新たにAMF、AWC、AMF-SECを導入

 採用された行政サービス庁舎のネットワークは、コア・スイッチにレジリエント・ユニファイド・マネージメント・スイッチ「x950シリーズ」を冗長化して設置し、フロアやエッジ・スイッチには、アドバンスト・レイヤー 3スイッチ「x550シリーズ」、インテリジェント・エッジ・スイッチ「x530Lシリーズ」を設置した。無線LANアクセスポイントには「AT-TQ5403」を導入。これらの機器はAMFで一元管理が可能となっており、ネットワークマネージメントソフトウェア「AT-Vista Manager EX」で、有線/無線LANを問わず、ネットワークを統合的に管理できるようになっている。
 セキュリティ対策としては新たに認証サーバーを導入し、電子証明書を使った無線LANのセキュリティ強化を実現するとともに、導入済みであったIT資産管理ツールをAMF-SECと連携して不許可端末のネットワーク接続を禁止している。
 ネットワークの導入工事は新庁舎への改修と並行して実施された。ネットワーク導入は北国インテックサービスが中心となり、アライドテレシスも技術支援などを行った。「改修作業が終わった部分からネットワークの設置工事を始めるといったタイミングで、改修事業者とも連絡を取りながら進め、予定通りにネットワークの工事も完了しました」と宮川氏。
 行政サービス庁舎は2021年2月から業務をスタート。同時に新たなネットワークも稼働を開始し、その後大きなトラブルは発生していない。無線LANについても接続しづらい、途切れるといった声もなく、快適に利用できているという。

他庁舎や出先機関も含めてネットワークを一元管理

 その後、2021年夏以降には総務庁舎、生涯学習センター ラピア鹿島、創修館、保育園、ケーブルTV放送センターをはじめ、各出先機関にもアライドテレシスのネットワーク機器が導入された。これら総務庁舎、ラピア鹿島や各出先機関のネットワークもAMFで一元管理が可能となっている。「せっかく行政サービス庁舎にもAMFを導入しましたので、一元管理ができた方が良いだろうということで、アライドテレシスの機器を導入しました」と宮川氏。
 行政サービス庁舎の新ネットワーク敷設にはじまり、総務庁舎やその他機関に及ぶネットワーク更改はひとまず完了した。なお、総務庁舎にも無線LANが入ったことで、当初から予定していたLGWAN系、インターネット系での利用のほかに、中能登町議会でも無線LANの利用が始まっている。中能登町議会では以前よりタブレット端末を活用した完全ペーパーレス化を検討・推進していたが、無線LANが導入されたことでそれが実現した。「もちろんLGWAN系、インターネット系とはセグメントを分け、セキュアに利用しています」と宮川氏。
 最後に今後の展望を聞いた。「総務庁舎も比較的老朽化しているところもありますので、いずれは改修が必要になると思います。その際にはネットワークについても多少の変更や見直しがあるかもしれません。また行政サービス庁舎にサーバー室を新設したことで総務庁舎のサーバー機器などを移設する予定もあり、これもネットワークに関係すると思います。そうしたことも含め、安定したネットワークを維持していく必要がありますので、北国インテックサービスとアライドテレシスにはこれからも期待しています」と宮川氏は語った。
 アライドテレシスは今後も、中能登町のネットワークを製品や技術、サポートの提供を通じ、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

自治体名
中能登町
所在地
石川県鹿島郡中能登町末坂9部46番地
面積
89.45平方キロメートル
人口
17,306人(2022年3月1日現在)
URL
https://www.town.nakanoto.ishikawa.jp/
取り組み

2005年に鹿島郡内の鳥屋町と鹿島町、鹿西町が合併して誕生。豊かな自然環境、旧街道沿いの集落や、神社・寺院群、それらを舞台とした祭りなどの伝統文化を地域の重要な資産としている。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

会社名
北国インテックサービス株式会社
所在地
石川県金沢市鞍月2丁目1番地
設立
1979年
従業員数
95名(2021年4月1日現在)
URL
https://www.hokkoku-intec.co.jp/
取り組み

TISインテックグループのグループ会社。金融・製造・流通・サービス・公共のそれぞれの分野に対し、情報システムの企画・開発からアウトソーシング・運用までの一連のサービスを提供。

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