ネクシオン株式会社 様

映像伝送のための監視・制御系ネットワークをリプレース、AMFで統合管理・可視化を実現

映像伝送や配信などを展開するネクシオンは、東京のTNOC(東京回線センター)と各拠点を中心に、放送局やイベント会場などを含む大規模な監視・制御系ネットワーク機器のリプレースを実施した。複雑化していたネットワークをアライドテレシスのネットワーク機器で統一、クラウド型のAMF(Autonomous Management Framework)による統合管理を実現し、映像伝送に求められる高品質なネットワーク網を構築した。(2023年4月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF AMF Cloud Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS
導入製品
コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 統合ネットワーク ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減 クラウド利用
課 題
老朽化した監視・制御系ネットワーク機器のリプレース
案件の増加にともなうネットワーク拡張の必要性
採用ポイント
最大限要望に沿った提案
ネットワークの統合管理と可視化
効 果
AMFによりネットワークの統合管理を実現
AT-Vista Manager EXでネットワークを可視化、状況把握が容易に

スポーツやイベントの映像伝送を展開するパイオニア企業

 ネクシオンは映像伝送・映像配信事業を展開する企業だ。放送用の高品質映像回線を扱う技術を有する日本で数少ない通信事業者で、スポーツ中継や主要イベントの映像伝送、現場と放送局をつなぐ映像用の専用回線の提供などを行っている。「近年では映像中継の回線提供だけでなく、保守・運用まで含めたサービスを展開しております」と語るのは、ネクシオン株式会社 営業本部 担当部長の蒔田 芳治氏。
 映像伝送サービスは、ベニューと呼ばれるスポーツやコンサートなどのイベント会場から、映像を圧縮もしくは非圧縮のデータで光ケーブルを使ってネクシオンの回線センターを経由して、各放送局へ伝送するもの。東京のTNOC(東京回線センター)を中心に、全国主要都市に強固な基幹網と通信拠点を構築しており、高品質で安定的なサービスを提供している。
 ネクシオンでは2000年の設立以来、ビジネスの拡大や技術の進化などにあわせてネットワークを拡張・増強してきた。今回、2021年3月にかけ、TNOCを中心とした拠点をはじめ、ベニューや放送局に設置した機器類を更新して、監視・制御系ネットワークの大規模なリプレースを実施した。

ネットワークの可視化と統合管理がポイント

 今回のリプレースは、「ネットワーク機器の老朽化と、案件の増加にともなうネットワーク拡張が課題でした」と蒔田氏。
 従来のネットワークは異なるメーカーの機器が混在しており、コマンドの違いによる運用の煩雑化が生じていたほか、設計が古いため拡張性もあまり考えられておらず、耐障害性にも問題があった。L2ベースのネットワークだったため、ループが発生してシステムがダウンすることもあったという。
 またネットワーク運用上の課題として、一時的に設備を設置するイベント会場の場合は頻繁に構築と撤去を繰り返すため、現場作業員の負荷が大きくなっていたこと、監視ツールは導入していたものの死活監視のみで、障害の把握に時間がかかっていたことなどが挙がった。「統合されたネットワークの可視化が今回の更新でのポイントとなりました」と蒔田氏は語る。
 さまざまなベンダーから情報を集めて提案を求め検討した結果、採用されたのが、株式会社PFUが提案するアライドテレシスのネットワークだ。求めていた要件に合致したことに加えて、「私たちの要望に最大限寄り添ってくれる姿勢が伺えたことが大きかったです。アライドテレシス製品は以前も一部で使っていたので品質が良いことは分かっていましたし、ネットワークの統合管理を実現するAMF(Autonomous Management Framework)の提案も高く評価しました」と蒔田氏は振り返る。
 AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とし、運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。今回の提案ではAMF機能をクラウド上から提供する「AMF Cloud」の形でTNOCから各機器を統合管理し、管理ツールにはデバイスをグラフィカルに可視化して一元管理を可能にする統合管理ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」を提案した。

新旧ネットワークを稼働させながら段階的に切り替え

 ネットワークの構成としては、TNOCおよび各拠点のコア・スイッチにギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「x530Lシリーズ」を冗長化して設置。冗長化したユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「x930シリーズ」やx530Lシリーズを経由して、放送局やベニューに接続する。
 リプレースプロジェクトの期間は、ちょうど新型コロナウイルスの流行期と重なったこともあり、プロジェクト進行や機器の導入作業などは苦労したと蒔田氏。ネットワークの停止を極力抑えるため旧ネットワークを残しつつ新しいネットワークと繋げ、段階的な移行を行った。「そのため移行はある程度柔軟に行えましたが、その分移行期間中は設備点数が多くなり、新旧間違いのないよう慎重に運用を行いました」と蒔田氏。
 新しいネットワークは大きな問題もなく、安定して稼働しているという。

統合管理と可視化を実現、ネットワークの把握が容易に

 新しいネットワークの導入効果としては「可視化」が一番に挙がった。「ネットワークの可視化で、どのポートに繋いだかなどの状況把握がしやすくなり、ネットワーク機器の管理性が向上しました」と蒔田氏。とくにイベント会場によっては機器を常設できないところもあるため、都度設置を行い接続することになる。統合されたネットワークと可視化により、状況をセンター側で把握しやすくなったことで運用の煩雑化はある程度解消し、管理面も向上したという。
 ループによるネットワークダウンなども発生しておらず、「機器のトラブルが無いため、AMFのオートリカバリー機能などはまだ使っていません。品質の高いネットワークを構築できたと思います」と蒔田氏。
 サポートについては、「運用フェーズではアライドテレシスさんに直接対応頂いており、満足しています。他の案件でも真摯に対応頂けて助かっています」と蒔田氏は高く評価する。  監視・制御系ネットワークの大規模なリプレースを終えたネクシオンでは今後も、ネットワークの安定運用、サービスの強化を実現していく。
 最後に蒔田氏に今後の展望とアライドテレシスへの期待を伺った。「今後も映像分野のIP化は進んでいきます。映像メーカーがネットワークベンダーと組むなど技術面も進んでいきますが、アライドテレシスさんにはこうした映像分野、映像業界のネットワークスイッチの先頭を走るような活躍をして頂けると、さらに安心して仕事をお任せできます。ハードウェア、ソフトウェアのさらなる進化を期待しています」と語った。
 アライドテレシスはこれからも、ネクシオンのネットワークを製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

ネクシオン株式会社
営業本部
担当部長
蒔田 芳治氏

会社名
ネクシオン株式会社
所在地
東京都新宿区歌舞伎町2-4-10 KDX東新宿ビル8階
設立
2000年
代表者
代表取締役 木ノ内 芳則
URL
https://www.nexion.co.jp/
取り組み

映像伝送事業・映像配信事業・ライブ中継に特化した事業を展開。通信と伝送を組み合わせ、世界中のイベント映像を高い技術力と安定したネットワークで提供する。大手キャリアに匹敵するネットワークとキメ細やかな対応力が強み。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

会社名
株式会社PFU
所在地
石川県かほく市宇野気ヌ98-2
設立
1960年
代表者
代表取締役 執行役員社長 村上 清治
URL
https://www.pfu.ricoh.com/
取り組み

イメージスキャナー、エンベデッドコンピュータなどのハードウェアおよび、セキュリティ・文書管理などのソフトウェアやサービス、ITインフラ構築や他企業と提携したマルチベンダーサービスなど、ICTに関する製品・サービスをトータルに提供。

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