NTT都市開発株式会社 様

次世代型先進スマートビルの最先端ICT基盤を支える「統合ネットワーク」を有線/無線含めて一元管理

テクノロジーの進歩や多様化、国際化、パンデミックへの対応などにより、企業における働き方が急速に変化している。NTT都市開発株式会社が竣工した「アーバンネット名古屋ネクスタビル」は、こうしたニーズに対応する次世代型先進オフィスの第一号物件だ。新たな働き方を支えるために最先端のICTが導入されており、その基盤の一つである統合ネットワークにはアライドテレシスのネットワークソリューションが採用されている。(2022年7月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
AMF Vista Manager シリーズ VCS AWC SDN PoE
導入製品
ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 IoT活用 スマートビルディング 統合ネットワーク ネットワークの新規構築 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減 災害対策 事業の改善 クラウド利用

最先端のICTを活用する次世代型先進オフィス

 NTTアーバンソリューションズとNTT都市開発は2022年1月、名古屋市東区東桜一丁目において次世代型先進オフィス「アーバンネット名古屋ネクスタビル」を竣工した。
 NTTグループは、withコロナ時代の働き方や、暮らし方の多様化に備えた「リモートワールドの構築」、SDGsに欠かせない「カーボンニュートラルの達成」、「インクルーシブな社会の実現」に向けて、「街づくりDTC」技術を活用した新たな街づくりを目指している。街づくりDTCは、街で提供されるサービス単位で環境・モノ・人を捉え、それらとDT(Digital Twin)を分野横断で連鎖させる機能であるDTC(Digital Twin Computing)を実現させることで、街全体で最適化される新たなUX(User eXperience)を具現化する技術だ。
 アーバンネット名古屋ネクスタビルは、これらのニーズに対応する次世代型先進オフィスビルの第一号物件として、街づくりDTC技術を活かして、自由な働き方のサポートを行う。それだけでなく、全使用電力を再生可能エネルギー由来とした環境配慮型ビルで、未来の街づくりにチャレンジする第一歩と位置付けられている。
 アーバンネット名古屋ネクスタビルの開発コンセプトは、自由な働き方を支えるために、①時間と空間の制約からの解放、②新たな発見と創造に向けた新しいコミュニケーションの提供。またパンデミックへの不安を解消するための顔認証によるエレベーターの混雑緩和やロボット・AI活用によるビル警備などの高度化による、③安心安全の実現。さらにエネルギーの見える化やフードロス削減といった④環境負荷を低減する取り組みにより、個人のパフォーマンスの最大化だけでなく、社会課題の解決やSDGsにも貢献するビルを実現することだ。
 「オフィスワーカーには、時間や場所に縛られることなくどこでも働きたいと思ってもらえるような最新型のオフィスを、そしてオフィスワーカー以外の方にもタッチダウンやカンファレンス、店舗などこのビルに来たいと思ってもらえるような仕掛けを用意しています。もちろん安心安全、災害対策にも力を入れています。こうした考え方は社会やお客様の状況、ニーズの変化に応じて変え続けていく必要があります。また、建物も変わっていきますので、柔軟な対応が可能なネットワーク、セキュリティを兼ね揃えています」と話すのは、NTT都市開発株式会社 都市建築デザイン部 担当課長の神谷 友彦氏だ。

「統合ネットワーク」にアライドテレシスを採用

 アーバンネット名古屋ネクスタビルにはさまざまな最先端ICTが導入されており、それぞれのシステムやサーバーがネットワークを必要とする。それらネットワークは「統合ネットワーク」に接続し、一元的に監視、管理を行う構成となっている。
 ネットワークに求めたことについて、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 スマートワールドビジネス部 スマートシティ推進室 主査の澤田 一哉氏は「NTTグループの街づくりDTC技術では、安心安全な、成長・進化をし続けるネットワークが必要と考えています」と語る。そのために必要な要素として、堅牢性、柔軟性、運用性の3つを挙げた。
 その上で、「過剰な性能の製品ではランニングコストも掛かってしまいます。コストと性能のバランスは充分に検証しました」と神谷氏。検証の末、統合ネットワークを構成する機器として採用したのがアライドテレシスだ。
 コア・スイッチとしてレジリエント・ユニファイド・マネージメント・スイッチ「CentreCOM x950シリーズ」を冗長化して設置。各システム、サーバーへは、ギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM x530Lシリーズ」や、ユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM x530シリーズ」で接続。また無線LANアクセスポイントはIEEE 802.11ac対応の「AT-TQ5403」に加え、最新規格であるIEEE 802.11ax(Wi-Fi6)に対応した「ATTQ6602」も導入している。ネットワーク管理ツールとしてユニファイド・ネットワークマネージメント・ソフトウェア「AT-Vista Manager EX」も導入している。

一元管理と無線LANラインナップの豊富さを評価

 アライドテレシスを採用した理由について神谷氏は、「本物件は東海支店が管理することになりますが、ITリテラシーの差を考慮しました。万一ネットワークにトラブルが起きた際、アライドテレシスは東海支社もあり、近くに居てすぐに対応してくれるという安心感もあります。必要とするスペックと安心感のバランスが特に優れていると感じました」と語る。
 ネットワーク機器については、AMF(Autonomous Management Framework)で一元管理を行い、状況をAT-Vista Manager EXで可視化する。「管理者はネットワークインフラの管理に膨大な時間を拘束されることなく、本来の業務に専念できます。有線LANも無線LANも一元的に見える化でき、今後起こり得る問題も予測が容易で、予防対策も検討しやすいです。万一のトラブルの際にはオートリカバリーで復旧できますから、停止時間も最小化できます」と澤田氏。
 また澤田氏は、「Wi-Fi6モデルの高速・大容量通信で、これまでになかった安定したトリプルプレイ(音声・データ・画像)コンテンツをビルソリューションで実現することも期待しました」と、無線LAN製品のラインナップが充実していることも評価した。無線LANについてはアライドテレシスのAWC(Autonomous Wave Control)を導入しており、無線エリア内の各アクセスポイントが自律的に周囲の電波状況を収集し、そのデータを無線LANコントローラーが分析して、チャンネルや電波出力を自律的に調整してエリア内の電波干渉を最小化している。

さまざまな仕組みが統合ネットワークに接続

 アーバンネット名古屋ネクスタビルは、自由闊達なコミュニケーションと発想を促すオフィスサポートとして、ラウンジや屋上テラスなどのコミュニケーションスペースを設置し、カンファレンスやタッチダウンスペース、スモールオフィス、シェアオフィスなども備えている。
 ラウンジや屋上テラスなどコミュニケーションエリアには環境センサーだけでなく、着座センサーも設置して、混雑情報をスマートフォンアプリで確認できるようになっている。また各所に設置されているサイネージでもラウンジや屋上テラスの空き情報や共用部の混雑度を表示している。
 エレベーターは、顔認証・カード認証と連動したスマート・エレベーターで、ビル利用者の行き先階に応じてエレベーターを割り当てて、運行を自動制御する。待ち時間や乗車時間を短縮し、 エレベーターホールの混雑を解消する仕組みを取り入れている。
 これらの取り組みの他にも、統合ネットワークには全館で利用可能なWi-Fi(シェアオフィス/カンファレンス用Wi-Fi、施設管理用/設備用Wi-Fi含む)や、各種情報を表示するサイネージ、IoTセンサー(人数計測や空き状況、混雑度、侵入検知、環境情報などを収集、人感センサー、検知センサー)、監視カメラ、空調の発停止や自動制御、入退室管理など、最先端のさまざまなシステムやセンサーが接続されている。
 また統合ネットワークとは別に5Gのネットワークも整備しており、警備ロボットや掃除ロボット、デリバリーロボット(予定)が5G通信で自動運転している。
 「基幹となる統合ネットワークは長く使っていきますが、そこに接続している各システムに関しては、製品やニーズの陳腐化など、時代にあわせて柔軟に入れ替えや増強ができるように工夫しています」と神谷氏。澤田氏は、「スマートビルはセキュリティを意識すると、ネットワークを統合しなければならないと思います。どう監視するかなども含め、さらに強化していきます」と話す。
 アーバンネット名古屋ネクスタビルはすでに竣工しており、地下の商業ゾーンのオープンとともに2022年6月にグランドオープンし、アライドテレシスの東海支社も入居した。
 アライドテレシスでは今後も、アーバンネット名古屋ネクスタビルのネットワーク構築、運用をサポートしていくとともに、NTT都市開発、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズのスマートオフィス開発を、製品や技術の提供を通じて支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

NTT都市開発株式会社
都市建築デザイン部
建築・エンジニアリング
担当 担当課長
日比谷プロジェクト推進室
電気設備担当 担当課長
神谷 友彦氏

会社名
NTT都市開発株式会社
所在地
東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX
設立
1986年
代表者
代表取締役社長 辻上 広志(「辻」は正式には一点しんにょうです)
URL
https://www.nttud.co.jp/
取り組み

NTTグループの総合不動産会社。オフィスビルの開発・賃貸事業を軸に、商業事業、住宅事業、グローバル事業、ホテル事業など、事業領域を拡大。企業理念「誠実に、革新的に」を掲げ、豊かなコミュニティや文化を創造する、個性豊かで活力ある街づくりをサポートする。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
ビジネスソリューション本部
スマートワールドビジネス部
スマートシティ推進室
主査
澤田 一哉氏

会社名
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
所在地
東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイスウエストタワー
設立
1999年
代表者
代表取締役社長 社長執行役員 丸岡 亨
URL
https://www.ntt.com/
取り組み

国内電気通信事業における県間通話サービス、国際通信事業、ソリューション事業、及びそれに関する事業等を展開。顧客のデジタルトランスフォーメーション実現に貢献する「DX Enabler」として、ICTの活用による経営課題の解決やスマートな社会の実現に取り組む。

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