大塚産業クリエイツ株式会社 様

新工場と本社のネットワークをAMFで統合、AT-VST-APLで見える化、無線LAN管理も容易に

滋賀県長浜市の大塚産業では、本社ネットワークの改善と新工場ネットワークの構築を実施。アライドテレシスのAMF(Autonomous Management Framework)により統合ネットワークを実現し、「AT-VST-APL」でネットワークを見える化。安心して利用できるネットワーク基盤を構築した。(2023年4月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
AMF Vista Manager シリーズ VCS AWC AMF-SEC(旧:SES) UTM&VPN PoE
導入製品
ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN)
導入目的
ICT活用 統合ネットワーク ネットワークの新規構築 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減
課 題
複雑化した本社ネットワークを改善したい 浅井新工場で快適に利用できるネットワークを新設したい
採用ポイント
用途と頻度に応じて必要な部分に必要な機能を導入 将来を見据えてネットワークを10Gbps化
効 果
今後の拡張も見据えてネットワークの統合、見える化を実現 トラブルもなく安定、安心利用できる環境を構築

300年以上続く老舗の製造業者の理念

 滋賀県長浜市の大塚産業グループは、大塚産業クリエイツ、大塚産業ソーイン、大塚産業マテリアル、大塚産業インテリアの4社が、ポリシーのもと互いに切磋琢磨しながら協調性を柱としてスクラムを組む企業複合体だ。
 1700年代初頭に長浜地方で麻蚊帳の生産を起こしたのが大塚産業の始まりで、現在では自動車用シートカバー、鉄道車両用シートカバーなど生産品目を拡大している。麻蚊帳事業から300年以上にわたり、事業を継続させてこられたのはなぜか。大塚産業クリエイツ株式会社 代表取締役社長の大塚 良彦氏が理念や考え方を話してくれた。
 大塚社長は、「その時代の社会的な課題を新しい事業機会として、積極的にリスクを取って経営資源を投入し、イノベーションをしてきたからです」と話す。つまりそれは、「私たちは、世の中の役に立つ、その時の世の人々に必要とされたものを誠実に作り続けてきました」ということだ。
 大塚産業の事業は、近江商人の活動理念である「三方よし」に則っているという。三方よしとは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」と、三者協力関係のもとそれぞれの利益につながるようにという精神だが、大塚社長はその順番を間違えてはいけないと話す。商売を続けていくためにどうしてもまず売り手、利益のことを考えてしまいがちだが、「三方よしの世間よし、買い手よしを実践すれば、自然に売り手よしにつながるということです。できるだけ多くの人々の役に立つものを、お客様第一で日々積み重ねていけば、事業が継続するということです」と大塚社長は言う。三者相互利益を目指すのは難しいが、まずお客様が必要とするものを世間目線、お客様目線で始めようと考えれば難しくない。
 大塚産業ではこの300年の歴史の中で、享保の改革や明治維新、第二次世界大戦など、大きな社会構造の変化を乗り越えてきた。それは、「自分たちの力というよりも世間の人々に助けられ、また一緒に働いている人たちに支えられたからです」と大塚社長。つまり、「会社は自分で生きているのではなく、世の中によって生かされている存在であると300年の歴史が教えてくれました。従いまして私たちは世の中の役に立つ存在であることをパーパスとしています。幸せな社員が居ればそれは自ずと達成できます。如何に社員を幸せにするかに日々取り組んでいます。」と、千年企業を目指す大塚産業の基本的な考え方を話してくれた。

本社ネットワークの改善と新工場ネットワークの新設

 大塚産業では今回、本社のネットワーク改善と、大塚産業マテリアルの浅井新工場建設にともなうネットワーク導入を実施した。大塚産業グループでは従来、大塚産業クリエイツが同社および大塚産業マテリアル、大塚産業ソーイン三社の総務/経理を担当しており、ネットワークについても共通で構築・運用・利用をしてきた。大塚産業クリエイツ株式会社 総務部の大依 信貴氏は、「本社ネットワークにいくつか問題があり、改善したいと考えていました」と語る。
 課題となっていたことはいくつかある。建屋の増築を繰り返してきたため、それにともないネットワークが複雑化して、管理や改善が難しくなっていたこと。そのため接続ができない、遅いといった問題も出ていたこと。また、問題が発生しても原因の特定に時間が掛かり、復旧までの時間が長くなってしまっていたこと。ネットワークが途切れると業務に影響が出るためこれも大きな課題となっていた。「それらの課題に加え、近年はデジタル化の推進について当社も取り組んでおりますので、将来を見据えたネットワークが必要と考えていました」と大依氏は語る。
 本社で課題の改善を進めていこうという中で、大塚産業マテリアルの浅井新工場建設の話が出てきたことで、ネットワークについては本社及び新工場をほぼ同時に構築することとなった。
 まずネットワークの改善については、ネットワークの見える化、シンプル化が必要だったと大依氏。とくに新工場のネットワークは大塚産業マテリアル100名の社員が利用する大規模なものだ。大塚産業マテリアルでは資材部を中心にタブレット端末なども活用するため、無線LAN環境の構築が必要となった。これら本社および新工場のネットワークはトラフィックや帯域を気にすることなく、活用していきたいという要望もあったという。
 大塚産業クリエイツでは、パートナーの大塚ITソリューションに相談。株式会社大塚ITソリューション代表取締役の大塚 嘉信氏は、「用途と頻度を鑑みて、どの部分を優先して改善に当たるかを抽出して再構築し、安心して運用できるように可視化を図り、冗長化や自動復旧、次世代のネットワークを見据えて、本社・新工場ともに10Gbpsのネットワークをご提案しました」と語る。大塚産業クリエイツでは検討を実施し、最終的に採用されたのがアライドテレシスのネットワークソリューションだ。

安心して利用できるネットワークを構築、将来の拡大も視野に

 冗長化してコア・スイッチを設置。各フロア・スイッチとの接続は10Gbps×2系統とし、工場ではアクセスポイント「AT-TQ5403」を配置している。工場側のネットワークに「AT-VST-APL」を設置して、管理ソフトウェアやAMF(Autonomous Management Framework)マスター機能、無線管理(AWC)機能が利用できる仕組みだ。
 AMFは、ネットワーク構成の自動構築や自動復旧、一斉変更などを実現し、ネットワークの運用・管理コストの削減と高い利便性を提供。AMFマスターは個々に動作するネットワークデバイスを連携させ、管理者を各デバイスの個別管理から解放する機能だ。
今回の構築では本社と新工場を結んでいるが、今後別の拠点ができたときにはさらに接続を拡大していく。株式会社TAS SI事業部 SE課 システム第1係の笠原 慎平氏は、「接続しただけでは全体で見たときに原因解明や復旧に時間がかかりますので、AMFでネットワークを統合し、Vista Manager APLで視覚的に管理できるような形で技術支援をさせていただいています」と語る。
 本社のネットワーク改善、新工場のネットワーク構築は無事完了し、現在では大きなトラブルもなく安定して稼働している。大依氏は、「安心して利用できています。無線LANは認証でセキュアに利用でき、人事異動の際なども工数を削減できています。また大塚ITソリューションさんにお願いしてテレワーク環境も構築しました。体制を構築中ですが、準備は整っています。もう一つ、お客様との取引要件の中で、無線LANの電波状況を確認される事がありますが、Vista Manager APLで容易に確認できますし、お客様の要件も満たすことができています」と新しいネットワークを評価している。
 運用についても手が掛かるようなことはなく、「利用者の不満が出ないというのが一番ありがたいです。トラフィックや帯域についても気にすることがなくなりました。問い合わせや相談の窓口が大塚ITソリューションさんに一元化されたことも非常に安心できます」と大依氏は言う。
 最後に大依氏に今後の展望をお聞きした。
 「最終的にはVista Managerシリーズで拠点ネットワークの管理を行い、セキュリティに関してはUTMと連携して不正な通信を隔離するといった機能も導入することで、さらに安心してネットワークを利用できるようにしたいと考えています」と大依氏は語った。
 アライドテレシスはこれからも、大塚産業のネットワークを、大塚ITソリューション、TASと連携し、製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

大塚産業クリエイツ株式会社
代表取締役社長
大塚 良彦氏

会社名
大塚産業クリエイツ株式会社
所在地
滋賀県長浜市八幡中山町1番地
設立
1935年
代表者
代表取締役社長 大塚 良彦
URL
https://ohtsukasangyo.com/creates/
取り組み

強みである「世の中の役に立つ」と「人を大事にする」いう不易の信念のもと、さらなる「働きがいのある職場づくり」を目指す。「社会の役に立ちたい」と思っている人々と共にイノベーションに挑戦し、常に世の中の人々の必要とするものを供給し続けて、千年持続企業を目指す。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

株式会社
大塚ITソリューション
代表取締役
大塚 嘉信氏

会社名
株式会社大塚ITソリューション
本社所在地
滋賀県長浜市三和町5番21号
設立
2017年
代表者
代表取締役 大塚 嘉信
URL
https://otsuka-its.jp/
取り組み

さまざまな「ITソリューション」を通じて、地元企業の仕事のやり方を変え、生産性向上に貢献する力になりたいと考え、湖北の企業や人々に支えられて培った技術を、湖北のために。これからも変わらぬ姿勢で、ふるさと湖北の地方創生を支え続ける。

お客様プロフィール

株式会社TAS
SI事業部 SE課
システム第1係
笠原 慎平氏

会社名
株式会社TAS
本社所在地
福井県敦賀市昭和町2丁目2番地22
設立
1977年
代表者
代表取締役社長 加藤 宏吉
URL
https://www.tasnet.co.jp/
取り組み

お客様に満足していただくことを第一と考え、常に高品質な商品とサービスの提供を最優先に、信頼を得て愛される企業、そして地域、社会の発展に貢献する企業を目指す。

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