大阪星光学院中学校・高等学校 様

全国屈指の難関私立学校1200名の全生徒が 学内どこからでも快適に端末を利用できる環境を実現

教育のデジタル化やICT活用が全国的に進むなか、私立学校においてもGIGAスクール構想が推奨する、1人1台端末、高速大容量の通信ネットワークへの対応が進んでいる。大阪星光学院中学校・高等学校では、学習端末1人1台の環境を構築するにあたり、GIGAスクール構想に対応したWi-Fi環境を整備。アライドテレシスのネットワークを導入し、自律的無線LAN技術「AWC(Autonomous Wave Control)」を使って、1200名の全校生徒が快適に、学内のどこからでも利用できる環境を導入した。(2023年10月公開)

業種・業務
文教
ソリューション
ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS AWC PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ 無線LAN
導入目的
ICT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減
課 題
十数年経過したネットワークを整備してGIGAスクール構想にも対応
生徒がどこからでも端末を活用できる環境を構築
採用ポイント
既存環境を有効活用したコストパフォーマンスの高い提案
迅速な対応と手厚いサポートによる「安心」と「信頼関係」
効 果
学内どこからでも常に安定してアクセスできるWi-Fi環境を実現
さまざまな教科で学習端末の活用がスタートして校務の効率化も促進

伝統と先進技術が交錯する学びの場

  大阪府大阪市の大阪星光学院中学校・高等学校は、「世の光であれ」を校訓として掲げる、カトリック系のミッションスクール。全国でも屈指の難関私立学校だが、クラブ活動や合宿行事などの学校生活も大切にしているという。
 「学校というスタンスを大事にしています。例えばクラブ活動は、他の進学校だと2年生で引退というところも多いかと思いますが、本校では3年生の夏、最後までしっかり活動できます。進路も生徒の希望に寄り添った指導をしています」と話すのは、大阪星光学院中学校・高等学校 生徒指導部 副部長の安井 聖氏だ。また長野や和歌山にも研修施設を持ち、合宿や特別授業が行われるほか、実践的な海外研修などにも注力しているという。
 大阪星光学院では2022年、GIGAスクール構想に対応した校内LANの整備を行った。GIGAスクール構想は2019年に始まり、主に国や公立学校を中心に推進されてきたが、教育のデジタル化やICTの活用は全国的な動きで、私立学校も無縁ではない。今後は小中学校でタブレット型の学習端末を活用してきた世代が中学校・高等学校に進学してくることもあり、私立学校でも急速に学習端末やネットワーク環境の整備が進んでいる。
 「本校では2022年度入学の生徒から順に、学習端末の導入をスタートしました。来年2024年度には6学年全ての学年で端末を活用することになります。この活用には当然無線LAN環境も必要です。2022年度の開始に間に合うよう、ネットワークの整備を進めました」と安井氏は語る。

GIGAスクール構想対応のネットワークを整備

 大阪星光学院では十数年前に構築した有線LANを各教室に敷いていた。パソコン教室では、大学入試でも必要となるプログラミング教育は積極的に行われていたものの、他の授業ではあまり利用頻度が高いとは言えなかった。校務についても同様で、システム化が進んでいるとは言えず、共有の端末を使い、共有のフォルダにあるファイルへ入力するといった利用形態が多かったという。
 GIGAスクール構想に対応したネットワークを整備するために、大阪星光学院ではさまざまなベンダーの提案を検討した。「以前の構築で光の幹線は入っていましたが、そのままでは全生徒が端末を利用するのは難しいだろうということもあって、どのように学内にWi-Fiを設置すればよいか、さまざまな提案を比較しながら検討しました」と安井氏は振り返る。
 ネットワーク整備の対象は、「生徒が移動するところ全て」とし、教室のほか図書室などの特別教室、食堂、体育館なども含まれた。「宿泊をともなう合宿の練習の場として、入学したばかりの中学1年生が共同生活の練習をする施設などもありますので、そうしたところもWi-Fiの整備が必要になります」と安井氏。
 さまざまなベンダーが提案する中、アライドテレシスは「校内LAN整備について」と題した提案を実施。提案が評価され、採用された。
 まず評価されたのが、他社とは異なる視点での提案だ。「例えばネットワークの幹線も敷き直すのではなく、できるだけ既存のものを活用する形で提案してもらいました。本校の状況などもしっかり考慮してもらったと思います」と安井氏。既存環境も利用するコストパフォーマンスの高い提案を評価した形だ。
 そしてポイントとなったのは「ひと」だったと安井氏。「ネットワークは入れて終わりではなく、そこからが始まりです。何かあればすぐに連絡がとれる、提案や対応を任せられるなど、ひととしての繋がりや信頼関係を最も重視しました」という。

さまざまな教科で端末活用がスタート

 ネットワークの導入は2022年の春休み期間中に実施され、4月からは正式に稼働している。と同時に、入学した生徒たちへの端末導入も行われ、活用が正式にスタートした。
 ネットワークは安定稼働しており、大きなトラブルも発生していない。無線LANアクセスポイントについても70数台というまとまった規模の導入となったが、事前サーベイなども行い、校内どこにいても接続できるようにしている。スタート当初こそ電波の弱いところがあったものの、アライドテレシスが迅速に対応を行い、その後はと くに問題は起きていないという。
 導入2年目の現在では、多くの科目で端末を用いた授業が行われている。「英語や国語など、語学系教科での活用が多いです。端末で発音を聞いたり、録音を提出してもらったりしています。社会や理科系科目でも図表を見せる、宿題をクラウドにアップロードしてもらうなどしています」と安井氏。
 すでに辞書などはデジタル化されているが、今後の導入が予定されているデジタル教科書への対応も期待しているという。「なによりも生徒たちのカバンがすごく重くなっていますので、早くデジタル教科書が導入できれば良いと思っています」と安井氏は言う。
 ネットワークの運用でもとくに問題は発生していない。ネットワークの監視にはアライドテレシスのネットワーク監視ツール「VST-APLシリーズ」を導入しているが、「なにかあればアライドテレシスに連絡して解決してもらうという形で、大変助かっています」と安井氏は言う。なお、無線LANについては、アライドテレシスの自律型無線LAN技術「AWC(Autonomous Wave Control)」を利用しており、通常時にはアクセスポイントが周囲の電波状況に応じて自動計算して最適なWi-Fi環境を維持し、万一コントローラに故障などが発生しても通信断が起きないようになっている。
 また、生徒たちの学習端末にはフィルタリングソフトやMDM(Mobile Device Management)ツールを導入。アクセス権限の管理のために認証サーバーも新たに導入しており、それらの端末管理についても問題なく進んでいる。
 さらに、校務系のネットワーク環境についても良い効果が生まれている。校務系システムを導入して効率化が進んでいるほか、例えば、以前の環境では成績入力用に共有端末を8台用意していたが、現在では教員にも端末を配布しているため、以前の共有端末は、その半分を非常勤の先生に利用してもらうといった活用ができている。

全学年で端末活用を開始する来年度を注視

 GIGAスクール構想に対応した校内LANの整備をひとまず完了した大阪星光学院。しかし正念場はこれからだと安井氏は言う。
 「2024年度には6学年1200名の全校生徒が端末を利用することになります。もちろん校内LANはそれを見越して構築していますが、校内LANだけでなくWANも含め、アクセスや通信に問題が出ないかを注視していく必要があります」と安井氏は語る。インターネット回線は現状2回線、それぞれ1Gbpsの回線を敷いているが、利用状況などを見ながら増設なども検討していくという。「少なくとも学内での通信環境はスムーズに利用できるという形を維持しながら、インターネット回線も再検討したいと考えています」と安井氏。
 まだ端末の活用は始まったばかりだが、今後の活用については、「新しいネットワークや端末を使い始めてからさまざまな要望が出てきていますので、アライドテレシスとも相談しながら検討していきます。例えば、国外の方との英会話に活用できないかなども更新前に検討したことがあるのですが、回線が弱くて頓挫しました。そういったことにも積極的に活用していきたいと思っています。あとは和歌山や長野にある研修施設にもWi-Fiを導入したいと考えています」と安井氏は今後の展望を語った。
 アライドテレシスはこれからも、製品やサービス、サポートの提供を通じ、大阪星光学院中学校・高等学校のネットワークを積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

大阪星光学院中学校・高等学校
生徒指導部 副部長
安井 聖氏

学校名
大阪星光学院中学校・高等学校
所在地
大阪府大阪市天王寺区伶人町1-6
創立
1950年
代表者
学校長 田沢 幸夫
URL
http://www.osakaseiko.ac.jp/

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