里庄町教育委員会 様

「GIGAスクール構想」が求める高速な校内ネットワークを、有線から無線まで一貫してアライドテレシス製品で構築

岡山県の里庄町教育委員会では、GIGAスクール構想に対応するため、町内に3校ある小中学校ネットワークを刷新。ルーターからスイッチ、無線LANアクセスポイントまで、アライドテレシスの「GIGAスクール構想向け製品」を導入。生徒が快適な学びを実践できる校内ネットワークインフラを構築した。(2021年9月24日公開)

業種・業務
文教
ソリューション
ネットワーク運⽤ Vista Manager シリーズ 無線LAN AWC セキュリティ UTM&VPN PoE
導入製品
エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN)
導入目的
公衆無線LAN ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減

GIGAスクール構想への対応が急務に

 岡山県浅口郡里庄町は県の南西部に位置し、南北の山に挟まれた緑豊かな町だ。製造業を中心とした企業が立地する一方で、倉敷や福山の工業地帯のベッドタウンとしての役割も果たしており、人口が減少している自治体が多い中で里庄町はここ20年間1万人台の人口をキープしている。
 「岡山県で2番目に小さな町ですが、小さいゆえに効率的で、小回りが効く住民サービスを提供できています。町内には小学校が2校、中学校が1校あります」と語るのは、里庄町教育委員会 主任の大西博之氏だ。
 里庄町では2020年度、文部科学省の「GIGAスクール構想」のもと、町内3校の小中学校生徒1人1台端末配布と高速校内ネットワーク整備を推進した。GIGAスクール構想は、「1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する」ことを目的とする。新型コロナウイルスの流行にともない、当初の予定を前倒しして2020年度中に早期実現を目指して推進された。
 「GIGAスクール構想では普通教室の無線を含む高速ネットワーク整備が求められましたが、里庄町では総合的な学習などさまざまな教育に対応できるように、普通教室だけでなく特別教室や体育館などでも高速ネットワークを利用できることを要件としました」と大西氏。そのため補助金だけでなく、里庄町の独自財源も活用してネットワークの整備を行っている。小回りの効く小さな自治体であること、生徒たちへ教育を第一に考えたことにより実現できたと大西氏は語る。
 そもそも里庄町の小中学校3校にはパソコン教室の設備が整い、ネットワークも敷設されていたが、GIGAスクール構想の求めるネットワークには遠いものであったと言う。「2in1パソコンも導入して授業などでも活用していましたが、ネットワークに関しては段階的に導入してきたため特にWi-Fi環境が弱く、このGIGAスクール構想を機にしっかりと構築しようと考えました」と語るのは、里庄町教育委員会 事務局長補佐の天野 正彦氏だ。

GIGAスクール構想向け製品を提案したアライドテレシスを採用

 さまざまなベンダーの話を聞いた上で仕様書を作成し、入札を実施した結果、3校の新校内ネットワークには、岡山市のネットワークインテグレーター、コムパス株式会社の提案するアライドテレシスが選ばれた。
 「無線LAN管理の時流はクラウド管理ですが、里庄町様は手が行き届く自治体なのでクラウドよりもオンプレミスが適していると判断し、その方向性で構築を考えました。オンプレミスでもしっかりとセキュアで安定したネットワークを構築できるアライドテレシスを提案しました」と、コムパス株式会社 ネットワークソリューション事業部 第2営業チームの堀 成海氏は言う。
提案はいくつかのポイントがあった。まず「製品販売終了から7年間のメーカー保証を有すること」を求められた点だ。アライドテレシスではGIGAスクール構想での導入向けに、長期の製品保証を約束する機種を限定で提供している。それが製品の型番末尾に「NX」と付いた製品だ。ルーター、スイッチ、無線LANアクセスポイントの各製品は「NX」付きの製品を提案した。通常多くのIT機器は5年保証、しかもサポートはチケットやライセンス制で、製造中止になればサポートも終了する。しかし今回のアライドテレシスのGIGAスクール構想向け製品は、製造が終わっても長期の保証があり、日本企業というところもポイントとなった。なお、アライドテレシスは岡山県にも営業所があるため、万一の際のサポートや駆けつけなどに迅速な対応ができる点も安心感に繋がっている。
 また無線について、GIGAスクール構想ではWi-Fi6対応が推奨されているが、そこを敢えて一つ前の型番を採用している。まだ端末側がWi-Fi6に対応していないこともあり、余裕のあるスペックの方が同時接続数も多くなる学校にはメリットがあるからだ。今回提供した「AT-TQ5403-NX」は2.4GHz帯と2つの5GHz帯の同時使用が可能な3ラジオ搭載無線LANアクセスポイント。なお、それぞれの学校の体育館に2台ずつ設置する無線LANアクセスポイントについては、災害時に公衆無線LANの無料開放を行う災害用の統一SSID「00000JAPAN」も設定しており、通常時のみならず万一の災害時にも対応できるようにしている。

ルーターからスイッチ、無線LANアクセスポイントまで同一ベンダーで構築

 今回里庄町の3校に導入された構成はおおよそ同じで、ルーターに「AT-AR4050S-NX」、スイッチには「CentreCOM x230シリーズ-NX」、無線LANアクセスポイントには「AT-TQ5403-NX」が設置された。同時にネットワークの管理には、ユニファイド・ネットワーク・マネージメント・アプライアンス「VST-APLシリーズ」を導入した。VST-APLシリーズは、ネットワークの統合管理に必要な機能をパッケージ化したアプライアンスボックス。サーバー類を別途構築する必要なく、統合ネットワーク・マネージメントソフトウェア「AT-VistaManager EX」と同様に有線/無線も含めたネットワークの可視化、統合管理を実現する。無線LANコントローラーも内蔵しているため、別途導入する必要はない。
 ルーターからスイッチ、無線LANアクセスポイントまですべてアライドテレシス製品で統一している。これは問い合わせの迅速化という目的もあるが、異なるベンダー製品が混合することによる相性問題などを排除して、安定したネットワークを使いたいという思いからでもある。
 ネットワーク機器および配線の工事は2020年の冬休みを中心に実施され、スケジュール通りに完了した。新型コロナウイルスの流行もあり、設置工事は生徒や教職員の健康に万全の配慮をした上で行われたが、ここでも小回りの効く自治体という特性を生かした工事ができたとコムパスの堀氏は言う。「例えば無線LANアクセスポイントを設置するのも、各教室の先生に設置場所を相談してから決めました。低学年のお子さんは無線LANアクセスポイントのアクセスランプが点灯していたりすると気にしてしまうこともあるそうで、大変参考になりました」。

大勢の生徒が一斉に使っても問題ないネットワークを構築

 里庄町では高速ネットワークの整備とともに、1人1台の端末の配備も進め、2021年4月からは各校で端末の活用がスタートしている。校内ネットワークについては大きなトラブルもなく、安定して稼働しているという。
 「総合的な学習の時間など、3クラス同時にインターネットで調べ物をするようなタイミングもありますが、接続しにくい、通信が遅いといった声は上がっていません。快適に利用してもらっていると思います」と天野氏は語る。
 GIGAスクール構想にもあるとおり、1人1台の端末や高速ネットワークは「個別最適化学習」と「協働的な学習」を目的とする。里庄町ではすでに、個別最適化学習には自動採点してくれるドリルなどの学習ソフトウェアを、協働的な学習にはビデオ会議や授業支援アプリなどの利用を始めている。「徐々に活用範囲が広がっています」と天野氏。
 ネットワークの運用、機器の設定変更などはコムパスが実施しており、VST-APLシリーズを活用している。「管理ソフトのためにネットワークに穴を開けるのは好ましくないため、設定変更などの際には学校に直接お伺いして、VST-APLシリーズで行っています。こうした対応が取れるのもコンパクトな自治体のメリットですね」とコムパスの堀氏は言う。
 GIGAスクール構想へのインフラ対応を完了した里庄町。これからは活用のフェーズに入る。最後にアライドテレシスへの期待を聞いた。
 「製造から販売まで一貫して行っているノウハウを生かした、文教向けの良い製品を期待しています。まだこれからもいろいろとやるべきことはあると思いますので、その際にはまた相談させてください」と大西氏は語った。
 アライドテレシスはこれからも、里庄町教育委員会の要望に対し、最適な製品や技術、サポートの提供を続けていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

里庄町教育委員会
事務局長補佐
天野 正彦氏

会社名
里庄町教育委員会
所在地
岡山県浅口郡里庄町大字里見1107番地2
URL
https://www.town.satosho.okayama.jp/
取り組み

里庄町では「子どもの元気な声が響き、みんなの 笑顔があふれるまち」を目指して事業を推進している。町内には、里庄中学校、里庄東小学校、里庄西小学校の3校があり、生徒数は合計千名超。各校には体育館や特別教室、食堂などがあり、里庄東小学校には大勢の生徒が活動できる「さとちゃんホール」もある。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

コムパス株式会社
ネットワーク
ソリューション事業部
第2営業チーム
堀 成海氏

会社名
コムパス株式会社
所在地
岡山県岡山市北区下中野1222-7
創業
1958年
代表
代表取締役 植野 伸
URL
https://compass-net.com/
取り組み

顧客の立場に立った提案を追い求め、現在も少しずつ事業のフィールドを拡大。これを「次の世代のための、新たなフロンティアの開拓」と捉え、新規事業の創出に向けた取り組みを日々積極的に行っている。

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