タツモ株式会社 様

HCIの導入から仮想化基盤、VDI環境の構築、サーバーインフラの運用監視までワンストップで支援

岡山県岡山市のタツモ株式会社では、オンプレミスサーバーの集約、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)の利用を目的に、HCI(Hyper Converged Infrastructure)を導入して仮想化基盤を構築した。アライドテレシスでは、このHCIによる仮想化基盤の構築からサーバー集約、VDI環境構築までトータルで支援し、運用フェーズではネットワークインフラと併せサーバーインフラについても運用監視を担っている。(2022年8月公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
UTM&VPN
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ エッジスイッチ ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
HCI(仮想化基盤) VDI(仮想デスクトップ) ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 データ保全 運用・管理・監視の支援を外部に委託 業務効率の向上 コスト削減 事業の改善

グローバル展開にも注力する最先端テクノロジー企業

 半導体製造装置をはじめ、精密金型・樹脂成形品、各種搬送ロボット、液晶製造装置などの開発・製造・販売を手掛けるタツモ株式会社は、2022年に創業50年の節目の年を迎えた。精密加工とファインメカトロニクス分野における独自の技術力は国内外から高い評価を得ており、グローバル展開にも積極的だ。
 特に半導体マーケットのさらなる急拡大が予想される中国では、浙江省紹興市に子会社を設立。半導体製造装置、搬送ロボットなどの開発・製造・販売を展開するために研究設備、製造ラインを構築中だ。「本格的な稼働は2023年1月を予定しています。現在は工場を建設中で、内装やITなどを整えてスタートします」と語るのは、タツモ株式会社 総務部 電算システム課 課長の藤本 良二氏だ。
 タツモは2019年12月、岡山市内に本社を新築移転した際、ITインフラの基盤となるネットワークにアライドテレシスのソリューションを導入。AMF(Autonomous Management Framework)およびAT-Vista Manager EXにより、有線/無線を問わずに一元管理できるネットワークを構築し、さらに本社だけでなくWAN越しの工場や東京営業所のネットワークについても統合的な管理を実現した。加えて無線LANに関しては、AWC-CB(AWC-Channel Blanket)ソリューションを導入して、ローミングレスで途切れない、快適な無線LAN環境を構築している。
 その後もネットワークは安定して稼働しており、タツモでは今回、仮想化基盤を導入し、オンプレミスのサーバーを集約するとともに、中国での利用も視野に入れVDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ)環境を構築。アライドテレシスが提案から構築、運用までトータルで支援している。

サーバー集約、社外からのシステム利用に課題

 製造業である同社では、業務系や管理系で多くのシステムを利用しており、それにともない多くのサーバーが稼働し、運用・管理が煩雑になっていた。「サーバーはほとんどが本社に設置したオンプレミスで、その数は20台以上になります。管理が煩雑ですし、保守についても気付かぬままに保守切れになっているようなことも起きます。そのためサーバーを集約したいと考えていました」と藤本氏。そうした課題を解決するためにHCI(Hyper Converged Infrastructure)などのサーバー仮想化基盤を検討していた。
 そしてサーバーを集約したい理由はもう一つあった。ITを管理する人員の課題だ。「システムを管理する人材が常に充分でいられるかは分かりません。特に保守の要員がいなくなると困ります。そうした意味でも、サーバーは集約して、一つの業者にお願いすることが、BCP(Business Continuity Planning)にも繋がります」と藤本氏は言う。
 仮想化基盤を構築し、そこにオンプレミスのサーバーを集約。それと同時にVDIを導入することも考えていた。それは、今後もグローバル展開に注力していく上で社外、特に海外からでも安全に社内ネットワークに接続したいという考えからだ。例えば、現在建設中の中国子会社には日本からも社員が赴任することになるが、現地から日本のシステムに入るために安定した、安全な仕組みが必要になる。そこで、情報漏えいを防ぐなどセキュリティ面も考え、VDIを導入することとした。また製造業のためテレワークの積極的な導入は難しいが、新型コロナウイルスの感染者が出て社屋に立ち入れないといった緊急の事態も起こり得る。そうした際にも、VDIでもできる業務についてはしっかりと社外から継続できるようにしておきたいという思いもあったという。

HCI仮想化基盤を「Net.Pro」で構築、「Net.Monitor」で運用支援

 20台以上のサーバー集約、VDIについては100ユーザーを想定して、仮想化基盤およびVDIについて複数のソリューションを検討した結果、採用に至ったのはアライドテレシスが提案したHCIソリューションだった。アライドテレシスでは、仮想化基盤にDell Technologies社のHCIアプライアンス「VxRail」を、VDIにはVMware社の「VMware Horizon」という、VMwareで統一された構成を提案。当初は別の仮想化基盤ソリューションにも心が動いていたという藤本氏は、「最終的にアライドテレシスの提案を採用した大きな理由は、要件をクリアした上でコストパフォーマンスが高かったということもありますが、やはりネットワークともども仮想化基盤についてもワンストップで面倒を見てもらえるというところが大きかったです」と言う。
 また「中国側でもVDIを導入するわけですが、海外ではVMwareのネームバリューが強いということもあります。VMware Horizonとの相性も考え、VxRailが良いと判断しました」と藤本氏。そもそもVxRailはVMwareが設計したHCIのため、VMware Horizonを利用する環境としても優れている。
 アライドテレシスではHCIの導入、運用支援についても力を入れており、導入・設計支援に「Net.Pro」、運用支援に「Net.Monitor」のサービスを提供している。Net.Proではネットワークを中心としたITインフラのスペシャリスト集団だからこそできる、レイヤー間で矛盾の無いHCIシステム設計を提案、構築を支援。Net.Monitorではネットワークだけでなくサーバーまで含んだ運用・監視を提供している。

仮想化基盤の構築を完了、サーバー集約、VDIの活用を進めていく

 仮想化基盤の構築については、VxRailを新たにデータセンターに設置。各サーバーの仮想化基盤への移行作業についてもアライドテレシスは積極的に支援した。「ちょうど近辺に大雪が降った時期でもあり、移動だけでも大変なところではありましたが、手厚く支援してもらいました」と語るのは、タツモ株式会社 総務部 電算システム課 主事の片岡 寿子氏。
 大きなトラブルなく、仮想化基盤の構築、サーバーの集約作業は進み、VDI環境の構築も完了した。サーバー集約についてはできるところから順次移行が進められており、一部移行の難しいシステムについては物理サーバーをデータセンターに設置している。「業務が停止しては大変ですので、サーバーの保守についてもおまかせできる仕組みを提案いただいて良かったと思います」と評価するのはタツモ株式会社 総務部 電算システム課 主事の塚原 修司氏だ。一部クライアントサーバー方式のシステムについてはサーバーの記憶装置を オールフラッシュにするなどして、本社からデータセンターにサーバーを移行しても快適に利用できるようにしていると言う。
 VDIについてはテストも完了し、環境は構築済みで、今後どのように利用するかなどを含めてまとめていくという。「2023年1月の中国オフィス開設に向けて細かいところを詰めていく予定です」と藤本氏。
 仮想化基盤についても利用しながら改善、拡張なども含め、使いやすいシステムを実現していく。藤本氏は、「柔軟に、しかもシステムを止めることなくリソースの増強を行えることもHCIのメリットです」と言う。
 最後に今後の展望について藤本氏に聞いた。「まずは2023年1月の中国子会社との連携がしっかりできるように仕組みを導入していくことが第一です。それから、今回の基盤構築でバックアップサーバーも導入していますが、ファイルの巻き戻しなどが簡単にできるバックアップシステムの導入も考えています。クラウドを利用して、万一の災害などの際にも使えるバックアップを構築したいですね。あとは流体解析や振動解析など、ハイエンドなシステムへの要望もありますので、そうした社内的なニーズにも対応できればと思います」と藤本氏は語った。
 アライドテレシスではこれからも、タツモのネットワーク、サーバーを含めITインフラ全体の支援を、製品や技術、サポートの提供を通じ、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

タツモ株式会社
総務部 電算システム課
課長
藤本 良二氏

会社名
タツモ株式会社
所在地
岡山県岡山市北区芳賀531
設立
1972年
代表者
代表取締役社長 池田 俊夫
URL
https://www.tazmo.co.jp/
取り組み

「人としての優しさと卓越した想像力を基本に、あくなき『挑戦』によって、豊かな未来社会の創造に貢献する」を経営理念に、常に技術革新に取り組む。これからも「人のためのテクノロジー」にこだわりながら、求められる最先端に挑み続ける。

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