株式会社ウィザス 様

全国に分散するキャンパスネットワークをAMFで統合管理、トリガー機能により柔軟なWebフィルタリングを実現

株式会社ウィザスが運営する第一学院高等学校では、生徒全員へのタブレット端末導入に際し、全国のキャンパスネットワークを刷新。アライドテレシスのネットワーク機器を導入し、AMF(Autonomous Management Framework)によりWANを越えるネットワークの一元管理を実現するとともに、ルーターに搭載されているトリガー機能により試験期間中のフィルタリングポリシーを容易に変更できる環境を構築した。(2021年7月16日公開)

業種・業務
エンタープライズ
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ セキュリティ UTM&VPN
導入製品
コアスイッチ エッジスイッチ ルーター(有線LAN)
導入目的
運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減

生徒一人ひとりの個性に合わせた教育を提供

 「顧客への貢献」「社員への貢献」「社会への貢献」という3つの貢献を通じて、教育分野を中心に、一人ひとりの夢の実現に取り組む株式会社ウィザス。学習塾事業、高校・キャリア支援事業などを日本全国で展開する総合教育サービス企業だ。
 昨年来のコロナ禍により多くの教育事業者が苦境に立たされる中、同社は積極的なICT活用やカリキュラムのさらなる充実などにより、堅調な業績を上げている。「とくに第一学院高等学校では、ICTをさらに積極的に活用し、生徒一人ひとりの成長に繋がる、よりよい学びをしてもらえるよう、教務内容を整えています。それがコロナ禍という状況でも実現でき、生徒数の増加にも繋がっていると思います」と語るのは、株式会社ウィザス 第二教育本部 教育運営部教務ICT支援室の清水 潤一氏。
 第一学院高等学校は、ウィザスが運営する株式会社立の通信制高校。茨城県の高萩本校、兵庫県の養父本校を中心に日本全国52のキャンパス(2021年4月時点)で多彩な教育を提供している。生徒数は約7,600人で、中学卒業とともに入学する新卒者に加え、他の高校からの転入者も多いという。
 選択できるコース数は13と多様で(2021年5月現在)、通学スタイルの標準コースや特別進学コース、芸能コース、スポーツコース、通信スタイルのMobile HighSchoolなどがある。一人ひとりの状況や興味、関心、進路、目標に合わせて、希望進路が実現できるよう 手厚く支援している。「生徒一人ひとりの個性に合わせた教育が第一学院高等学校の特徴です。ただ卒業するだけでなく、社会に出ても通用する人材育成を行い、学びを通じて生徒が、そして親も教職員も成長を実感できる教育を目指しています」と清水氏は言う

AMF+Webフィルタリングで使い勝手と管理性を両立

 第一学院高等学校では以前から積極的にICTを活用した教育を実践しており、本社から拠点をネットワークで結び、LMS(学習管理システム)などさまざまなシステムを利用してきた。2018年には生徒一人ひとりにタブレット端末を利用してもらい、学校でも家でも学習できるシステムを整えた。その際に校内ネットワークの刷新を行い、アライドテレシスのルーターやスイッチを導入した。
 「2003年くらいからネットワークを導入し、生徒用、社員(教職員)用にVLANで分割して活用していました。当時は生徒用のネットワークはあまり活用されていませんでした。しかし、時代の変化とともにモバイルの活用が進み、全生徒がタブレット端末を持ち、授業の中でもタブレットを活用する機会が増えたため、無線LANも含め校内のネットワークを再検討する必要がありました」と語るのは、株式会社ウィザス 統括支援本部 IT戦略部の中村 勝己氏。
 ネットワークの選定にあたり課題となったのがWebのフィルタリングだ。生徒たちを有害なWebサイトから守るためにWebのフィルタリングは必要不可欠だが、運用方法や利便性を考慮すると難しい面がある。「本社側でフィルタリングを行う構成ですと、インターネットへのアクセスが本社に集中して帯域がひっ迫するなど使い勝手に問題が出かねませんし、各拠点でフィルタリングを行うと集中的な管理が難しくなります。ネットワークの負荷を分散しつつ、集中管理もできる点を評価して、NTT西日本の提案するアライドテレシスの機器とソリューションを採用しました」と中村氏は言う。生徒数が非常に多く、かつ全国展開している同校ならではの課題と言えるWebフィルタリングの現実解としてアライドテレシスの機器が採用されたのだ。
 アライドテレシスのルーターには、UTMの機能の一つでもあるWebコントロール(URLフィルタリング)機能がオプションに対応している。Webコントロール(URLフィルタリング)機能を活用することで、クライアント端末がアクセスしようとしているWebサイトをカテゴリーに分類し、カテゴリーごとにアクセスの禁止・許可を制御することが可能となっている。今回の提案では、各拠点のルーターでフィルタリングを行い、そのルーターを大阪本社でAMF(Autonomous Management Framework)機能により集中管理することで、生徒たちの使い勝手とフィルタリングの管理性を両立する構成が可能となっている。
 AMFは、複数のネットワーク機器の一括設定や一括アップデート、遠隔地からの管理・設定変更、事前設定不要の機器交換といった運用を可能とする機能だ。AMFの導入により運用・管理工数とコストの大幅な削減、障害時の自動復旧を実現する。多くの拠点を有する第一学院高等学校にとっては、WAN越しの遠隔地に設置された機器も一元的にAMFマスターから管理できることは大きなメリットとなる。

トリガー機能で試験期間中のフィルタリングポリシーを容易に変更

 新しいネットワークの構成としては、大阪の本社にユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「CentreCOM x930シリーズ」、アドバンスト・セキュアVPNアクセス・ルーター「AT-AR4050S」を設置。各拠点にはUTMのWebコントロール機能を持つ「AT-AR3050S」、PoE+対応のレイヤー 2plus ギガビット・インテリジェント・スイッチ「CentreCOM x230シリーズ」を導入した。AMFマスターであるCentreCOM x930シリーズから、遠隔地の機器も管理可能なAMFにより、一元的な運用管理を行う構成だ。なお大阪の本社には、ユニファイド・ネットワークマネージメント・ソフトウェア「AT-Vista ManagerEX」も導入されており、一元管理とともにネットワークの見える化も実現している。
 「本社及び全国39の拠点でこの構成を導入しています(2021年5月現在)。利便性と管理性という相反する要素を同時に解決するには一番良い方法だと思います」と中村氏。
 第一学院高等学校では、通常時に有害なWebサイトをブラックリスト指定し、生徒にアクセスさせないように運用しているが、さらにATAR4050S/AT-AR3050Sに搭載されているトリガー機能を活用して、試験期間中のポリシーの変更を行っている。トリガー機能は、決められた時刻や特定のイベントが発生したときに、任意のスクリプトを自動実行する機能。試験期間中にこの機能を利用してWebコントロールのポリシーを一時的に変更し、終了後に再起動を行うことで元の設定に戻している。
 「試験期間中は、試験に関係のないWebサイトなどが閲覧できないようにトリガー機能を活用してフィルタリングポリシーを変更しています。とても便利に活用しています」と中村氏。同校での試験期間は、生徒により異なることもあり、フィルタリングポリシーの設定を毎回変更するのは運用上大きな工数となる。トリガー機能で容易にポリシーを変更できることはアライドテレシス製品の強みであると評価している。

より使いやすいネットワーク環境を目指して

 2018年に導入した新しいネットワークは安定して稼働しており、機器に大きなトラブルなどはないとのこと。ただし、帯域がひっ迫する拠点ではインターネット回線の見直しを行ったり、無線LANアクセスポイントの増強をしたりといったアップデートは適宜行っているという。
 「これはアライドテレシスの機器ではありませんが、面談室で無線LANの接続が切れてしまうことなどもあり、日々更新をしています」と清水氏。大きなトラブルもないことから、AMFの自動復旧機能(予備機に差し替えることで設定を自動的に投入し、ネットワークを迅速に復旧させる機能)などは活用していないが、安心して運用を行えている。
 第一学院高等学校では以前より社内のスタジオから授業の配信などを行っているが、2021年度からはさらにボリュームアップして、オンラインカリキュラムの充実を図っている。「ICTをさらに活用して、より学びの充実を図り、成長に繋げていきたいと思っています」と清水氏は語る。
 今後について中村氏は、「ひとまず校内ネットワークの方は落ち着いていますので、このままの状態を維持しながら、インターネット回線などの見直しを進めて、より使いやすい環境を整えていきます。当社はファロス個別指導塾など、他にも教育関連サービスを運営し ており、横展開とまでいくかは分かりませんが、今後どのように学習支援等をしていくかなどアライドテレシス含め情報交換していければと思います」と展望を語った。
 アライドテレシスではこれからも、第一学院高等学校をはじめとしてウィザスが運営する教育サービスのネットワークを、製品やサービス、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

株式会社ウィザス
第二教育本部
教育運営部
教務ICT支援室
清水 潤一氏

会社名
株式会社ウィザス
所在地
大阪市中央区備後町3丁目6番2号KFセンタービル4F
設立
1976年
代表者
代表取締役社長 生駒 富男
URL
https://www.with-us.co.jp/
取り組み

幼児から高校生までを対象とする教科学習指導・進学受験指導ならびに能力開発指導と独自のプラスサイクル学習法を用いた学力指導を行う「学習塾事業」や、広域通信制単位制高等学校の運営や、中学生等を対象とするICTを活用した学校外での学習機会の提供、社会人を対象とした各種資格・スキル等取得に向けた支援を行う「高校・キャリア支援事業」など、多様な教育サービスを提供。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

会社名
西日本電信電話株式会社
所在地
大阪府大阪市中央区馬場町3番15号
設立
1999年
代表者
代表取締役社長 小林 充佳
URL
https://www.ntt-west.co.jp/
取り組み

西日本地域で、豊富なICTサービスを活用して、大規模から中堅・中小規模のお客様の事業活性化をサポート。

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