第45回医療情報学連合大会 様

「医療DXがもたらす医療情報新時代」──初の姫路開催、学会を支えた会場LANとライブ配信の舞台裏

アライドテレシスは2025年11月12日から15日の期間、アクリエひめじ(兵庫県姫路市)で開催された第45回医療情報学連合大会へ参加。企業展示や共催セミナー(スイーツセミナー)に参加するだけでなく、会場内のネットワーク構築を支援。オンライン参加者向けのWeb LIVE配信基盤をはじめ、出展企業や来場者向けの公衆Wi-Fi、そして大会運営を支えるためのネットワークまで、大会全体を支える通信基盤を提供した。(2025年12月公開)

医療・福祉 近畿
目 的
無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) 運用・管理の効率化 公衆向けフリーWi-Fiの整備 業務効率の向上
プロダクト・サービス
無線LANアクセスポイント スイッチ Vista Managerシリーズ ルーター
規 模
その他

姫路で初開催、医療DXがテーマの学術大会

 第45回医療情報学連合大会(第26回日本医療情報学会学術大会)が2025年11月12日から15日の4日間、兵庫県姫路市のアクリエひめじで開催された。医療情報学連合大会は、一般社団法人 日本医療情報学会(Japan Association for Medical Informatics;JAMI)が主催する学術大会。JAMIは、年に2回の学術大会(日本医療情報学会春季大会、日本医療情報学会秋季大会)を開催するほか、複数の研究会を傘下に持ち、活発な学術活動を行っている。
 初の開催地であり、白鷺城でも有名な姫路で行われた今年の大会テーマは「医療DXがもたらす医療情報新時代」。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)は、AIやIoT、遠隔医療などの技術を軸に、医療の質向上や働き方改革、地域格差の解消を目指す取り組みだ。従来の電子化中心の枠を超え、患者や市民を主体とした医療情報の新しいあり方を描き、急速に進む高齢化や医療体制の持続性といった課題に対応するための議論と実践が展開。今大会開催地姫路を代表する偉人、軍師・黒田官兵衛がかつて新時代を切り開いたように、参加者がこれからの日本の医療情報の新時代を牽引し、活躍することへの期待も込められている。
 学会では、特別講演に加え、シンポジウムやチュートリアル、ワークショップ、一般講演、ハイパーデモ、企業展示、共催セミナー(ランチョン/スイーツ)など、多彩なプログラムが実施された。その中でも、多くのプログラムについてはWeb視聴が可能となっており、リアルとオンラインを融合したハイブリッド開催を前回、前々回に引き続き継続して行っている。
 アライドテレシスは本大会において、企業展示および共催セミナー(スイーツセミナー)へ参加するとともに、来場者用や運営用、Web LIVE配信用ネットワークの構築とその運用サポートを担った。 なお、同大会に対しては10年以上にわたりネットワーク構築・運用支援を行ってきており、大会運営を踏まえた通信設計を支えてきた。

大会運営と参加体験を支えるネットワーク

 本大会の会場は、姫路市文化コンベンションセンター アクリエ姫路の1Fメインスタジオ(I会場・展示ルーム)、展示会場(A~C会場)、4F展示会場(F~H会場)に分かれており、それぞれの会場ごとにスイッチや無線LANアクセスポイントの設置が必要となった。
 ネットワークは企業展示・来場者用や運営用、 Web LIVE配信用の三つを提供。用途ごとにネットワークを分離することで、来場者用の利用状況に左右されず、安定した配信と大会運営を行える構成とした。その中でも特にWeb LIVE配信用に関しては安定性が求められるため、有線をメインに3回線を束ねる構成とした。
 大会期間中は多くの参加者が同時に利用することから、通信の集中や突発的なトラフィック増加を想定した冗長性と負荷分散が求められた。そのため、インターネット回線は、企業展示・来場者用を含めた計4回線に分けて配信ネットワークの負荷を分散できるよう工夫し、各回線接続用には10Gルーター(ARXシリーズ)を配置。そして、会場LANへの配線を集約するためのコア・スイッチ(AT-x530-28GTX)や、各講演会場や展示ルーム、企業展示エリアにはPoEスイッチ(x230シリーズ)、無線LANアクセスポイント(AT-TQm6702 GEN2)を配置した。

イベント運営を支えるネットワークメーカーの運用ノウハウ

 今回の大会だけではなく、アライドテレシスのネットワークは、セミナーやショー、スポーツなど多くのイベントに採用されている。
 こうしたイベントにおいて、ネットワークが止まる=イベント運営や情報発信そのものが止まるという点で、企業内ネットワークとは異なる難しさがある。接続人数が把握できず、利用方法もさまざまであるためだ。イベントの内容や規模からある程度の想定はできても、実際に始まると接続が不安定になったり、切断が発生したりすることもある。さらに、来場者によるモバイルルーターの持ち込みも多く、事前にサーベイ(電波調査)を行っていても、干渉による接続不良や遅延は避けられない。こうした要因を考慮した設計・構築が求められるため、ネットワーク構築・運用に関するノウハウと経験を活かすことが重要となる。
 今回、企業展示エリアに設置された無線LANアクセスポイントは、出展企業はもとより来場者用の公衆Wi-Fiとしての役割も果たしていた。採用された「AT-TQm6702 GEN2」はWi-Fi 6に対応しており、同時接続数が増加しても遅延が発生しにくく、展示ブースでのデモや来場者の情報収集といった利用が重なる状況でも安定した通信環境を実現している。

会場ネットワークを支えながら発信した医療IT-BCPの重要性

 大会の会期は4日間。多くの大学・国公立病院、開業医、保険薬局などの医療関係者やMR、企業関係者が来場、もしくはWebLIVE配信を通じて参加した。会期最終日の11月15日には、会場ネットワークおよびWeb LIVE配信ともに安定した運用のもと、全日程を無事に終了した。
 アライドテレシスは本大会において、日本赤十字社 大津赤十字病院 事務部 医療情報課 課長の橋本 智広氏との共催セミナー(スイーツセミナー)にも参加し、Web LIVE配信を通じて多くの聴講者を集めた。
 さらに企業展示では、「医療DXのさらなる加速へ-IT-BCPへの対応と次世代院内ネットワーク-」をテーマに、医療IoT機器の安定接続を実現する無線LANソリューションをはじめ、ネットワーク運用と医療機器・端末の資産管理を実現する統合管理ソフトウェア、仮想化基盤を活用した耐障害性・運用性の高いシステム運用などを、導入事例とあわせて紹介した。
 加えて、セキュリティ対策として、メンテナンス回線用となるVPNの集約や、病院職員のセキュリティリテラシー向上を目的とした研修サービスも紹介。さらに、パートナー企業による協力展示として、XDR・次世代ファイアウォール(展示協力:パロアルトネットワークス社)、NDR(展示協力:ダークトレース・ジャパン社)、病院間を接続する安全なネットワーク「Wires Connect Intelligence」(展示協力:ビットブレイン社)、衛星ブロードバンド「Starlink Business」によるBCP対策(展示協力:KDDIまとめてオフィス社)もブース内で紹介し、来場者の関心を集めた。
 また、ソフトバンク社の協力で設置されたsXGP用小型基地局装置により、会場内で実際に利用できる環境を整え、来場者に体験機会を提供した。
 アライドテレシスは今後も、医療情報学連合大会への参加とともに会場ネットワーク構築・運用支援を行い、医療分野向けの製品、サービス、サポートのさらなる充実を図り、医療業界全体の支援を積極的に行っていく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

イベント名
第45回医療情報学連合大会 (第26回日本医療情報学会学術大会)
会期
2025年11月12日(水)~ 15日(土)
会場
姫路市文化コンベンションセンター アクリエひめじ(兵庫県姫路市)
URL
https://www.jcmi45.org/

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