Japan Mobility Show 2025 様

【新たなクラウド基盤で国際イベントを盛り立てる】初期構築工数5割削減。短期間で高密度通信対応のWi-Fi環境を実現

Japan Mobility Show 2025では、世界中のメディアが会場に集まり、リアルタイムで取材・編集・配信を行うプレスルームの通信環境が、イベント運営の成否を左右した。短期間で確実に有線・無線ネットワークを構築し、膨大な端末接続に耐える安定性と運用性が求められる中、コムネットシステムは、アライドテレシスのクラウド管理型プラットフォーム「Allied OneConnect」を活用。クラウド中心の設計で、事前準備の工数を5割削減しつつ、一元的に管理できる遠隔監視により、高密度環境でも安定した通信を実現した。(2025年12月公開)

イベント 関東
目 的
公衆向けフリーWi-Fiの整備 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 クラウドサービスの利活用 統合ネットワークの構築 ネットワーク監視の強化
プロダクト・サービス
無線LANアクセスポイント スイッチ Allied OneConnect ルーター
規 模
その他
課 題
・国際イベントに求められる短期間構築と高密度通信に対応
・膨大な端末接続に耐える安定性と運用性の確保
・現場作業を減らし、均一な品質で展開するための効率化
採用ポイント
・クラウド管理プラットフォームで事前設定&ゼロタッチ構築
・高密度対応Wi-Fi(電波調査・チャンネル最適化)設定
・ダッシュボードで遠隔監視&一元管理
効 果
・初期工数5割削減し短期安定稼働
・高密度通信でも途切れない取材・配信
・遠隔監視による先手対応でイベント中のトラブルゼロ

国際イベントを盛り立てる通信基盤の重要性

 Japan Mobility Showは、自動車を中心とした移動領域の枠を超え、航空、ロボティクス、エネルギー、都市開発など次世代モビリティが交差する総合イベントである。世界中の企業や研究機関が集い、最新技術と社会実装のビジョンが示される場として位置づけられ、単なる展示会ではなく、未来の移動と産業の変革を見据えた発信拠点となっている。
 今回の取材に先立ち、主催者である一般社団法人 日本自動車工業会 総合政策領域 広報担当の志賀 隆宏氏に本イベントの見どころを聞いた。「Japan Mobility Showは、自動車産業の枠を超え、IT・通信・エレクトロニクス産業など多くの産業を巻き込み『豊かで夢のあるモビリティ社会の構築』を目指すイベントです。本年は、過去最多となる合計500社以上の企業・団体が参加します。『ワクワクする未来を、探しに行こう!』を今回の開催コンセプトに掲げておりますが、少し先の未来を垣間見て、体感・体験し、その上で『未来』というものを一緒に考える場になればと考えています」と志賀氏は語る。

短期間で高品質なネットワークを構築、クラウド管理が現場を支える

 今回、Japan Mobility Show 2025に設置されたプレスルームのネットワークを構築したのは、コムネットシステムである。同社は、前身の東京モーターショーのころから、プレスルームのネットワーク構築を行ってきた。
 短い期間での準備と安定した運用が求められるイベント会場において、コムネットシステムはアライドテレシスのクラウド管理型プラットフォーム「Allied OneConnect」(以降、OneConnect)を用いて、確実に稼働する環境づくりに取り組んだ。
 コムネットシステム テクニカルサービス事業部 部長の白柳 翔大氏は、近年のネットワーク運用について、「以前はインターネットにつながれば十分という面もありましたが、今は速度や安定性、セキュリティだけでなく、管理性や障害対応まで求められています。さらにユーザーの感覚では通信は空気のような存在で、使えて当然という前提ですので、遅くなるとすぐ気付かれますし、逆に良くしても気付かれにくく当たり前というのが実情です」と語る。
 また同じくコムネットシステム パートナー事業部 係長の吉野 航貴氏は、「コロナ禍以降はリモートワークや配信が当たり前になり、一人が複数のデバイスを使うことも増えました。ネットワークが業務の 基盤であることがより明確になり、求められる帯域や管理負荷は大きくなっています」と言う。
 その上でOneConnectの採用を決めた理由について白柳氏は、「今回のようなイベント環境では、限られた期間で準備しなければなりません。OneConnectは事前にクラウドで設定を用意しておけるので、現地では接続すればすぐに動きます。設定作業が現場で発生しないため、短い期間でも確実に立ち上げられる点は、とても便利で大きなメリットです」と説明する。また吉野氏も、「設定履歴をクラウド上で比較しながら確認できる安心感があります」とメリットを語る。

クラウドを核とした設計と運用で、短期間構築と高密度通信に対応

 プレスルームはその特性上、多くの報道関係者が長時間滞在し、1日あたりの接続端末数は1,000台強と、複数端末を同時に使用する高密度通信環境である。本プロジェクトには、有線だけでなく、無線環境の構築も含まれており、この条件を満たすため、電波調査とチャンネル設計を事前に実施し、5GHz帯を中心に最適なアクセスポイント配置を検討した。なお、今回はWi-Fi環境にアライドテレシス製の無線LANアクセスポイント「AT-TQ6702 GEN2-R」を採用しており、干渉を抑え、安定したスループットを確保することを目的とし、必要に応じて6GHz帯の活用も視野に入れた設計としている。
 クラウド側で設定をまとめておき、現地では機器を接続するだけで済む体制にしたことで、短期間での立ち上げとミスのない設定が可能になった。白柳氏は、「従来は1台ずつ設定して一日かかることもありましたが、今回は“つなぐだけ”で完了しました」と振り返り、吉野氏も、「現地作業がないのでミスがなく、誰でも同じ品質で展開できます」と安心感を語った。
 運用面では、ダッシュボードを通じて機器状態や通信量を遠隔で監視し、必要に応じて事前に調整を行う体制を整えた。白柳氏は「イベント中、常に現場に張り付く必要はありません。通信量の変化や負荷の兆候を確認しながら、先手で対応できるのがクラウド管理の強みです」と強調する。
 これらの取り組みにより、通信負荷が集中する時間帯においても安定したサービスを提供し、取材・編集・配信作業は途切れることなく行われた。短期間での準備と高密度環境での安定運用を両立させた今回の取り組みは、イベント会場のみならず、多拠点展開や仮設ネットワークなど、幅広いシーンで応用可能なモデルである。

国際イベントを盛り立てる通信基盤としての信頼と展望

 世界各国からメディアが集まり、会場内からリアルタイムに情報を発信する国際イベント、Japan Mobility Show。そのプレスルームはとくに、取材・編集・配信が集中する中枢と言え、通信の遅延やトラブルは報道スケジュールに直結する。ここでは、アライドテレシスとコムネットシステムが協力し、短期間での高密度ネットワークの構築と安定運用を実現した。
 最後に日本自動車工業会の志賀氏は、「プレスルームは世界中からメディアが集まり、取材・編集・発信を行う重要な拠点です。海外メディアも多数参加するため、わずかな遅延や通信トラブルでも報道スケジュールに影響が出ます。そのような環境において、コムネットシステムとアライドテレシスの連携は、安定性だけでなく柔軟性も兼ね備えたネットワークを提供してくれました。実際に自身でもWi-Fi環境にアクセスしてみましたが速度も速く、非常に信頼できると感じています」と高く評価した。
 今回の構築では、クラウド管理を前提とした設計・展開手法により、限られた準備期間の中でも効率的にネットワークを構築し、最も通信負荷が高まる時間帯においても安定稼働を実現した。白柳氏は、「当社が提供するマネージドサービス『MALUTO』とアライドテレシスの『Allied OneConnect』は非常に相性が良く、これから大きな可能性を感じています。単なる連携ではなく、両サービスの強みを生かしながら主軸として活用し、ユーザーの皆さまへより高品質なサービスを提供していきたいと考えています。今後もアライドテレシスさんとのパートナーシップをさらに深め、ともに価値を広げていければと思います」と力強く語った。
 今回の取り組みで示された運用効率や高い安定性を基盤に、アライドテレシスは「Allied OneConnect」のさらなる強化を進めていく。 ゼロタッチ構築や単一GUIによる管理性を軸に、クラウドならではの拡張性と迅速な機能追加を実現し、ユーザーとパートナーが安心して活用できる柔軟なネットワーク環境の提供を続けていく考えだ。

 ※本文に記載のある「Allied OneConnect」は現在、商標登録出願中の名称となります。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

会社名
一般社団法人 日本自動車工業会
本社
東京都港区芝大門1-1-30 日本自動車会館
設立
1967年
代表
会長 片山 正則
URL
https://www.jama.or.jp/

前身である自動車工業会と日本小型自動車工業会との合併により、国内において自動車を生産するメーカーを会員として設立され、自動車メーカー14社によって構成。国内の自動車工業と関連産業の健全な発達を図り、もって持続可能な経済及びモビリティ社会の実現、更には社会課題の解決に寄与することを目的に活動している。

パートナー企業基本情報

株式会社コムネットシステム
テクニカルサービス事業部
部長
白柳 翔大氏

株式会社コムネットシステム
パートナー事業部
係長
吉野 航貴氏

会社名
株式会社コムネットシステム
本社
東京都目黒区上目黒2-9-1 中目黒GS第1ビル4階
設立
1995年
代表
代表取締役 酒井 俊英
URL
https://www.comnetsystem.co.jp/

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