社会福祉法人ささゆり会 様

<福祉・介護DX>介護機器×ICT連携を強化!来たる超高齢化社会に備えて業務効率化の加速によるサービス向上と働き方改革を推進

福祉・介護機器のネットワーク対応が進み、ICTインフラが果たす役割がますます大きくなるなかで兵庫県の社会福祉法人ささゆり会は、業務の効率化、運用管理の簡素化などを目指し、施設内のネットワークを無線LANを中心に整備した。施設内のどこからでも確実に繋がり、繋がることを意識せず快適に利用できるネットワークインフラを実現した。(2024年11月公開)

業種・業務
医療
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF AMF Cloud Vista Manager シリーズ 無線LAN AWC セキュリティ UTM&VPN PoE
導入製品
システムインテグレーション ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN) ITサービス(Net.Service)
導入目的
ICT活用 IoT活用 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 無線LANの簡単導入 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 業務効率の向上 コスト削減 クラウド利用
課 題
・介護機器連携を支える強靭なネットワーク環境を整備
・専任者がいなくても統合的な管理ができる仕組みづくり
・モバイル端末を効率的に活用できる無線LAN環境を構築
採用ポイント
・AMFによる統合管理で運用管理の負担を軽減
・オートリカバリーにより故障時は迅速に復旧
・映像データなどの大容量通信も優先制御で遅延なし
効 果
・意識せず安心して利用できるネットワーク環境を実現
・スマホ連携で移動しても途切れず内線電話も快適に利用
・館内どの場所からも介護記録の利用、見守りカメラ等の参照を実現

多岐にわたる福祉サービスを提供する「ささゆり会」と介護業界の課題

 兵庫県姫路市に位置する社会福祉法人ささゆり会は、特別養護老人ホームやケアハウスの運営、デイサービス事業など、多岐にわたる福祉サービスを提供している。
 「1995年の阪神淡路大震災の惨状を目の当たりにして、災害弱者である高齢者を救うためにはどうすればいいかを考え、特別養護老人ホームが大いに役立つと確信しました。そこで、社会福祉法人ささゆり会を設立し、介護経営に取り組んできました」と語るのは、社会福祉法人ささゆり会 理事長の笹山 周作氏。
 ささゆり会は現在、特別養護老人ホーム「サンライフ御立(みたち)」をはじめ、「サンライフ土山」、ユニット型老人ホーム「サンライフひろみね」などの施設を運営し、従業員は800名を超える。
 「介護業界は他の業種に比べて人件費の比重が高く、売上の70%を超える施設もあります。省力化できるシステムを積極的に取り入れていますが、削減効果は数%にとどまるのが現状です。しかしこの数%のコストダウンが職員の子育支援・キャリアアップ支援など福利厚生に充当できる為、コストダウン以上の効果をもたらしてくれる非常に意義深いものです」と笹山理事長は介護経営の難しさを語る。「人にしかできないこと、ロボット導入で解決できることを常に考え、取り組んでいます」と言う。
 ささゆり会 副理事長の笹山 博司氏も同様に、「人を減らしてコストを下げるのではなく、ICTを導入して業務を効率化し、本業の介護に時間を割けることが重要です」と語る。
 ささゆり会は今回、アライドテレシスのソリューションを導入し、「サンライフひろみね」「サンライフ土山」の施設内ネットワークを整備して、業務効率化を推進した

介護ロボットや見守りカメラなどの連携が増えるネットワークの課題

 「サンライフ土山」は定員80名で、特別養護老人ホーム(定員70名)、ショートステイ(定員10名)、デイサービス(定員30名)を提供。また「サンライフひろみね」は定員29名で、家庭的な雰囲気の中でゆったりと生活できるユニット型老人ホームだ。
 どちらの施設にも従来、ネットワークが敷設されていたが、問題は介護機器との「連携」だった。笹山副理事長は、「最近の介護機器はネットワーク接続が前提となっており、当時のネットワークでは限界がありました。また専任のネットワーク担当者がいないため、統合的な管理や問題の解消も難しかったです」と語る。
 ナースコールシステムや見守り介護ロボット、見守りカメラなど、ネットワークが必要な介護機器は多くある。「ネットワークが必要な介護機器が増え続ける中で、問題の原因を切り分けることが難しいため、上流から下流まで一括で管理できる仕組みが必要だと考えていました」と笹山副理事長。当時はネットワークの限界によりさまざまな不調が発生していた。「施設内の一部のシステムに不調が出ていました」と語るのは、当時のサンライフひろみねの施設長で、現サンライフ土山の施設長である船引 章延氏。
 これを受け、ささゆり会はシステムインテグレーターのシステムリサーチに相談を行った。「当初は介護記録システムとセンサーマットのお話でしたが、サンライフひろみねのナースコールや見守りカメラ、電話の不調を全てまとめて改善してほしいと理事長から要望を受けました」とシステムリサーチ 姫路支社 営業課の磯川 典子氏は言う。

アライドテレシスによるネットワーク整備

 これらネットワーク部分を担当したのがアライドテレシスだ。まず取り組んだのは無線LANで、今回のネットワーク整備では、職員がタブレット端末を使って介護システムや見守り介護のセンサーマットから の情報、見守りカメラの画像などを確認できるようにし、またナースコールや内線電話にも無線LANを利用する。
 見守りカメラのデータがネットワークを逼迫させる懸念はあったものの、アライドテレシスで優先制御の設定を行い、快適に利用できる環境を実現した。
 無線LANアクセスポイントは、IEEE 802.11ax規格(Wi-Fi 6)に対応した「AT-TQ6602 GEN2」を導入。アライドテレシスの「AWC(Autonomous Wave Control)」に対応し、電波状態やチャンネルを考慮しアクセスポイントが自らを最適化することで運用コストを低減する。事前に入念な電波調査(サイトサーベイ)を行い、建物のどこからでも繋がる環境を実現した。
 ネットワーク機器はまとめて管理し、故障時には迅速な復旧が可能なように、AMF(Autonomous Management Framework)に対応。オートリカバリーを行うことで、故障時は予備機と入れ替えるだけで自動復旧が可能となっている。
 無線LANアクセスポイントやスイッチなどの導入時には「苦労はなかった」と船引氏は振り返るが、利用者の迷惑にならないように工事の場所やスケジュールを調整してもらい、「船引様にも多大なご協力をいただき、構築を完了させることができました」と磯川氏は語る。なお今回の導入ではネットワークの幹線を将来の10Gbps(10ギガ)対応に備えて、ケーブルを敷き直している。

確実に繋がることが大事、普通に利用できることが一番の効果

 新しいネットワークについて船引氏は「不便なく使えていますし、不自由は感じていません。ネットワークも全く問題ありません」と語 る。これについて笹山副理事長は「不自由を感じないことはもちろん、意識せず普通に利用できていることが一番の効果かもしれません」と言う。
 例えば従来、夜勤帯には定期的に部屋を訪れて見守りを行っていたが、いまはセンサーマットで睡眠状態を確認でき、見守りカメラも設置しているため、利用者の睡眠を妨げることなく、利用者目線で部屋を訪問できる。また内線電話についても、途切れることなく普通に利用できているという。「施設長や看護師、相談員が音声端末としてスマートフォンを持っており、移動しても電波が途切れることなく活用いただいています」とシステムリサーチの磯川氏。
 ささゆり会の施設同士で行うオンライン会議や、利用者と家族のオンライン面会にも新しいネットワークが活用されており、帯域が不足して重くなったり、途切れたりすることなく快適に利用されている。「確実に繋がることが大事です。繋がっていることを意識せず、それが当たり前になるのは嬉しいことです」と笹山副理事長は言う。
 今後の展望について船引氏は「夜勤が不安だという職員もいますので、今回のような利用者の見える化のシステムを入れていけると良いと思います」と述べ、笹山副理事長は「今後もICTの導入による業務効率化を進めるとともに、BCP(事業継続計画)も推進していきます。また職員の労働環境を改善していきたいと思っています」と語った。
 最後に笹山理事長からは「これから訪れる超高齢化社会を乗り切るために、社会福祉法人ささゆり会は全施設を挙げて、全職員が一丸となり地域の高齢者のために貢献していきます」とのメッセージをいただいた。
 アライドテレシスはこれからも、ささゆり会のネットワーク課題の解決を製品や技術、サポートを通じて積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

社会福祉法人ささゆり会
副理事長
法人本部長
施設長
笹山 博司氏

社会福祉法人ささゆり会
施設長
船引 章延氏

法人名
社会福祉法人ささゆり会
所在地
兵庫県姫路市御立東5丁目1番1号
設立
1995年
代表者
理事長 笹山 周作
URL
https://sasayurikai.or.jp/
取り組み

特別養護老人ホームやケアハウスの運営、デイサービス事業など、多岐にわたる福祉サービスを提供する社会福祉法人。全施設を挙げ、全職員が一丸となって地域の高齢者のために貢献して行く。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

株式会社システムリサーチ
姫路支社 営業課
エキスパート
磯川 典子氏

会社名
株式会社システムリサーチ
本社
兵庫県豊岡市日高町国分寺158番地1
設立
1985年
資本金
6,000万円
URL
https://www.sr-co.co.jp/
取り組み

設立以来、「真にユーザの立場に立って、使いやすく信頼性のあるシステムを提供すること」を目指し、お客さまとの信頼関係をベースに、お客さまの事業・お客さまのお客さまに貢献することを大切にしてきました。 ITソリューションの提供を通じて、お客様のお役に立つことが私たちのミッションです。

一覧に戻る

Language