第48回全国選抜高校テニス大会 様
「選抜から世界」へつながるスポーツ大会に貢献。
クラウド運用基盤とWi-Fi環境で大会運営を安定化、次世代アスリートの挑戦と成長を支える
青空のもと、福岡の博多の森で開催された第48回全国選抜高校テニス大会。アライドテレシスは、本大会において大会用フリーWi-Fiおよび会場用ネットワークを構築し、大会運営を支援した。屋外かつ複数会場というイベント特有の環境においても、安定して快適に利用できるネットワーク基盤を提供。昨年に続き、クラウド管理型プラットフォーム「Allied OneConnect」を活用することで、現地でのセットアップ作業を省力化した。短期間で設営と撤去が行われる大会環境においても、クラウド技術を活用することで、円滑な大会運営を支えている。(2026年4月公開)
- 目 的
- 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) クラウドサービスの利活用 運用・管理の効率化 公衆向けフリーWi-Fiの整備 業務効率の向上
- プロダクト・サービス
- 無線LANアクセスポイント 屋外無線LANアクセスポイント スイッチ Allied OneConnect ルーター
- 規 模
- その他
- 課 題
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■屋外・複数会場で試合進行や全体状況を把握しづらい
■短期間イベントでネットワーク設営・設定負担が大きい
■フリーWi-Fiにより体験型コンテンツが活発化し通信負荷に懸念
- 採用ポイント
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■各コートの状況をリアルタイム一元共有できる仕組み
■クラウド管理により事前設定・即時展開が可能
■高帯域かつ安定性を両立した無線LAN環境を構築
- 効 果
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■全体状況を把握しやすくなり運営判断がスムーズに
■設営作業を効率化し安定した通信環境を確保
■配信・SNS活用が進み大会の認知拡大に貢献
インターハイと並び高校テニス界を代表する春の全国選抜大会
第48回全国選抜高校テニス大会は、2026年3月20日から26日までの7日間、福岡県福岡市の博多の森テニス競技場およびオクゼン不動産テニスコートで開催された。毎年3月に開催されるこの大会はインターハイと並び、高校テニス界における二大大会の一つに位置する。
全国高体連テニス専門部 部長の黒岩 睦雄氏は、本大会の意義について次のように語る。「春の全国選抜は、単なる全国大会ではありません。団体戦と個人戦の両方を通じて、チームとして協働し、信頼し合いながら試合を進めていく力を育む場でもあります。競技力の向上はもちろんですが、人として成長する機会を提供することも、この大会の大きな目的です」。
夏のインターハイと異なり、本大会は9人登録・5ポイント制の団体戦を採用するなど、限られたトップ選手だけでなく、チーム全体の力が勝敗を左右する点も特徴だ。また、個人戦の優勝者にはUSオープン・ジュニアへの挑戦機会が用意されており、「選抜から世界へ」という大会の理念を体現している。
初日から天候にも恵まれ、開会式は屋外センターコートを活用したスタジアム形式で実施。電光掲示板を用いた演出や青空のもとで行われるセレモニーは、出場選手にとっても特別な体験となった。全国各地から選抜された選手たちが一堂に会し、今年は団体戦に男女各48校、個人戦には男子76名、女子64名が出場。7日間にわたり、レベルの高い熱戦が各会場で繰り広げられた。
「スタジアム形式での開会式は、やはり選手たちの意識が違います。“全国大会に出場している”という実感を、より強く持ってもらえる。そうしたプレミア感を大切にしたいと考えています」。(黒岩氏)
多くの来場者でにぎわう会場は、春の訪れを感じさせる空気の中、選手たちの熱気とこれから始まる戦いへの高まりに包まれていた。
大会運営と円滑な試合進行を支える会場ネットワーク基盤
屋外を中心に進行する本大会は、天候や会場環境に大きく左右される。さらに複数会場で同時に試合が進行するため、全体を俯瞰した判断と柔軟な運営が欠かせない。こうした条件下で大会を安定して運営するためには、事前準備と当日の判断、その両方が重要になる。
黒岩氏は、大会運営における準備の重要性について次のように語る。
「年に一度の大きな大会だからこそ、準備段階での抜け漏れが本番に影響しないよう、前年大会が終わった翌日から次大会に向けた準備を進めています」。
そして、出場選手の宿泊や交通手配といったトラベルデスク業務に加え、事務局業務の効率化にも携わる日本旅行の久保田 博恵氏は、大会運営を支える立場から、「先生方の負担を少しでも軽くするため、従来から煩雑だった業務を徐々にシステム活用へと移行しています。競技そのものに集中できる環境を整えることが、私たちの役割だと考えています」と語る。
こうした運営を支えているのが、試合進行やコートの使用状況をリアルタイムで共有する仕組みだ。各コートの状況はiPadを通じて本部に集約され、事務局ではそれらを一覧で把握しながら、次の試合の開始時間やコート割りを判断している。「博多の森は広大で、しかも木々に囲まれた環境です。通信条件としては決して恵まれてはいませんが、試合進行のやり取りで困ることはありません。大会運営上、近年では支障を感じたことは一度もないですね」。(黒岩氏)
選手や大会関係者から通信環境に関するクレームが出ることもなく、運営側は競技や判断そのものに集中できているという。
短期間で会場ネットワーク構築を完了、クラウド管理で大会運営を円滑支援
アライドテレシスは2018年から全国選抜高校テニス大会に協賛し、電子化の基盤となる会場ネットワーク環境の構築・運用を継続的に支援してきた。毎年の大会運営では、事務局を通じたフィードバックをもとに改善を重ね、より安定した運営を支える環境づくりに取り組んでいる。
今大会においても、屋外かつ複数会場という条件のもと、試合進行管理やライブ配信、来場者向けサービスを同時に支えるネットワーク構成が求められた。そこで昨年に続き、大会ネットワーク機器の現地セットアップ作業を省力化するため、クラウド管理型プラットフォーム 「Allied OneConnect」(以降、OneConnect)を活用している。
OneConnectは、事前にクラウド上で設定情報を用意しておくことで、現地では機器を接続するだけで準備が完了する。機器ごとの設定作業が不要となり、設営作業者の負担を大幅に軽減できる点が特長だ。設定情報はクラウド上で一元管理され、拠点単位や機器単位で視覚的に状況を把握できる。短期間で設営・撤去が行われる大会イベントや、複数会場をまたいで運用するケースなど、会場や機器の数が増えた場合でも無理なく対応でき、効率的な管理を実現している。
このようなイベントでは、限られた準備期間の中で、いかに確実に立ち上げられるかが重要になる。アライドテレシス 企画担当の阿部氏は、「現地での設定作業が増えるほど、人手や経験への依存が高まり、想定以上に時間や工数がかかるケースも少なくありません。OneConnectは『現地での作業を増やさない』ことを最優先に、設計から構築、運用までをクラウド側で一貫してできることを前提に作られています。その結果、短期間で屋外・複数会場という厳しい条件下でも、品質を担保したネットワーク構築を実現することができました」と語る。
会場には、PoE++対応給電スイッチ「x240シリーズ*」を中核に、無線LANアクセスポイントとして屋内用に最新規格Wi-Fi 7対応「AT-TQ7613」、屋外用にWi-Fi 6対応「AT-TQ6702e GEN2-R*」を各試合コート周辺に設置。さらに、配信時のトラフィック集中に備え、セキュアVPNルーター「ATAR4050S」および10G対応SD-WANルーター「AT-ARX200S-GTX*」を組み合わせ、大会全体を支える安定した通信基盤を構築している。
OneConnectの活用による最も大きな変化は、現地での作業が「設定中心」から「設置中心」に移行した点だという。阿部氏は、「属人性の排除という観点でも効果を実感しています」と振り返る。加えて、現地に常駐しなくてもクラウド上から一元的に可視化できるため、異常を早期に把握し、影響が顕在化する前に対応できる点が、運営上の大きな安心感につながっている。
構築を担当したアライドテレシスのエンジニア 佐藤氏も、「来年の大会も同じ構成であれば、OneConnectを使うことで準備は非常に素早く完了できると思います。機器を現地に直接送って設置すれば完了しますし、万一設定調整が必要な場合でもクラウド側からすぐに対応できるため、運用の見通しが立てやすくなりました」と話す。
OneConnectはスポーツ大会に限らず、展示会や地域イベント、さらには災害時の仮設ネットワークなど、迅速な立ち上げと安定運用が求められるさまざまなシーンでの活用も見込まれる。
*=Allied OneConnect対応製品
注)Allied OneConnect は2026年4月現在、商標登録出願中の名称です。
フリーWi-Fiが広げる会場体験、配信やSNSの活用でさらなる認知拡大へ
数年前から来場者や関係者向けに提供され始めたフリーWi-Fiは、生徒や来場者、出展社にとって、すでに欠かせないものとして会場内で活用されている。生徒たちは迷うことなくWi-Fiに接続し、出展ブースではQRコードを活用した体験型コンテンツが活発に展開されていた。
「今年は体験型の出展が増え、Wi-Fiを前提とした企画も多く見られました。生徒も出展者も、デジタルを使った取り組みに慣れてきていると感じます」。(久保田氏)
運営事務局では、WOWOW公式YouTubeチャンネルでのライブ配信に加え、今年からは新たにInstagramでの即時発信にも力を入れている。試合当日の様子をその日のうちに発信する取り組みは好評を博しており、「情報をリアルタイムに近い形で届けられる環境があるからこそ、アクセス数も順調に伸びています。認知拡大という点で、確かな手応えを感じています」(久保田氏)という。
安定した通信環境があるからこそ、こうした取り組みを安心して展開できている。今後は、さらなる情報発信を見据え、通信量の増加にも対応できる環境づくりが求められている。
競技だけでなく“人を育てる”大会へ
全国選抜高校テニス大会では、選手としてだけでなく、多くの高校生が審判としても運営に関わり、重要な役割を担っている。福岡県内の生徒たちは、事前の講習会やプレ大会での実践を経て本番に臨み、試合を支えている。
「審判は、競技を支えるだけでなく、人間力を育てる場でもあります。公平・公正な判断力や毅然とした態度、コミュニケーション力。こういった社会に出てからも役立つ力を、この大会で身につけてほしいと考えています」。(黒岩氏)
最後に、今後の展望について話を聞いた。「まずは第50回大会という節目に向けて、全国選抜の認知度をさらに高めていきたいです」。(黒岩氏)
久保田氏も、運営を支える立場として次のように語る。「高校生たちの真剣な表情と、素顔とのギャップも含めて、多くの方に知ってもらいたいですね。選手が快適に試合に臨めること、それを支える運営が滞りなく回ること。その“当たり前”を実現するために、これからも関係者と連携しながら支えていきたいと思います」。
アライドテレシスは、今後も安定したネットワーク環境を通じて、全国選抜高校テニス大会の円滑な運営と、その先にある高校生たちの挑戦と成長を支え続けていく。
導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

古賀 賢
大会会長
- イベント名
- 大正製薬リポビタン 第48回全国選抜高校テニス大会
- 日程
- 2026年3月20日~26日
- 会場
- 博多の森テニス競技場、オクゼン不動産テニスコート
- 共催
- (公財)日本テニス協会、(公財)全国高等学校体育連盟
- 主管
- (一社)全国選抜高校テニス大会事務局
- URL
- https://www.senbatsutennis.com/
【取材協力】
・全国高体連テニス専門部 部長 黒岩 睦雄氏
・株式会社日本旅行 ソリューション事業本部 九州広域営業部 久保田 博恵氏
・アライドテレシス株式会社 マーケティング本部 プロダクトマネジメント部 阿部 有希氏
・アライドテレシス株式会社 東京プロジェクトマネージメント部 プロジェクトマネージャー 佐藤 貴之氏






