株式会社ダイドー 様

<製造業DX>工場内外の無線LANを刷新して通信障害報告件数90%削減!~スマートファクトリーの実現を目指して~

大阪府河内長野市の株式会社ダイドーは、悪化していた工場内の電波状態を改善するために無線LANの刷新をアライドテレシスに依頼。アライドテレシスは一次的な工場の無線安定化に向けた機器更改の提案だけでなく、インフラシステムの運用負荷低減やインフラ全般をサポートする“インフラ統合管理基盤導入による可視化と運用負荷低減”を提案。「Net.AMF」の導入により工場インフラ全体を統合的に管理し、「AWC」による無線LANアクセスポイントの自律的調整、「Vista Managerシリーズ」によるネットワークの可視化などを実現して、運用負荷を大幅に軽減した。(2024年12月公開)

製造業 近畿
目 的
工場のIoT化 無線LANの導入 ネットワークの安定稼働 通信の改善(高速化・帯域強化) クラウドサービスの利活用 IoT活用 運用・管理の効率化 セキュリティの強化 ネットワーク監視の強化 運用・管理・監視を外部委託 業務効率の向上
プロダクト・サービス
無線LANアクセスポイント 屋外無線LANアクセスポイント AWC スイッチ VCS Vista Managerシリーズ AMF Net.AMF ルーター Net.Monitor
規 模
100~499
課 題
・工場内の無線電波状態を改善
・障害発生時の早期復旧
・現場問い合わせなど対応負荷の軽減
採用ポイント
・工場ネットワークに適した技術力と運用実績
・工場インフラ全般をトータルサポート
・24時間365日の監視体制で安心
効 果
・ネットワーク使用デバイスの通信障害報告件数が90%減少
・インフラ統合管理と可視化による情報連携でコミュニケーションが円滑化
・障害切り分けが容易になり復旧時間も短縮

新たな技術も積極的に取り入れるソリューション企業

 株式会社ダイドーは、人間生活の基盤となる「住働環境」において、価値ある製品・サービスを提供するソリューション企業だ。大手ハウスメーカーへの部材提供のほか、空間ソムリエの名で傾斜地の有効活用など住環境の空間コーディネートを提案している。またバネ・ダンパー等を活用した設計技術を生かして、電力を使わずして現場作業の負担を軽減するパワースーツ「TASK」を提供し、働環境の課題を解決している。
 「自社で生産設備をもって設計から開発、販売まで行っています。また開発した製品は他社さんに販売も行っています」と語るのは、株式会社ダイドー 情報システム室長の塩野 将之氏。
 ダイドーは近年、積極的にIT化・電子化の取り組みを進めている。取り組みはペーパーレスからクラウド化、BCP対策、セキュリティ強化、エンドポイント対策、DX推進、IoTやRPAなど幅広く、新しい技術も積極的に導入して、業務・生産の効率化、社員の負担軽減などを図っている。
 さまざまな取り組みの中でもとくに大きな成果を上げているのはペーパーレス化だ。「生産・出荷作業者にタブレット端末を配布しています。従来は紙だった指示書を電子化して、1日あたり生産指示書5000枚、図面5万枚以上、かつ仕様変更の差替えも不要になりました。また、ラベルは事務所で出力や仕分け、配布から現場で都度発行できるようになりました」と話すのは、株式会社ダイドー 情報システム室 係長の徳永 真弓氏だ。

無線LANの改善と運用負荷の軽減を提案

 この生産・出荷指示書の電子化では、タブレット端末にネットワークを通じて指示が行われるが、導入していた無線LANの通信状況が課題となっていた。
 工場内の特定エリアで負荷が集中したり、通信が頻繁に途切れたり、また建屋を移動すると電波状況が悪くなってもローミングしない(繋がり続けてしまう)など、問題が発生していたのだ。「しかし原因が特定できず、根本的な対策ができていませんでした」と塩野氏。生産・出荷業務でのネットワークの不具合は業務に大きな影響を与えるため、改善方法を模索していた。
 また現在は情報システム室の人員が塩野氏と徳永氏の2名だけのため、現場からの問い合わせ対応の負荷が大きいことも課題だったという。
 転機となったのは2022年のスマートファクトリー関連のイベントだった。アライドテレシスのブースを訪れ、展示されていた無線LANソリューションを知り、状況改善の提案を依頼した。
 アライドテレシスはすぐに現場の調査、検証を行い、改善を提案した。一次的な工場の無線安定化に向けた機器更改の提案だけでなく、インフラシステムの運用負荷低減やインフラ全般をサポートする“インフラ統合管理基盤導入による可視化と運用負荷低減”の提案だ。「AMF(Autonomous Management Framework)」により有線/無線ネットワークの統合管理基盤を構築し、あわせて管理ツール「Vista Managerシリーズ」でネットワークの可視化を行い、運用負荷を低減する。これらを実現するのが、ネットワーク統合管理サービス「Net.AMF」だ。
 Net.AMFは、独自のITインフラ管理機能(AMF、AWC、Vista Managerなど)をクラウドからサービスとして提供し、ITインフラの運用管理の簡素化に加え、リモート監視や予兆検知による障害・トラブルの未然防止や早期復旧など、ITインフラの安定運用を包括的に支援するサービス。これに加えて、リモート監視サービスの「Net.Monitor」を組み合わせて提案した。「無線LANの改善提案以外にも、さまざまなアドバイスをいただきました。今まで相談するところもなく困っていましたので大変助かりました」と徳永氏。

ネットワークに対する問い合わせを90%削減

 提案は採用され、大阪の本社工場、本社事務所に加え、増設された山口工場でも導入が実施された。「生産に影響が出ないように工場の未稼働時を利用して日程を組みました。限られた時間になるため、工期前に着手可能な作業については両社で分担して取り組みました」と徳永氏。社員と工事作業員の安全面に配慮して、搬入機材の保管場所等は関連部門と調整して事前に確保した。
 なお工場には側面の壁が無い部分もあるため、以前はアクセスポイントへの雨風を避ける収納盤などが利用されていた。しかし今回の導入では屋外用に防水・防塵タイプの無線アクセスポイントを導入しているため、収納盤など撤去予定の部材は別の場所に流用するなどの工夫も行っている。
 導入はスケジュールどおりに進み、本社工場では2023年5月、山口工場は2023年9月、本社事務所は2024年9月に、新たなネットワーク運用が始まった。
 導入後、有線/無線ネットワークは大きなトラブルなく安定して稼働している。課題だったネットワーク使用デバイスの通信障害は、「作業者からの問い合わせが90%減少しました。1日の生産能力に対して、通信不具合によるロスが削減されました」と塩野氏は評価する。
 また徳永氏も、「仮に障害が発生した場合でも、可視化された管理画面から問題の切り分けが容易になり初動が早くなりました」と語る。障害原因の報告ができないといったことを解消し、コミュニケーションが円滑になったという。
 なお無線LANについてはアライドテレシスの自律型無線LANソリューション「AWC(Autonomous Wave Control)」が稼働しており、電波出力やチャンネルをアクセスポイントが自律的に調整を行うため、運用の手間を大幅に削減している。
 さらにNet.Monitorにより、アライドテレシスの運用・監視センターが24時間365日体制でインフラ監視を行うようになったことについては、「安心して運用できるようになった」と徳永氏は評価している。

他の工場も含めてネットワークの改善を継続

 近年、工場を持つ多くの製造業者が「スマートファクトリー」の実現を目指し、新たな技術を積極的に導入している。ダイドーも同様で、IoT導入に取り組んでいる。現在は生産設備からのログをクラウド上に収集している段階だ。「まだまだリアルタイムでデータを収集したり、設備の故障を予知したりするところまでには至っていませんが、将来的には生産設備のIoT化を本格的に進めていきます」と塩野氏。IoTにより生産自動化や検査自動化を進めていく。
 インフラ統合管理基盤導入による可視化と運用負荷低減を実現したダイドーは現在、基幹システムの更新を行っているが、他の工場も含めネットワークの改善を続けていく。
 塩野氏に今後の展望を聞いた。「一つはデータの可視化、活用ですね。定型業務の自動化・効率化は継続的に進めているので、会社としてはデータ経営・可視化にとくに力を入れていくと思います。そして生成AIの活用です。今期すぐに導入するというよりもまずは選定して、トライアルや検証をしながら評価していきます。ネットワークに関しては継続的に改善していますが、まだ残っている工場もあります。それに今期はWAN側のネットワーク更改も進めていくつもりです」と塩野氏は語った。
 アライドテレシスはこれからも、ダイドーのさまざまな課題解決を、製品や技術、サポートの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

株式会社ダイドー
情報システム室
室長
塩野 将之氏

株式会社ダイドー
情報システム室
係長
徳永 真弓氏

会社名
株式会社ダイドー
本社所在地
大阪府河内長野市上原町250-2
設立
1951年
URL
https://daydo.jp/
代表
代表取締役社長 追田 尚幸

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