埼玉県深谷市 様

庁舎の新設にともない、業務を止めない、シンプルで運用性の高いネットワークを構築

深谷市では、庁舎の移転にともないネットワークを新設。働き方改革にも対応したシンプルなネットワークを構築し、AMF(Autonomous Management Framework)とAT-Vista Manager EXにより有線・無線を問わないネットワークの一元管理を、AWC(Autonomous Wave Control)によりアクセスポイント同士の自律調整で常に快適な無線LAN環境を維持するネットワークを実現した。(2023年2月公開)

業種・業務
自治体
ソリューション
ネットワーク運⽤ AMF Vista Manager シリーズ スイッチソリューション VCS 無線LAN AWC セキュリティ UTM&VPN PoE
導入製品
ネットワーク運用 コアスイッチ ディストリビューションスイッチ エッジスイッチ 無線LAN ルーター(有線LAN)
導入目的
公衆無線LAN 統合ネットワーク ネットワークの新規構築 ネットワークの改修・増築・刷新 運⽤・管理の向上 環境の整備 統合管理 安定稼働・安定通信 高速通信 セキュリティの強化 業務効率の向上 自治体三層対策
課 題
庁舎の新設移転にともない新たなネットワークを構築
働き方改革を実現する無線LAN環境の導入
採用ポイント
業務を止めないシンプルなネットワーク
障害の可視化や遠隔保守など高い運用性
効 果
AMFにより有線・無線関わらずネットワークを統合管理
全館に無線LANを構築したことでどこでも働ける環境を実現

新庁舎への移転にともないネットワークを新設

 近代日本経済の父といわれる渋沢栄一翁の生地としても有名な埼玉県深谷市。市内には渋沢栄一記念館があり、またWebサイトでも渋沢栄一デジタルミュージアムを設けてその功績を紹介するなど、市内観光の誘致にも積極的だ。渋沢栄一翁が設立した日本初の機械式レンガ工場となる日本煉瓦製造株式会社があったのも深谷市で、深谷駅や周辺の建物、道の装飾などにもレンガ調を活かしたまちづくりが進められている。
 深谷市では2020年、老朽化していた庁舎を新設移転した。なお新庁舎の外観や床など多くの場所でレンガが使用されており、「レンガのまち深谷」をアピールし、まちの新たな景観となっている。
 「旧庁舎は耐震性や維持管理コスト、狭あい化、バリアフリー化など、さまざまな問題を抱えていました。新庁舎建設にともない、ネットワークシステムも新規に構築する必要がありました」と話すのは、深谷市役所 企画財政部 ICT推進室 情報システム係 情報システム係長の古郡 貴雄氏。
 老朽化に加え、旧庁舎は有線ネットワークのみで無線LAN環境がなく、またその有線ネットワークも多くのエッジ・スイッチと接続端末があり、複雑化して把握が難しかったという。
 「有線のみでしたので、人事異動などの際にネットワークの変更が大変でしたし、ループなどが発生するとその影響が全てのネットワークに及び、停止するようなこともありました」と古郡氏は振り返る。

運用工数が少なく、一元管理が可能なアライドテレシスのネットワークを採用

 深谷市では新庁舎にネットワークを構築するにあたり、働き方改革にも貢献するネットワークを求めた。市の定めた情報化基本方針に基づき、そのコンセプトとなったのは、①情報化による行政サービスの利便性向上、②情報化による行政運営の効率性の向上、③情報化を適正に推進する管理体制の確立、④効率的な移転方法、の4つである。
 「基本設計と詳細設計・構築を分割して、プロポーザルの選定を行いました。分割発注することでトータルコストが抑えられると期待できたためです」と古郡氏。
 選定の結果、採用されたのが、NTT東日本の提案だ。NTT東日本は、エリアごとの重要度に応じ、業務を止めないシンプルなネットワーク、障害の可視化や遠隔保守などの運用性を重視し、システム担当者の負担を軽減する提案を行った。それを実現するためにアライドテレシスのネットワーク機器、技術を提案した。「各社の提案内容を費用対効果や構築実績の観点から精査し、私たちが求めることが実現できると期待して採用しました」と古郡氏は採用理由を語る。
  提案の核となったのは、ネットワークの統 合 管理に「AMF(Autonomous Management Framework)」、無 線 LAN環 境に「AWC(Autonomous Wave Control)といったアライドテレシスの技術を活用し、有線・無線に関わらず、一元化、簡素化、自律化を実現することだ。AMFは、あらゆるネットワーク機器を一元化・自動化・簡素化し、運用管理にかかるコストや、必要となる技術スキルを大幅に下げることを実現。AWCは、自律型無線LANシステムで無線環境の最適化を行い、安定した通信環境の構築・維持を実現する。どちらもアライドテレシスの独自技術だ。
 これらネットワークをマネジメントソフトウェアである「AT-Vista Manager EX」で可視化、統合管理する提案だ。

工期を圧縮し、スケジュール通りにネットワーク導入は完了

 ネットワークは、LGWAN系、基幹系、インターネット系に分離した、いわゆる「αモデル」だ。各コアには、アドバンスト・レイヤー 3・モジュラー・スイッチ「SwitchBlade x908GEN2」、レジリエント・ユニファイド・マネージメント・スイッチ「x950シリーズ」などが設置され、ディストリビューションスイッチとしてギガビット・インテリジェント・スタッカブルスイッチ「x530Lシリーズ」やユニファイドマネージメント・スタッカブルスイッチ「x530シリーズ」、L2スイッチにはギガビット・インテリジェント・スイッチ「x230 /x230Lシリーズ」や「Secure HUB SH230シリーズ」などが導入されている。
 無線LANアクセスポイントは「AT-TQ5403」で、新庁舎全館をカバーする形で設置された。また職員用に加えて、来庁者も利用できるようにフリーWi-Fiも同時に構築しており、新庁舎のほか、保健センターにも無線LANを設置している。
 導入工事は2020年3月から7月の間に実施。この間、コロナ禍などもあり、スケジュール調整は難航が予想されたが、ICT推進室でも工期の圧縮に努め、スケジュール通りに完了した。東日本電信電話株式会社 埼玉事業部(以下「NTT東日本」)ビジネスイノベーション部 テクニカルソリューション担当 主査の川田 雅文氏は、「構築フェーズにおいては迅速な情報共有のために、深谷市様よりビジネスチャットツールを提供いただきまして、密なコミュニケーションを取ることができ、スケジュール通りに完了することができました」と語る。
 また古郡氏は、「翌2021年にはフリー Wi-Fiを公民館に延伸するためアクセスポイントの増設を進めました。ちょうど半導体の供給不足と重なり、機器の調達が難しいかと心配していましたが、期限どおりに納品していただきました。信頼がおけるサプライヤーだと強く思っています」とアライドテレシスを評価する。

利便性とセキュリティを高いレベルで実現

 2020年7月に新庁舎は竣工し、新たなネットワークも正式に稼働をスタートした。大きな問題はなく、安定して稼働している。「一般的に利便性とセキュリティはトレードオフの関係になると言われていますが、双方を高いレベルで実現し、非常に優れたネットワークになったと実感しています」と古郡氏。
 深谷市役所 企画財政部 ICT推進室 情報システム係 情報システム係 主事の坂本 雅也氏も、「全館に無線LAN環境が導入されたことで、利便性が大きく向上し、大変便利に利用しています」と評価する。従来は紙を出力して行われていた庁内の会議なども、ノートPCを持ち運んで無線LANに接続し、ペーパーレスで行えていると言う。NTT東日本とアライドテレシスによる初期の調整と、AWCによる自律的調整により快適な無線LAN環境を維持できている。
 安定して稼働していることに加え、7年という保守期間もメリットになると古郡氏。「深谷市では、システム一式を5年サイクルで更改する運用としていますが、ネットワーク機器が7年保証となっているため、再構築業務を複数年に分散することが可能です。これは市の財政負担を単年度集中から解放することができ、業務停止時間の短縮化や、リスク分散も期待できます」と古郡氏は言う。
 運用面については、AMFおよびAT-Vista Manager EXにより有線・無線を問わず統合管理ができており、「安心感をもって運用できています」(古郡氏)と言う。特にAT-Vista Manager EXは難しい操作もなく直感的にネットワーク状況を把握でき、使い勝手も悪くないと評価している。
 3年目を迎えた深谷市の新しいネットワーク。依然として続くコロナ禍に対応してテレワークの環境整備なども進めながら、ネットワークの改善、拡張も続けていく。
 「国の示す自治体DX推進計画に沿って、すべての自治体は対応しなくてはなりません。私たちはICTの大きな潮流のなかにいる状況です。高品質かつ手頃な価格の製品ラインナップの拡充、信頼あるサプライヤーであること、また手厚いサポートを継続していただくことを期待しております」と古郡氏は今後の展望と期待を語った。
 アライドテレシスは、これからも深谷市のネットワークを、製品や技術、サポートなどの提供を通じて、積極的に支援していく。

導入ネットワーク構成イメージ図

導入企業基本情報

お客様プロフィール

深谷市役所
企画財政部 ICT推進室
情報システム係
情報システム係長
古郡 貴雄氏

自治体名
埼玉県深谷市
市役所所在地
埼玉県深谷市仲町11番1号
世帯数・人口
61,984世帯・141,835人 (2022年11月1日現在)
URL
https://www.city.fukaya.saitama.jp/
取り組み

埼玉県北西部に位置する。2004年1月、深谷市、岡部町、川本町、花園町が合併して誕生。北部は利根川水系の低地で、南部は秩父山地から流れ出た荒川が扇状台地を形成する平坦な地形となっている。「深谷ねぎ」の生産地として有名。またレンガに深いゆかりがあり、「渋沢栄一翁の顕彰とレンガを活かしたまちづくり」を推進している。

パートナー企業基本情報

お客様プロフィール

東日本電信電話株式会社
埼玉事業部
ビジネスイノベーション部
テクニカルソリューション担当
主査
川田 雅文氏

会社名
東日本電信電話株式会社
本社所在地
東京都新宿区西新宿3-19-2
代表者
代表取締役社長 澁谷 直樹
設立
1999年7月
URL
https://www.ntt-east.co.jp/
取り組み

東日本地域における地域電気通信業務およびこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務。

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